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◆不定期日記ログ◆

LOG 2024-09

■2024-09-05
40代からの歯列矯正
 事の始まりは娘氏の歯科検診であった。
 永久歯への生え替わりが進む娘氏であるが、どうやら歯並びが悪くなるかもしれないという可能性が浮上した。
 歯並びは遺伝する。厳密に言うとアゴの大きさや歯の大きさが遺伝する。
 その歯科は我々一家でお世話になっているので、ただちにご両親の口腔のレントゲン写真が用意され、そして俺の口腔写真を見た関係者は深くうなずいた。「これは間違いなく歯並びが悪くなる」と。

 これはつまり、今まで客観視してこなかった俺の歯並びが、関係者一同に納得をもたらすほどガッタガタであることが明らかになったということだ。
 できればここにその歯並びの様子を示したいところだが、お前たちはクソ広告が「歯の黄ばみ……」とか言ってキッタネエ歯の写真を繰り返し繰り返し見せつけてきてキレたことがあるはずだ。俺もある。なので決してそのような愚かなマネはしない。

 検討に検討を重ねた末、娘氏は歯列矯正をすることになったが……俺はこのままで良いのか? エッ40代でも歯列矯正する人はけっこういるんですかッ!? こんなオッサンでも歯は動く……むしろ全然動くんだってェー!?
 成長期でないので矯正期間は「早くて2年」と長期にわたるそうだが、俺は去年、最後の親知らずを抜いたばかりである。それゆえ、親知らずの侵攻でガタガタになった歯が正しい位置に戻る余地が生まれた……と考えることもできる。

 俺がいままで虫歯の発生に悩まされ、ほぼ全ての歯にドリルが入った痕があるのは、この歯並びの悪さによるところが大きい。歯科医療は日々進歩しているが、それでも俺が死ぬまでに天然歯を完璧に代替する技術は生まれないだろう。意識したことはなかったが噛み合わせもよくないらしい。ワイフの後押しもあり、俺は娘氏のついでに歯列矯正を受けることを決めた。
 ついでとはいえ6ケタでは済まない出費となるが、カネと時間をかける価値はある!


 事前の準備として、歯の側面に至る銀歯を金属でないものに代替する作業が行われた。歯列矯正のために歯にくっつけるあの銀色のパーツは、歯にはよく付くが金属には付きにくいらしい。
 銀歯のあたりをプラスチックの棒でゴリゴリされただけで診察が終わったので何事かと思ったら、なんと3Dスキャンが完了しており、俺の歯列の一部が3D空間でぐるぐる回せる状態になっていた。これで代替銀歯を作れるらしい。じゃああのピンク色の変な奴をニッチャァ……ってして型取りしなくていいんだ!? すばらしい技術に感動した。
 感動はしたが、いくらすごくてもその画像をここに掲載すると「歯の黄ばみ……」とか言ってるアホと同罪になってしまうので、心の中に秘めておこう。


 それらの作業が無事おわり、今月いよいよ矯正器具を装着する運びとなった。
 装着する器具は2種類ッ!
 一つは上下の犬歯のあたりに被せて、噛み合わせの位置を前にずらすやつ!
 もう一つはお馴染みのワイヤーだ!

 ワイヤーはなんかたいしたことがない。こんな力で本当に歯が動くのか~~ッ!? なんか口の中にたくさん針金を入れてペンチでバッチバッチ切っていたので、このままでは針金の端で口の中が血まみれになってしまうーッ! って思ってたのに全然なめらかで驚いた。歯科医療の技術はすごい。
 このワイヤーはあらゆるものが頻繁に引っかかるうえ、フロスを使うことができなくなるので、ウォーターピックを導入した。高圧洗浄機のような勢いでとれにくい食べカスを始末する頼れる奴だ。

 それよりやっかいなのが犬歯のあたりに被さってるやつで、高さがあるので奥歯も前歯も噛み合わなくなるうえ、噛み合わせ面がナナメになっていて、噛むと下顎が従来の位置よりすこし前(正しい位置)にズレるよう作られている。食事のときにはこの部分で噛むしかなく、しかも噛み合う位置が今までと違うので、ぜんぜんまともに噛めない。
 噛む位置を探り当てながら俺は思った。俺は……歯列を矯正しているつもりでいたが……真に矯正されているのは……俺だったァ―――! 俺自身が噛む位置を矯正されているんだッ! 歯は俺だッ!


