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◆不定期日記ログ◆

LOG 2020-09

■2020-09-01
アレフガルドにハンバーガーはあるか
 ファンタジー世界を舞台とした作品の台詞に「おだぶつ」などの仏教用語が出てくるのはどうなんだ、という議論がときどき巻き起こる。
 これは厳密に考えるとあらゆる単語に影響が出てキリがないため、「我々日本人にわかりやすい単語に翻訳されていると考えるのが無難」というあたりの落としどころに毎回着地しているように思われる。

 しかし……可能なら、世界観にそぐわないように見えるその単語が「存在する理由」を探すことができると面白い。
 転生先の異世界に仏教用語があったのなら、以前にブッダ本人かブディストが転生してきていた可能性がある。ゴルフが行われているのならば、古代中国の格闘家・呉竜府の伝説が民明書房によって広められた世界だと考えればよい。創作はなんでもアリである。


 普段からそんな態度で作品を構成する単語に理由をつけているが、これにはさすがに参った。娘氏がプレイしていた『ドラゴンクエストビルダーズ』である。
#ps4share
 ドラクエの世界に、突然ハンバーガーがPOPした。ハンバーガーがあるということはハンブルグ風ステーキがあるということで、つまりアレフガルドにはハンブルグがあるということになる。……あるのか!? その真実を知るため、取材班はマイラの村に飛んだ!


 ……あなたは「ロトのつるぎ日本刀説」をご存じだろうか?
 アレフガルドに伝わる伝説の武器「ロトのつるぎ」であるが、その前身はかつて「上の世界」からアレフガルドに降り立った勇者の持っていた「おうじゃのけん」であると言われている。
 この剣を造ったマイラの刀鍛冶が「上の世界」のジパングから来た男であったため、「ロトのつるぎ=おうじゃのけん=日本刀」というロマンが発生したのである。

 ロトのつるぎには公式イラストがあり、それは明らかに両刃なのであくまでロマンに過ぎないが、とにかくアレフガルドにジパング人がいたことは公式である。なぜかアレフガルドで「たけざお」が極めて安価で流通しているのも、ジパングから持ち込まれた竹が繁殖しているとすれば納得がいく。


 話をハンバーガーに戻そう。
 ハンバーガーはいかにしてアレフガルドに伝わったのか。上記の「上の世界」とのつながりを考慮すれば、おのずと可能性が見えてくる。

 「上の世界」から来た勇者の仲間に、ハンという名の商人がいた。
 ハンは「上の世界」で村を開拓しており、その村は彼の名前にちなんで「ハンバーク」と呼ばれるようになった。そしてそこで発祥したひき肉料理が「ハンバークステーキ」という名前で遠くアレフガルドまで伝わったのである。間違いない。これ以外にハンバーガーが生まれる理由が思いつかない。

「いいえ、ぼくの周りでは『さふありバーク』派が優勢でした」
「それを言われてしまうとこちらとしてはどうしようもない」


■余談

「ところでドラクエの『キメラのつばさ』って、キメラ自体がヘビとハゲタカの合成獣なんだから『ハゲタカのつばさ』じゃあないのか? ハゲタカはもっと権利を主張すべき」
「仮に『ハゲタカのつばさ』だったとして、ただのハゲタカの翼にルーラ相当の魔力がそなわりますか? おかしいと思いませんか? あなた」
「しかしファイナルファンタジーでは『ラッコのあたま』にテレポ相当の魔力が宿っているんですよ?」
「それを言われてしまうとこちらとしてはどうしようもない」
 
