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◆不定期日記ログ◆

CATEGORY さすらい

■2024-03-24
肥前国周遊記
グラバー園
 吉野ヶ里遺跡とか出島とか平和公園とかハウステンボスとかに行ってきた記録をまとめました。
肥前国周遊記
https://onesideflat.net/docs/nagasaki.html
 
■2023-10-22
山梨、そして長野
 私はこの数週間に真に驚くべき場所に行っているが、それを記すには仕事が忙しすぎる。


忍野八海
 これは忍野八海。忍野八海は子どものころ両親と行った覚えがある。そのときの車内BGMが中島みゆきの『EAST ASIA』だったことを覚えているが、娘氏は果たしてLUNA SEAだったことを覚えているだろうか。

ハーブ庭園旅日記
 これは河口湖町のハーブ庭園旅日記。入園料無料で各種ハーブに触ることができるうえ、めちゃめちゃオモテナシしてくれるため、お布施としてフジサンを観るためのテラスへの入場券を買った。前述の通り我々は「メディアによく出る河口湖側から見た姿よりも静岡側から見た姿こそが至宝」と強く信じているので、これは本当にお布施である。勘違いするな……お前を認めたわけじゃない……ハーブ園のオモテナシに免じて今は力を貸してやろう……。
 なおここのハーブ庭園の向かいにはワインセラーが併設されており、そこではめちゃめちゃ甘いワインなどを買うことができた。甘口でここまで甘いんだぁ。

彩石の蔵
 去年のやまなし記でも行った彩石の蔵。マインクラフトでよく見る石が売られていた。アメジストブロック、5000円する。
 ふたたび娘氏は宝石探しを試み、1つしか入っていないはずのレア宝石を2つ発掘して最高になった。

善光寺
 これは早朝の善光寺。住職がちょうど本堂から退勤するところで、ひざまづく外国人観光客に祝福を与えていた。
善光寺
 門前でねこがオスモウをとっていたので、撮った。

岩松院
 小布施は栗菓子とホクサイの町だ。これはホクサイゆかりの岩松院にある蛙合戦の池。小林一茶があの有名なハイクを着想した場所らしい。この庭を作った人もまさか一つの俳句がここを聖地にするとは思わなかったであろう。

 私はこの数週間に真に驚くべき場所に行っているが、それを記すには仕事が忙しすぎる。
 
■2023-05-25
およぐぜ沖縄2023
 沖縄に泳ぎに行ってきたので記録したぞ。
およぐぜ沖縄2023
https://onesideflat.net/docs/o978_23.html
 帰りのANAは鬼滅ジェットだった。乗るまで気が付かなかった。
 副操縦士の挨拶として炭治郎くんが頑張っていた。というか竈門少年と煉獄さんと宇髄天元が乗ってる飛行機がド派手に爆発せずに目的地に着くパターンってあるんだ。
 煉獄さんの「ANAがあったら、入りたい!」が炸裂するかと思ったがしなかった。よもやよもやだ。
 
■2023-02-16
\キヲツケロヨー/
 そういえば先月、山梨県の早川町のオンセンに行ってきたんだけど、書くのに手間取っているうちにサイト移転のドタバタで記録し損なっていた。更新することがGoogleさんへの移転アピールにもつながるので書いておこう。


 ワイフが「田舎の小学校をリノベしたオンセンがあるので行こう」という話を持ってきた時には、「田舎の小学校~~? そんなもん日常だったんだが~~? 林間学校が『宿泊訓練』だったんだが~~??」と山から目線のマウンティング態度を隠さない俺だったが、住所が早川町と知って手のひらを鮮やかに返した。

 山梨県早川町ッ!!
 それは、赤石山脈と身延山に挟まれた山間の町だ!
 依然! 人口が1000人を切る限界集落にもかかわらず、町民も行政も「それを活かした観光ができるッ」という目標をいだいていたッ!
 それは嵐のようなすさまじい渇きだったッ!

 そして山中にたたずむ赤沢宿のわびた景観は、あの映画化も決まったNHKドラマ『岸辺露伴は動かない』において、六壁坂村のロケ地として使用されていたのだ!
 聖地巡礼! そのすてきな好奇心がジョジョを行動させたッ!

赤沢宿
 巡礼地を下調べしていて俺はすぐに知ることとなった。
 ここは――『ゆるキャン△』Season2で見たことがあると。

 またしても先回りされているッ! 笛吹川でも! 伊豆でも! 磐田でもッ! 俺たちが行く先々には常になでしことしまりんの影がある! これはいったいッ!?

「旅先のどこにでも現れる少女の影だってェー? そういうの読者は『もうあきたよ』っていうタイプの怪談なんじゃあないのか泉くんッ?」
「それが露伴先生……その少女の出現した場所は……翌年の観光収益が上がってるんですゥーッ! これって読み切りのネタになりませんか?」

赤沢宿
 なお赤沢宿は冬期には観光施設がほぼお休みになる。しまりんの喫した甘酒が欲しければ紅葉の季節に行くと良いだろう。俺はここにたどり着くまでの山道でのすれ違いをあまりしたくないので人がいないときに来た。


 目的の宿「ヴィラ雨畑」は雨畑ダムのほとりにある。ここも当然のように『ゆるキャン△』の舞台であり、しまりんがア゛ア゛ーッてしていたマッサージチェアもそのまま置いてある。
ヴィラ雨畑
 近くの本棚には『ゆるキャン△』が置かれており、これだけ聖地巡礼(不可抗力)を繰り返していて原作を読んでないことを恥じた俺は、宿泊中に13巻まで読破した。回想に知らん犬を紛れこますんじゃあない!

 学校をリノベしただけあって廊下はメチャメチャに寒いが、風呂と部屋はだいぶ暖かい。グランドの雰囲気は小学校のままなので、娘氏はテンションが上がっていた。夏に来れば林間学校気分を味わえるだろう。まあ俺の学校生活に林間学校はなかったがな!!


