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◆不定期日記ログ◆

LOG 2019-04

■2019-04-01
みんなの笛
 最後にリコーダーを吹いたのはいつのことだっただろうか。
 

 現代日本に生まれ育った人で、リコーダーを吹いたことがないという人はまずいないだろう。古くから小学校の学習指導要領では、全ての子どもたちに等しく楽器演奏の経験を持たせるべく、器楽指導を導入している。

 第1学年及び第2学年で取り上げる身近な楽器は,様々な打楽器,オルガン,ハーモニカなどの中から学校や児童の実態を考慮して選択すること。
 第3学年及び第4学年で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,リコーダーや鍵盤楽器,和楽器などの中から児童や学校の実態を考慮して選択すること。

(小学校学習指導要領 第2章第6節 音楽)
 このようにリコーダーは名指しされている。もうひとつの代表楽器たる鍵盤ハーモニカが「オルガン・ハーモニカなど」と示されていることと比べると、これは破格の存在感ではないだろうか。

 考えてもみてほしい。義務教育は子どもたちがこれから生きていくために必要な能力を身につけ、資質を育てるためのものである。しかし我々は大人がリコーダーを演奏するところを見たことがない。栗コーダーカルテットのみなさんか、ジャガージュン市先生くらいしか吹いていないのではないか。そんなリコーダーがなぜ「たて笛」でなく名指しで学習指導要領に食い込んだのか。


 歴史をさかのぼろう。ヨーロッパでは古くからリコーダーのようなたて笛が使われていたが、それはまだフルートの一種と認識されており、リコーダーとは呼ばれていなかった。ヤマハ楽器の資料によると、このたて笛は15世紀後半から17世紀にかけて盛んに演奏され、18世紀半ばに「横向きのフルート」こと現在のフルートが隆盛すると表舞台から姿を消してしまったようだ。

 それから150年もの時が過ぎた19世紀末のイギリスで、古楽器の研究をしていた音楽教師アーノルド・ドルメッチが、このたて笛を現代に蘇らせた。理由はもちろん音を出すことの容易さに教育用としての価値を見いだしたからであり、このときまさにリコーダーは「Recorder」、記録するもの、旋律を生徒に覚えさせるものという名前で呼ばれるようになったのである。


 我々日本人はなぜかリポートとレポートを区別して使うので、リコーダーもレコーダーとしての意味合いを失って日本語に取り入れられた。そもそもが教育用の名前だったのだから、戦後まもないころから学習指導要領で名指しされているのも納得である。そう……オレは『納得』したいだけだ。真面目にググッて「名称の由来について確かなことはわかっていない」と知った風なことをいわれて納得いくか……? オレはぜーんぜん納得いかねえ……『納得』は全てに優先するぜッ! でないとオレは『前』へ進めねえッ! 『どこへ』も! 『未来』への道も! 探す事は出来ねえッ!! だから4月1日を利用してでっちあげた! MS社がエイプリルフールを禁止しようが関係ねえッ! これが俺の『納得』だァ―――ッ!
 
■2019-04-03
沼津どんぐり
 ワイフの発案で、沼津のレトロな喫茶店「どんぐり」に甘味を食べに行ってきた。

 ここはリバーカウンターという特徴的なシステムを採用しており、一度見たら忘れないインパクトがある。俺はこの喫茶店がテレビで紹介されていたのを覚えている。……そう認識している。
 というのもワイフが「前に一緒に行ったことがある」と言うからだ。ワイフが誰か他の人と間違えている可能性と、俺が記憶に欺かれている可能性を天秤にかければ、俺の脳味噌のほうが容易に持ち上がるのは明白。おそらく俺は行ったのだろう。この日記に記録されていない記憶は全てを疑う必要がある。

 現地に行ってみると、「行ったことがある」のは確かなようで、俺は近くにあったゲーセンに寄ったことを思い出した。おそらくその時であろう。pop'nmusic に移植されたばかりの Blind Justice をプレイした記憶まである。つまりポップンのナンバリングは16。ここからおそらく2008年頃の出来事だと推定できるが、記憶はたやすく俺を欺くので信用してはいけない。

沼津どんぐり
 そんなわけで入店してもいまいち実感はなかった。リバーカウンターをどんぶらこっこと流れてくる甘味を見ながら、俺は「わぁーテレビでやってたのと同じだー」と思っていた。きっとテレビでも取り上げられていたのだろう。問題は俺がその手の番組をめったにを観ないことだが。

