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◆不定期日記ログ◆

LOG 2020-01

■2020-01-01
これが新年の夜明け
 バッ謹賀ム新年!!
 今年も甘いチョコレートのような、チャック・ノリスのせな毛のような感じでお願いします。

Pさん
 帰省のたびに娘氏にコワイと言われる実家の猫ことPさんですが、実家では「猫が1匹になっちゃったけどPは可愛くないねえ」と相対値ではなく絶対値で可愛くないと安定の評判です。


 あまり娘氏が怖がり続けるのもどうかと思ったので、俺は「なんとか写真を可愛く盛ることで親近感を持たせることはできないだろうか」と思い立ちました。
 そして大晦日の夜、闇夜のように黒い体毛に四苦八苦しつつ、なんとかやっつけたのがこちらになります。

Pさん
ひねこポケモン ニャビー

 娘氏「かわいい」
 ぼく「右上を見ながら言ってない?」
 
■2020-01-04
いまさらアナ雪2
 今日は娘氏といっしょに『アナと雪の女王2』を観てきました。しかしこれ以上のことをネットに書くと「ディズニーともあろうものがここまで拡散力ない奴にステマ依頼をするとは落ちたものよ」とか誤解される可能性があるので、ウォルトディズニー社に配慮して「観た」という事実だけしか記録することができません。おわり。


 それにしてもイオンの株主優待はつよい。イオンシネマが大人1000円、中学生以下800円になるという破格の特典がついている。つまり大人一人分の価格で娘氏が同伴できるうえポップコーンもついてくる。私はイオングループから一切の金銭を受け取らずにこれを書いています。このような注意書きをしても本当に受け取っていないかは証明することができない。本当に罪深いことをしてくれた。

 この優待のつよさはまず第一にはその破格の安さだが、これが重要なのは「最安値(映画の日)の割引と同じ」ということである。つまり「今日はメンズデーじゃないから映画館に行くのをやめよう」とか「1日だったら安く観れたのに」とかいうくだらない理由で一喜一憂する必要がまったくないということだ。

 以前「モノを買う時はね、誰にも邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ」という旨の主張(過去日記参照)をした。それは当然モノだけでなく映画というサービスの購入にもあてはまる。特定の日なら1200円、そうでなければ1800円などという価格設定では、ただでさえ映画を観に行くタイミングが難しくなっているこの情報化社会において、さらに価格という点での無駄な判断を強いることになる。金額的にはわずかだが、こういった小さな判断力の摩耗が積み重なることで、我が国の一人当たりGDPがどんどん転落していくという仕組みだ。
 その点、優待つきのイオンシネマはいい。「観に行こう」と思ったときに価格のことを考えずすぐに行動に移せる。消費はこうでないといけない。

 しかしこれでもまだ不足がある。上映作品の関係で「イオンシネマか他の映画館か」を判断しなければならないシーンが出てくるからだ。理想を言えばこのような割引などすべて廃止して、あらゆる映画館であまねく人がすべからく1500円で映画を観られるようになるべきなのだ。それならば料金の多寡が心にくだらない負荷をかけることがない。
 だが資本主義社会ではそうでないほうが都合がいいのだろう。あえて料金に差をつけることで「今日は安いから何か観るか」という需要を喚起したほうがよいからこうなっているのだろう。そして我々は同じ映画を違う料金で観ることになったのだ。バベルの塔の労働者のように、散り散りに。ちくしょう神にでもなったつもりか。めんどくせえ料金設定しやがって。


 ところでイオンシネマのロビーに「ハコカラ」が置いてあって驚いた。去年台湾に行ったときに台北駅の地下で見て驚いて以来のことだ。1曲100円とのことなので上映時間待ちの人を狙っているのだろう。しかし電話ボックス内で熱唱してるみたいな見た目になってしまうので、これに単独で入るのはかなりハードルが高く感じた。台北の人はけっこーカジュアルに使っていたが日本に定着するだろうか。
 
■2020-01-06
陶芸乱舞
 冬休みなんて年末年始のタスクを消化するだけであっという間に終わってしまう。まったく休んだ感じもしない。同じように今年度もあっという間に終わってしまうのだろう。諸行は無常。万物は流転。