 翌朝はしまりんの渡っていた、雨畑の吊り橋を見に行った。もう『ゆるキャン△』の聖地巡礼であることを認め、開き直って隠さない。
 しかしここ、「関係者以外は渡らないでください」という古い看板と、聖地巡礼者用の案内とが両方置いてあってよくわからなかった。

 雨畑ダムは言われなければダムとはわからないほど土砂で埋まっていた。後で調べて知ったことだが、雨畑ダムは、ここの汚泥の不法投棄が駿河湾のサクラエビ不漁の原因だとして静岡と山梨がバチバチやりあった舞台なのであった。
 不法投棄は論外として、これだけ土砂が堆積してしまっているともうダムの意味をなさないのではないか。水力発電が持続可能エネルギーでない理由がここにある。日本の山は豪雨ですぐ崩れるので、あらゆるダムは土砂の流入に対して常にコストを支払い続けているのだ。


 帰路、富士川ぞいの52号線を河口まで一気に下りながら、「なでしこが圏外になったってだけでこの距離を原付で駆けつけたしまりんはマジで良い奴」ということを肌で理解した。ゆるキャン、Season3やるのかどうか知らないけど、次は奥大井なんでしょう? 早めに行っとこうかな……。
 
■2022-10-04
やまなし記
 気候がよくなってきたので山梨に行ってきました。

まるいわぶどう園
 この時期の山梨といえばブドウハンティングであり、山梨の観光農園は首都圏からの観光客でたいへん賑わっているのです。食べ放題のブドウ皿があり、気に入った品種をハントして帰ることができます。種なし皮ごとでおなじみのシャインマスカットと、何度聞いても覚えられなかったマスカットベリーAをハントしたところ、ベリーAの単価が異様に安かったので巨峰もハントしてきました。

 次に向かったのは夏に行って「ここにはいつか娘氏を連れてくる」と確信した信玄餅ファクトリーです。もしかしなくても軽井沢からここまで来るのと静岡からここまで来るのは大して変わりません。
 振動によってレーンを進むたくさんの黒蜜ボトルを見ながら「生まれたばかりの黒蜜は前の黒蜜の後を追う習性があるんだね。かわいいね」と説明して満足しました。
 娘氏は『鬼滅の刃』や『ゆるキャン△』の外装の信玄餅を完全無視してシンプルな信玄餅を獲得しました。日本人は「アニメグッズデザイン、キャラクター公式絵に頼りすぎ問題」にそろそろ真面目に取り組むべき。

 ここまで来てしまったからには「笛吹川フルーツ公園→ほったらかし温泉」のコンボをキメなくてはなりません。何の因果か娘氏、3度目の笛吹川フルーツ公園です。温泉は今回は雲一つない晴天で、露天風呂から富士山の山頂が見えました。富士山の先っぽだけ裏から見たってしょんねえら。


 石和の旅籠屋に宿を取り、翌日は気まぐれに近くにあった「彩石の蔵」に立ち寄りました。入場無料のくせに国立科学博物館の宝石展で見たような宝石が遠慮なくドカドカ並んでいるので圧巻でした。アメジストドームってこんなに普通に手に入るものなんだな……。
 その後娘氏は砂利の中から宝石を探すミッションに挑み、カットされたシトリンを手に入れていました。

 帰路に河口湖方面に寄り道し、モダンなおそば屋さんでモダンなおそばを食べたあと、鳴沢氷穴へ向かいました。
 鳴沢氷穴は、じつは4年前の旅で行く予定だったところ直前で取りやめたという事情があり、今回ようやく中を見ることができたという形になります。4年前はコロナもない夏休みだったので周囲はものすごい渋滞でしたが、今回は実にスムーズに入場できました。
鳴沢氷穴
 洞窟自体は広くはありません。しかし狭くて深いのでかなりの冒険感があります。入口に最深部の気温が0度であることを示す看板がありましたが、温度の部分が書き換え不可能になっていたため大雑把な目安だと思われます。半袖でギリギリ耐えられる気温でした。


 ところで、甲州ほうとうのお店でおざら(冷やしほうとう)を食べているときにワイフが気づいたのですが、店内にあった富士山の写真が静岡側から撮ったものだったんですよね。
 まさか……まさか富士山を「メディアによく出る河口湖側から見た姿よりも静岡側から見た姿こそが至宝」と思っているのは俺たちだけで、山梨県民は「別にどの角度から見ても綺麗だよ?」と広い心で構えているのでしょうか。そんなことはあってほしくない。「河口湖から見る富士山こそが最強であり宝永山やら大沢崩れやらはノイズ」と言い放ってほしい。そうして共に高め合う関係であってほしい。どうしたんだよ……お前は終生のライバルであってくれよ……そこで日和られると俺だけが器の狭い静岡県民みたいになってしまいますわ! 煽るなら煽られるのがマナーでしてよ!

「マナーの話をするならば、そもそも隣県民を煽るのがマナー違反なのでは……?」

 一点の曇りもないプロのド正論ですわね……ぐうの音も出ませんわ!
 
■2022-07-21
軽井沢卍リベンジャーズ
 俺史上9年ぶり5度目の軽井沢!!

 2008年にスタートした「軽井沢を拠点になんかする回」にひさびさの復帰を果たしました。娘氏が生まれてから参加していなかったのでゆうに9年のブランクがあります。とはいえここ数年この回そのものが停止されており、ブランクがあるのは全員お互いさまといったところでした。

 久しぶりに参加して感じたのは「パーティメンバーに日記書きを加えていないと、いつどこにいったのかわからなくなる」という事です。「戦力にならない吟遊詩人を追放したSランク冒険者パーティ、ダンジョン攻略順を忘れ崩壊」みたいなラノベはありませんか?

 今回のトピックスとしては、初めて小学生男子が参加しました。娘氏も「アイチャンもついていきたい」と言いましたが、温泉に寄ることが多い関係上、一人で女湯に入らせるわけにはいかないので諦めてもらいました。以下、行ったところをダイジェストで記録しておきます。

■信玄餅ファクトリー

餅もちの社
 まずは南下して山梨へ。ここでは桔梗屋信玄餅の生産ラインをみっちり見学できる。あのビニールの外装は手作業で結ばれていたんだね。考えてみりゃ機械化は難しそうだが、実際にビニールを結ぶラインで働く人々を見るとすごい緻密な仕事をしているなあという思いを新たにした。

 売店では『鬼滅の刃』や『ゆるキャン△』の外装の信玄餅が売っていた。もともと和柄の鬼滅は言うまでもなく、ゆるキャンのほうもテントを模したデザインでうまくハマっていた。
 ただキャラクターが全面にでかくプリントされているのがせっかくのデザイン性を損ねていた。キャラを置いたほうが多くの人にリーチするのであろう。日本人は「アニメグッズデザイン、キャラクター公式絵に頼りすぎ問題」にそろそろ真面目に取り組むべき。

■ほったらかし温泉

 石和温泉の日帰り入浴がコロナで中断されていたため、いちかばちかこちらへ。以前の秩父弾丸旅行のときフルーツ公園の駐車場で苦労した記憶が新しくやや警戒したものの、温泉及びキャンプ場の周辺には十分な駐車場があった。

