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◆不定期日記ログ◆

LOG 2024-10

■2024-10-05
熾烈なる歯列矯正生活
 歯列矯正を始めて一か月が経過した。始めた経緯はこちら

 一か月もすればたいていの事は慣れてしまう。
 慣れるというか、「諦める」というほうが近い。
 
 たいていのものは食べられるが、犬歯でしかものを噛めず、かつ噛み合わせの位置が従来と違う(正しい位置である)ため、咀嚼にはかなりの困難を伴う。牛タンなど食べたときには牛のタンより自分のタンを噛む回数の方が多いかと思った。
 さらに食後のケアもきわめて面倒くさい。米を食べれば全ての歯の間に米粒が入り込み、一つ一つ歯間ブラシで取り除かなければならないし、肉を食べればスジがワイヤーに絡みついてブラシでもなかなか取れない。

 なので基本的に食べ物は水で流し込めるもの以外は食べたくない。食べたくないが、食べなければ生きていけないので食べている。でも……世界的には食事をそういうマインドでとらえている人の方が多いのではないだろうか。残業時の晩飯なんか、コンビニに食える物がなさすぎて、スティックパン等をかじったあと雪印コーヒーで溶かして飲み込んでいる。こういうとき「糖と炭水化物以外も摂らなくては……」と思う人は、世界では少数派であろう。

 こうなると献立を考えるワイフには大変苦労をかけることになるが、完全に「食べられない」というものはそこまで多くないため、気にせず作るようお願いしている。長期に渡るものだし、気にするとキリがない。俺の側が慣れていかなくてはならないことだ。


 一か月めの診療ではまず上の歯のワイヤーを再調整した。全く歯が動いている気がしないのだが、まあそういうものなのだろう。そしてなんかわからないけど新装備が増設された。上下の奥歯をエラスティックスという小さな輪ゴムでつなぐためのフックである。
 大きく口をあけたときに多少牽引力を感じるが、本当にこの程度の力で奥歯が上がってくるのだろうか……と思って一晩寝たらけっこう奥歯が痛くなっていた。効いてて草。
 この輪ゴムは切れたら自分で新しいものをセットしなければならない。おおよそ1日~2日で切れてしまうので、輪ゴムのストックは手放せない。


 目下の問題であった「朝食に餅を喰えない件」については、ワイフと様々なアイデア出しを行ったが、いまだに解決が見えない。
 何しろ餅は、腹持ちが良く、安価で手に入り、トースターで焼くだけで調理が完了し、手づかみでそのままいけば食器が要らず、食事のために座る必要もない、理論値最強の朝食であった。なぜ朝食がそこまで限界なのかは以前述べたとおりなので省略する。
 しかしこの環境下で餅を喰えば、装置にこびりついた餅を除去するだけで餅から得られたカロリーを使いつくしてしまうだろう。最悪、装置に悪影響を与える可能性がある。

 目下、最強に近いのはバナナだ。餅より腹持ちは悪いものの、調理にかかる工数が「剥く」のワンアクションで済むという優秀さが唯一無二である。
 ただしこいつは日持ちしない。買い置きしておくことができないのでそのぶん買い物に出る頻度が上がることになる。俺が帰りに翌朝用のバナナを買えればいいんだが、帰路にスーパーマーケットがないし、コンビニで買うとコスパが悪化する。

 お粥やお茶漬けは腹持ちが良いものの、米が炊かれていなければ解凍する手間があり、当然器も要る。調理に必要なアクションが多すぎる。それらをワイフが全てお膳立てしてくれたとしても、食後にワイヤーに挟まった米粒を除去するだけで出勤分のカロリーを消費してしまうだろう。

 パンやそれに準ずるものはお話にならない。前歯が使えないため、かぶりつくタイプの食べ物は総じてやっかいなことになる。食パンを牛乳に浸してしゃぶればなんとかなるかもしれないが、時間のない朝にそんな面倒なことをするアホはいない。

 シリアルやグラノーラはコスパは良いが、腹持ちが良くないうえに、細かいものを喰うのに時間がかかる。喰うのにかかる時間に対する腹持ちの良さはタイパといって良いのだろうか。コスパは良くてもタイパが悪いのではいけない。時間はなにより大事だ。

