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◆不定期日記ログ◆

LOG 2022-06

■2022-06-13
21周年
 弊サイトは21周年を迎えた。

 21年も「Wing/手羽崎一郎」というハンドルネームで活動をしていると、もはや本名よりもこちらのほうがなじんでくる……という話は19周年のときにすでにやりましたよお爺さん。すまんのう、もうドッグイヤー換算で147歳に相当するので同じ話を何度もしてしまうんじゃ。
 しかしもう一度、その話をする理由ができてしまったので、する。

 21年もハンドルネームで活動をしているとどうなるか。若い人がこれを読んでいたら想像してほしい。
 まず何人かの「ハンドルネームで呼び合いつつもオフラインでの付き合いがある友人」ができる。
 そのうちいくつかの関係が「ハンドルネームで呼び合うまま互いに家庭を持った友人」に変わる。
 さらにそのうちいくつかが「互いの家庭に同じくらいの年齢のお子様をもつ友人」になる。
 そして互いのお子様同士が顔を合わせ、遊ぶ機会もある。そういったお子様たちと直接会ったときには、俺の存在は「アイチャンのパパ」で通すことができたし、それが自然な形であった。

 ところで娘氏はデジタルネイティヴであり、したがってLINEでグループ通話をつないで、フレンドとマリオカート8のオンライン対戦を行うこともなんら特別なことではない。この場合のフレンドとは、前述のご家庭のお子様たちである。
 まだお子様たちにLINEやニンテンドースイッチオンラインの運用を任せるのは難しいので、ホストとして俺が参加することになる。

 このとき当然マリオカートにエントリーしているのは「てばさき」であり、音声通話で顔も見えない以上は、向こうのお子様も俺のことを「てばさきさん」と呼んでくる。
 果たしてコロナ禍が明け、再び友人のお子様たちと会ったとき、俺は「アイチャンのパパ」に戻れるだろうか? 年の離れたゲーム仲間である「てばさきさん」として認識されてしまうのは、娘氏にとって良くないような気がする。大丈夫だとは思うが、このままホストを続けたらどうなるかはわからない。
 自分の親世代のハンドルネームをどう扱うかなんていう問題はこれまでの人類史に出てこなかったので、対策や正解というものはまだ確立していないのだ……。

 というかそもそも、娘氏すらゲーム中の俺のことを「てばさきさん」と呼んでるのは何かおかしくない!?
 19周年の時の日記でも確かに娘氏は俺のアバターをさして「てばさきさん」と呼んでいるので、なんらかの切り分けができている可能性を信じるしかない。
てばさきMii
常に口が半開きのてばさきさん

 しかし……現在はこれが居住地の離れた他県の、もともとハンドルネームで呼び合う相手のご家庭だからよいものの、これが同じ小学校のお友達だったらどうしたらよいのだろう?
 このハンドルネームには21年の積み重ねが紐付いている。21年分もテキストがあれば、検索を駆使して名前からこのサイトにたどり着く可能性もゼロではない。てばさきさんというネット上の存在が、娘氏のリアルの生活に影響を及ぼすのはよくない。もう娘氏には娘氏の社会性があるのだから、それが「てばさきさんの娘」に連結されてしまうことは避けねばならない。

 そういうわけで、ある日突然俺のニンテンドースイッチのアカウント名が「パパ」に変わるかもしれない。そうなったときにはいろいろ察して特にツッコまないでください。
 
■2022-06-16
テント・サマー・ストライク
 初めてのキャンプから2年。我々は次のステップに進むことを計画していた。

 これまでのキャンプはすべてコテージ、ないしはでかいテントがすでに張ってある場所での野営であった。
 最初のキャンプでは寝る場所と食材が提供されていた。次からは調理器具および食材もこちらで用意する形にした。となれば次のステップは寝る場所の自給……つまりテントを用意し、張り、寝るという挑戦になる。
 ワイフは決断的にテントを購入した。以前買った行楽用のポップアップテントではなく、1000HPと100MPを回復する完璧なテントである。

