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◆不定期日記ログ◆

LOG 2016-10

■2016-10-11
馬飼塔士ASA・GIRI
 お馬っていーいな パカパカ走ってさー♪
 大きなおめめに富士山映ってるー♪
 光と緑とフフフの牧場ー♪
 まかーいーの まかいの牧場ー♪


 体育の日だったのでまかいの牧場に行ってきた。まあ体育の日はいっさい関係なく、交通状況がよければ車で30分くらいでたどり着けるようになったからだ。
 なお「まかいの」がこの辺に多い苗字だと知ったのは2008年のことだった。


 入場チケットは「1ヶ月有効」というよくわからない料金体系である。
 とりあえずトラクターバスに乗って園内を一周した。園内のランドマークはだいたいポケストップになっていて捗る。
 ヤギさんをおさんぽさせている人が多く見られたが、どのヤギもわりと立ち止まってばっかりらしく一生懸命えさで釣っていた。

 ふれあい広場ではブタやヤギやげっ歯類と勝手に触れあえる。……ここは動物園でなく牧場なはず……なぜ牧場ににげっ歯類が……?娘氏はまったく臆せずに「よしよし」ってしにいくので慈しみの心があると思う。でもウンチ地帯に突入しかけたのは全力でとめた。モルモットは完全に大きなマンソンだった。

 娘氏はワラビー小屋でなぜかワラビーにハマッた。なぜ牧場にワラビーが……?娘氏は実家のような安心感を覚えたらしく、ワラビー小屋を出るとき「いってきまーしゅ!」と言っていた。

 牧場なのでもちろん馬にも乗れる。身長90cmに満たない子は親子で乗れる。「おうまさんのりたい!」っていうから父母交代で2回乗った。娘氏は馬のたてがみを「よしよし」ってしていた。やっぱ馬ってでかいなー。これの上で長い刃物振り回してたらそりゃ騎兵強いわ。馬は最高のソリューションだな。

MAKAINO
富士山もあるよ!

 というわけで高原の気候と雄大な富士と上質な乳製品を満喫できる馬飼野牧場のレポートでした。お近くにお越しの際は是非一緒にいこうぜ。
 
■2016-10-15
Gスレイヤーの戦い
 新居1匹目のゴキブリに遭遇し、俺はただちに交戦状態に入った。娘にセンシとしての姿を見られるのは避けたかったが、こいつは呑気に2度も俺の前に現れたのでやむを得まい。だが娘は「あっ!こたるだー」と嬉しそうな反応。まだ娘は図鑑でしかホタルを知らぬ。そしてゴキブリと人間のイクサも知らぬ。

 ゴキジェット数発でイクサは終わった。しかしティッシュでカイシャクしたあとも娘は「こたるどこいったー?おーいこたるー」と言って探し回っている。俺は大変なことをしてしまったのではないか。娘はこの決定的な死を理解していない。このイクサの理由を俺は娘に説明できるのか。いや説明などイクサには不要……どう理由をつけようと、結局カラテはエゴにすぎないのだ……。

 翌日になると娘は「おーい!こたるちゃーんどこー?……はーい、こたるだよーげんきー?」と楽しげに一人芝居をしはじめた。駄目だ……わからない……やはりあれはホタル……だったのでは?この腐敗した世界に落とされた我々の目にはゴキブリめいて映っただけで……ホタルだったのかも…… 俺は何ということを……。
 
■2016-10-17
なぜ鏡は左右反対にうつるのか
 今や俺も二歳児の父。いずれ娘は成長し「ナンデ?」「ナンデ?」と言い出してご両親を困らせるだろう。そのときに備えてきちんと説明の手順をシミュレートしておく必要がある。


 たとえば「鏡はどうして左右反対にうつるのか?」だ。

 まず俺は以前述べたとおり、左右という概念をまったく信用していない。この3次元宇宙において極めて主観的なこの概念を、他者とのコミュニケーションに常用している惑星があるときいて首を傾げつつ生活している。娘氏にはこのような疎外感を味わって欲しくはないが、左右という概念に大きな欠陥があることは自覚していてほしい。


 そのような立場としては「別に左右反対にうつってなどいない」と答えるのが第一であろう。鏡は手前と奥を反転しているのであり左右反転したと思っているのはたまたま左右対称につくられた人類の浅薄なる発想にすぎない。もし人類がシオマネキのごとく巨大な右腕を持つ生物であれば、巨大な右腕のほうを「右」と定義したはずであり、それは鏡を見ても揺るぎない定義であろう。

 また、左右反転したと思っているのは地球の重力に引かれ、地上を這うばかりの古い地球人の浅薄なる発想にすぎない。天井に張り付けられた鏡を見上げて、こう、右腕を上に突き出したとき、あれこっち右腕か?えーたぶんそうだな、右腕だ。その場合、天井の鏡の中のお前は左腕を上げているのか?
 鏡張りの床の上にミニスカのお嬢さんが立ち、侮蔑的な嘲笑を浮かべてお前を見ながらゆっくりと左足を上げたとき、お前が凝視している床の鏡の中のお嬢さんは右足を上げているのか?そんなわけはない。おい全然娘に説明するシチュエーションじゃねえぞ。