 快晴であれば露天風呂からは甲府盆地から富士山までが一望できる。霧が立ち込めているので眺望はよくなかったが、我々静岡勢は「富士山の先っぽだけ裏から見たってしょんねえら」というマウンティング・アティチュードで一致していた。
ほっとけや温泉
 ここにはゆるキャン△の連中が訪れており、奇しくも聖地巡礼をする形になったわけだが、これは上記の経緯の通り完全に偶然であり別に聖地巡礼をしているわけではない。俺の行き先にあいつらが先回りしているのだ。
 しかしここまでキャンプ用具持って徒歩で登ってくるの、かなりのフィジカル強者だな……温玉あげは大変美味しゅうございました。

■光前寺

わんこ寺
 駒ケ岳のふもとにあるお寺。思ったよりデカいのでびっくりした。こういう景色を観て「わーゴーストオブツシマみたい」って思っちゃうので本当にだめ。なぜ俺は日本の古刹を洋ゲーにたとえてしまうのか。

 このお寺に祀られている霊犬「早太郎」は我が静岡県では「しっぺい太郎」と呼ばれており、ここからはるばる磐田市まで出張して磐田市民を怪異の手から救ったという伝説があるのである。
 したがって別にゆるキャン△の聖地巡礼をしているわけではなく、磐田市民の感謝の意を伝えるべく……いやこのエピソード知ったのゆるキャンだしな……負けたぜ、この犬どもめ……

■千畳敷カール

 光前寺から少し登ると駒ケ岳の登山コースに至る。途中からバスに乗りかえ、さらにロープウェイに乗り継いで、一気に標高2600mまで行くことができる。
 やたら重装備の人が多いので萎縮してしまうが、それらはここから頂上にアタックする人たちであり、ロープウェイ駅周辺の散策路を歩くだけなら上着を羽織るくらいで十分いける。

 駅は小さなホテルになっていて、こんなところにまでインフラを伸ばしてきた人類の営みに感じ入るばかりである。食堂でカレーをいただく。カレーはアウトドアであればあるほどその風味にバフがかかるという特性があるからだ。

 標高2600mの世界は深い霧に覆われシンピテキを醸し出していた。残念ながら描画半径が8チャンクくらいしかなく、ふもとの景色は見えない。まあ我々のいるワールドは解像度とFPSが無限なうえレイトレーシングも入っているので、レンダリング負荷を考えれば御の字であろう。
 遊歩道はところどころ水没しており、それを見越してか飛び石めいていくつかの敷石が敷かれている。最終的にそれは風雲たけし城の竜神池のような状態になり難易度が高かった。
千畳敷カール
 こういう景色を見ると「わーオープンワールドみたい」って思っちゃうので本当にだめ。たぶんジャンプを駆使するとある程度までは登れるけど、その先はいくら跳ねてもズルーッと戻ってくるタイプのマップの端があると思う。

 なお、ゆるキャンでは駒ケ岳には登っておらず、ふもとの温泉までが聖地となっている。バスとロープウェイで往復4000円かかるのと、あまり登山ジャンルに食い込んでしまうと別の美少女おっさんアニメ(おっさんを美少女アバターに置き換えてわちゃわちゃしている作品を雑に括ったもの)の領域を侵犯してしまうからだ。

■榛名神社

榛名神社
 思ったよりデカい神社でびっくりした。参詣道がかなり長く、石畳で整備されているとはいえ軽いハイキングとなる。道中には七福神の像が置かれている。まさかこいつら7人全員を倒さないとたどり着けないチャンピオンロード方式なのか……? この距離を歩いたのにまだ……3人目だと?
 実際、距離はともかく傾斜がけっこうあるので、下りには注意が必要だった。最後に待ち受ける毘沙門天がラスボスだと思ったらそれはフェイクで、帰り道に最初の随神門の横にあった像が本物の毘沙門天であることに気付いた。ダンジョンの入り口まで戻ってくると真のボスがいるパターンだ。こういうパターンは詰みやすいので勘弁して欲しい。

 本殿のほうでは社殿改修工事が行われており、一部の建物が幕に覆われていたが、参拝やらご祈祷やらは普通に行うことができた。「ハムスターのモロッコがすこやかでありますように」とお賽銭相当のお祈りをした。

 榛名山周辺は『頭文字D』の舞台らしく、聖地巡礼とおぼしきやたらかっこいい車をたびたび見かけた。『頭文字D』についてはまったく履修しておらずちょっともったいない気持ちである。
 とりあえず「藤原とうふ店の人はなぜこのような危険なレースに身を置いているのか?」という疑問を履修者に投げたところ「早く帰宅したかったから」という解答を得てド肝を抜かれた。
 次は「イニシャルがDなのは誰か?」ということを尋ねたかったが、たぶんそれは原作を読んで「タイトル回収~~ッ!!」っていう満足感を得るべきであろう。想像するに、終盤で「お前の本当の苗字は藤原ではない……伝説の走り屋Dの息子なのだ」みたいな展開があるんだと思う。Dの一族の謎……。

■上毛野はにわの里公園

 ここは榛名山からの帰宅ルート上にあるので、わがままを言って旅程に組み込んでもらった。この公園にはあの「平成古墳」があるからだ。
八幡塚古墳
 平成古墳こと保渡田八幡塚古墳は、あの問題作『劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer』でISSAが「お前たちの平成って醜くないか?」という支離滅裂な宣戦布告をキメた場所であり、ここに立っているだけで砂利道のような平成をきれいに舗装し直したくなってくるのである。
 実際に登ってみると、広い芝生公園の中に前方後円墳が存在するのはなかなか非現実的な光景で、「平成生まれだけを吸い込むタイムトンネル」の召喚すらもできてしまうのではないかという全能感があった。どんなミラクルも起き放題、ユニバースフェスティバル……

 コロナ前は、同敷地内の博物館で、埴輪作りのワークショップなども行われていたようだ。博物館内はさまざまな復元埴輪が惜しげもなく並べられていて、直接写真を撮ることもできる。最高だった。

■夜にやったゲーム

  • 『変顔マッチ』は表情筋で戦うゲームであり俺の独壇場だったがこれに勝ち負けはない。人間の尊厳があるだけである。
  • 『ギャラクシーねこのばし』はルールを理解しながら進めた。最終的に雷神がもっとも猫を伸ばして優勝した。
  • 『ペンギンパーティ』は単純ルールで運と戦略のバランスが取れた良ゲー。他人を潰そうとして自分が死ぬのはインガオホー。
  • 『ナルハヤのつるぎ』は高速でパズルを解くゲーム。思ったよりパズル要素が強く、熟練が必要とされた。
  • 『ナンテッタ』はカードの絵からセリフを生み出して、どのカードのセリフか当ててもらうゲーム。「はぁって言うゲーム」の子ども版みたいな印象をうけた。
  • 『こねこばくはつ』はエクストリーム坊主めくり。スキルカードを駆使して坊主の位置を察知し、操作し、次の奴に引かせろ。ところでなんで子猫が爆発するんです?