 この一か月、粉末スープにクルトンを投入して過ごしていたが、これは腹持ちが良くない。出社後即オヤツなのは多少見苦しい部分がある。油汚れの洗い物が発生するのもSDGsでない。ただ保存は効くし、まとめて買っておけばコスパも良い。


 ところでなぜかうちにMCTオイルとかいうm.c.A・Tみたいな名前の食用油がある。これは料理に使うのではなく、料理や飲み物に混ぜて直接摂るものだ。吸収が早く体に蓄積しにくいためダイエット勢が使っているらしい。油を飲んでダイエットになるというとんでもない理屈がなぜ真面目に通っているのか、まったくわからない。
 「体に蓄積しにくい」のは気になる部分ではあるが、素早くエネルギーになるのであれば、これの直飲みが最強の出社エネルギー源になるだろう。だがそれはもはや「食事」ではなく「給油」であり、さすがに人間の尊厳がおびやかされている気がする。

 とりあえず当面は粉末スープにm.c.T・Oをぶっこんでカロリーを添加する作戦で出社をキメようと思う。うっかりダイエットしてしまうとdieしてしまう可能性が出てくるが、まあ油を足して痩せるわけないだろう。
 
■2024-10-18
タイムはいつからマネーになったのか
 『遅刻の誕生: 近代日本における時間意識の形成』を読みました。

 今や世界一きっちり運行していると評判の日本の鉄道ですが、もちろん日本人は最初から時間に厳しい民族だったわけではありません。明治時代にどのようにして庶民の隅々にまで時間の感覚を叩き込んでいったか、鉄道だけでなく工場や学校などの事例を紐解いていく本でした。

 そもそも江戸時代の時間は、日の出・日の入りを基準として昼と夜をそれぞれ6分割したもので、季節によってぜんぜん変わってしまう不定時法でした。というかこれはヨーロッパ諸国も同じだったと思うのですが、あいつら、緯度が高すぎるんですよね。緯度が高いと季節による昼夜の時間差がエグいので、それであいつらは定時法を編み出して黒船アタックをかけてきたのです。


 そんなわけで明治6年から24時間制の定時法が始まるわけですが、庶民はそもそも時計を持っていないわけです。そんな状態で「殖産興業すっぞ!」と言って、近代的な工場の運営が始まります。
 
 明治8年の海軍兵器局工房の例では、始業時間が7時30分なのに、労働者は6時30分に集合させられていたそうです。不定時法で暮らしていた庶民には、分単位での時間厳守は無理だったのでしょう。
 当時の工場の主な動力は蒸気ですから、石炭を焚いて蒸気パワーが充填すると同時に業務開始するのがもっとも効率良いわけで、始業時間は確実に守ってもらわなければならなかったのです。遅刻は厳しく減給され、無遅刻無欠勤を奨励するための皆勤賞などが設けられました。

 工場では、始業時間前に汽笛を鳴らすことで周辺に住む労働者に時間を知らせるようになり、始業前の謎の待機時間は減っていったそうです。明治19年くらいになると、商店とか街角に時計が増え、庶民の時間感覚がじょじょに近代化していきます。
 その後、イギリスのグリニッジ天文台を基準とする「協定世界時」が決まり、明治21年には東経135度を基準とする「日本標準時」が決まって、ここでようやく現在につながる時間が始まったというわけです。

 ところでヨーロッパ人は「南半球の国では12月が真夏」を通したのに、「ロンドンの反対側の国では23時が真昼」を通せなかったのは何でなんだぜ?