 しかしそんな年末のある日、突然ワイフが陶土を買ってきた。
 なぜ突然の陶土なのかはわからないが、この年末年始に何かしたという実績を残すにはうってつけではないか。
 「では陶芸をするか」「うむ」「やろう」「やろう」
 そういうことになった。
ヤコの「オーブン陶土」
http://www.yako.co.jp
 このオーブン陶土ってやつはご家庭のオーブンで焼成できるらしい。つまりご自宅ですべての作業が完結する。我々はさっそく粘土をこねながら何を作るか考えた。
 とりあえず箸置きやらアロマストーンやらの小物が作り出されていったが、それだけではとうてい400gの粘土は使いきれない。なので皿を作ることで大量の粘土を消費した。
 既存の丸皿に粘土を押しつけつつ、そこに模様を刻んでいく。とりあえず今回は娘氏のだいすきな十二宮の記号を刻むことにした。あとは2~7日という曖昧な時間をかけて乾燥させる。


オーブン陶土
 というわけで2~7日乾燥させたものがこちら。丸皿が僕のだが、ダンボールの上で伸ばしたため当然ダンボールみたいな模様がついた。色もダンボールっぽくて面白いのでそのままダンボールの風合いを活かすことにした。これをオーブンでブンしていく。

 オーブン陶土は、僅か2400秒で焼成を完了する。ではその原理を説明しよう!

「焼成ッ!」

 オーブン陶土は、オーブンレンジから発射されるインフラレッドエネルギーを浴びて、わずか2400秒で焼成を完了するのだ! あんまり説明してねえな原理。

 焼いた陶土は多少割れやすい(らしい)がもう実用的な硬度をもっている。これに付属の耐水耐油ニスを塗って乾かし、再度焼くことで食器として使用可能になる。
 ニスを塗る前に、アクリル絵の具で色をつけることもできる。RGBでもCMYKでない彩色は久しぶりなので多少手こずったものの、まあまあいい感じにイカの箸置きを着色できた。


オーブン陶土
 こうして初めてのオーブン陶芸は完了した。

 現代においては海のプラスチックが分解されるまでに数千年かかるとかで大騒ぎをしているが、粘土をこねて焼いたものは一万年と二千年たっても出土するので強い。うっかり割ったら庭に埋めて「まじないに使っていた遺物」としての発掘を狙おう。僕が消え遠い未来で化石になったら、人は僕に何を見るだろう。粘土板に刻んでおけば何かを伝えることができる。次は何を刻もうか。
 
■2020-01-12
年末年始娘氏語録
  • イオンシネマのことを「イオン島根」と呼ぶ娘氏。残念ながらすぐに治った。
  • 相変わらず自分でブランコが漕げない娘氏、パパチャンに押されて「パパが押してくれると世界が楽しくひろがっていくー!」と空に叫ぶ。
  • 娘氏「もんだいです! おんせんは何にきくでしょうか! 1、かゆいところをなおす。2、たいりょくを回復する。3、きんにくをなおす。」
    ぼく「3番かなあ……」
    娘氏「せいかいは~~~1番でした~! きんにくをなおすのはプロテイン。たいりょくを回復するのはごはん。えいようがあるでしょ?」
    ぼく「アッハイ」
  • 秋口までは一人でねんねできていたのに、寒くなったらまた一人では寝られなくなった。しかも「今日はパパ疲れてるみたいだからパパの寝かしつけしてあげる。」とか上から来る。
  • ぼく「Switchスーファミに星のカービィスーパーデラックスが来るらしいぞ」
    娘氏「じゃあ洞窟大作戦できる!」
    ぼく「なんで知ってんだァッ!?」
    娘氏「だってスマッシュブラザーズのステージをえらぶときに上のほうに白くかいてある」
    ぼく「かいてあるけどさ!!」
  • パパチャンがカーナビの指示を無視して近道すると、娘氏が助手席から「へんなところに着いちゃうよ!」「アイチャンはようちえんでは先生のいうことを聞いている。」と厳しく注意してくる。
  • 清流にやってきた娘氏「川のおとが癒すねぇ~~」
  • 娘氏「パパチャン、リングフィットでひといきついて!」
    ぼく「それは難しいなあ」
  • 娘氏が充電切れの3DSを手に「くろいファミコン、電気つかなくなっちゃった」って訴えてきたんだけど何なのこれ?
  • 幼稚園が年末の終業式を迎え、「よいおとしをっていうのがさみしかった」とシクシク泣く娘氏。
  • 庭の草を毟り、「この雑草なかなかやすらぐでしょ。これなら雑草コンテストでも大優勝」と自信をのぞかせる娘氏。
  • サンタさんからの手紙を読んだ娘氏、「サンタさんから手紙がもらえるなんて……かんしゃします!!」と叫ぶ。
  • ボードゲームでパパチャンを負かした娘氏、「アイチャンは勝ったからきんにくを10個てにいれた。パパチャンは負けたからゼロ個~~」と煽る。
  • ワイフ「飲み物は何がいい? 緑茶? そば茶?」
    娘氏「♪そば茶でおねがい そーばー茶♪ そば茶のおみせでけんさく!」
    ぼく「知らないCMソングを作り出した」
  • 紅白を観る娘氏「いきものがかりってこういう姿してたんだね」
  • 突然走り出したぼくを「パパまって!命がくだけちるわよ!」と追う娘氏。
  • ぼく「先に車で帰ってて。パパは走って帰るから大丈夫」
    娘氏「でもそうしたら太ももの筋肉がはれつしちゃうよ、血がいっぱい出ちゃう」
  • 怒られてすねた娘氏、「からいものでも食べてな! おみずなしで」と捨て台詞を吐く。
  • 実写版『名探偵ピカチュウ』を観せて「どんな話だった?」と聞いたところ、娘氏は「ピカチュウがでんこうせっかとかボルテッカとか使えるようになって、さいごはピカピカ鳴けるようになった」と5歳児の解像度を教えてくれました。
  • 「せいでんきって春に流行るんだよ。でも冬に流行ってるのおかしいよねえ?」
  • 娘氏「わたしの好きな野菜は、キャベツと、レタスと、トマトと、きゅうりと、にんじん。あときのこ……きのこは野菜じゃない。はえるものだから。」
    ぼく「理屈はともかくキノコが植物でないことに気付いたのはすごいぞ!」
  • ぼく「じゃあアイチャンは野菜と果物の違いはわかる?」
    娘氏「果物はあまい」
    ぼく「カボチャとかあまい野菜もある」
    娘氏「……じゃあ、赤とか、色があざやか」
    ぼく「パプリカは野菜だけど赤も黄色もある」
    娘氏「……上にある」
    ぼく「上……? あれっそれひょっとして正解か?」
  • ぼく「つまり果物は基本的には木になっている。どうぶつの森でもそうでしょ」
    娘氏「でもイチゴは木になってないから果物じゃない。アイチャンいちごがりしたことある。」
    ぼく「イチゴについてはパパチャンも深く考えないようにしてるんだ(過去日記)
  • 娘氏はお年玉でたまごっちみーつを手に入れた。最近のたまごっちはたまごっち自身がペット飼ったりするんだな。生き物を飼うならせめて自分の排泄物くらいは自分で始末できるようになってからにしてほしい。

