◆不定期日記ログ◆
LOG 2025-04
- ■2025-04-01
- 俺たちと回転式機関砲
1914年、バルカン半島における皇太子暗殺事件をきっかけに、第一次世界大戦が始まった。それは従来の単なる国家間の戦いではなく、産業革命が生んだ技術と殺戮が融合した、かつてない規模の戦争であった。
この戦争では、毒ガス、飛行機、戦車といった新たな兵器が次々と投入され、戦いの形を大きく変えていった。
中でも多くの死者を出したのが機関砲である。そのころまだ戦場といえば、兵士が密集して隊列を組み、一斉射撃や銃剣突撃で敵陣を突破することが一般的であった。その物量を一閃する兵器が登場したことで、莫大な数の死傷者が生じ、各軍は塹壕に潜り戦線は硬直した。
しかし、『るろ剣』を読んでいる聡明なる諸兄はご存知であろう。第一次世界大戦よりも半世紀以上前、明治維新の頃にはすでに我が国にもガトリングガンが導入されていたことを。
そんなガトリングガンが実装されてから60年もたってなお、機関砲に正面から伝統的密集攻撃をやるとか、あまりに無謀すぎないか? 指揮官は何を考えていたんだ?
この疑問に対する答えは2つある。
ひとつは、戦場における情報伝達手段が発達しておらず、散開隊形に対する指揮系統が成立しにくかったということ。
もうひとつは、『るろ剣』で式尉くんがその身を挺して抜刀斎の盾となったように、一斉に突撃すれば肉壁で突破できなくもなかったということだ。
だが、機関砲だって60年もたてば改良・進化するものである。
明治初期のガトリングガンは人力で銃身を回転させるため、発射レートはおよそ200発/分が精一杯であった。
しかしこの第一次世界大戦中に投入されたものは、銃身の回転を完全に機械制御しており、発射レートは6000発/分にも及ぶ。これを肉壁で突破しようとすれば、速やかで確実な全滅が待っているであろう。
バルカン半島で行われた最も重要な戦いであるサロンキ戦線においてドイツ軍が使用し、猛威を振るったこの機関砲は「バルカン砲」と呼ばれるようになり、その後小型軽量化を経て、今でも戦闘機やガンダムに搭載される機関砲として名をはせている……
ということを脳内で考えついたんだが、そうだよな!? ChatGPT!!

GPT4o バカ!! そんなワケあるか!!
まったく生成AIは調べ物のとっかかりとしては便利だけどこういうウソが紛れ混むからな……。ちゃんと複数の情報源にあたって……いや……本当にバルカン半島はBalkan、バルカン砲はVulcanで一切関係がない~~ッ!!
ウソだろバルカン半島! お前は「ヨーロッパの火薬庫」の異名をほしいままにしていたじゃないか! 逆になんでバルカン砲と関係がないんだよ!!
「アンゴラウサギはアンゴラ共和国原産である」「アラビアータはアラビア半島からイタリアに伝わった」「シマンテックは四万十市で創業した」「ぐっすりの語源はGood Sleep」などなど、こういった豆知識は完璧な納得を俺たちに与えてくれる。「事実でない」こと以外は非の打ち所がない。「事実でない」ということがそんなにダメか。もう良いのではないか。ポストトゥルースの時代と警鐘を鳴らされて10年も経つ。何か変わったか? フィルターバブル内で培養されたようなおっさんは大統領に返り咲いた。俺たちはもう「事実」より「納得」を優先するのが当然の社会に生きているのではないか? 画像生成AIは真面目な顔でウソの大量生産工場を稼働させ、人の手による検証・訂正は追いつかない。事実を追い求めることはもう無駄なのではないか? みんな楽になれ。抵抗を諦めて都合のいい納得を与えてくれるエコーチェンバーの中で暮らそう。納得は何より優先するのだから……。
この戦争では、毒ガス、飛行機、戦車といった新たな兵器が次々と投入され、戦いの形を大きく変えていった。
中でも多くの死者を出したのが機関砲である。そのころまだ戦場といえば、兵士が密集して隊列を組み、一斉射撃や銃剣突撃で敵陣を突破することが一般的であった。その物量を一閃する兵器が登場したことで、莫大な数の死傷者が生じ、各軍は塹壕に潜り戦線は硬直した。
しかし、『るろ剣』を読んでいる聡明なる諸兄はご存知であろう。第一次世界大戦よりも半世紀以上前、明治維新の頃にはすでに我が国にもガトリングガンが導入されていたことを。
そんなガトリングガンが実装されてから60年もたってなお、機関砲に正面から伝統的密集攻撃をやるとか、あまりに無謀すぎないか? 指揮官は何を考えていたんだ?
この疑問に対する答えは2つある。
ひとつは、戦場における情報伝達手段が発達しておらず、散開隊形に対する指揮系統が成立しにくかったということ。
もうひとつは、『るろ剣』で式尉くんがその身を挺して抜刀斎の盾となったように、一斉に突撃すれば肉壁で突破できなくもなかったということだ。
だが、機関砲だって60年もたてば改良・進化するものである。
明治初期のガトリングガンは人力で銃身を回転させるため、発射レートはおよそ200発/分が精一杯であった。
しかしこの第一次世界大戦中に投入されたものは、銃身の回転を完全に機械制御しており、発射レートは6000発/分にも及ぶ。これを肉壁で突破しようとすれば、速やかで確実な全滅が待っているであろう。
バルカン半島で行われた最も重要な戦いであるサロンキ戦線においてドイツ軍が使用し、猛威を振るったこの機関砲は「バルカン砲」と呼ばれるようになり、その後小型軽量化を経て、今でも戦闘機やガンダムに搭載される機関砲として名をはせている……
ということを脳内で考えついたんだが、そうだよな!? ChatGPT!!