書き置き
 これは帰ったら居間のドアに貼ってあったメモです。今回の旅を支えてくれた一同に感謝の意を述べて、2022年版の記録を終わろうと思います。
 
■2022-06-16
テント・サマー・ストライク
 初めてのキャンプから2年。我々は次のステップに進むことを計画していた。

 これまでのキャンプはすべてコテージ、ないしはでかいテントがすでに張ってある場所での野営であった。
 最初のキャンプでは寝る場所と食材が提供されていた。次からは調理器具および食材もこちらで用意する形にした。となれば次のステップは寝る場所の自給……つまりテントを用意し、張り、寝るという挑戦になる。
 ワイフは決断的にテントを購入した。以前買った行楽用のポップアップテントではなく、1000HPと100MPを回復する完璧なテントである。

 しかし……ここまでの装備が必要なのだろうか?
 俺が娘とサバイバル体験をしている目的は、第一に災害に備えた宿泊訓練である。さすがに住宅から避難所まであまねく建物が崩壊する大災害、ないしは帝国の侵攻による大破壊は想定していない。仮にそういう状態になったときにこのサイズのテントを取り回せるのは第114代ルシス王くらいであろう。
 したがって、でかいテントを運用するのは目的からはみ出している。だが……もはや、電気の使えるコテージで過ごすことではただの外泊と変わらず、我々の冒険心を真の意味で満たすことはできなくなっていた。百万ドルでも時は止まらない。だから行くのさ……。


 装備を整えた我々は、今まで何度か行った近場のキャンプ場へ向かった。なんと天気予報が直前に我々を裏切り、初回から雨の降りしきる中でのミッションとなる。キャンプ場の管理人からも哀れまれた。早くも心が折れそうになるが、雨が降るからこそ屋根を作る意義があるというもの。風がふきすさぶよりはだいぶマシだ。

 ワイフ総指揮のもと、まずはタープとかいう幕を張っていく。柱となる棒が2本と、何本かのロープが骨組みとして用意されている。……ここは3次元宇宙ではなかったか? 3次元宇宙で棒2本……立体を維持するには軸が足りなさすぎるのでは? 話が違う。
 しかしワイフの指示通り地面にペグを打ち込み、棒の先端につけたロープを張ると、なんと2本の柱はたくましくそびえ立ち、多少の風雨に動ずることなしと見えたり。今回は娘氏に棒を立ててもらいながらロープを張ったけれど、工夫すれば一人でこの立体を成立させることも不可能ではあるまい。大事なのはロープのテンションである。今日の紐はね……テンションしてるぜ!

 タープを張れば雨をよけるスペースができる。同様の仕組みでテントも無事張ることができた。最終的な専有面積がよくわからなかったため位置関係がぐだぐだであるが、たいした問題ではない。あとはコテージの時と同様に、クルマからシートと毛布と寝袋を搬入すれば、今回のミッションである住環境の設営は完了だ。
テント
Our New Gear...
 こうしてただ雨の降りしきるばかりだった荒野に、一時間半ほどかけて人の住む場所が生み出された。なんたる奇跡。まるでブック・オブ・ジェネシスに記された神の技である。

 はじめに神はキャンプ地を創造された。
 キャンプ地は形なく、むなしく、雨がおもてを覆っていた。
 神は「柱あれ」と言われた。すると柱があった。
 神はその柱を見て、良しととされた。
 神はまた言われた、「柱の間に幕があって、屋内と屋外を分けよ」。
 そのようになった。神は天幕を張って、雨と外とを分けられた。
 神はまた言われた、「炭と火は一つ所に集まり、かわいた地が現れよ」。
 そのようになった。神は炭火で肉と野菜を焼き、優勝された。

テント
Our New Gear...
 なにげに今回は飯盒炊飯に挑戦している。ワイフ曰く、ナウいキャンパーたちは英語でメスティンと呼ぶらしい。飯盒の「ごう」の字が見慣れないからこういうことになる。
 火にかけると炊飯時間が難しいところだが、これは旅館などで見る固形燃料を使用し、火が消えるまで放置すれば完全に米が炊き上がるようになっているので、何も考えずともチョーウマイ米が食える。もうこれ弁当箱の代わりに職場に持って行ったらだめかな?(火災報知器が鳴るからだめだヨ!)


 翌日は快晴になったため、テント等が乾くのを待って撤収した。撤収のとき雨だったら後日の乾かしミッションが非常に困難なものになったと思うので、ギリギリ晴れてよかった。
 それはそうと関節と筋肉が痛い。テントは一家が寝るのに十分な床面積があったが、それでも無理な姿勢になるのだろう。やはりHPとMPが全快しないのには理由があるのだなあということがわかった。ギルを惜しんでコテージの代わりにテント5つ買って満足してはいけないな。
 
■2021-11-07
秩父の「ちち」って「父」の方じゃないのかよ
 令和になったときに群馬にキャンプにいったわけだけど、その帰り道にカーナビにしたがってテキトーに走っていたら秩父に迷い込み、そのまま山梨に抜けたことがあった。

 その時は帰り道というだけだったので全くどこにも寄らずに通り過ぎた。ただ「車で3時間半ぶっ飛ばせば静岡から秩父まで行ける」という情報は俺の頭に染み付き、いつか再訪してやろうという思いを燻ぶらせていた。
 その後コロナとかいう奴が長いこと「県境をまたぐな」という社会情勢を作りだし、ようやく感染拡大が一段落したので我々はすばやく秩父行きの計画を立てた!……というのが、ことの始まりである。


 いい感じの土日を見繕い、ワイフに宿を確保してもらったまではよかったが、なんと前日にワイフが風邪を食らってダウンした。
 これは中止やむなしか!? そんなふうに考えていたところワイフより「アイチャンが家にいたらどっちみち寝ていられないから行ってきて」というGOサインが出た。

 そういうわけで、娘氏と二人旅をすることになった。



 娘氏とロングドライブするときの問題点がトイレで、娘氏はもうたいていのトイレは一人で攻略できるので助かるんだが、パパがもよおしたときに男子トイレの前で待っててもらうことには危険がある。
 したがって、外の様子がすぐわかる小さいトイレのある場所を狙うか、あるいは多目的トイレの室内で待っててもらうかの2択であり、この旅では道の駅の多目的トイレを活用することが多かった。