■2020-09-18
夏の終わりの娘氏語録
 夏の終わりの娘氏語録。
  • 娘氏「ちゅうがっこうを卒園したらししゅんきになれる?」
    ぼく「思春期のことなんだと思ってる?」
  • ワイフ「雨のあと土から漂ってくる匂い、いい匂いだよね」
    娘氏「ぷ~~んって?」
    ぼく「その効果音はだめな臭いだな」
  • ビュッフェでライチを所望する娘氏「くりみたいなの欲しい」
  • 食べたあと名前を思い出した娘氏「せいかいはライチだな」
  • 初めて炭酸飲料を飲んだ娘氏、「おいしかった。でもしゅわしゅわすぎて歯ぐきがいたくなっちゃう」とシンプルな感想を残す。
  • 娘氏「かぜのとき熱って大事なんだよ。はっけっきゅうがわるいきんとたたかうため。よーくおぼえておいて。熱が出たときイライラしてお腹叩いたりしたらだめだよ。はっけっきゅうとわるいきんがびっくりして激しいたたかいになってしまうんだ。」
  • 娘氏にお墓に刻まれたトライフォースの形について聞かれて「それは北条氏の家紋だよ。小田原城に行けばたくさんある」と説明するパパと、「おたから城!? ない! そんなもの!」と聞く耳を持たない娘氏。
  • 娘氏「わたし大人になったらお洋服屋さんの中にカフェをひらくんだ。」
    ぼく「どんなメニューがありますか?」
    娘氏「ていばんは、コーンフレークとフルグラを混ぜたのにおいしい牛乳をかけたものだよ。」
    ぼく「朝食だな」
  • 映画『リトル・マーメイド』を観て声が出なくなったアリエルに過剰に感情移入してしまった娘氏、クライマックスで「結局しゃべれる……」と心底安堵する。
  • 『アラジン』を観てジャスミンごっこをする娘氏だが、なぜか「わらうすがたが愛らしくって、これがいちばん愛されるのです。」と謎のナレーションを入れている。
  • 怒り心頭に発した娘氏、「逆ギレモードになって生ゴミをバーッてちらすからね!」とキレる。
  • どうぶつの森でピサの斜塔の家具を見た娘氏「これあの傾いてるやつ?」
    ぼく「そう、傾いてるやつ」
  • 娘氏「あたらしいゼルダを考えた。『ゼルダの伝説 ようせいの国』。」
    ぼく「どんなゲームなんですか?」
    娘氏「子どものようせいのお世話をしたりする。」
  • 翌日娘氏「ゼルダの伝説ようせいの国は無しということになった。新しいゲームは『ゼルダの伝説 にんぎょの海』。」
    ぼく「どんなゲームなんですか?」
    娘氏「なぜか水の中でも息ができる。てきがよわくて初心者むけ。」
  • ドラゴンクエストビルダーズで激闘を繰り広げる娘氏が「しんじゃうよ!!」と叫んだところ、アレクサが「緊急性があるのなら……」と真面目に心配しはじめた。怖いぞアレクサ。
  • ぼく「アイチャンはそろそろ一人でお風呂に入れるんじゃないかな?」
    娘氏「一人でおふろに入るなんてまっぴらよ!」
  • 娘氏「パパチャンのにおいがする。パパチャンがねるときのにおい。」
    ワイフ「それはどんなにおい?」
    娘氏「おもしろいにおい」
    ぼく「!?」
  • ぼく「基本的に中年男性からは面白い匂いはしないと思う」
    娘氏「あっさりいいにおいだ」
  • フルーツを食べているご両親を見た娘氏「おやみんな無限に食べているようですね」
  • ゆでしらすを大量にもらったのでしらすごはんにしたところ,「しらすがごはんの中をおよいでるみたい」とポエミイな感想を述べる娘氏。
  • 大きいしらすを見つけた娘氏「リーダーかもしれない」
  • 娘氏「知ってる? 現実ってリアルなんだよ」
    ぼく「そうだな、解像度もフレームレートも無限だもんな」
  • 娘氏「ひとり暮らしって自由なんだって。」
    ワイフ「だれがそう言ってたの?」
    娘氏「アイチャンがそう思った。」
    ワイフ「どんなことが自由だと思う?」
    娘氏「おにぎり握ったり……」
    ぼく「それは今でもできるな」
  • 娘氏「おかあさーん」
    ぼく「どうした?」
    娘氏「ちちではありません、ははですと言いました。」
  • 娘氏「どうしてママはあそんだりしないの? おふろで。」
  • ボードゲームのお金トークンを切り離しながら「大量大量」「こんなに大量だよ」「このお金で小学校に入る」とご満悦の娘氏。いや最後のはおかしいな?
2020-07
 なつやすみの日記。もうここまで文章を組み立てられるのかと思うと感慨深いものがある。立派な日記書きになってほしい。

 厳しい状況下でありながら幼稚園最後の運動会が小規模に行われた。幼稚園に入ったばかりのころのめちゃめちゃおもしろい走行フォームはすっかり改善され、ちゃんとトラックを一周走ることができた。次はもう小学校であるが、果たしてそのころご時世はどうなっているのであろうか……。
 
■2020-09-27
宿泊訓練
 GoToキャンペーンだかなんだかがあるので、我々はキャンプ場に宿泊に向かった。もちろん新型コロナウイルス感染症拡大防止のために近場の県内のコテージを予約した。

 ……いちいちこういう但し書きを加えないと外出した記録もままならない社会的空気にうんざりしている。コロナ禍において「それは今やらないといけないことか?」と問われて真正面から肯定できるものは少ない。
 ヤバいと思ってるのが今まで「コロナが収まるまで我慢しよう」と思ってた「やりたいこと」が、だんだん「別にやらなくてもいいな」って思い始めてることで、「やりたいこと」が消えつつある。これがあらゆる趣味に及ぶと鬱まっしぐらなので、なんとかしなければならない。

 さしあたり県内で、かつ濃厚接触者の限られる屋外であれば精神的に言い訳がたつ。とはいえ同じことを考えている奴は多いようで、隣県山梨のキャンプ場が密々の密になってしまった報を受けて気持ちが折れそうになったが、さすがにそこまで混雑するのは例外中の例外のようだった。

ヴィレッジ
今回訪れたキャンプ場
 天気のせいで場内の雰囲気がホラー映画めいている。ワイフいわく今回は本当にコテージに宿泊するだけなので、コンロや卓上七輪など何かを焼く装備を持ち込んでおく必要があるし、マットや毛布も用意する必要がある。コテージの前に車をつけてそれらを随時取り出していく。

 炭に火をつけながら考えた。前に薪を燃やしながら考えたように、これは「昭和」だ。俺の生まれた村では昭和どころか平成のはじめまで、薪を燃やし、ボイラーで水を加熱して湯を沸かしていた。村は文明化され、とっくに抜け出した過去の話のはず。なぜ令和のこの時代にこのようなことをしなければならないのか?
 その答えの一つがサバイバルである。以前考えを改めたように、もはや数日ライフラインが停まるような災害は毎年襲来しており、そのときにキャンプを趣味としていれば、炭やコンロなどをサバイバルの選択肢として活用することができる。マットと寝袋で眠る練習をしておけば、避難所に押し込められても精神的にタフでいられるだろう。
 だから俺は特に山や自然が好きというわけでもないのにこんなことをしている……そう、これは「宿泊訓練」なのだ……。


 「宿泊訓練」……大人になって誰もその単語を知らなかったので驚いた。
 「林間学校」というのはアニメやゲームの学園モノにだけあるイベントだと思っていた。俺の村の学校にはそんなものはなかった。代わりにあったのが、学校の校庭にテントを張り飯盒炊飯をする「宿泊訓練」だった。今になってみればアレが林間学校だったのだ。もともと学校が林間にあるというだけだったのだ……!

 よくもぼくをォ!! だましたなァ!!
 よくもだましたアアアア!! だましてくれたなアアアアア!!