GPT4o
「バルカン砲」という言葉から連想されるものには現代兵器であるガトリング方式の多銃身機関砲がありますが、これは1950年代にアメリカで開発された兵器であり、第一次世界大戦には存在していません。「バルカン砲」はバルカン半島とは直接の関係がなく、ローマ神話の火と鍛冶の神ウルカヌスに由来しています。
まったく生成AIは調べ物のとっかかりとしては便利だけどこういうウソが紛れ混むからな……。ちゃんと複数の情報源にあたって……いや……本当にバルカン半島はBalkan、バルカン砲はVulcanで一切関係がない~~ッ!!
ウソだろバルカン半島! お前は「ヨーロッパの火薬庫」の異名をほしいままにしていたじゃないか! 逆になんでバルカン砲と関係がないんだよ!!
「アンゴラウサギはアンゴラ共和国原産である」「アラビアータはアラビア半島からイタリアに伝わった」「シマンテックは四万十市で創業した」「ぐっすりの語源はGood Sleep」などなど、こういった豆知識は完璧な納得を俺たちに与えてくれる。「事実でない」こと以外は非の打ち所がない。「事実でない」ということがそんなにダメか。もう良いのではないか。ポストトゥルースの時代と警鐘を鳴らされて10年も経つ。何か変わったか? フィルターバブル内で培養されたようなおっさんは大統領に返り咲いた。俺たちはもう「事実」より「納得」を優先するのが当然の社会に生きているのではないか? 画像生成AIは真面目な顔でウソの大量生産工場を稼働させ、人の手による検証・訂正は追いつかない。事実を追い求めることはもう無駄なのではないか? みんな楽になれ。抵抗を諦めて都合のいい納得を与えてくれるエコーチェンバーの中で暮らそう。納得は何より優先するのだから……。
- ■2025-04-03
- 風になる
春……それは多くの生き物が、冬眠明けや繁殖などで活動が活発になる季節。
そしてその大きなうねりは我が家にも影響を及ぼした。
おや、我が家のギターが……?
繁殖しているーッ!!
ギターってやつはハムスターと同様、単為生殖する生き物だったのかァーッ!!
いやー可愛いですね、ギターの幼体はまだ弦が4本しか生えてないんですねえ……。
というわけで、ウクレレがやってきた。
俺は常々、「ギターの5・6弦って外しちゃダメかな?」と思ってきた。バレーコードができない事実から逃げ続けているからだ。以前、代表的バレーコードであるFとBmをいかに誤魔化しているかという戦いの記録を書いたが、そもそも指4本に対して弦6本は多すぎる。初代ギターフリークスは3ボタンだぞ。
なので、4弦しかないウクレレは俺にとっての福音となるだろうと予感していた。しかし懸念事項があった。

