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◆不定期日記ログ◆

LOG 2021-12

■2021-12-04
エスパルスは清水だろうが
 「エスパルスのある街 静岡」という看板を見るたびに、清水市で生まれた俺の心がかき乱される。
エスパルスのある街 静岡
撮影:静岡市役所葵区役所裏

 ご存じの通り2003年に清水市は静岡市と合併し、地図から市名が消えた。そのときのことは弊サイトにも記録されている。
 いまさら合併についてどうこう言うことはない。合併して名前が消えることも仕方のないことだった。
 しかし「清水エスパルスは静岡市のサッカーチームです!」と正面から言われると……いくさに敗れ……何もかもを略奪される弱者の気持ち……そんなものがこみあげてくる。清水だろうがっ……! エスパルスは清水だろうがっ……!

 だが、静岡市にはこれをアピールしなければならない理由があるということに最近気づいた。
 「チーム名に冠している地名と、ホームタウンの市町村名が異なるサッカーチーム」というのがほとんどないからだ。
 清水エスパルスというチームが存在しつづける限り、他県の人々からはまだ清水市があるように見えているということで、ここを静岡市がなんとかしたいと思うのも当然のことである。

 ということで、今J1にどのチームがいるのかも全く把握していない俺が、Wikipediaの知識だけでJ3までのチームを洗い出し、チーム名の地名とホームタウンの地名が一致していない例について調べたのでまとめておきたい。


 清水と境遇が似ているのが浦和レッズ大宮アルディージャで、浦和市と大宮市が合併してなんかひらがなの「さ」の書体の主張が強い市名になってしまったためにこうなっている。市内に大宮区・浦和区がある点も似ている。浦和のホームグラウンドは浦和区にないようだが。

 湘南ベルマーレ(平塚市ほか)については今でも「ベルマーレ平塚だろ」という気持ちが強い。広域ホームタウンが認められたのをいいことにオシャレな地名を名乗りやがって……と思って調べたら元々湘南だったらしい。加入時のJリーグの規定により「平塚」で加入せざるを得なかったのか。なら仕方ないか。

 ガンバ大阪(吹田市ほか)はなぜ「ガンバ吹田」じゃなかったのか。しかもお隣の大阪市にセレッソが存在しているのに、一足先にJリーグに「大阪」で登録するなんて、これは血なまぐさい戦争があったんじゃないか……? と思ったが、どうやらあまり違和感を持たれていないようだ。セレッソが大阪市、ガンバが大阪府北部という受け持ちなんだろうか。

 栃木FC(宇都宮市)もなんで栃木なの……? 愛媛FCは松山市だけでなく愛媛県全域をホームタウンとしているらしいのでそういうことなの? 県内の他のクラブチームが隆盛したら戦争になるよ? 同じ県内全域をホームタウンとしながら堂々と名古屋を名乗っているグランパスを見習った方がいい。名古屋って何県だっけ?

 そして歴史的に最強なのがカマタマーレ讃岐(高松市)とFC琉球(沖縄市)で、過去の国名を使うことで現在の面倒なイザコザをすべて無視することができる。ただ「清水」を「駿河」に変えることができるのなら、合併のときに静岡市は駿河市になっていたであろう。


 チーム名とホームタウンが異なる例はそこそこあることがわかった。特にさいたま市の2チームは盲点だった。つまり冒頭で述べたように、県外の人にとっては「清水エスパルス」がある限り清水市が健在であるように見えている可能性が高い、ということを自らの脳で実証してしまった感がある。フォーエバー清水市、フォーエバー清水エスパルス。
 
■2021-12-16
最近のデジタル音楽生活
 以前「真理」にたどり着いてしまった携帯用音楽プレイヤー環境であるが、現在は誠に遺憾ながらこの真理を放棄し、ビッグ・テックの暗黒メガコーポにおもねり、スマホンで音楽を聴いている。

 なぜ屈してしまったかといえば、10月に買ったambieの完全ワイヤレスイヤーカフ型イヤホン(通称オオグンタマ)が非常に使い勝手がよいから……としか言いようがない。
 以前使っていたbluetoothイヤホンで学んだ「マルチペアリングだからといって接続先をホイホイ増やすべきでない」という教訓のもと、オオグンタマは常に電源の入っているスマホンにのみペアリングしているため、もう音楽はスマホンで聴くしかなくなったのだ。