さくらメダルてちょう
 文字を書くのが達者になり、毎日のようにお手紙を書いてくれる。がんばり!
 
■2020-01-15
ポケモンしりとりの闇
 アニメ『ポケットモンスター(2019)』が、エンディングテーマでポケモンしりとりをやっている。

 こういうのが出てくると、当然「じゃあ全力でポケモンの名前を繋げたらどのくらいの長さになるんだよ」という点が気になってくる。
 辞書が与えられている場合の最長しりとりを求めるアルゴリズムについては大学で学んだ。さっそくプログラムを書こうと思ったが、こういううってつけの話題はおそらく先行研究がある。検索したところweb上で動くものすらあってすごかった。
 これにwikipediaから引っ張ってきた第8世代までのポケモン893匹を読み込ませることで、最長で441個つなげられることがわかった。エンディングテーマでは10匹つなげるのにおよそ7.5秒かかっているため、全力を出すと歌はしりとり部分だけで5分30秒となる。

 ただし、上記のプログラムでは濁点・半濁点の有無を区別していない。ポケモンしりとりの歌詞を吟味すると、濁点は区別するレギュレーションのようだ。したがって実際はこの計算結果よりだいぶ短くなるだろう。

 ではそれを計算……と思ったが、ポケモンしりとりのレギュレーションを見ていて、それどころでないことに気付いてしまった。
 何気ないお遊びのような顔でお出しされているが、このポケモンしりとりは初代から蓋をされ続けてきたポケモンの暗部に軽率に踏み込んでいる。とうてい看過できるものではない。



 それは「ミニリュウ表記ゆれ問題」である。
ポケモンGO
画像はポケモンGOのもの
 「ミニリュウ → ハクリュー → カイリュー」という校正担当者のケジメ案件は、いにしえより公式に見て見ぬふりをされてきた。たぶん。少なくとも金銀でさらっと修正されることはなかった。
 今回のポケモンしりとりの歌詞では、ミニリュウの次にはウィンディが来ている。そして、歌詞にはないが、背景でカイリューの隣にはユキカブリが配置されている。
 しりとりにおいて最後の長音を除くルールは珍しくないが、その結果ミニリュウの次が「ウ」でカイリューの次が「ユ」になるなどといういびつなルールが認められるだろうか? 認められるわけがない!
 お前たちのポケモン名って醜くないか? まるで凸凹で、石ころだらけの道だ! 俺がその道を、綺麗に舗装し直して……

 「勝手にまとめるなよ!」

 なにッ!?