スペースギター&ウクレレ by BingAI ギターとウクレレ、コードの押さえ方がぜんぜんちがう。
せっかくギターの主要コードを身につけたのに、さらにこれを覚えていったら混乱の元だ。どっちがどっちかわかんなくなる可能性が高い。なので、娘氏の入門用に買ってはみるものの、真面目に取り組むことはしないでおこう……と思っていた。
しかし、説明書に「既にギターをお弾きになる方は、ギター用のコードの5・6弦を省くことで対応できます」と書いてある。その場合CをFに移調し……? えっとつまりどういうコトだ?

Guiter(key-1) これのキーをさらに-7すればいいわけだ?

Ukulele(key-8) アッなにこれ……同じだッ! コードは違うけど上4本の押さえ方が同じッ!!
じゃあもう全ての曲のキーを-7(あるいは+5)すれば、ウクレレ用のコードを一切覚えずに、ギター用のコード譜を見ながら5・6弦を無視して弾いていいってコトじゃあないか! イージーモードか!?
まあ実際はキーを-7もしたら原曲からぜんぜん音域が離れてしまって別の曲みたいになってしまうことは、カラオケで皆様ご経験済みだとは思う。しかしイージーモードの代償としては破格である。
たとえば上記の譜面において、俺がギターでBを鳴らす場合、バレーコードができないため5・6弦を無視して弾く。その指運びはウクレレと完全に一致している。鳴らせない部分を鳴らさなくていいよと言ってくれる、無限の優しさを感じる。
こうして俺は、ウクレレのコード表をいっさい見ないまま、わずか1日でウクレレをギター同様に弾けるようになってしまった。
とはいえ、ギターコードでウクレレを弾くと、コードを構成する音が欠けてしまう、あるいはコード内での一番低い音が変わってしまう関係で、違和感が出る部分がある。多少の補正か妥協は必要といえるだろう。
【ギターと比べてウクレレのよいところ】
【ギターと比べてウクレレのいまいちなところ】
3日もすると、娘氏も簡単なコードならさらっと押さえられるようになってしまった。まあ娘氏がウクレレ弾いてんならパパは頑張ってギターに踏みとどまるべきだろう。
俺はさしあたって、つじあやのの「COVER GIRL」を聴くなどしてウクレレアレンジのなんたるかを学習している。つじあやの……それは日本中のウクレレプレイヤーのメンターでありつづける偉大なアーティスト……。
そしてその大きなうねりは我が家にも影響を及ぼした。


ギターってやつはハムスターと同様、単為生殖する生き物だったのかァーッ!!
いやー可愛いですね、ギターの幼体はまだ弦が4本しか生えてないんですねえ……。
というわけで、ウクレレがやってきた。
俺は常々、「ギターの5・6弦って外しちゃダメかな?」と思ってきた。バレーコードができない事実から逃げ続けているからだ。以前、代表的バレーコードであるFとBmをいかに誤魔化しているかという戦いの記録を書いたが、そもそも指4本に対して弦6本は多すぎる。初代ギターフリークスは3ボタンだぞ。
なので、4弦しかないウクレレは俺にとっての福音となるだろうと予感していた。しかし懸念事項があった。

スペースギター&ウクレレ by BingAI
せっかくギターの主要コードを身につけたのに、さらにこれを覚えていったら混乱の元だ。どっちがどっちかわかんなくなる可能性が高い。なので、娘氏の入門用に買ってはみるものの、真面目に取り組むことはしないでおこう……と思っていた。
しかし、説明書に「既にギターをお弾きになる方は、ギター用のコードの5・6弦を省くことで対応できます」と書いてある。その場合CをFに移調し……? えっとつまりどういうコトだ?