FIRE
 娘氏は店内に飾られたレトロおもちゃを興味深げに見て、「ゲームアンドウォッチだ」と言っていた。スマッシュブラザーズはゲームの歴史を4歳児に伝えている。
 
■2019-04-11
マイクロソフトPDF印刷との戦い
 仕事で使っているExcelが、なぜか規定のプリンタをガン無視して毎回 Print to PDF で印刷させようとしてくる。カカッと印刷コマンドを打つとすぐPDF保存のダイアログが出てくるのでおれの怒りが有頂天になった。この怒りはしばらくおさまる事を知らない。


 こんなあからさまなバグ、しかも天下のOffice2016ともなれば、インターネットに解決方法はゴロゴロ掲載されているだろう……そんな甘ったれた考えはたちまち粉砕された。

 ちょっと検索しただけで出てくる出てくる、「設定の『Windowsで通常使うプリンターを管理する』のチェックを外しましょう」という記事の数々。それはもうイヤというほど承知している。そんな邪悪な項目はインストール直後に秒速で外した。
 だいたい何が「管理する」だ。ただ前回使ったプリンターを規定にするだけの雑魚がデフォルトでONになってるほうがどうかしている。ここまででかい顔をしているのなら、最低でも俺が写真を印刷するときと文書を印刷するときでプリンターを使い分けていることを学習し、それを自動選択してくれる程度の知能を搭載していなければ許されないんだよ。
 それで誰もがこのクソ機能の外しかたを調べるだろ? それでその方法を示す記事がネット上に増殖し、無尽蔵のデコイと化しておれの検索を妨げるというファックな状況だ。なんと卑劣な煙幕であろうか。


 それでもなんとか検索を工夫して、同じ症状にぶちあたったこちらのサイトにたどり着いた。これに従って「Windowsの機能の有効化または無効化」で「マイクロソフトPDF印刷」のチェックを外して再起動、またチェックを入れて再起動、という手順を踏んだところ、無事に Print to PDF のデフォルト設定は消滅した。

 ……が、今度は毎回OneNoteに保存させようとしてくるようになった。


 なんたる邪悪……想像を絶する悲しみがおれを襲った。そしてMS社のあまりの粘着ぶりに完全な怒りとなった。
 もはや後にどんな禍根を残そうが関係ない。おれは怒りの炎でプリンター一覧にあるMS社の息のかかったデバイスをすべて焼き尽くした。このハルマゲドンにより、ようやくOfficeの印刷設定は物理プリンタに変わった。もうPDFは作れなくなったが、そのときはまた復活のさせ方を検索すればいい。だいじょうぶだドラゴンボールで生きかえれる。
 
■2019-04-16
PC担当の愉悦
 経理の処理によって廃棄備品となった9年もののノートPCがある。
 PC担当である俺はそのPCに Photoshop & Illustrator CS2 が入っていることを知っている。
 Adobe CS2はずいぶん前に認証サーバーが死んだため、いまや正規ライセンスを持っていてもCDからのインストールを受け付けず、限りなく黒っぽいグレーな方法でのインストールを強いられるので、インストール済みのマシンは貴重である。

 このまま捨てるのは惜しい。HDDもバッテリーも老朽化が激しいが、メモリは4GBあるし、Win10にはアップグレードできたし、使おうと思えばまだ使えるはず……

 そうだ、HDDの中身を新品のSSDにコピーして換装してしまおう。
 どうやるんだろう? やり方教えて?

〽️ネット ネットだ
公安9課 - 移行手順もあり。SSDからSSDにOSやデータを移行させました。
https://pssection9.com/archives/data-migration-from-the-ssd-to-the-ssd.html
 うわっめんどくさそう……だがやってみる価値はある。

  1. HDDのフォーマット形式を調べる
  2. SSDをUSB接続して同じ形式でフォーマット
  3. EaseUS Todo Backupを使ってHDDのデータをSSDに全コピー
  4. 底面を開けて古いHDDと新しいSSDを入れ替える

 手術はあっさり成功した。
 なんか上手く行かなかったときの例が山ほどあるのでカクゴしてたんだけど、USBで繋いでクローンして換装するだけで本当にできてしまった。
 いちばん苦労したのは俺のクソザコ握力でHDDマウンタのくっそ固いネジを回すパートだった。


 こうしてSSD購入費用だけで家族用PCを手に入れたが、このとき同じく廃棄備品から作り出したPCは、わずか2年で電源系統のトラブルを起こして死んだので多少心配している。
 ノートPCの場合はどこがまっさきにヘタるんだろうな。まあストレージが新品ならどっかぶっ壊れて起動しなくなってもデータは無事だろうからいいらいいら。

■2022-01-03追記

 また別のマシンのHDDをSSDに換装しましたが、EaseUS Todo Backupはディスクのクローン機能が有料版に移行してしまったため、メアド登録だけで使える「Macrium Reflect 8 Free」のHOME版を使用しました。今後も状況は変わると思われるので自分の力で確かめていけ。
 