 一週間くらいで慣れるとのことだが、今の正直なところを申し上げておくと、流動食以外の全てのものが美味そうに見えない。
 総入れ歯になった人もこんな気持ちになるのかもしれない。噛んでもなんの感触もない偽物の歯で、固形物を食べようという気がまったく起きない。やはり自分の歯をキープするのは大切だ。
 食べられないことはないので食べるが、食欲が減退してカロリーが足りなくなってしまう……かといってカロリーがありそうな飲料を毎日飲むのは体と財布に悪そうだ……。

 特に朝食に欠かさず食べていた餅がしばらく食べられないのが痛い。安価・迅速・腹持ち・皿いらずと無敵の選択肢だった餅を封じられてどうすればよいのか。当面は粉末カップスープで出勤ぶんのエネルギーを捻出しようと考えているが、機能面で餅には遠く及ばない。不便な日々は続きそうだ。
 
■2024-09-11
PS5 Proたっけえ……んだよな?
 PlayStation 5 Proが発表され、12万円というドすげえ価格設定に衝撃を受けた。最初のPS5の一番安いモデルが4万円だったじゃん……なんだよ12万円って……。
 
 まあPS5持ってるから関係ないんだが、そういえば俺は自分がPS4をPS5に買い換えた理由を完全に忘れ去っていた。弊サイトは俺の外部記憶装置であるので、過去の記事を検索すると、なんてことはない「PS4のコントローラーがヘタってきたから」というだいぶ後ろ向きの理由だった。

 そんな消極的に手に入れたPS5だったが、アーマード・コア6をクリアしてからというもの、ぜんぜんゲームを触っていない。
 理由は簡単で「決定ボタンが○でないから」に尽きる。

 今までも洋ゲーで決定ボタンが×のものがあり、ゲームによって決定ボタンが違うということにはそれなりに慣れていた。しかしこれが今まで普通に使ってきたtorneやアマプラに適用されるとかなり厳しい。×が決定のゲームを遊んだ経験のない家族には特に厳しい仕打ちだった。
 こうして家族会議の末「○と×のキーバインドを入れ替える」というクソオプションが実行され、PS5は「画面に×と出たら○を押さなければいけない」という欠陥ハードに成り果てた。聖剣伝説の体験版もやったがひどいものだった。現在はほぼtorneとアマプラ再生機となっている。

 定価700ドルを12万円と翻訳していることからもわかるとおり、もうソニーは日本でプレステを売る気がないのだろう。あるならそもそも初期型PS5のUIで決定ボタンが選べたはずだ。
 多様性の尊重というのは「ゲームにいろんな人種を出さなければいけない」ということよりまず「決定ボタンが右の文化と下の文化の両方に配慮する」ということだと思うんだよな。お前さんたち、ゲーム業界の人なんでしょう?

 まあいい。特に買うわけでもないプロダクトに対してどうこう言ったって意味はない。「家庭用ゲーム機」だと思うから無法に高いように見えるだけで、これがSteamとかに接続できるゲーム専用PCだったら安価でお手頃価格だろう。えっこれSteamのゲームできないの? じゃあ誰が買うの……?


 しかし……待てよ、「本体に12万円」というのはひょっとして……大人の趣味の出費としては正常な範囲なのではないだろうか?
 だってだって、ゴルフやカメラや楽器が趣味の人は初期投資としてそれくらいすぐ使うでしょ。
 「ソシャゲに月1万課金」とか聞くと俺はスゲッて思うけど、趣味にそのくらい使ってるケースは普通にある。
 6800円のゲーム買って半年くらい遊び続けてるの、コスパが良すぎて心配になってきた。あのころ「ゲームは大人になったら卒業するもの」って空気を出していた社会は、俺たちに「もっと金のかかる趣味を持って経済を回すのが大人ですよ」って言っていたのかもしれない。

 ゲームが子どもの遊びだった時代の金銭感覚のまま、我々は老いてしまった。
 大人である俺たちは、12万円の本体のみならず、ソフトもデラックス版とかそういうものを買って、社会に金を回していくことを求められているのか!? でもロックブーケのフィギュアは要らねえんだよなぁぁ~~!
 
