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◆不定期日記ログ◆

LOG 2012-03

■2012-03-01
胡蝶の夢
 先日、初めて金縛りというものを体験した。

 目が覚めると体が動かない。
 昼寝の最中だったので部屋は明るく、天井が見える。
 足の方角、押し入れの前で、なにかゴソゴソしている人の気配がした。
 男の声でなにかブツブツ呟いているのが聞こえる。
 捜し物をして苛立っているような声だった。
 やがて男はブツブツ言いながら隣の部屋へ行き、ベランダから出て行った。
 俺は安心して二度寝した。
 

 ……さて、これは金縛りにあったのか、それとも金縛りにあった夢を見たのか?
 昼寝をすると結構な割合で悪夢を見る。
 この悪夢と金縛りはどう区別するのだろうか。 

 目は開けていた、と思うが、それはあくまで俺の脳がそう思っているだけだ。
 本当の金縛りのときには「これは夢ではない」と断定できる何かがあるのか?
 そんな決定的な証明は存在しないような気がする。
 ひょっとしたら今、こうして文章を書いている自分も夢なのでは?
 昼寝中に謎のニンジャに金縛りをかけられた本当の俺が見ている夢なのでは?
 アイエエエ!ナンデ!?ニンジャナンデ!?


 このままだとニンジャリアリティショックで死にそうなので、近いうちにベテラン金縛リストに聞いてみようと思う。 
 あれって要するに、悪夢だよな?
 
■2012-03-08
ノートン先生
 
 ええ!シマンテックの本社って四万十町じゃないの!?
 
 
■2012-03-10
ライヒェンバッハの滝
 映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』を観てきたよ。
 前作はDVDにて予習済み。

 相変わらずのホームズ無双ないしはホームズBASARAとなっているこのシリーズだけど、今回もアクションはアグレッシブ。
 これをネタバレというべきか解らないけど、ベースになった「最後の事件」を知っているものとしては、舞台がスイスへ移って滝が出てきた瞬間にガッツポーズしたよね。
 原作ではホームズはカラテだかジュー・ジツだかのフシギなマホウで続編につないでいて、子ども心に「これジャンプ的な引き延ばしだろ」と思ったものだけど、このホームズならやりかねないので困る。

 ワトソンの結婚に対してすげえ不服そうなホームズからは、世界中の腐女子シャーロキアンへのサービスが見て取れる。以前ホモネタで著作者にすげえ怒られてたせいか、コメディシーンを使ってネタっぽくごまかしてるあたり、上手いなあと思った。

 
 これ、さらに続編を撮ることになったらどうするんだろう。
 アイリーンとモリアーティを使っちゃったから、もう「ルパン対ホームズ」へ行くしかないような気がするけど、版権がルパン側だし、そもそも公式にはあれホームズじゃなくてショルメだから無理だろうな……。
 どうせホームズ無双ならホームズOrochiくらいまで行っちゃって欲しいと思う。
 
■2012-03-15
クウガの見た東京
 実は先月から『仮面ライダークウガ』を観ている。
 オダギリジョーのアレである。もう12年前の作品だ。
 平成ライダーを観はじめたのが『オーズ』からで、その後『フォーゼ』を観つつDVDで『剣』を押さえ、『電王』をかじり、『クウガ』に至った。このチョイスが正しいかは不明。


 平成ライダーの中でもクウガは別格だと聞いていた。
 確かに空気が全然違う。
 クウガが戦っているシーンより警察が犯人(怪人)を追っているシーンのほうが多かったりして、ほとんど刑事ドラマみたいだ。ホラー寄りのサスペンス劇場と言うべきかもしれない。

 そんな雰囲気なので、けっこう民間人がばたばた死ぬ。
 警察が捜査していて、マスコミも報じているので、被害者の数は具体的に表示される。
 毎週、通り魔事件で数十人が殺されてる世界だ。それも東京圏限定で。

 作中で「危ないからむやみに東京に遊びに行かないように」とか「関西のほうに帰ってきなよ」みたいな話が出てくる。
 あれ、なんかちょうど1年前の日本でも似たような状況になったような……。
 「ただちに人体に影響」どころか死体が積み重なってるぶん、アレより深刻度は段違いだと思うんだけど、人々は普通に働いてるし、遊んでるし、殺されてる。たぶんこの世界でもインターネットでは「関東から移住しない奴は情弱」とか「逃げる奴は馬鹿」とか騒ぎまくってるんだろう。

 もし放射線が、毎週15人の無作為な標的だけを狙って即死させる通り魔のようなものだったら、我々は逃げただろうか?
 東京の昼間人口を考えれば死亡率は100万分の1程度。我々は、自転車や自動車に乗るとき、これくらいの死亡リスクは日々受容している。……そう考えて普通に出社しているだろうか? 
 クウガの東京の描写は思った以上に鋭い。


 途中「最近の子どもは何を考えているのか理解できない……」みたいな教育論とか、明らかに子ども向けでない部分がチラホラ出てくるのも新鮮でいい。
 さらにそれを12年たってから観ている俺は、ゆとり教育を嘆く先生には「大丈夫!あと10年耐えればゆとり教育は無かったことにされます!がんばって!」と声をかけ、いい学校に入ることに疑問を呈する少年には「お前が就職する年は世界的にすげえ不況だよ!」と脅し、「こんな先行き不安な社会で子どもを産んでも……」と心配する女性には「今後、先行きが安心できる年なんてありませんよ!」と励ましたりしている。
 今でも十分通用するなあ、このドラマ。
 
■2012-03-17
方針演技(ATOK一発変換)
 無双OROCHIから興味をもって、藤崎竜の『封神演義』を全巻読破したよ。

 そういえば「酒池肉林」の語源は妲己ちゃんにあったんだった。
 なぜ無双OROCHIでは董卓と特別関係ではないのだ!
 だがこれでようやく太公望・ナタ・妲己・ジョカ・伏羲の関係が理解できた。

 ……理解できたと言っていいのだろうか。
 原作小説は読んだことないけど、これは「封神BASARA」なのでは?
 アグレッシヴすぎてどこまで準拠してるのか全然わからん!
 原作小説すら原典からかなり脚色してるっぽいのでますますわからん!
 
