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◆不定期日記ログ◆

LOG 2009-06

■2009-06-01
今週のQ&A
「CO2排出量を評価しているのは国ですが、国際的な取引のときは誰が評価するんでしょう?
 すぐバブルになっちゃうんじゃないでしょうか。炭酸だけに。

「アメリカが提唱しはじめたカーボンマネーが動き出せば、それが国際基準でしょうか。
 CO2排出権もいろいろ臭いビジネスだと思います。排出だけに。
 
■2009-06-03
達人の来訪
 芸術の頂点を極めたパティシエ!
 世界に認められた才能!

 スイーツ好きの日本人でその名を知らぬものはない。Wikipediaの記述だけでもこれだけの輝かしさを誇るフランス人パティシエ、ピエール・エルメ
 PIERRE HERME PARIS公式サイト

 そのピエール・エルメが、静岡に来るらしい。
 静岡にっていうか、


 俺の実家に。


 え?誰が?


 ムッシュ・ピエール・エルメが。


 ちょっと待てー!!
 どういう事だー!!



 オヤジの知り合いのYさんっていう人がいてその友達のKさんが料理雑誌の編集をやっていて以前にもエルメ氏の「和素材の生産現場を見たい」というオファーに応えて生産農家を紹介したことがあり今回は日本茶ということでYさん経由でお話が……
 
 ……もういいわかった、とにかくいろんなミラクルがあったんだな!
 この時点で俺は完全に部外者にもかかわらず、野次馬根性で取材の様子を見にいくことを決意していた。

 
 あいにくの曇天の中、取材班が大きな車で到着。
肖像権に配慮して遠目から
ほ、本当に取材している!
 あれがエルメさんか、と思った人影は通訳の人だった。
 だがこの通訳の人の正体はピエール・エルメ・パリ日本支社のリシャール・ルデュ代表であり、本家トップと日本のトップが揃ってやってきたことになる。
 いつもならここで気の利いた比喩を探すところだが、それすら全く不可能な筆舌に尽くしがたい状況である。

 エルメさんはメチャクチャでっかい人だった。
 このでっかい体があの繊細なマカロンを作っているのか。想像できん。
 
 オヤジと次兄が彼らを畑へ連れて行き、茶づくりのいろはを講義した。
 講義ってお前。
 “現代パティスリーの王”ピエール・エルメに講義って。
 どういう状況かわかってんのかよオヤジ! 

 心配するまでもなくオヤジは平常運転だったし、極めて特殊な状況でありながら、他の連中も平常運転な実家だった。部外者である俺は、カメラマンの人を茶園に案内したり、山里の風景を撮るのに協力したりと暗躍した。

 こんな俺にも、エルメさんは最後にMerciと言って握手をしてくれた。
 驚くほど柔らかい手だった。
 荒木飛呂彦が「達人ていうのは、柔らかい手をしていなければならない」と書いていたが、食材の生産過程まで理解しようというお菓子の達人の手は、なるほど赤子のように柔らかだった。

 最後に、下宿に帰るついでに、この山奥から高速道路のインターまでの近道を通って取材班を先導。
 部外者なりになんとか役目を果たしたぞ、という満足感とともに下宿へ。
まかろん
頂いたマカロン
 ああああ!!俺マカロン喰い忘れた―――!!!
 
■2009-06-09
ねまき旬報
 パジャマの先祖は、インド北部の民族衣装「クルター・パージャーマー」であるらしい。
 不思議な語感だと思っていたがインドとは!
 言われてみれば世界史で「パージャーマ朝」みたいな古代王朝を習った気がする。
 いや、気のせいだ。習っていない。

 しかしインドが発祥となると俄然、見る目が変わってくる。
 おそらく、仏教の発展とともに、中国の高僧がインドから持ち帰ったのであろう。
 そして就寝時に魔や鬼の類に襲われても大丈夫という意味で「破邪魔」と呼ばれ、
 日本でも平安時代に弘法大師が……

 え?
 イギリス人?東インド会社?
 ……まあ、うん、そんな気はしていた。
 
■2009-06-11
ライフハッキンガム宮殿
 インクジェット対応のCD-Rに何かを印刷するとき、印刷できる部分の直径がわからなくって、穴の周辺に定規をあてて一番長い所を探す……なんてことが日常生活では頻繁にあるよね!
 そんなとき、簡単・正確に直径を割り出すライフハックを紹介するよ!
中心角・円周角
 やりかたは簡単。
 手近にあるコピー用紙とか封筒とか、とにかく直角な紙を用意して、その角を印刷可能な円の範囲の端(たとえば点A)に当てるだけ!
 そしたら、紙のフチと円の端が交わるところ(点Bと点C)に印をつけて、その間の距離を定規で測れば、それが直径の長さなんだ!ふしぎ!
 これで0.1ミリ単位での印刷範囲設定ができるね!