PIPI
ピピチャン キタヨ!(季節がない国はあるけど太陽が昇らない国はないからですよ)
 さすが常夏の国の鳥は見識が深いなあ。


 本の内容と離れますが、東経135度といえば兵庫県明石市。「子午線のまち」として有名です。
 しかしちょっと考えてみるとこれは変です。だって東経135度の子午線は明石市以外にも多くの町を貫いているではないですか。

 日本標準時の基準となる東経135度子午線は、明石市を含む12市を通っています。
 北から京丹後市、福知山市(以上京都府)、豊岡市、丹波市、西脇市、加東市、小野市、三木市、神戸市西区、明石市、淡路市(以上兵庫県)、和歌山市(和歌山県)です。

東経135度と日本標準時 - 明石市立天文科学館
 たとえば東経135度・北緯35度の交点をもつ兵庫県西脇市は「日本のへそ」としてPRを行っていますが、さすがに教科書に載っている明石市ほどの知名度をたたき出せていません。いったいなぜ明石市が135度の恩恵を独占するに至ったのでしょう?

 たぶんまあきっと明石には天文台があるからだろ、と思って気にしないようにしていましたが、調べてみるとこれは順序が逆で、先ほどの明石市立天文科学館のwebサイトによれば、天文科学館ができたのは戦後の昭和35年でした。
 そこに至るまでには明治43年に始まる地元の校長先生や教育委員会の熱心な観測とPRがあったそうで、その結果「兵庫県明石市を通る東経135度の経線を~」という記述が自然となされるようになったのですね。先生方、頑張ったんだな……。
 
■2024-10-28
遥かなる戦いの詩・再び
 『ロマンシング・サガ2 リベンジオブザセブン』が出た!
ロマサガ2  リベンジオブザセブン
 6月に発表されただけで無駄に2回くらい泣いた俺は、その後体験版のタイトル画面で豪華に拡張されたメインテーマを聞きながらまたしても無駄な涙を流し、そしてそれに続く製品版でもいきなり「ジェラール様の……皇帝陛下の御出陣! ごしゅつじーん!!(♪皇帝出陣[YouTube])」で泣くはめになった。わかっておったろうにのうワグナス。

 前にWiiUでやったときのように……いや前にやったのもう10年前だな!? ちょっと前のことだと思ってたので真顔になっちゃった。とにかく前にやったときのを踏襲して、最終皇帝アイリ様で始めようと思ったんだけど、なんか最終皇帝女が謎の全身おしゃれタイツでなく、胸の谷間とふとももを曝け出したどえっち鎧になってしまっていたので、さすがにこれに娘の名前は入れられぬと思って男にした。
 キャラデザ、主に女子のデザインがとても頑張っているが、最終皇帝くらいは威厳ある姿にして欲しかったぞ。

 ジェラール帝の時代が終わった時点でこれを書いているが、テンポが素晴らしい。難易度ノーマルなせいかもしれない(難易度オリジナルはハードに相当します。俺たちは昔なにをやらされていたんだ?)けど、連続で敵と戦うことにストレスがない。
 今作ではあとどのくらい技術点を稼げば技能レベルが上がるのかが見えたり、どの技から閃きが派生するのかの閃圧(今考えた言葉)が見えたりするのが戦闘のモチベ上げにたいへん貢献している。
 あと、ボス前に全快ポイントが設置されているので、道中もガンガンBPを使ってしまって良いのも助かる。傷薬を使ったあと装備し直さなくても勝手にリロードされるよ!

 あと、原作ロマサガ2はUIの限界かマスクデータが多く、攻略本やアバロン帝国大学を参照しなければ、帝国の運営に必要な情報が手に入らなかった。解像度が上がったのでそのへんは全部わかる。というか防具の防御力が8属性に分かれているのに、画面上では斬防御しか見えなかった原作がどうかしていた。なんでそれでOK出した!?
 閃き適正は見えないっぽいけど、まさか令和の時代に所持技能と閃き適正が一致してない誰得人材はいないでしょう。信じているぞ。


 総じて、めちゃめちゃ尖っていたロマサガが、普通のRPGのような手触りでプレイできるような作品に仕上がっている感触がある。「閃き」の元祖たるロマサガ2を多くの人に届けたいという心意気であろう。音楽も丁寧にリマスターしてくれて感謝しかないが、オリジナル音源にしても画面に負けてないのはやっぱりすごい。皆も帝国の歴史を紡ぐべきだと思います。