 たとえ話はともかく、「鏡が左右を反転したと思っているのは人類の錯覚。左右はその程度の概念」ということがうっすらとでも伝わることを願うばかりだ。
 ところで、こういう風にまず「本当に左右が反転しているのか?」と根幹を問い返すパターンはけっこう汎用性があるのではないだろうか。定義を確認しているうちにクレバーな解答を探す時間を稼ぐのだ。「質問を質問で返すなあーっ!!」と言われそうだが、その場合俺のジョジョ教育が成功している世界線なのでそれはそれでいい。
 
■2016-10-23
リングガールのぼうけん
 義妹の結婚式に出席してきた。
 娘氏も精一杯おめかしして初めての結婚式に出席した。ややねむたげなのか、今日は朝からお目々がガッツリ一重まぶただった。娘氏の作画監督、重要な回に仕事をしない。


 会場は我々のときと同じ場所で実家のような安心感がある。しかし子連れで結婚式に出るのは初めてなので、その点は大変な不安がある。しかもチャペルでリングガールをやって欲しいんだってェー!?つまり娘氏はご両親の手を離れひとりで賛美歌の響き渡る教会の中央をリングピローを持って歩き、見知らぬガイジンさん(牧師)にそれを渡さなければならない。無理では?

 そんな思いでリハーサルが始まった。牧師さんは我々のときと同じミスタークリスだった。どう考えても娘氏が一人で入場するのは不可能と判断した我々は、最初に牧師さんがリングピローを持った娘の手を引いて入場する、というプランに切り替えた。
 あとはちゃんとリングピローを運んで、渡すべきときにクリスに渡せるかが問題だった。クリスに「どうじょー」って渡す練習が無事できたので褒め称えていたら、今度は式場のお姉さんや新婦父にまで「どうじょー」ってしはじめて収拾がつかなくなった。無理では?

 そうしているうちに賛美歌が流れ始めてしまった。頼むぞアイチャン……ちゃんとクリスにくっついていけよ……「かーたんは?かーたんはー?おかあたやーん!!」とか言うなよ……頼むぞ……!まさか娘をもってわずか2年半で、バージンロードに娘を送り出す父親の心境を体感するはめになるとは思わなかった。俺が参列者席に戻るにはぐるりと回り込む必要があるため、背中を見送っただけで結果は見ていない。が、結果としてはうまくいったようだ。サンキュークリス!!アイチャンもがんばった!!


 ブーケトスなどのイベントが終わったあと、ゲストはエントランスロビーへと通される。我々はこのロビーの上の方にある小窓が新郎新婦控え室に繋がっていて、上からゲストの様子を垣間見ることができることを知っている。なので真っ先に奥に進み、小窓がゆっくり開いたのを見上げてちぎれるくらい手を振った。小学生か。

 宴が始まってから乾杯までは、娘氏に騒いでもらってはこまる。挨拶から乾杯までの間をごまかすべく、例のPSP Goに入れたアンパンマンで注意をひいて静かにしてもらった。こんな素晴らしいハードのサポートを打ち切るメーカーがあるらしい。歓談が始まってしまえば料理も来るし何も心配ない……と思いきや、新婦お色直し退場の付き添いにワイフが指名された。突然母親が退場してしまったことを理解した娘氏は、たちまち顔を歪めて泣き出した。退場寸前までご機嫌でごはん食べてたじゃないですかアナター!


 すっかり忘れていたが、式の後半には「リングガールのお礼」と称して高砂前に呼び出され、娘氏がプレゼントを受け取るイベントがあるのだった。大丈夫か、こちらにはリハーサルなんてないんだぞ、おいちょっとカメラ止めてくれ、みたいな事態になっては大変だ。空気を読まねばならない。……が、まあ自分に対してなんかプレゼントが差し出されている、という状況はうっすら理解したらしく、娘氏は無事プレゼントの包みをゲットしたのであった。よかった。ご両親は胸をなで下ろした。その直後、娘氏は新郎に包みを「どうじょー」ってして走り去った。ちがーう!!今はちがーーーう!!

とけい
 ちなみにプレゼントの中身はとけいでした。とけい好きすぎかよ。よかったな。


 数日前から娘氏がおなかをこわしていて体調が心配だったものの、なんとか滞りなくお仕事を完遂したうえ、うまいもんをおなかいっぱい食べるバイタリティも見せてくれて一安心した。今日我が娘は初めて他人の期待に応える仕事をしたのだ。いっぱい食っていいぞ。フルーツもいいぞ。
 