 そして実際にスマホンで音楽を聴いてみると、スマホンを使わない理由だった「メモリと容量とバッテリーの問題」がたいした問題にならないことがわかった。というか最近始まったピクミンGOがポケモンGOと比べてもメモリとバッテリーとパケットをバカ食いするので完全に誤差になった。

 再生アプリはFrolomuseを使っている。といっても厳選の末これにしたわけではなく、「無料で」「広告がうるさくなく」「フォルダ再生ができる」という条件でとりあえずインストールしてみて、特に不満点がなかったので使っている。
 もはや音楽シーンは完全にサブスクありきで動いているため、「音楽再生アプリ」というジャンルがいつまで存在しているかはわからないが、当面はこれで行こうと考えている。

 Androidでは音楽再生アプリが通知欄に常駐し、いかなる時でも音楽をかぶせられるということがわかったのも大きかった。当然画面を消しても再生は続く。スマートフォン……スマートすぎやしないかね?
 この機能を使うことで、BGMの音量を絞ってあるポケモンGOを立ち上げながら、BGMとしてThe 8-Bit BigBandのPokemon Trainer Battleを流しておく……なんてことが普通にできてしまう。なるほどこれは想定と違った。こりゃみんなスマホンで音楽を聴くわけだ。

 当面の問題として容量の不安がある。俺のPixel 3aはもう各種アプリでストレージがパンパンであり、かつマイクロSDを足すことができないので、音楽ファイルに割ける容量は独立したプレイヤーに劣る。機種変を待つしかない。ロマサガRSクンは使いもしないBGMをバキバキ追加するなら音楽プレイヤーモードを実装してくれ。


 ところで、完全無欠かと思われたオオグンタマことイヤーカフ型イヤホンだが、この季節になって「酷寒の街路を歩いて帰ってきたあと耳から外そうとすると寒すぎて耳がちぎれる」という最大の弱点が明らかになった。イヤーカフの上にイヤーマフをしなければならないのか? もうそれはヘッドホンなのでは?
 
■2021-12-22
Unlimited Blade Works
 Fate/stay night [Unlimited Blade Works]を観おわりました。
 いままでFateシリーズは未履修だったので、まさに「履修した」という気持ちでいっぱいです。


 Fateについてはもはやオタクの基礎教養と位置付けられており、未履修の俺でも地面におびただしい量の剣がぶっささっていたら「アッ! 無限の剣製アンリミテッドブレイドワークスだ!」と理解してしまうレベルで受動喫煙しています。

 なので、そんな環境で15年以上ものほほんと暮らしていて、サーヴァント・アーチャーの正体についてのネタバレを踏まずにここまで生きてこれたのは奇跡的なことだと言えましょう。
 Fate界隈では「サーヴァントの真名のネタバレは極刑」みたいな掟があるのでしょうか。そういえばFGOでも真名を伏せている鯖は新茶とかレジライとか言われ続けてるし、そういうことなのでしょう。

 もっとも驚いたのは「体が剣で出来ている人はセイバーではなかった」ということです。セイバーの体が剣で出来てないとか嘘でしょ……? セイバーなのに……?
 あと「エミヤ君とイリヤちゃんは特に血縁関係とかなかった」という事実も衝撃的でした。だってよぉ……名前が似てるしよぉ……。

 アニメとしては背景美術とかめちゃ美しくて凄かったんですが、重要で長大な設定が明かされる回とかは「だいぶ長時間キャラが立ったままレスバしてるだけ」みたいな展開が散見され苦労を感じました。原作がノベルゲーなので仕方のないことです。とはいえめちゃめちゃな長セリフでも諏訪部ボイスでねっとりと聴かされるとスッと頭に入ってくるというのは発見でした。
 さしあたり「Fateは文学」という名言を心に刻むことにしました。履修出来てよかった。
 
■2021-12-25
アバロンには雪が降らない
 2021年のクリスマスに、『ロマサガRS』にロマサガ2よりクリスマス衣装の最終皇帝(女)が実装された。
 以下にキャラクターのフレーバーテキストを転載する。

アバロンには雪が降りません。それでも、この祭りの意味は分かります。厳しい冬の寒さの中でも、希望を捨てずに来る年の幸せを信じる。バレンヌ帝国の人々はずっと、耐え続けてきたのですから。

@romasaga_rs 2021年12月20日

 「アバロンには雪が降らない」……本当か?