ロマサガ2  リベンジオブザセブン
 なお、ロマサガRSの放った「アバロンには雪が降るのか問題」については、「こんなばかでかい暖炉を据え付ける地域に雪が降らねえワケがあるか」という想いが一層強まっています。どう考えても寒冷地の建築様式だろこれ。どうしてくれるんだ皇帝。
 
■2024-10-31
月記OCTOBER
 万聖節前夜の日に詠める、
 秋来ぬと目にはさやかに見えねどもまじ見えんまま冬になっとる
 (秋が来たと目にははっきりと見えないけれど、本当に見えないまま冬っぽくなってるんじゃあないよふざけるなよ)

 では10月にやったこと、観たものの記録だよ。

■キッザニア東京ふたたび

 に行ったあと、ワイフと娘氏の二人だけで行った回があって、今度はパパチャンと娘氏の二人で行った。
 さすがに10歳ともなると、もう放っておいてもどんどん次のアクティビティの予約を取ってくる。アプリが充実し、「いま予約受付をしているのはどこか」が手元でわかるようになったので、親の仕事はそれを見せるだけになった。
 労働で得たペリカでおさいふがパンパンになってるんだけど、娘氏は結局なにも買わずに出国した。これには心の中のハンチョウも「欲望の解放のさせ方が上手い……!」と平伏である。これ銀行に預けて運用とかできねえのかな。

■ハニワと土偶の近代展

 東京国立近代美術館でやっていた、普段あまり特筆されないけれど、日本人はわりとハニワと土偶が好きですよね? っていう展示。キッザニアのついでに寄っていった。
 音声ガイドが「田中真弓&はに丸」という抗いがたい人選で、思わず借りそうになったが、ゆっくり観ていく時間と体力がなかったので断念した。これから行く人は絶対聴いて欲しい。
岡本太郎 犬の植木鉢
奇獣 犬の植木鉢
 メインはその時代の人たちが描いたハニワや土偶関連の絵なんだけど、その中に不意打ちでこれが置いてあって「なんだこれは!」ってなった。売店でピンズが売っていたので迷わず買ってしまったんだ。
 最後のコーナーにはサブカルチャー史におけるハニワと土偶のキャラクター年表があり圧巻だった。文字だけとはいえ、ゲーム分野でいうとどうぶつの森のハニワくんや、ドラクエのミステリードール、シレンのくねくねハニーまでもが紹介されている。これだけ網羅してSaGa2のはにわが漏れてるのナンデ!?

■文鳥公園

 ワイフが文鳥好きの間で伝説となっている公園の話を持ってきた。相模原市の相模原麻溝公園には動物ふれあいコーナーがあり、そこにはおびただしい数の文鳥が放たれているケージがあるらしい。広大な公園の一区画の中の一区画にすぎないのだが、それなのに「文鳥公園」という通称が生まれるからには、よほどのおびただしさがあるのだろう。
 というわけで東名高速をぶっ飛ばして行ってきた。
相模原麻溝公園
 おびただしかった。手乗りではないので人間のところに寄ってくることはないが、群れで暮らす文鳥がどのように過ごしているのか、それを間近に観察することができた。意外と毎秒ケンカ売ってるわけじゃないんだな……たしかにこれは唯一無二の聖地かもしれない。
 これが無料なのはやばい。もう無限にここに居てしまうーッ! となったが、「まあ家に帰れば文鳥いるしな」と気持ちを切り替えて帰った。

■アコースティックギター

 Chord aiっていうアプリがあって、これで楽譜のない任意の曲のコード進行をある程度割り出すことができる。ワケわかんないコードが出てくることも多々あるが、それを足がかりにして基本的な響きのコードに差し替えて、ガチャガチャ転調して弾ける譜面を探し出すのだ。
 これによって、サトちゃんムーバーの「サトちゃんの歌」や、日産自動車の「世界の恋人」のような企業ソング、「かっぺいの歌(どうぶつの森)」や「トキメキ★ボムラッシュ(Splatoon)」のようなゲーム曲といった誰得弾き語りが可能となった。