 秩父へ向かう中継地点……というかロングドライブに飽きた娘氏を解放するためのドッグランめいた施設……として、前回荒天の中訪れた笛吹川フルーツ公園に寄る。
 さすがに実りの秋とあって人出がすごく、駐車場がめちゃめちゃに混んでいた。運よく停められたのでよかった。
デデンネ
デデンネ
 この公園はだいぶ高低差がある。時計はそろそろお昼を指しているし、上のほうにフードコートがあることがわかっていたのでサクサク向かいたかったが、娘氏を足止めする魅力的な遊具がたくさんあり、中腹に着くころにはパパは餓死寸前となった。娘氏は娘氏で空腹の限界まで遊具で遊び、ごはんを食べるところまでまだだいぶ登山する必要があることに文句を言っていた。


 遊び疲れた娘氏は「もうホテルいきたい」と苦情を言ってきた。フルーツ公園でだいぶ時間をとったので、このまま秩父へ向かえば宿のチェックインの時間になる。
 山梨から埼玉へ抜ける道はえげつない急カーブが続くが、娘氏は車に酔ったことはない。そしてパパは山道のほうがテンションが上がるタイプのドライバーである。どっちを見ても紅葉が素晴らしい。サクナヒメのサントラをかけて、娘氏と田植え歌を口ずさみながらすいすい進んでいく。

 山道を下ることさらに30分、旅籠屋秩父店にチェックイン。娘氏は「アイチャンはひとりでおんなゆに入るってこと……?」と不安を隠さなかったが、旅籠屋は普通に部屋ごとにユニットバスがあるだけなのでまったくそのような心配は要らない。

 娘氏と出かけるときの問題として「一人前を注文したくせに半分食べて飽きる」という点があり、ファミレス等では大盛をシェアするなどして調整するのだが、未知のお店で未知の食べ物だとこうはいかない。しかも二人旅では娘氏が残したものを食べる人が俺しかいないという計算になる。
 フルーツ公園で1.5人前のほうとうを食べた俺はもう完全にお腹いっぱいだったので、夕飯はもうテキトーに済ますことに決めていた。幸い旅籠屋はとなりがローソンなので食料の心配がない。明るいうちに買い出しをして、コンビニおにぎりを中心とした「わるわる晩御飯」を広げて最高になった。

 そして「あつ森」アップデート済みのニンテンドースイッチをしたり、すずめ雀をしたりして夜は更けていった。



 翌朝は7時に起きた。本日はプリキュアもライダーも戦隊もない悲しみの週だが、放送がなくても体が自動的に起床するようになっているし、娘氏は休日に寝坊することに全く価値を見出していない。
 そして、本来ニチアサの放送が始まる8時半ころには、もう我々は完全にニチアサになっていた。

浦山ダム
 これが親の顔より見た浦山ダム。親の顔をもっと見ろ。
 特に「仮面ライダーゼロワン」でめちゃくちゃ高頻度で見た光景が広がっている。ここに滅亡迅雷のアジトがあることは間違いないし、なんならこのダム湖から暗黒種デーボスが蘇った記憶も薄れていない。毎年戦隊かライダーかどっちかは戦っている場所だろう。
 娘氏はダム湖を見て「おわりのある海だ」と言っていた。

浦山ダム
 ダム湖の奥にある大久保橋に行きたかったが、あいにく通行止めだったので、浦山ダムの下に向かう。ああここは「ゼロワン」でフワがアサルトウルフをこじ開けた駐車場だな。
 娘氏は「階段登りたい」と言い出した。正気か? だが「待ってるから勝手に行ってこい」とは言えぬ。階段500段はスクワット250回に相当する。
 帰りはエレベーターで降りた。ダム内部にあるいろんな展示パネルが観れたので悪くはなかった。



 続いて、さらなるニチアサを求めて秩父ミューズパークへ向かった。
 ミューズパークはさまざまな施設を擁する細長い公園であり、駐車場も用途別に無数に用意されている。とりあえず野外音楽堂に向かえばいいら、と車を走らせていったらすごい奥まったところまで行ってしまった。普通に先端部の方の駐車場を使って、公園内をレンタサイクルで爆走するなどするのが良い楽しみ方だと思う。
秩父ミューズパーク
 これが親の顔より見た野外音楽堂。親の顔をもっと見ろ。ここについては「キラメイジャー」でクランチュラさんが芸術性を発揮するシーンが記憶に新しい。だいたい毎年なんらかの形で見ているので趣がある。
秩父ミューズパーク
 これは親の顔ほど見る機会はないが、出てきたときに印象深いミューズの泉。「オーズ」で伊達さんが初登場したあと爽やかに自己紹介して去っていったのがここだった気がしたんだけど、帰って確認しようと思ったらオーズがアマプラ対象から外れていた。いつまでもあると思うな親とプライムビデオ。

 要所要所に遊具があるので娘氏が退屈しない。だが確実に先ほどのスクワット250回が体力を蝕んでおり、公園の端まで歩いていくのはムリと判断して、いったん車に戻って展望ちびっこ広場の近くの駐車場までファストトラベルした。


 広場で遊んでいるうちに11時を回ったのでお昼を食べて帰ることにする。食べるところは2年前に通り過ぎたときから決めている。
喫茶アルフィー
 喫茶アルフィー……秩父はアルフィーのヒゲの人の故郷であり、この近くに生家があるのだそうだ……。
 しかしアルフィー情報に明るいワイフが欠席で、俺と娘氏だけで入店するのは気が引ける。どうするんだ、ガチのアルフィニストしかやってこない店だったら。入店した瞬間にファッション傾向が全然違う3人のおっさんに囲まれて、「おやおや……一人きりじゃ眠れないSweet Littleシンデレラのおでましか……」みたいなことを言われたら!!