 「ミニリュウも! ドリュウズも! ルカリオの波動と波導も! 瞬間瞬間を必死に生きてるんだ! みんなバラバラで当たり前だ! それを無茶苦茶とか言うな!!」

 バカな……!? グワーッ! ぬわーーーーっっ!!



 ……俺は考えを改めた。ポケモンも最初から世界規模の大作だったわけではない。瞬瞬必生の結果なのだ。俺がやるべきことは、この表記ゆれに意味を見出すことだ。

 まず真っ先に検討すべきは「カントー地方ではリューとリュウの発音はハッキリ異なっており、意味合いも違う」という可能性である。違うものであれば表記ゆれではない。我々も同じ「chain mail」でも「チェーンメール」と「チェインメイル」では全く違うものを想起するはずだ。
 ただこの説には違和感がある。ミニリュウとハクリューは姿かたちがかなり似ているが、カイリューは進化の瞬間を見なければ同種とは思わないであろう。古代カントー人が名付けるなら「ミニリュウ・ハクリュウ」と「カイリュー」で分けるのが自然だ。

 となると俳優の白竜氏が「ハクリュウ」を商標登録しているので使えなかったという可能性が……いやそんなわけあるかい。だいたい俳優が……俳優……? タレント……スター……!

 そうして俺はある人物に思い当った。
 カントー地方ポケモンリーグ四天王として名をはせるドラゴン使いのワタルである。
 彼の手持ちポケモンはギャラドス・ハクリュー・ハクリュー・プテラ・カイリューであり、ここにハクリューとカイリューがセットになる下地が生まれている。これしかない……!

 想像するに、もともと「リュウ」で統一されていたところに、実力とカリスマ性を持ち合わせた人物が現れ、マスコミ等で「俺はリュウよりリューが好きですね」などと宣伝したり、ハクリュー、カイリューと表記し続けたりしたのだろう。
 その結果、彼の手持ちにないミニリュウだけが「リュウ」のまま残り、他の2種は「リュー」と書くのがカントー地方に広まったのではないか。もともとカントー地方ではドラゴンタイプは極めて珍しいので、ワタルの宣伝効果がばつぐんに効いた可能性がある。

 もうこの可能性しか思いつかない。ワタルのせいでポケモンしりとりはこんなに直感に反するものになってしまったのだ。だからポケモン赤緑の校正担当者が指をケジメしたり、マンゴーをもぐなどの自我研修に送られたりする必要はないのだ。よかった。俺は胸をなでおろした。
 
■2020-01-19
活劇 陶芸乱舞
 先日オーブン陶芸をした話をしたが、実は先月、伊豆にあるリアル窯元に出かけて陶芸体験をしてきた。
 まさか5歳児でも満足に陶芸ができるとは思っていなかったので本当によかった。

 ろくろで形を作るところまでを自力でやって、乾燥させたりうわぐすりを塗ったりするのは窯元にお任せ。後日、指定した色で塗られた作品が送られてくる仕組みだ。

無事完成品が届きました


 ところで陶芸といえば壺のイメージがあるが、なんでそんなに壺が必要だったんだ? いったい日常生活で壺を何に使うんだ?
 ……とワイフに聞いてみたら「やくそうとか入れる」と完全に見解が一致したので本当に結婚してよかったと思った。やくそうとか小さなメダルとかを入れるんだよな。もしくはおにぎりとか巻物。

 真面目に想像すると、「中が広くて口が狭い陶器」というのは、できるだけ空気に触れさせたくない食材や液体の保管に使われたのだろう。弥生土器の壺もたいてい上が平らになっており、なんらかのフタをされていたものと推測できる。

 釉薬(うわぐすり)が発明される前はどうやって耐水性を得ていたのだろう。土器といえば「食べ物の貯蔵や煮炊きに利用した」というのが定説だが、素焼きの壺で煮炊きなんてしたら土が溶け出すんじゃあないか?
 気になって調べてみると、中国では紀元前から釉薬を利用していたらしい。いったいどうやってそんなもんを発見したんだ!?

古代人「どうって……薪や藁を燃料として1000度以上で長時間焼成したら土器の一部に降灰したものが長時間の高温により溶けてガラス質の膜を形成しただけだが?」

 大したやつだ……そこに気づくとは……やはり天才か……
 いやマジかよすげえな文明!