■2016-10-29
娘月報・十月
 2歳5ヶ月~6ヶ月の記録。

  • 走る娘のあとをご両親がついていくと、気に入らないのか「かーたんあっちいっちゃって!」とか「パパチャンあっちいっていい!」とか言ってグイグイ押してくる。そのあと走り出して見事に転んで泣いた。言わんこっちゃないぞ。だいたい好き放題イタズラしたいときに「あっちいっていい」って言うので注意が必要だ。
  • 玄関のすみで「パパチャンあっちいっちゃって!」とぐいぐい押し出してくるからなにかと思ったら、そのあとオムツからうんちのにおい。オッ羞恥心だ!羞恥心だぞー!やいー!!
  • 脈絡なく「ざんねんパパチャンだったね」と言うらしくわけがわからない。俺がいないときに主に言うようだ。まるで俺がいつも残念みたいじゃあないか……「パパチャン、残念だったね」の意味で使うこともなくはないようだが……。
  • ぺんてるの「水でおとせるふとくれよん」が優秀で、安心してお絵描きさせられるため、たいぶお絵描きがタッシャになってきた感がある。「チューリップ!」「とけいかいちゃおっと」と言って描かれたチューリップとけいの絵はなんかギリギリチューリップとけいに見える作品だった。
  • お絵かき帳にめちゃくちゃに色をのっけただけの絵を描いて「さばくのまち」と称する。そんな無駄に情緒的なタイトルをつけられたらなんとなく砂漠の町っぽい部分を探してしまうじゃあないか……。『いないいないばぁっ!』のイラストコーナーは魂のステージを上げないとまず絵にすら見えないが、こうして親御さんの目が磨かれていくのだな……。
  • 娘氏はどうも「おうどいろ」を「あか」「あお」の次くらいにメジャーな色名だと思っているフシがある。すまんな、それ学校出るとビリジアンの次くらいに使わなくなる名前なんだわ……。
  • 下卑た笑いを浮かべながらウンコの絵を描いて娘氏に提出したところ、目と口をうまい位置に描き込んで「あいしゅくりーむちゃん」……この子は天使か!
  • お絵かきに続きこむぎねんどにハマって延々とこねこねしている。『ニャンちゅうワールド放送局』のおねんどお姉さんのまねをしながらこねこねしている。「おねんどおねえさん、かんせいです!」……ついに人体錬成に成功してしまったか……。
  • 謎のクイズブーム到来。「もんだいです!」「おう」「ムテきちは、ない」「??」「ミーニャは……ない」「???」「しぇーかいは?」「正解は……?」「しぇーかいは……(立ち去る)」「正解は!?ちょっと!!」
  • 「たべてるときはなーんだ?いちばん!はをみがく!」「??」「にばん!……」「……?」「しぇーかいはー?じゅうばーん!!」「難易度がベリーハードだ」
  • 「パパチャンいいですか?」「ハイ」「かーたんいいですか?」「はい」「しぇーかいはー、にゃんにゃん!!」「問題が!まだ!!」
  • 「おもしろいかおして!」って言うからとっておきの変顔で勝負したのに、間髪入れずニッコニコでビンタされた。なんで俺いま殴られたん……?この子は俺をリアクション芸人か何かだと思っているな?
  • 冷凍庫が自動で氷をつくった音を聞いて「あ!だれかふみだいからおちた」との発言。そんなスゴイ音する?あとたとえが悲劇的すぎない?
  • だっこにも種類があるらしく、自分の体が完全に地面から離れるのが「おっきいだっこ」、足やお尻が接地しているのが「ちっちゃいだっこ」らしい。泣きながら「わーん!ちっちゃいだっこォー!」って来るので「あ、ちっちゃい方でいいんだ」ってなる。
  • 円筒形の積み木ボックスにガッツリと尻を食われて抜けなくなり「まけなーい!おかあたーん!あきらめなーい!」と自分を鼓舞しながら助けを呼ぶ事件が発生。
  • オリーブの実を欲しがったので「お口に合うかわからないけど……」と言いつつ食べさせたら、案の定吐き出したうえ「おくちにあう。」と意味不明な供述。さては「オクチニアウ」という果物だと理解したな?
  • 手づかみでガツガツ食事中に「おててがぺっとぺと!」と拭くものを要求するようになった。ガーゼを渡すと指を一本一本ていねいに拭いて、満足するとまた手づかみでガッと行く。カトリーヌ・ド・メディシス嫁入り前のフランス貴族かな?
  • お店で買ってきたリンゴをそのへんに置いとくと、サッと持っていってそのままガリッと行く。テキサスの人かな?それをやる前にちゃんとジーンズのケツでリンゴを拭くんだぞ。
  • サラミを見て「ピクルスたべたい」と要求。に、似てねー!と思ったがこれはたぶん『はらぺこあおむし』の「チョコレートケーキとアイスクリームとピクルスとチーズとサラミと~」のくだりの影響で、「あおむしが食べたもの」というふんわりしたフォルダにいっしょに収められていたのだろう。


 タクトめいたものを渡すと振りかざして「うけわたし!」と言うのが謎だったが、日曜朝に「うけわたし見てみる」と言っていたのでまさか「プリキュア」のことを指しているのか……?たしかに「うけわ」の発音次第では「プリキュア」に聞こえなくはないが……だとすれば「たし」とは何なのか……。「きゅあっぷあぱぱ!」と呪文をとなえているときに「うけわたし?」と聞いてみたが「しらない」と言うし謎は深まるばかりだ……。