■2024-09-30
月記SEPTEMBER
 ようやく朝夕が過ごしやすくなってきて、夏の終わりを感じる。本当は8月の終わりくらいに感じさせてほしかった。
 関係ないけど怪談はなんで夏の風物詩なんだろう? 冬の方が夜が長くて怖くね?

PIPI
ピピチャン!(肝試しとセットなんじゃない?)
 それはそうかもな。では9月にやったこと、読んだもの、遊んだもの、観たものの記録だよ。

■伊東へ行くなら

♪むかしむかし浦島は
 ( A )亀に連れられて
 ( B )行ってみれば

 空欄に適する言葉を答えなさい。
 これにノータイムで「ハトヤの」「海底温泉」を入れられる奴は地域・年代がだいたい友達と言えよう。不正解の人は公式サイトを参照するように。

 今まで伊東市へは何度も泊まりに行っているけど、ハトヤに決めたことはなかった。伊東に行っているのにハトヤに決めていないというのは、文明堂に行きながら三時のおやつにカステラを食べていないようなもの。なのではっきり決めた(ワイフが)。伊東にふたつのハトヤあり。海底温泉があるのはサンハトヤのほうである。
 これはガチャで見事引き当てたルームキーホルダー。しかしこれが欲しいのなら、300円のガチャでランダム当選を狙うより、お土産屋さんで一回り大きい500円のアクリルルームキーホルダーを買うのが良い。ハトヤ豆知識だ。

 現在、屋外プールはシーズンオフで営業しておらず、室内プールも更衣室が温泉と共用という変則的な運用になっている。ひとしきり古代プールを楽しんだあと、更衣室を経由して水着を脱いで海底温泉に入浴した。
 海底温泉は水族館めいたアクリル水槽のある温泉である。時間が早かったので他の入浴客はいなかった。しかしついさっきまで隣のフロアで水着で水に浸かっていた俺が、こちらでは全裸でいるというのは奇妙な感覚だ。俺はとてもまずいことをしているのではないだろうか……?

 ところで「CMでおなじみのびちびちはねる魚を抱えるごっこ」をするための魚のぬいぐるみがあるって聞いていたんだけど、見当たらなかったな……ディナーショーを観ないといけないのかもしれない。

■熱海城

 熱海城!! それは今川氏などが築城を熱望したが叶わず、あの名古屋城や小田原城が再建されたのと同時期に築城された……その……つまり……歴史的背景が一切ない城なのである!!
 なので最初は侮っていた。所詮はバブル期の徒花、すぐ隣に秘宝館があるいかがわしい観光地であろうと……だがその認識は完全に間違っていた。

 城内は博物館になっており、展示されているのは江戸時代の史料と、全国の名城のジオラマ、絵画など。歴史的背景がないので熱海に関わる郷土史料はほぼなく、代わりにそこには全国の城に対する膨大な熱意があった。なるほど、これはアレだ、「自分は仮面ライダーになれなかったが、研究と鍛錬により人工ライダーになった」系2号ライダーの熱意だな。歴史的背景がないことに対して真面目に向き合っている。

 なお、特筆すべきこととして、開城時は温泉施設だったらしい地下のフロアが遊技場になっており、ボールプールやボルダリング、卓球などに加え各種アーケードゲームがフリープレイで置いてある。フリープレイゆえか多少メンテが甘い筐体が見られたが、beatmaniaIIDXやポップンミュージックが不足なくプレイできたため、ここだけで入場料+駐車料金はだいたい元が取れてしまった。やったぜ。

■アコースティックギター

 簡単なコードだったらそこそこ素早く切り替えられるようになったので、試しにギターピックって奴ででかい音を出してみたところ、全然きれいな音が鳴らない。ミュートすべき弦がまったくミュートできていないのだ。
 右手をダウンストロークだけでなくアップストロークも混ぜてみると顕著である。このへんの精度は、他人に聴かせるつもりがないため無限にサボってしまう。真面目にミュートしなければ……。