 ロマサガ2は、バレンヌ帝国首都アバロンの酒場で詩人が物語をしているシーンから始まる。酒場はれんが造りで、立派なじゅうたんが敷いてあり、でかい暖炉には火が入っている。
 ゲーム開始直後のこの描写により、我々は「アバロンは寒冷地にある」というイメージを刻み込まれた。

 だが……今になって……最終皇帝自ら「アバロンには雪が降らない」とおっしゃる。
 この詩人の語りは最終皇帝の時代なので、長いバレンヌ帝国の歴史で気候が変わったということもない。
 皇帝陛下が「降らない」というならそれを信じるほかない。


 れんが造りの建物にでかい暖炉を据え付ける必要があるほどの寒冷地で、雪が降らないというならば、それは「冬の降水量が極端に少ない」ということを意味する。
 わが国においても本州の太平洋側では、冬季に大陸から吹いてくる季節風が、本州中央の山脈を越える際に湿度を雪としてすっかり落としてしまうので、基本的に乾燥している。
 特に静岡県においては複数の山脈が湿った風の到来を阻んでいるため、気温が氷点下になっても雪が降ることはまずない。年末に富士山がまったく冠雪していなかったことすらある。

 ではアバロン周辺の季節風はどうなっているのか。
 たしか冬季の季節風ってやつは、大陸より海洋のほうが暖かくなるので、海洋上に上昇気流が生まれ、大陸から海洋へ向かって風が吹く……というような仕組みだったと思う。というわけでワールドマップを見てみる。
ワールドマップ
海と山脈をおおまかに示した地図
 余談になるが、ロマサガ1と2のワールドマップは「南が寒い」という珍しい特徴がある。
 ロマサガ1は北にワロン島などがあり南半球の世界であることがわかりやすかったが、ロマサガ2はマップの中央付近に砂漠やジャングルがあるため、さらに広域のものである。「本当に地図の上が北なのか?」という疑問については「北バレンヌ・南バレンヌという地名がある以上は北が上」という程度の回答しかできない。地図作成の技術がそこまで発達しておらず、東のほうが大きくゆがんでいるなどの可能性を考慮すべきであろう。


 アバロンの気候についての話に戻ろう。
 アバロンは北に突き出した半島の西岸に位置する。このような地形で、かつ暖炉が必要なほどの寒冷地で、雪が降らないなんてことがあるだろうか?

 考えられる可能性としては……ロンギット海の気象影響があまりなく、冬季は大陸側(南)から海(北)へ風が吹くようになっていて、その風はルドン高原の前後で雪を降らせてすっかり湿度を落とし、アバロンへはルドン高原から冷たいからっ風が吹き下ろしてくる……つまり冬季のアバロンはルドンおろしが吹きすさぶ気候となる……のではないか?
 いや正直無理がある説だとは思う。地図のゆがみを考慮すればもっと現実味のある説がいくらでも出そうだ。ただ「ルドンおろし」という言葉を作りたかっただけでは? と言われれば否定はできない。


 というわけで「アバロンには雪が降らないというのは本当か?」という疑問に対しての答えとしては、
  • アバロンの冬はルドンおろしが吹く乾いた気候なので、雪は降らない。
  • 空を支配するワグナスが、不思議な力でアバロン上空の湿った空気をチカパ山方面に奪っている。
  • 実は最終皇帝はアバロンの生まれでなく、かつ政務でほぼアバロンに滞在しないので、ノリで適当なことを言っている。
  • アバロンは実際温暖で、北バレンヌの人々は暖炉を暖房設備というよりは「屋根への通路」「隠し部屋の入口」として認識している。
 ……などが考えられる。今後さらなる研究・発見があることを期待したい。ロマサガ2がミンストレルソング2としてフルリメイクされるなどすれば可能性はあるぞ。
 