 しかし……ここまでの装備が必要なのだろうか?
 俺が娘とサバイバル体験をしている目的は、第一に災害に備えた宿泊訓練である。さすがに住宅から避難所まであまねく建物が崩壊する大災害、ないしは帝国の侵攻による大破壊は想定していない。仮にそういう状態になったときにこのサイズのテントを取り回せるのは第114代ルシス王くらいであろう。
 したがって、でかいテントを運用するのは目的からはみ出している。だが……もはや、電気の使えるコテージで過ごすことではただの外泊と変わらず、我々の冒険心を真の意味で満たすことはできなくなっていた。百万ドルでも時は止まらない。だから行くのさ……。


 装備を整えた我々は、今まで何度か行った近場のキャンプ場へ向かった。なんと天気予報が直前に我々を裏切り、初回から雨の降りしきる中でのミッションとなる。キャンプ場の管理人からも哀れまれた。早くも心が折れそうになるが、雨が降るからこそ屋根を作る意義があるというもの。風がふきすさぶよりはだいぶマシだ。

 ワイフ総指揮のもと、まずはタープとかいう幕を張っていく。柱となる棒が2本と、何本かのロープが骨組みとして用意されている。……ここは3次元宇宙ではなかったか? 3次元宇宙で棒2本……立体を維持するには軸が足りなさすぎるのでは? 話が違う。
 しかしワイフの指示通り地面にペグを打ち込み、棒の先端につけたロープを張ると、なんと2本の柱はたくましくそびえ立ち、多少の風雨に動ずることなしと見えたり。今回は娘氏に棒を立ててもらいながらロープを張ったけれど、工夫すれば一人でこの立体を成立させることも不可能ではあるまい。大事なのはロープのテンションである。今日の紐はね……テンションしてるぜ!

 タープを張れば雨をよけるスペースができる。同様の仕組みでテントも無事張ることができた。最終的な専有面積がよくわからなかったため位置関係がぐだぐだであるが、たいした問題ではない。あとはコテージの時と同様に、クルマからシートと毛布と寝袋を搬入すれば、今回のミッションである住環境の設営は完了だ。
テント
Our New Gear...
 こうしてただ雨の降りしきるばかりだった荒野に、一時間半ほどかけて人の住む場所が生み出された。なんたる奇跡。まるでブック・オブ・ジェネシスに記された神の技である。

 はじめに神はキャンプ地を創造された。
 キャンプ地は形なく、むなしく、雨がおもてを覆っていた。
 神は「柱あれ」と言われた。すると柱があった。
 神はその柱を見て、良しととされた。
 神はまた言われた、「柱の間に幕があって、屋内と屋外を分けよ」。
 そのようになった。神は天幕を張って、雨と外とを分けられた。
 神はまた言われた、「炭と火は一つ所に集まり、かわいた地が現れよ」。
 そのようになった。神は炭火で肉と野菜を焼き、優勝された。

テント
Our New Gear...
 なにげに今回は飯盒炊飯に挑戦している。ワイフ曰く、ナウいキャンパーたちは英語でメスティンと呼ぶらしい。飯盒の「ごう」の字が見慣れないからこういうことになる。
 火にかけると炊飯時間が難しいところだが、これは旅館などで見る固形燃料を使用し、火が消えるまで放置すれば完全に米が炊き上がるようになっているので、何も考えずともチョーウマイ米が食える。もうこれ弁当箱の代わりに職場に持って行ったらだめかな?(火災報知器が鳴るからだめだヨ!)


 翌日は快晴になったため、テント等が乾くのを待って撤収した。撤収のとき雨だったら後日の乾かしミッションが非常に困難なものになったと思うので、ギリギリ晴れてよかった。
 それはそうと関節と筋肉が痛い。テントは一家が寝るのに十分な床面積があったが、それでも無理な姿勢になるのだろう。やはりHPとMPが全快しないのには理由があるのだなあということがわかった。ギルを惜しんでコテージの代わりにテント5つ買って満足してはいけないな。