 実際、開店直後で誰もお客がいなかったのでまったく心配なかった。
 店内BGMは当然アルフィーしか流れていない。
 娘氏はピザとガトーショコラを、パパは名物のそばスパゲティとおさつプリンを注文してご満悦になった。娘氏もペロリと平らげてしまったので美味かったようだ。
 秩父での当面の目的を果たしたので、また道の駅で休憩しながら3時間半ぶっとばして静岡に戻った。いつかは大谷石地下採掘場跡とかこもれび森のイバライドとかに行きたいですね。
 
■2020-09-27
宿泊訓練
 GoToキャンペーンだかなんだかがあるので、我々はキャンプ場に宿泊に向かった。もちろん新型コロナウイルス感染症拡大防止のために近場の県内のコテージを予約した。

 ……いちいちこういう但し書きを加えないと外出した記録もままならない社会的空気にうんざりしている。コロナ禍において「それは今やらないといけないことか?」と問われて真正面から肯定できるものは少ない。
 ヤバいと思ってるのが今まで「コロナが収まるまで我慢しよう」と思ってた「やりたいこと」が、だんだん「別にやらなくてもいいな」って思い始めてることで、「やりたいこと」が消えつつある。これがあらゆる趣味に及ぶと鬱まっしぐらなので、なんとかしなければならない。

 さしあたり県内で、かつ濃厚接触者の限られる屋外であれば精神的に言い訳がたつ。とはいえ同じことを考えている奴は多いようで、隣県山梨のキャンプ場が密々の密になってしまった報を受けて気持ちが折れそうになったが、さすがにそこまで混雑するのは例外中の例外のようだった。

ヴィレッジ
今回訪れたキャンプ場
 天気のせいで場内の雰囲気がホラー映画めいている。ワイフいわく今回は本当にコテージに宿泊するだけなので、コンロや卓上七輪など何かを焼く装備を持ち込んでおく必要があるし、マットや毛布も用意する必要がある。コテージの前に車をつけてそれらを随時取り出していく。

 炭に火をつけながら考えた。前に薪を燃やしながら考えたように、これは「昭和」だ。俺の生まれた村では昭和どころか平成のはじめまで、薪を燃やし、ボイラーで水を加熱して湯を沸かしていた。村は文明化され、とっくに抜け出した過去の話のはず。なぜ令和のこの時代にこのようなことをしなければならないのか?
 その答えの一つがサバイバルである。以前考えを改めたように、もはや数日ライフラインが停まるような災害は毎年襲来しており、そのときにキャンプを趣味としていれば、炭やコンロなどをサバイバルの選択肢として活用することができる。マットと寝袋で眠る練習をしておけば、避難所に押し込められても精神的にタフでいられるだろう。
 だから俺は特に山や自然が好きというわけでもないのにこんなことをしている……そう、これは「宿泊訓練」なのだ……。


 「宿泊訓練」……大人になって誰もその単語を知らなかったので驚いた。
 「林間学校」というのはアニメやゲームの学園モノにだけあるイベントだと思っていた。俺の村の学校にはそんなものはなかった。代わりにあったのが、学校の校庭にテントを張り飯盒炊飯をする「宿泊訓練」だった。今になってみればアレが林間学校だったのだ。もともと学校が林間にあるというだけだったのだ……!

 よくもぼくをォ!! だましたなァ!!
 よくもだましたアアアア!! だましてくれたなアアアアア!!
 
■2019-08-27
東伊豆記
 静岡県のかなり南東のほうまで一泊旅行に行ってきた。行ったのは伊豆白浜海岸、伊豆ぐらんぱる公園、河津バガテル公園、体感型動物園iZoo、河津七滝。


 下田市の伊豆白浜海岸はとにかく砂が美しかった。もはや砂浜全体が俺たちのキネティックサンドと化しており、我々一家は砂まみれとなった。
 ここには海の家も何もないので行くならテントが必要である。あいにくの曇天だったが逆にそれが過ごしやすくてよかった。

 伊豆ぐらんぱる公園は夜のグランイルミを見に行った。
 これは夏と冬の時期にやっているLEDの暴力である。
グランイルミ
グランイルミ
 
 ここで威力を発揮したのが新スマホンであるGoogle Pixel 3aで、特別な設定をせずともこのような暗い環境でバシバシ写真が撮れてしまう。Pixel 3aはレンズはただのスマホンと大差ないが、Google社の脅威のAIが撮った画をいい感じに勝手に補正するのだ。
 一部のアトラクションと無料の遊具は昼間と同様に稼働しているため、娘氏は夜の公園で最高になった。
 夜の遊園地でゴーカート乗ったらすごく楽しいと思いません? すごく楽しかったです。あと伊豆高原は超涼しい。


 河津バガテル公園は夏は完全にシーズンオフであり、なんとローズガーデン入場料が破格の7割引き。
 公式blog自ら「思っているより花の数はあると思いますので、海が荒れて泳げないときにお立ち寄りください」というくらいシーズンオフだったが、思っているより花の数はあった。


 伊豆アンディランド(現・体感型動物園iZoo)については娘氏が強い意志で行くと主張するのでおそるおそる向かった。
 何度も「ヘビとトカゲとカメしかいないよ??」と念を押したが娘氏はニチアサCMで全て承知の上のようだった。
 ここには夥しい数のカメが暮らす池があり、一般のご家庭で飼えなくなったカメを受け入れていたらこのありさまなんだそうだ。カメは長寿なので責任をもって飼おう!


 河津七滝かわづななだるは完全にアドリブで立ち寄ったんだけど、ここはでかい滝を拝みに行くというよりは、複数の滝がある渓流の遊歩道を散策する感じのスポットであった。訪れてみて初めて知った。
 とても涼しくてマイナスイオンにあふれ、地球の裏側に大量のプラスイオンが投棄されてしまうのではないかというレベルの快適さだった。
初景滝
初景滝
 
 当初は、駐車場から平坦な道(500mほど)で行ける初景滝までを見て引き返すつもりだったが、娘氏が強い意志で「階段のぼる」と言うので、その先の山道に足を踏み入れることになった。
 山道は傾斜は厳しいものの、実際はほとんどコンクリで固められているため快適に進めた。


 帰りは開通したばかりの天城北道路(無料区間)をぶっ飛ばした。
 この調子で伊豆縦貫自動車道が早く完成するといいのにな。
 
■2019-06-18
キッザニア入国記
 ハイそういうわけで今回は常夜の国キッザニアに入国してみたいと思うんですけれども。
キッザニア
キッザニア東京
 キッザニアは子ども向けにチューニングされたお仕事に挑戦できるテーマパークです。
 お仕事のパビリオンは職業は科学者・医者・警察・ダンサー・時の王者など多岐にわたるので、事前にワイフがガイドブックを入手し、娘氏に「やってみたいお仕事にふせんをつけてみて」といって渡しました。
 ガイドブックはすぐに帰ってきました。

るるぶ
ぎっしり
 さすがにそれは無理。

 実際のところ、お仕事自体は30~40分で終わるんですが、パビリオンに行って予約して予約時間を待って……というムーブを繰り返すので1時間に1つがいいとこだと思いました。



 キッザニアガチ勢や都会野郎は、人気のお仕事を確実にゲットするため開園時間前に列をなすと聞きます……だが高速ブッとばして片道2時間半かかる我々には関係のない話。スパッと割り切って開園1時間後に余裕の到着です。