Guiter(key-1)

Ukulele(key-8)
じゃあもう全ての曲のキーを-7(あるいは+5)すれば、ウクレレ用のコードを一切覚えずに、ギター用のコード譜を見ながら5・6弦を無視して弾いていいってコトじゃあないか! イージーモードか!?
まあ実際はキーを-7もしたら原曲からぜんぜん音域が離れてしまって別の曲みたいになってしまうことは、カラオケで皆様ご経験済みだとは思う。しかしイージーモードの代償としては破格である。
たとえば上記の譜面において、俺がギターでBを鳴らす場合、バレーコードができないため5・6弦を無視して弾く。その指運びはウクレレと完全に一致している。鳴らせない部分を鳴らさなくていいよと言ってくれる、無限の優しさを感じる。
こうして俺は、ウクレレのコード表をいっさい見ないまま、わずか1日でウクレレをギター同様に弾けるようになってしまった。
とはいえ、ギターコードでウクレレを弾くと、コードを構成する音が欠けてしまう、あるいはコード内での一番低い音が変わってしまう関係で、違和感が出る部分がある。多少の補正か妥協は必要といえるだろう。
【ギターと比べてウクレレのよいところ】
- 指4本に対して弦4本なので、コードが押さえやすい。弾ける曲が一気に広がるのはイージーモードの魅力。
- 左手でコードを正確に押さえているという実感があるので、右手で力強くストロークすることができる。
- ナイロン弦で指にやさしい。これはすでにギターによって左手の指の皮が硬質化しているせいかもしれない。
- 小型軽量のため極めて取り回しがよい。やはりすぐに手に取りすぐに弾けるようにしておくことが楽器習熟のカギ。
【ギターと比べてウクレレのいまいちなところ】
- 弦が4本しかないので、押さえ損ねた弦があるとギターよりミスが目立つ。
- 成人男性が押さえるにはフレットの幅が狭すぎる。指が太い人はそもそも押さえられない。俺は細い方だがそれでもギリギリ。
- 本体が小さすぎて、どうやって構えるとかっこいいのかがいまいちわからない。
- カポタストをつけてキーを変えようとするとカポが邪魔すぎる。ウクレレ専用のやつならいいのかな?
- かっこいい曲も悲しい曲もなんかお気楽な感じになってしまう。シブい低音はギターの強み。
- 無限に甘やかされてしまいギターに戻れなくなってしまう。そしてギターを触った時に「うおデッカ……」ってなってしまう。
3日もすると、娘氏も簡単なコードならさらっと押さえられるようになってしまった。まあ娘氏がウクレレ弾いてんならパパは頑張ってギターに踏みとどまるべきだろう。
俺はさしあたって、つじあやのの「COVER GIRL」を聴くなどしてウクレレアレンジのなんたるかを学習している。つじあやの……それは日本中のウクレレプレイヤーのメンターでありつづける偉大なアーティスト……。
- ■2025-04-19
- 竜洋記
キャンプという趣味は、現実的には春と秋のわずかな期間しかできず、しかも春はアホみたいに花粉の飛散している時期と、大型連休でアホみたいに人出が増える時期を除くことになる。なので行けると思ったらチャンスを逃す手はない。
今回はワイフが偶然、竜洋海洋公園オートキャンプ場のコテージにキャンセルが出たことを発見したため、急きょ決行することになった。
このキャンプ場は、以前、併設された公園に来たときから目をつけていた。わりと人気で予約がとりにくいらしい。なので今回はテントでなくコテージとなるが、どのみち海が近くて常に遠州のからっ風が吹き荒れるので、テントは厳しかっただろう。
ここは天下の奇祭「見付天神はだか祭」でゆうめいなところだが、今はむしろ「しっぺい太郎」のほうが通りが良いだろう。
2022年に長野にいったとき、光前寺の早太郎伝説に触れてきたので、こっちにもちゃんと行っておくべきと判断した。なので別に『ゆるキャン△』の聖地巡礼をしているわけではないが、それを否定する材料もない。
いまや磐田市のキャラクターとなっている「しっぺい」であるが、こいつの赤いふんどしは裸祭に由来するものであることに今更気付いた。お前……裸祭に参加していたのか……。娘氏はおみくじでみごと大吉を引き当てた。そういえばこれが初詣のような気がする。
PCを操作し簡単な質問に答えると、プリンターから「ボディ」「アジャスト」「アクセント」の3種類の香りの名前とその配分を示した紙が出力される。あとはそのレシピにしたがって香水をまぜまぜすれば良い。香水はすでに単体で香水として成立しているので、娘氏が原液を嗅いでも「エンッ!!!」となることはない。余談だが娘氏は「エンッ!!!」が「刺激臭を直接嗅いで倒れる人の断末魔」であることをなぜか理解している。
ここは疑いようもなく『ゆるキャン△』の聖地巡礼に該当する。実写版だと一瞬しか出なかったが、大晦日の夜にここにテントを張るしまりんは只者ではない。
しまりんは「整備されていて枝などが落ちていないから」といって特殊な火起こしをしていたが、敷地外にはクソデカまつぼっくりさんがいくつか落ちており、これを利用したら着火剤がいらんのではないかというくらい見事に燃えた。まつぼっくりさんってこんなに燃えるんだあ。来たるべき核の冬に備えてみんな松を植えるべき。
ここのコテージにはなんと二段ベッドがある。つまりマットレスも寝袋も要らない。あとキッチンとほりごたつもある。もうそれはホテルと変わらないのではないだろうか。キャンプを宿泊訓練と捉えている俺には物足りないが、ほりごたつの上にカルカソンヌを広げて戦うのはとても面白かった。
翌朝は暴風雨になったが、窯焼きピザのキッチンカーが来たのでためらわずに向かった。しまりんが欲望に耐えられなかったピザ、まだ元気に営業してたんだ! キッチンカーの中に窯があり火が入っているのは素直に壮観だと思った。