■2021-12-29
對馬國ことはじめ
 今月、急にワイフが「Ghost of Tsushima」を買ってきたのでプレイしている。
 ワイフが急にオープンワールド買ってくることってある? いやあったわ2年前。

 ゴーストオブツシマの説明は必要だろうか。去年さまざまな賞を受賞した元寇オープンワールドゲームなのでご存じの方が多かろう。元寇については以前勉強したので、ちゃんと覚えて帰ってくださいね。
#PS4share
※ロゴは捏造です
 発売当初、俺に入ってきた情報としては、
  • 和ゲーではなく洋ゲーである
  • 和歌を詠むミニゲームがある
  • いつでも尺八が吹ける
  • てつはうが投げられる
 というところであり、特に下のほうの情報は非常に刺激的だった。「てつはうが投げられるよ」って聞いて奮い立たない男子おるか? ただそのときは別のオープンワールドを抱えていたので見送った。オープンワールドを複数並立するのは脳への負担が大きいからである。

 とはいえ……オブツシマを初めてすぐに娘氏が「これアーロイさんのゲーム?」と看破したように、他のオープンワールドと比較してそれほど尖ったシステムを積んでいるわけではない。サムライとしての誉を捨ててアサシンめいたことをしなければ蒙古相手に立ち回ることは難しいので、やってることはアサシンクリードやホラゼロとそう大きく違わない。

 草むらに隠れて弓でヘッドショットを狙ったり、獣の皮を集めて矢筒を拡張したりするムーブはもう説明なしでも理解できるくらい手になじんでいる。おおっと、だが鹿を狩るのはだめだ。特に説明はないが、鹿はブディズムにおけるホーリーアニマルであり、手厚く保護されているからだ。古事記にも書いてある。

#PS4share
 スキルポイントで強スキルを開放していく流れもおなじみのものだ。したがって、こういうゲームでは煙幕がめちゃめちゃ強いということも完全に理解しているが、しかし……それが「てつはう」との選択なら……てつはうを選ばざるを得ないだろう。煙幕ならアサシンクリードで飽きるほど投げた。だがてつはうを投げられるのはこのオブツシマだけだ。

 スライドパッドを下にスライドするだけでいつでもオジギができるのも素晴らしい。鎌倉時代は修羅の国なので、武力を持たない農民の凄惨な死体がそのへんにごろごろ放置されている。fallout4で日常的にみられる光景だ。だがオブツシマではそれらの死体にオジギすることで弔いの言葉をかけることができるのである。ワビサビ!
#PS4share
 なおこれらのエモートアクションはあまりにも手軽に出せるため誤入力を招きやすい。オジギしようとしたら無言で尺八を吹き始めたり、蒙古を成敗して納刀しようとしたら尺八を吹き始めたりすることも時にはある。

#PS4share
 先ほど「それほど尖ったシステムを積んでいるわけではない」と評したが、剣劇アクションについては他の作品とは一線を画すくらい手触りが良い。ちまちま暗殺せずとも一対多のチャンバラでじりじりとした静と動の展開を味わえる。サムライムービーめいている。
 だが……蒙古に対して数で圧倒的に劣る拙者は、まず逃げるでござる。正確には逃げるフリをするでござるよ。蒙古は当然追ってくるが、意外と走る速度にバラつきがないので、自然、まとまって追いついてくる事になる。そこを狙って振り返りざまに鎌倉てつはう大爆撃でござる。そして蒙古の拠点からてつはうを奪う。これを繰り返せば無事蒙古を全滅させられるという訳でござるよ。

 そういうわけでうちの境井さんは、早々に武士としての誉れを捨て「正々堂々の一騎撃ちで一人斬ったら危険物を投擲しまくってくる狂人」として対馬を駆けまわっている。
 せっかく海外のメーカーがここまでのワビサビを表現してくれたのに申し訳ないが、てつはうが投げられるんなら仕方ない。それに加えとりもち玉(設置型てつはう)も解禁され、よりてつはうを理解することを求められているのだ。これももののふの道なのだ。