■2019-04-21
ぐにゃぐにゃ人間の夢
 Nintendo Switch版『ヒューマン フォール フラット』をクリアーしました。

 これはリトアニア産のインディーゲームで、ゲームの様子を見て娘氏もすぐに「ぐにゃぐにゃ人間のゲーム」と理解するくらい見た目がキャッチーなのがポイント。
 このぐにゃぐにゃ人間をぐにゃぐにゃ操作して、物理エンジンに従うオブジェクトを掴んで動かしてゴールに向かうのが目的となる。

Human: Fall Flat
 つまりやってることはゼルダBotWの祠と同じなんだけど、ぐにゃぐにゃ人間ってやつはぐにゃぐにゃなので、とにかく操作がままならない。こいつマジで俺かっていうくらい腕力がない(ただし握力は無限にある)。具体的には写真のこの丸太の上にこの板を乗せるだけでも「俺ならこうしないと乗せられない」っていう手順をふまないといけないのがもどかしい。ある意味没入感がすごい。

Human: Fall Flat
 一応オフライン・オンラインのマルチプレイもできる。ただJoy-Con片方での視点変更はかなり難しいので、コントローラーは必須であろう。なにしろ視点変更が操作に食い込んでいて、右トリガーと右スティックに同時に触れられない娘氏は詰んだ。写真は必死に解法を探すパパチャンと、「手が首にひっかかってとれないよーたすけてー」と救援依頼をする娘氏。

 ノーヒントでクリアーしたかったんだけど、残念ながら最後から3番目の仕掛けがどうしてもわからず攻略を見た。どうやら俺は偶然その前の仕掛けを2~3個ショートカットしてしまったらしく、わからないのも仕方ないかなって納得した。このへんの挙動もゼルダBotWに似ている。

 これVRゲー向きなんじゃないかと思ったんだけど、ぐにゃぐにゃ人間ってやつはぐにゃぐにゃなので、仮にそうだったら間違いなく酔うな。
 
■2019-04-26
いろんな娘氏
  • 娘氏はアナ雪を頻繁に観ているのでたいていの歌を覚えてしまったんだけど、さすがにオープニングの「らーらーらえいやーらー らりやーあんだーあ~~~」まで歌い始めたのは笑った。
  • 娘氏「ようちえんのお友達の話をするんだけど。」
    ぼく「なになに」
    娘氏「太陽が出ると人がばたっとたおれて病院にはこばれるんだよ。」
    ぼく「えっ?? ちょっと待って詳しく教えて??」
    娘氏「くわしく説明しましたけど?」
    ぼく「なんで半ギレなの??」
  • 牛乳を渡されるも「わたしはもう歯が固いからいいよ。」と固辞する娘氏。
  • 突然「レディについて教えてあげよう。レディとは、バラのぼうしと、バラのおようふくと、バラの傘をさしているのだ」と謎の情報を発信する娘氏。
  • 娘氏「パパ、むかしは恐竜だらけだったんだよねぇ?」
    ぼく「そうだよ(だらけ……)」
    娘氏「それで、恐竜がしんでいって、骨のはくぶつかんができたってこと?」
    ぼく「そうだよ(無常感がすごいな……)」
  • 突然「わたしの攻撃力は100個あるからな!」と謎の概念を宣言し「アルコ―――ル・フラッシュ!!」と不思議な技を放つ娘氏。
  • 娘氏「スター・アルコール・パ―――ンチ!!」
    ぼく「アルコールは入れないとだめなの?」
    娘氏「地球のまもりびとじゃないとおとうさんにはなれませんよ!」
    ぼく「何の話!?」
  • そのうえ「わたしのスター・アルコール・パンチはすごく高い。137千円する。」と言い出した。攻撃力はお金に換算される概念だったのか。くにおくんか。「すごく大きな数字」として「137千円」という概念が出てくるのもかわいい。
  • 娘氏「じいじがアカチャンを抱っこして、おさけ飲むか? って言ってた。」
    ぼく「わるいじいじだ」
    娘氏「わたしがミルクを飲むんだよって言ったら、じいじはパッと命令をききました。」
    ぼく「よかったね(命令……?)」
  • 娘氏が板を電話に見立てて「もしもしどうも~~」って言ってきたので、俺が「ハイもしもし」と応答したところ、娘氏は「わたし、わたしのおともだちに聞いてるんですけど。じゃあね~~」とドライに返して去っていった。
  • 部屋を出てすぐ異臭を察知した娘氏、「なんかにおうよ! じけんのにおい!」と言う。これはおしりたんていの影響か。
  • 水族館に行ったのが楽しかったのか、オリガミで謎のチケットを作ってはご両親に配ってくる。「はい、ペンギンのごはんあげ対決ですよ」「体験な」
  • 以前即決した通り、ダンスのレッスンを始めた。娘氏はその日のレッスンで覚えたことを「これが! ハイブイ! ちがうよ! 手はグー!」と具体的にパパチャンに指導してくる。
  • ぼく「今日はレッスンで何を覚えたの?」
    娘氏「ステップ!」
    ぼく「え! スティックかい!?」
    娘氏「スティッポ」
    ぼく「スティック!?」
    娘氏「スキップ」
    ぼく「やったぜ」
  • 娘氏はテレビを観ている最中にトイレに行きたくなると、録画のときはちゃんと一時停止してから行くんだけど、地上波のときは停止できないことを理解したうえでテレビの電源を消していく。「思い通りにならないならいっそ全て消す」というラスボスのような風格が漂っている。
  • ぼく「アイチャンはやかましい子だねぇ」
    娘氏「ちがうよ! アイチャンは、げんきで、かわいい。そしておもしろい」
    ぼく「なんだその糸井重里みたいなキャッチコピーは」
  • 娘氏「そしておどりがうまい。あとビブラートのうたもうまい」
    ぼく「自己肯定感のかたまりか」
  • 膝の裏に湿疹ができて「あしのひじのうらがかゆい」と訴える娘氏。
  • 教えたわけでも促したわけでもないのに、なんとなく息を止めてお風呂のお湯に顔をつけることができるようになった。これは今年の夏が楽しみだな。
  • 気を良くした娘氏、お風呂の顔つけ対決でパパチャンに挑む。しかし対決後、「どっちが勝ったかはわたしがきめるね?」と勝手に宣言したあと、「よし来いっ……」と真剣に祈り、「勝ったのは……アイチャンでした~~パパチャンはだめメダル~~」となる茶番劇を一人で繰り広げた。パパチャンはいいけどお友達を煽ったらだめだぞ。