「ゴキブリ展 8」 ……ちょっとまってくれ、なんでナンバリングが8まで行ってんだ。なんでもカブト・クワガタに次ぐ定番展示とのこと。しかも3月で終わってるはずが、会期が延長されている。狂気を感じる。
虫が苦手な人に配慮してできるだけロングで撮った写真としたが、これでも十分狂気が伝わってくるのではないだろうか。
しかもそこにあるのは悪趣味なファッション狂気ではなく、膨大な情熱と知識に裏打ちされた確かな狂気であった。論文も書いている。沖縄の離島で採集を繰り返している。その結果が展示されている。信頼できる狂い方をしている人を見るのは楽しい。いちおう「ポスターは飲食店に貼られることもあるのでゴキブリの写真は使えず……」という正気を感じさせるエピソードもある。正気が勝ったけど使おうとはしたんだ。
狂気のフィルターを通して見るとこのゴキブリたちはアイドルなので、当然アクスタも出る。きれいめな種類のゴキブリはいいとして、実写のアシダカグモのアクリルスタンド、何に使えというのだ……というか天敵枠のアシダカグモがなんで得票率上位にいるんだよ! おばか!!
いちばんスゴイと思ったのは「ゴキカブリ」が「ゴキブリ」に誤植された1884年の本『生物学語彙』の実物を入手して展示していたことである。それもう昆虫学と関係ないだろ!! ただの執念だろ!!
……一応、昆虫館なのでヘラクレスオオカブトとかも飼育されているし、二階には美しいチョウの標本がぎっしり並んでいて見ごたえがある。研究とは正気と狂気の狭間を反復横跳びすることなのかもしれない。
海鮮なぶら市場は東名高速からだいぶ離れているので、高速でなぶら市場に行くことはできない。俺は高速でなぶら市場に行きたかった。
ここではダイレクトふるさと納税をやっていた。すごい。カウンターで御前崎市に納税するとその場で返礼品として商品券がもらえる仕組みだ。
仲介業者に税金を吸われないのは良いが、もうそれは市場を市営にしたほうが早くないか? 都市部の住民税を奪い取るほうが重要なのか? 納税とは何か……俺はよくわからなくなってしまった。
今回はワイフが偶然、竜洋海洋公園オートキャンプ場のコテージにキャンセルが出たことを発見したため、急きょ決行することになった。
このキャンプ場は、以前、併設された公園に来たときから目をつけていた。わりと人気で予約がとりにくいらしい。なので今回はテントでなくコテージとなるが、どのみち海が近くて常に遠州のからっ風が吹き荒れるので、テントは厳しかっただろう。
■見付天神 矢奈比賣神社
ちょっと寄り道すれば届く範囲にあるので寄った。
2022年に長野にいったとき、光前寺の早太郎伝説に触れてきたので、こっちにもちゃんと行っておくべきと判断した。なので別に『ゆるキャン△』の聖地巡礼をしているわけではないが、それを否定する材料もない。
いまや磐田市のキャラクターとなっている「しっぺい」であるが、こいつの赤いふんどしは裸祭に由来するものであることに今更気付いた。お前……裸祭に参加していたのか……。娘氏はおみくじでみごと大吉を引き当てた。そういえばこれが初詣のような気がする。
■磐田市香りの博物館
弊サイトには記録されていないが、ここは以前に来訪したことがある。ここでは香水の調香体験ができる。土曜の午後ではあったが、幸い混んでいなかったので整理券等ナシで入ることができた。PCを操作し簡単な質問に答えると、プリンターから「ボディ」「アジャスト」「アクセント」の3種類の香りの名前とその配分を示した紙が出力される。あとはそのレシピにしたがって香水をまぜまぜすれば良い。香水はすでに単体で香水として成立しているので、娘氏が原液を嗅いでも「エンッ!!!」となることはない。余談だが娘氏は「エンッ!!!」が「刺激臭を直接嗅いで倒れる人の断末魔」であることをなぜか理解している。
■竜洋海洋公園オートキャンプ場