■メイドインアビス

 履修しないとなーって思っているうちに長い年月が過ぎてしまったが12巻まで履修した。
 読んでみて一番驚いたのは「ナナチはマスコットキャラ枠ではなかった」ということであった。まさか頼れるアニキ枠として加入するとは……インターネット受動喫煙の悪い部分が出たな。

 しかしこの作品、本筋と関係ないところにみっちりと作者のヘキが詰め込まれているため息が詰まる。度し難い、度し難いぞつくし卿……今のところプルシュカの「パパ棒」がいちばんヤバい。ボンドルドが娘と入浴なんてするワケがないんだからどういうことなんだよ。勘弁してくれ。
 その点、成れ果て村編は比較的本筋に関係あるヘキが詰まっていて良かった。美しくグロく悲しい話で、この作品でないと出せない出汁がよく出ている。なんだその出汁、飲んで大丈夫なやつか?

■黄泉のツガイ

 ご存知ハガレンの荒川先生の最新作。5巻まで読んだ。
 ほんとこの人漫画が上手いなって思うんだけど、ハガレンも銀の匙も、普通なら1話きりで使い捨てられそうな立ち位置のキャラが、どんどんサブレギュラーやレギュラーキャラとして立ち上がってくるんだよね。今作も登場人物がバカスカ増えていってもぜんぜん読みやすい。すごい。

 ところで俺は異世界に行って現代知識で無双する話よりも、逆に異世界人がこっちに来てフィジカルで無双する話が好きなんだけど、これがわりとそれにあたるのでとても助かる。最初は能力バトルなのかって思ったけど、実際バトルの大部分が遠隔物理攻撃だったもんな。

■Splatoon3 グランドフェスティバル

 公称アプデ期間の2年が終わり、最大のフェスであるグランドフェスティバルが盛大に執り行われた。
グランドフェスティバル | スプラトゥーン3 | 任天堂
https://www.nintendo.com/jp/switch/av5ja/grandfestival/
 今までと違って「ラストフェス」とは言っていない(前作はラストフェス後も数回フェスがあった)ものの、あらゆる演出がThe End of the Splatoon...という雰囲気を出しており、もうこれをもってこのゲームはサービス終了するんだって言われても信じてしまうくらいの盛り上がりを見せた。
 いやサービス終了するゲームはこの3日間のためだけに会場マップ作成・振り付け・演出と凄まじい工数を割かないだろというのはそれはそう。
愚乱怒風江州帝波龍シューター同好会
 でも実際これ最終回の演出だよォ~~エンドロール見えたもん脳内に。グランドフェスティバルで燃え尽きた俺はそのあと一週間くらいログインできなかったのであった。

 困ったのが、1や2であった3種目のマイナーチェンジブキ追加の可能性が明確に否定されていないことだ。
 公式の声明では「定期的なコンテンツ追加は終了」「ブキの性能変更などを含んだ更新データは不定期に配信予定」ということなので、普通に読めばブキの追加はなさそうだが、「など」ということは「不定期のタイミングでのマイナーチェンジブキの追加」は無いとは言い切れない。俺はブキの購入に必要なライセンスが99枚も余ってるんだよ。ないならないでくじびきに使っちゃうから、ちゃんととどめを刺していってくれえ。

■MOTHER2のひみつ。展

 「MOTHERのひみつ。展」は、倉庫から30年ぶりに発掘されたマザー2開発当時の資料を公開するすげえ展示会なんだけど、8月末の酷暑に渋谷まで行くのはだいぶ厳しいので見送っていた。展示終了後に内容をちょっとだけライブ放送で中継してくれたので喜んで観た。
 内容がわりとガチめに「ひみつ」でびっくりしてしまった。イベントフラグの管理を紙で……? 発売3ヶ月まえにテストプレイでこれだけの改善要望が……?