 別にライフハックでもなんでもないし、CD-R印刷なんて滅多にしないし、0.1ミリの精度で測るには定規の目盛りが足りないし、そもそもそんな精度を必要としていない。
 ただ、中学校で習う「直径に対する円周角は直角である」という定理(ターレスの定理)が、事務職でも役に立つことがある、という事例を見つけたので記録しておくだけ。
 中学生から「実生活で何の役にたつのか」という質問を受けがちな幾何学だが、将来そのような的外れな質問をうけたときの的外れなカウンターとしてとっておこうと思う。
 
■2009-06-13
8周年
 当サイトは8周年を迎えました。
 この妙な名前を名乗って開設したのが2001年。
 2001年といえばだいたい天馬博士が息子を失った頃だということですが、8年たってもアトムは出来てないようです。ひょっとしたらもうどこかのサーカスにいるのかも。

 8周年記念として、「くいこめ1号」の出題範囲を無制限にしました。
 あわせて問題数を増やし、176問全てがランダムで出題されるようになっています。
 しばらくしたらまた、エントリーごとに出題範囲を制限しますので、よろしければこの機会に[COMMENT]を覗いてみてください。
 クイズが変なときはツッコミをいただけると助かります。

 なお、仕様変更の過程で、昨日までに投稿されたコメントと解答したクイズ番号が不一致になっている点をご了承下さい。
 
■2009-06-15
富士急排卵度
 関東の連中と、富士急ハイランドに行ってきたよ!現地集合で。

 前回の来訪では、主にフジヤマと戦慄迷宮を攻略した。
 未経験のメンバのため、やはりまず!フジヤマと戦慄迷宮を片付けるべきだろう。

 79メートルの高さで得た位置エネルギーを運動エネルギーに変換するフジヤマ。
 僕はすでに、最初の落差さえ耐えればあとは存分にGを楽しめることを知っている。

 全長700メートルの巨大お化け屋敷である戦慄迷宮。
 僕はすでに「5人がかりなら怖くない」ということを予測できている。
 よいかジェラール。我々はインペリアルクロスという陣形で進む。
 お前は私の後ろに立つ。
 お前のポジションが一番安全と見せかけて、実はゾンビ遭遇率が最も高い。
 覚悟して進め。


 ここからは個人的に未知のエリアに挑戦。
 前回未完成だった「ええじゃないか」は、もう見た感じからして怖すぎるので攻略をあきらめた。
 したがって今回のチャレンジは「ドドンパ」になる。

 園内からコースを見上げると、とても絶叫マシンには見えないほど緩やかだ。
 一部、垂直上昇+垂直降下があって凄いプレッシャーだが、このマシンの恐ろしい点はこの落差ではない。

 カタパルトみたいなスタート地点から発射されると、すぐに速度は172km/hに達する。
 意外にも一番恐ろしいのはこのスタートの加速度だった。
 アインシュタインは「慣性と重力って一緒じゃね」と言ったことで有名だが、なるほど急加速だけでも絶叫マシンは成立するんだな。なんか違う気がするが納得した。

 フジヤマとどちらが怖い?といえばフジヤマに軍配を上げる。
 「絶叫マシンは足を踏ん張って耐えろ」というのが自分の絶叫哲学だが、ドドンパはその点、安全バーで体をガッチリ固定されており、踏ん張ることが容易であるぶん余裕がある。
 そしてこの絶叫哲学に従うと「ええじゃないか」は攻略できないことになる。


 しかし富士急は姑息なマネをする。
 ドドンパの順番待ちの列で見かけた自販機をご覧いただきたい。
桃白白
「ドドンパ」の列に「白桃」!
 誰もが桃白白のことを思い出してつい買い求めてしまうに違いない。
 現に、これだけが売り切れである。
 これはもはやサブリミナルではないだろうか?
 
■2009-06-19
すべてがF
 駅のホームってアレ……
 プラットフォーム(Platform)だから「フォーム」と書くべきだよな……


 「ヴァ」が「バ」になる例とか、「トゥ」が「ツ」になる例とかはよく見るが、「フォ」が「ホ」になるのは珍しいのではないだろうか。
 日本人にとって「ファ行」の発音は容易だったのだろうか。他に「F」の音が「ハ行」になっている単語というと、もはや「コーヒー」くらいしか思いつかない。
 なにゆえ「フォーム」を「ホーム」にしてしまったのか?
 フォークとホークの違いがわからないのでは、おちおちダイエーで買い物できない。