 なぜか幼稚園で局地的に「ブルータスお前もか」というセリフが流行っているらしい。シュールな光景だ。こういう流行を生み出すのは大体Eテレと相場が決まっている。
 ところでカエサルさんはなぜ「ブルータスお前もか」って言ったのか、そのへんの理解を娘氏に聞いたところ、「……二人いたってこと。」と答えた。お前もブルータスか。
 
■2019-04-28
どうする?幼児のおこづかい
 まもなく5歳児となる娘氏が、200円のガチャガチャを回したくて回したくて泣いちゃったことをきっかけに、我々は真剣におこづかいについて考え始めた。

 娘氏はもはやガチャの内容よりもガチャを回すこと自体に価値を感じているのではないか? これはよくない。「射幸心をあおるのは健全な経済的風俗を害する」と最高裁判所も言っている。射幸心をあおられて冷静さを欠いてはいけない。だからとて全てを遮断するのも健全とは言い難い。己の内なる射幸心を御するべし。手綱を握るのは、己自身。健全な経済的風俗を形成しなくては!!

 しかし5歳児におこづかい制を敷くためには様々な障壁がある。まずおさいふをなくす。お金のカウントもできない。そのうえ世はまさに大キャッシュレス時代、ご両親のおさいふに毎日おこづかいとして渡せる小銭が都合よくあるとは限らないのだ。

 ならばそのキャッシュレス時代にふさわしい電子的なおさいふを作ればよい。
 というわけで、まだおさいふを持たせるには早い年齢のお子様のための電子的おさいふを作りました。
こどもウォレット
http://onesideflat.net/wallet/
 出先でスマホンの画面を見せて使用することを想定して作っています。
 既存のアプリだともうちょっと対象年齢が上っぽいし、ご両親で共有しにくいんだよね。
 アカウントを作るのも消すのも一発のガバガバセキュリティなので、気楽にお試しください。


 ここからいつもの技術的な余談。
 今回はHTML5の要素をモリモリ入れて作っているので、ガラケーのことをまったく考慮していません。すまぬ。特にスライダーで色が変わる挙動はいつか試したかったのでとてもよかった。
 いにしえの個人サイト制作者にはぜひ聞いて欲しいんですが、昔は色の指定がRGBでしかできなかったのが、なんと今はHLS(色相・彩度・輝度)で指定できるうえ、変数まで使えるようになってるんですよ。これなら色相だけスライダーで指定すれば、それをなんとかjsを使ってcssの変数に渡すだけで全ての配色がいい感じになってくれるのですごい捗った。RGBの3本のスライダーでは見やすい明るさにするのに手間だしファイナルファンタジー5の時代から何も進歩してないのかよって思われちゃうからネ。