 ありがたいことに展示内容をまとめたカタログが出るらしい。
 6600円で「高ェ!」って思ってしまうけど、よく考えたら渋谷まで往復するコストの方が高いうえ、手元に置いておけるというのは爆アドなのではないだろうか。だんだんやすくみえてきた。これはいけない。

■天穂のサクナヒメ

 書くまでもないことだが「ヤナト田植唄―巫―」で爆泣きした。だがアニメを先に観ていたら泣くことはなかっただろう。ゲームならではの音楽体験の有用性が完全に証明された形だ。
 ゲームでは唐突感のあった内容が丁寧に説明されていてとてもよかった。改変箇所もおおむね納得がいく。星魂剣の半分はそりゃ龍の腹にあったほうがいいよ。
 ココロワまわりが改変されたことで終盤が大きく変わるかと思ったが、そこまで影響なかった。なんかこう、ソロプレイのゲームではできないアニメならではの盛り上げ方を期待していたんだけどな。

■逃げ上手の若君

 原作既読部分まででキッチリ終わった。さてはこれを見越しての無料公開だったか。
 走る馬や多数の兵士が出てくるとがっつりCGになるんだけど、どこまでがCGでどこまでが手描きなのか全然わからないレベルに調整されていて驚いた。なにこれどういう技術?
 娘氏に歴史ブームが来ているので、これとサクナヒメで室町時代の空気感を理解してくれたことだろう。室町時代は義務教育の範囲だとぜんぜん子どもの興味にリーチしないのでとても助かる。

■映画プリキュアオールスターズF

 去年の20周年オールスター映画。なんかABEMAで無料公開されていたので観た。
 非暴力プリキュアに半年以上浸かっているせいで、いきなりすごい動画枚数で敵をボッコボコに殴り倒すハレワタールさんに若干引く。こっちが本来のプリキュアだよ。
 「プリキュアとは何か」という根本的な問いに、心が強え奴とかそういうふわっとした要素でなく、「手を繋ぐ者」という答えを出してきたのは感心した。プリキュアは一人ではできない。納得の回答だ。
 最終的には15周年の『オールスターズメモリーズ』と同じく、観客の持つプリキュアの記憶が反撃の嚆矢となるわけだけど、アチラほどメタ発言に頼らずにその展開に運んで行ったのは上手かった。そりゃ親の顔より見た拠点の背景を次々出されたら、プリキュアの世界を再構築しちゃうよな。親の顔をもっと見ろ。

■ニチアサ百景

 お菓子をモチーフにした『仮面ライダーガヴ』が始まった。
 ここでニチアサクラスタでない人、あるいは録画・配信勢のために解説が要る。2013年頃から「仮面ライダーグミのCM」というのが定番となっていて、それは一言で表すと「仮面ライダーグミ? 普通のグミでしょ……ムムッ! ジューシー!!」であった。ライダーのテーマに合わせて毎年リニューアルされる演出で、さまざまなジューシー小僧がド派手にジューシーしていった。それはオロナミンCに並ぶ風物詩CMであった。
 なぜか令和になってからCMが途切れてしまい、まさか平成ライダーと一緒に平成ホールに吸い込まれて消えてしまったのかと心配していたところに、今年、仮面ライダーのほうがグミになったのである。

 ガヴ本編では主人公のショーマくんが美味いお菓子を食うたびにジューシー的な演出があり、変身ベルトの音声も「ジューシー!」を連呼する。
 もちろんCMも復活した。主演の知念英和くん本人がグミを食い、ジューシーする。偉業である。歴代のジューシー小僧たちの怪演が、ジューシーをこの高みへと連れてきたのだ。俺たち、グミにそこまでジューシーさって求めてたかな……?

 そんなふざけた仮面ライダーだが、中身はいたって真面目に仮面ライダーしており、主人公が人間でなく怪人側と同族である。今まで「怪人と同源の力で戦えば仮面ライダーでしょ」と思っていた俺たちに「本郷猛はショッカーに改造されたバッタ怪人だが?」と正論をつきつけ、怪人の悲哀をこれでもかというほど描いてくる。
 なのでいったいどういう展開になるのか先が読めない。楽しみに観ていこうと思う。