しまりんは「整備されていて枝などが落ちていないから」といって特殊な火起こしをしていたが、敷地外にはクソデカまつぼっくりさんがいくつか落ちており、これを利用したら着火剤がいらんのではないかというくらい見事に燃えた。まつぼっくりさんってこんなに燃えるんだあ。来たるべき核の冬に備えてみんな松を植えるべき。
ここのコテージにはなんと二段ベッドがある。つまりマットレスも寝袋も要らない。あとキッチンとほりごたつもある。もうそれはホテルと変わらないのではないだろうか。キャンプを宿泊訓練と捉えている俺には物足りないが、ほりごたつの上にカルカソンヌを広げて戦うのはとても面白かった。
翌朝は暴風雨になったが、窯焼きピザのキッチンカーが来たのでためらわずに向かった。しまりんが欲望に耐えられなかったピザ、まだ元気に営業してたんだ! キッチンカーの中に窯があり火が入っているのは素直に壮観だと思った。
■磐田市竜洋昆虫自然観察公園
あいにくの雨で公園部分は散策できないが、昆虫館があるので寄った。そして我々はここで世にもおぞましきものを見た。
「ゴキブリ展 8」
虫が苦手な人に配慮してできるだけロングで撮った写真としたが、これでも十分狂気が伝わってくるのではないだろうか。
しかもそこにあるのは悪趣味なファッション狂気ではなく、膨大な情熱と知識に裏打ちされた確かな狂気であった。論文も書いている。沖縄の離島で採集を繰り返している。その結果が展示されている。信頼できる狂い方をしている人を見るのは楽しい。いちおう「ポスターは飲食店に貼られることもあるのでゴキブリの写真は使えず……」という正気を感じさせるエピソードもある。正気が勝ったけど使おうとはしたんだ。

いちばんスゴイと思ったのは「ゴキカブリ」が「ゴキブリ」に誤植された1884年の本『生物学語彙』の実物を入手して展示していたことである。それもう昆虫学と関係ないだろ!! ただの執念だろ!!
……一応、昆虫館なのでヘラクレスオオカブトとかも飼育されているし、二階には美しいチョウの標本がぎっしり並んでいて見ごたえがある。研究とは正気と狂気の狭間を反復横跳びすることなのかもしれない。
■御前崎海鮮なぶら市場
帰りは東名高速を使わず、海沿いを走って帰った。お昼に海鮮なぶら市場に寄り、カツオ定食を食べて帰った。海鮮なぶら市場は東名高速からだいぶ離れているので、高速でなぶら市場に行くことはできない。俺は高速でなぶら市場に行きたかった。
ここではダイレクトふるさと納税をやっていた。すごい。カウンターで御前崎市に納税するとその場で返礼品として商品券がもらえる仕組みだ。
仲介業者に税金を吸われないのは良いが、もうそれは市場を市営にしたほうが早くないか? 都市部の住民税を奪い取るほうが重要なのか? 納税とは何か……俺はよくわからなくなってしまった。