 娘氏はまず銀行へ行って口座を作りました。原則としてお店や職場には大人が入店できないので、それらすべての手続きは娘氏がソロで戦わなければなりません。とはいえあっちもプロなので滞りなく手続きできました。いったいどうやったんだ。
 口座は別に最初に作る必要はありませんが、やるとおさいふが貰えるのでやったほうがいいです。予約の待ち時間とかにやるといいんじゃないでしょうか。

 娘氏は最初、警官か警備員がやりたいという珍しい要望を出していましたが、結局目の前に現れたDOLEのバナナハウスに吸い込まれていき、バナナをもぐなどの研修を受けている間に優先順位などどうでもよくなってしまったようです。その後、ヤクルトの研究員やら消防士やら外科医やら発明工房やらを満喫して、稼いだぺリカでカワイイなシールを買ってニッコニコでおうちに帰りました。



 そしてパパチャンは帰りの車で考えました。
 ……キッザニアのお仕事受付システムは、単純なようでなかなか難しい。Webサイトの「ご利用ガイド」の記述と、実際の運用を見たのを合わせると、だいたい以下のような感じだ。

  • JOBスケジュールカードを持った子ども本人が、目的のお仕事のパビリオンへ行って受付をする。
  • 次の体験開始時間の定員に空きがある場合は、指定の位置に並んで体験開始時間を待つ。
  • 空きがない場合、もしくは次の体験開始まで時間がある場合は予約を入れることができる。予約を入れた場合は列に並ぶ必要はなく、スケジュールカードに記入された集合時間までに戻ってくればよい。
  • お仕事を1つ予約すると、それが終わるまで他のお仕事を予約できない。定員に空きのあるお仕事は受けられるが、集合時間までに終わるものに限られる。
  • 予約時間は指定できない。直近の空きがある体験開始時間に予約される。

 以上のルールを、各パビリオンの受付の人が子どものスケジュールカードを見て適用する。

 したがって、親御さんが気にかかるのは「今待たずに入れるお仕事は何か」という情報となる。
 しかしそれは各パビリオンに行って、次の体験開始時間(正確には直近の空きがある体験開始時間)の示された札を確認しなければならない。
 そのため、頻繁に予定を確認できる大通りに面したパビリオンは予約が埋まりやすくなる……と思われる。園内はたいして広くないが、この仕様によって立地格差が生まれている。

 なんかちょっとした電子化でこの問題はすぐに解決しそうな気がするけれど、それをやってないということは、あえてアナログにしているのだろう。紙のカードに集約することにより、子どもが常に自分の状況を把握できるようになっているとか、そういう何らかの意図があるに違いない。
 それでも予約状況くらいはどっかで一覧できても……。



 これはアレだな、15分ごとぐらいに子どもが全パビリオンを回って、看板に書かれた体験開始時間を端末に入力して回る「データ入力者」というアルバイトアクティビティを開設すればちょうどいい塩梅になるのでは? 「半端な電子化をしたせいで逆に現場の仕事が増える」みたいなことは我々大人の世界でもよくある話だし。
 
■2019-05-02
俺キャン!
 娘氏にアウトドア生活を嗜ませたいというワイフの計画により、我々はこの大型連休にキャンプに出掛けた。
 事前準備として我々はアニメ『ゆるキャン△』全話をあらかじめ視聴し、最低限の知識を身に付けた。アウトドアには危険が潜む。備えすぎるということはない。
俺キャン! ~平成から令和へ~
http://one.cside.to/flat/docs/orecan.html
 あばよ平成、よろしく令和。
 
■2019-03-16
台北天国
 娘氏の初めての海外旅行として、我々一家は台湾へと向かった。例によって旅程は台湾渡航5回目のワイフが全部決めてくれた。台湾にはスギもヒノキもないので花粉症の薬は全部置いていった。以下、行ったところや食べたものを記録しておく。
生きもの地球奇行・台北天国
http://one.cside.to/flat/docs/taipei19.html
 例によって一枚のhtmlにおさめてしまったので、ちょっと容量多めでお送りします。
 
■2018-12-25
おかしこうじょうのひみつ
 クリスマスなので「明治なるほどファクトリー東海」に工場見学に行ってきた。
 もはやクリスマスは1ミリも関係ない。

おかし
 実はここには大学の授業で訪れたことがあり、そのときの様子が当時の日記に残されている。
 これは当サイトのログの中でも最も古いもののひとつであり、17年前のことが今と同じ形式で参照できるという点に自分でも驚きを禁じ得ない。……17年前~~!!? 俺が二十歳だってェー!!?


 ひとしきり自分で驚いたあと、相変わらずEテレ風に作られた解説動画を鑑賞し、我々一家は工場内へと向かった。
 工場内では明治ミルクチョコレートBOXの製造ラインと、アーモンドチョコレートのアーモンドの秘密、そして果汁グミの製造概要を見ることができた。娘氏はその場でおいしいチョコやグミが出てくるのでニッコニコだった。

 しかし俺は17年前のことを思い出していた。17年前はここであっつあつのカールが喰えたのである。そう……カール……神聖ローマ皇帝シャルルマーニュの名を冠する菓子界の帝王は去年、東日本から姿を消した……。その製造ラインがあったところは今は果汁グミのラインである。国破れてグミが在り、城春にして果汁深し。
 あっつあつのカールが喰えるというのは、ここ以外ではできない、いわばプレミアムな体験であった。いくらミルクチョコレートや果汁グミが喰えるといってもそれは冷えて固まったものであり、店頭で購入できるものとほぼ変わりない。あっつあつのメルティーキッスを食らったら内臓がメルトしかねないので仕方ないが、やはり寂しい。


 とはいえですね、予約さえすれば無料で工場見学ができちまって、そのうえお土産のお菓子まで貰えちまうというお得なプランなので、お近くに工場がある人は是非行くといいと思います。
 
■2018-07-19
カオスのしもべ
 酷暑の通勤に疲れ果てた俺は温泉を求めた。
 そして手頃な近さにある山梨県の下部温泉へと向かった。

 近くには何度か訪れている山梨県富士川クラフトパークがある。山梨県は平成の合併によって2009年に静岡県が手放した「富士川町」という名前を翌年に秒速で収奪しており静岡県民の感情を逆撫でしたが、クラフトパークは富士川町でなく身延町にあるのでこの件とは関係ない。