■2012-03-20
同人誌
「白樺派の同人誌にはどんなカップリングが描かれているの?」

「シラ×カバのカバは、テニプリの樺地」

「シラは?」

「……知らない人」

「知らない人×樺地!?」
 
■2012-03-24
みちのくぶらり旅
 先週末、世界遺産・平泉と日本三景・松島を見てきた。

 東北新幹線で北へ向かう間、福島の町や畑を見て、こんなに普通の生活が営まれているのに、福島県というだけで差別の対象になってしまうのだろうなあ、というようなことを考えた。
 それもこれもすべて原発が「福島」などという広域の名前を名乗ったせいである。
 このような深刻な事故に限らず、身の丈よりも広い名前を名乗るものには注意が必要だ。
 たとえば、万が一「伊豆市」で何か不祥事があった場合、「伊豆」というだけで熱海市や下田市が被るダメージについて、伊豆市はどう責任をとるというのだろうか?



 そんな福島をあっという間に通過して、一ノ関に到着。
 そこからはバスで平泉へ向かう。

 世界遺産に登録されただけあって、景観条例があるらしい。
 セブンイレブンはグレーと白で看板を掲げていた。
 なんだか喪中のようで違和感がある。



 平泉で真っ先に出てくる場所はやっぱりここだろう。
Golden Hall
中尊寺金色堂
 ただのガワであるにもかかわらずとても有名なロケーション。
 実際の金色堂はこのコンクリートの覆堂の中にある。
 『おくのほそ道』で芭蕉が言っているように、もともとは野ざらしだったようだ。たまたま五月雨が降り残したので保全が間に合ったのだろうか。よくもまあ略奪もされずに残ったものだと思うと感慨深い。

 英語対応のエリアマップには「金色堂 Golden Hall」と書かれていた。
 ゴールデンホール……この身も蓋もない感じ、わりと嫌いじゃない。


ネコネコカワイイ
看板娘
 お守り売り場にいたチーコさん。
 つながれているわけでもないのにおとなしくしていた。



 中尊寺から下山すると、正面に小高い丘が見える。
 これが『奥のほそ道』で芭蕉が真っ先に登った「高館」である。


 先、高館にのぼれば、北上川南部より流るゝ大河也。衣川は、和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落入。


(おくのほそ道 平泉)

北上川
芭蕉の見た眺め
 あれ……北上川って北から流れてね?
 ひょっとして「南部より流るる」って、南部鉄器の南部のこと?
 ええー芭蕉オマエ騙したな!

 ここは源義経が壮絶な最期を遂げた場所である。
 ここにはデッサンが著しく狂った仁王像があった。
 実物を見に行けない人ばかりだと思って……!



 仙台まで南下して、翌日は松島へ。
 まったく雪対策のできていない静岡県民は、この程度の積雪でもテンションがあがり、最悪の場合死に至る。要注意だ。

松島
日本三景・松島
 松島は震災の直撃をくらいながらも、このたくさんの島々に守られて、津波での大破壊を免れた。それでも船着所には、俺の身長より高い位置に津波到達マークが示されていたので、ここまで立て直すのはかなりの苦労があったと想像できる。
 遠くの島々に家が並んでいるのが見えたが、どうやらアレはギリギリ建っているだけで、解体の順番を待っている瓦礫らしい。我が家が瓦礫と名前を変えてしまう気持ちはどのようなものであろうか。

 遊覧船の中では特産品のほか、かっぱえびせんが販売されている。
 船に寄ってくるウミネコを餌付けするためのものらしい。
 さきほどの写真に、出港する遊覧船が何隻か写っているが、出港直後はハチの巣をつついたかの如くウミネコの大群にたかられている。
 正直遊覧船では島より鳥ばかり見ていた気がする。


Zuigan-ji
瑞巌寺
 雪解け水が樹上からポタポタ降ってくる杉並木。
 ここもいちばん奥までギリギリ津波が到達したらしい。
 海水を食らって、いまいち元気のない杉だった。



 松島から仙台に帰る途中、車窓から塩竃の街を見た。
 パッと見は片付いているものの、ときおり瓦礫の山があったり、線路沿いの空き地にボートや乗用車がひっくり返っていたりするところを見ると、津波の凄惨さがよくわかる。
 ただ、ものすごい古い木造の一軒家が何事もなかったように残っていたりして、ああ、津波のパワーも決して一律ではないのだな、と理解した。

 それにしても、津波で荒野になってしまったと思われる一角に、住宅会社の真新しいモデルルームがぽつんとあったのは何だったんだろう。誰か買うのかアレ。
 
■2012-03-25
EYES ON ME
 映画『ワルキューレ』『マイノリティ・リポート』を借りて観た。
 気が付いたらトム・クルーズ無双だった。
 しかもどちらの作品でも、トム・クルーズが自分の眼球を粗末に扱っていた。
 彼には自分の眼球に対する感傷がないのか!?