 ふと、歴史の教科書に載っている、ある文献のことを思い出した。
 戦国時代に出版された、キリシタン版『平家物語』である。

 ローマ字っぽく綴られたその本文の中には、「NIFON(日本)」とか「FEIQENO MONOGATARI(平家の物語)」とかいう記述を見ることができる。
 宣教師の耳を信用すると、かつては「ハ行」が「ファ行」の発音になっていたらしい。
 つまり「ホーム」と書いて「フォーム」と読んでいた可能性は十分ある。
 戦国時代にプラットホームがあった可能性は限りなく低いが。

 しかしこうなると、別の恐ろしい事実が見えてくる。
 戦国時代に「ハ行」が「ファ行」だったとすると、あの猛将・本多忠勝は「ふぉんだふぇいふぁちろう」と名乗っていたことになるではないか。


 フォン・ダ・フェイファチロー [Fond de Pfeifer-Thirault](1548~1610年 フランス)


 ぜんっぜん猛将っぷりが伝わってこない。
 
■2009-06-23
白地図伝説
 ゆとり教育の何が悪かったのか明確にされないまま、
 脱・ゆとりを目指して実施される、新・学習指導要領。
 仕事の関係で、中学1年生の社会について調べていたところ、気になる一文があった。

「主な国々の名称と位置」については、数の上では、世界の4分の1から3分の1程度の国々の名称と位置を身に付けることが一応の目安となると考えられる。

(文部科学省 中学校学習指導要領解説 社会 より)
 あれ、いまサラッと凄いこと言わなかったか……?
 「4分の1から3分の1程度」?
 50~64か国の名前と場所を把握しろってことか!
 名前挙げるだけでも一苦労する数じゃねーか!
freemap.jp
クリックで原寸
 freemap.jpの素材を加工して、白地図を用意してみた。
 ぜひ職場やご家庭で印刷して、どの程度挙げられるか試してみて欲しい。
 これに50か国以上記入できるようでないと、脱ゆとりを宣言できない。

 僕は仕事で地図の図版を発注することが多々あるので、よく地図帳を見る。
 そんな僕が全力で取り掛かって58か国だった。
 偉そうに出題しておきながら、南アフリカ共和国の位置に迷わず「南アメリカ」と書いていたことは絶対に秘密だ。
 
■2009-06-27
麻雀と幾何学
 正方形は台形である。

 小学校の算数で習ってから随分たつが、やはり引っかかる。
 論理的には間違っていない。
 台形は「少なくとも一組の対辺が互いに平行な四角形」なので、正方形は台形だ。
 ……が、なんか引っかかる。
 「正方形は四角形である」と言ったときの自然さと比べて、この不自然さは何だ?

 ある日、この疑問を一発で解決してくれるアスキーアートがあることに気づいた。
|(●),   、(●)、.:|
タンヤオ
 「いいの!?それ、タンヤオでいいの!?」
 ……というこのMOTTAINAI感覚が、ピッタリこの感覚にあてはまる。

 正方形は、そうとう甘く判定しても、自然界にはまず現れない。
 台形であるだけでなく平行四辺形でもあり、ひし形かつ長方形である「正方形」を台形と称するのは、そのレアさから考えると「大四喜字一色四暗刻をトイトイ扱い」くらいのMOTTAINAI出来事といっていいだろう。

 「正方形は四角形である」と言ったときに不自然さを感じないのは「四暗刻は麻雀の役である」と似た捉えかたをするからだろうか。
 そんなことまで考えていたら「正方形」が麻雀の役に見えてきた。
 「ジュンチャン・サンシキ・セーホーケー・ドラドラ」みたいにスルッと紛れ込んでくる。
 
■2009-06-30
ロングビーチ長浜
 琵琶湖のほとりに、長浜市という街がある。
 と言っても滋賀県の市はほとんど琵琶湖のほとりだけど。
 この長浜市、室町時代までは「今浜」と呼ばれていたらしい。

【問題】
 なぜ「今浜」は「長浜」になったのか?

【ヒント】
 戦国武将に関係があるよ!

【僕の解答】
 琵琶湖のほとり……ということは関ヶ原の近く!
 
 家康「もしもし小早川?家康だけど、今どこ?」
 秀秋「えっと、今浜」
 家康「遅いよ何やってんの!いくさ始まってるよ!」
 秀秋「ゴメンゴメン」

 家康「もしもし小早川?まだ着かないの?」
 秀秋「ゴメン、まだ今浜を抜けてない」
 家康「まだかよ!もう兵を動かしてくれないとマジヤバイんだけど!」
 秀秋「思ったより行程が長くって」
 家康「てめー俺が天下とったら、そこ長浜って名前にしてやるからな!」

【正解】
 豊臣秀吉が織田信長の長をとって「長浜」と改称した。



 くそっ……推理はいいセン行ってたんだがな!!