 クラフトパークは広い公園になっている。しかし当日は全国的に殺人的な暑さだったため、のんきに散歩などしたら命がない。できるだけ外に出ない方向で動いた。

和紙制作中
 500円で和紙をすいて葉書を作れるので、娘氏総監督のもと和紙をすいた。無軌道きわまりない着色だったが、それなりのものができてしまうのが和紙の不思議さである。


 とにかく気温がやばい。我々は日の高いうちから下部温泉に向かうことにした。下部温泉郷はこんな狭い土地によくぞここまで、という感じに建物が密集している。むしろ温泉以外何もないといっても過言ではない。それゆえ温泉を求める人にはうってつけのロケーションである。

 今回のお宿は裕貴屋さん。近隣に山田温泉というお店(廃業していた)があり、なぜかゴーカイブルーの姿がチラつくが当然まったく関係ない。

裕貴屋
 裕貴屋さんは築100年というド迫力の木造建築で、狭い温泉街にありがちな、増改築による複雑怪奇な構造をしている。こういうの探索してどういう増築をしてきたのか想像するのホント最高なんだけど、驚くべきことにここはストリートビューで女湯の奥まで入れる。オイオイ桃鉄でも女湯覗くのにえらい手続きが要るのにいいのかよ。いいらしいのでみんなもレッツピーピング

 さて、早い時間にチェックインしたので、我々はさっそく家族露天風呂のひとつを占拠した。娘氏は40度近くまで沸かされた温泉には決して近寄ろうとしなかったので、やむを得ず水でうすめてぶっかけてやった。
 娘氏は温泉そのものより、温泉にうかぶ竹炭が気になるらしく、「なんですみが固まってるの~~? すみはイカやタコがはくものでしょ~~?」と素朴な疑問を口にしていた。そうなんだよな~~炭と墨は違うんだよな~~むずかしくてわかんないかな~~。

 家族風呂は沸かされたものだが、ここには源泉(30℃)そのままの洞窟風呂も存在する。その名の通り地下にあり照明も最小限で、ロマン溢れるロケーションで水風呂に浸れる。この災害クラスの酷暑において最高のレジャーといえよう。
 強いて言えば壁の向こうから娘氏が知らないおばちゃんにちやほやされている声が聞こえてくる点がロマンに欠けていた。


 さらに素晴らしい点として、玄関近くの部屋にレトロな冷蔵庫が置いてあり、その中に並んでいる多種多様な葡萄酒とぶどうジュースがセルフサービスで飲み放題という点が挙げられる。辛口も甘口も赤も白も好きな量だけ出して飲める……しかもデカンタで部屋に持ち込んでもいいと……あなたならどうする? 最高だった……。
 娘氏はこのコーナーになぜか置かれているマシュマロをたいそう気に入り、パパチャンはたびたびここに連れてこられるはめになった。


 お部屋にオシャレなコーヒーミルがあり、たいそう良い香りの豆が付属していた。朝ひとっ風呂浴びるまえに、せっかくなので挽いて淹れた。ミルクと砂糖を入れて娘氏にも勧めたところ、意外と悪くない反応だった。しかし「まあ初めてのコーヒーだしこんなもんだよね」とちょっと目を離しているスキに娘氏は我々二人の分を飲み干していた。

 しびれるような香りいっぱいの琥珀色した飲み物を大量に摂取した娘氏は、やがて心うきうき、とても不思議なこのムードになり、たちまちお部屋で飛んだり跳ねたりし始めた。みんな陽気に飲んで踊ろう愛のコーヒールンバ。

 ……数時間後、旅館をチェックアウトするころには、娘氏は「オナカイタイ」と「ゲーデソウ」しかいわない可哀そうな子になっていた。
 我々は以降の旅程をすべて諦めてまっすぐおうちに帰りましたとさ。おしまい。
 
■2018-07-08
ようこそサファリパークへ
 ニチアサ視聴後に気が向いたので、我々一家は富士サファリパークへ向かった!

 日曜のヒーロータイムが10時終了になってずいぶん経つが、朝10時という時間は子ども連れの家族が「さて今日はなにをしよう」と思い立つにはあまりにも遅すぎる。ぐずぐずしていると「お昼食べてからでいいか」となるのは必定。9時終了ならば「じゃあテンションも上がったしこれから出かけよう、お昼は現地で食べよう」となっているはずなので、ヒーロータイムの移動は確実に日本のGDPを落としており、国際競争力を削ぐ亡国の政策であるといえる。このような悲劇を防ぐためにも政権交代だ。
 ところが我々は富士山のふもとに住んでいるため、朝10時にサファリパーク行こうと思ったら即行けちまうんだ! つまり政権批判は無効! 残念でした~~ッ!



 というわけでWelcome to ようこそサファリパーク! 前回訪れたときは娘氏がまだ1歳7ヶ月だったので「いっぱーい」「いっぱいだねェー」と言うのが精いっぱいだったわけですが、今回はクルマの中を縦横無尽に動き回り「次はなにゾーン?」「次はなにゾーン?」とドッタンバッタン大騒ぎでした。自家用車とサファリバスで2周しちゃったぜ。

くまさん
 やっぱり一番やばいのはクマだと思うんですよね。こいつらには賢さがある。相対してみて、これにイクサを挑む不死身の杉本はマジ不死身だと思ったし、不敗の牛山はマジ不敗だと思いました。前回はファークライの影響でクマはんぱねぇって思ってましたが、今回はゴールデンカムイも読んでるのでよりいっそうクマを身近な危機として感じることができます。

らいおんさん
 次にライオンですね。もうライオンについては皮鎧と青銅の武器だけ持たされて円形闘技場でタイマンやったら勝てるか否かという面しか見ていません。これはファークライではなくアサシンクリードの影響です。ファークライなら銃器があるんですが紀元前のアサシンはそういうのないので、純粋にフィジカルの戦いになります。とてもつらい。

アカチャン
 しかしごらんください、今サファリパークはライオンの赤ちゃんの話で持ち切りなのです。なぜあんなに恐ろしい動物の幼体がこんなにカワイイ必要があるのでしょう。やはり母ライオンも赤ちゃんがカワイイほうがやる気が高まるのでしょうか。常に口角が上がってるのでウッキウキでニッコニコの顔に見えとてもやばい。ところで「しまじろう」におけるガオガオさんとライオンポリスは同じライオンなのに作画が違いすぎてウケる。



 娘氏はカピバラさんとかカンガルーとか、比較的大きな動物にも怖れずナデナデしに行っていた。年老いたカンガルーをナデナデしていたらギャル数人に「すみませーんシャッターお願いしますー」って言われたので承諾したところ、娘氏は当然のようにギャル側に行ってピースしていたのでパパは苦笑い。