 誰得ではある。だが楽しみ方としては間違っていないと確信している。
 かつてカラオケがなかったころ、若者が集まったらアコギを弾くしかなかった……と親父が言っていた。であれば、カラオケがある今の時代にアコギを弾くメリットは、カラオケに入らない曲を弾いて歌うことに他ならず、そしてそういう曲はたいてい楽譜がない。
 採譜したものがある程度たまったら公開して共有したいが、簡便さを最優先したガバガバ採譜なのと、著作権の観点から難しいだろう。

■リバー、流れないでよ

 評判になってた映画がアマプラしたので即観た。時間がループするやつって、だいたい主人公しかそれを認識してないんだけど、登場人物全員がループを受け入れるとこんなに話が広がるんだな。
 撮影が2分ごとの長回しなのも没入感ある。説明を圧縮するために「初期位置」とかあられもない用語が普通に出てくるのは笑ってしまった。撮影日の関係でループごとに微妙に天気が違うのも「世界線がちょっとずつズレてる」とかパワープレイでフォローしてくる。なんでループ慣れしてんだよ。

■アクロトリップ

 大昔に1巻だけ読んで気になっていた作品。だって「異常性を秘めてるけど普通であろうとする少女が異常性あふれる美形男子に絡まれてツッコミを担当しながら異常性を開花させられる話」ってみんな大好きでしょ? 具体? えっと具体的には……『ハイパーレストラン(たかなし霧香)』とか『いとやんごとなき(小松翔太)』とか……意外とねえなこの類型!
 このたび完結にともなってアニメ化されたとのことでとりあえず観てみたんだけど、いきなりゆるキャン△みたいな静かなアニメが始まったのでびっくりしてしまった。エッこれもっと騒がしいギャグ漫画じゃなかったっけ。なんか紫髪で独り言の多い女とピンク髪で髪量の多い女が出会ってよりゆるキャン△みたいになってしまったぞ。
 いちおう1話後半(原作1話)に入ったら普通にさわがしいギャグアニメになったのでよかった。なんだったんだあのパート。

■株式会社マジルミエ

 これはジャンプ+で連載開始時から追ってる作品。だって「実力はあるけどクセの強い奴らが小規模なチームを組んでデカいことする話」ってみんな大好きでしょ? 具体は要らねえよな?
 エンディングでキャストみてひっくり返ったんだけど、越谷さんがキュアコーラルでカナちがキュアサマーなの!? 逆では!? って何回も調べ直したけどマジだな。声優さんってやっぱすっげえな。
 
 アクロトリップと合わせて魔法少女モノが被ってしまった。「魔法少女モノ」ってなんか「不思議な力で変身して戦う女の子の話」みたいな共通認識があるけど、元祖王道となる作品が特定できない集団幻覚なのが面白い。たぶんサリーさんやアッコさんに連なる「魔女っ子モノ」と、東映特撮やセーラームーンに連なる「変身ヒロインモノ」がどっかで合流して幻覚が生まれ、プリキュアの普及で一般に浸透した……のだろうか。この辺は先行研究がたくさんありそうだな。

■るろうに剣心

 いよいよ京都編が始動した。京都編は一番ミーム汚染がすごくて、これまでも俺は左之助の表情がキワマってくると「~日本語吹替版~」という字幕を幻視してしまったし、追加された横浜編は「とにかく長いスペイン語の技名を叫ばせたい」という想いに溢れていた。

 関係ないけどここ数年、日清食品がウェブCMでめちゃめちゃハメを外していて、「あの頃のニコ厨」であることをやかましいくらいに主張してきているので、おそらくもう水面下でカップヌードル×るろ剣のコラボCM企画が進んでいるのではないだろうか。だって左之助が普通に「シーフードの極み」とか言うだけでもう文脈が乗ってしまうし、最悪の場合剣心が「ギリギリ太るカレーヌードル」とか言うところまで踏み込んでくる可能性がある。あるか馬鹿!! 自重しろ!!

■らんま1/2

 まさかのネトフリ限定配信だが、幸いここ静岡でも地上波放送があり助かった形だ。静岡、もうアニメ砂漠ではないのか……?
 発表されたときには「リブートでなくリマスターする気なのかァーッ?」という印象を受けたが、実際オンエアされてみると声優さんも作画班もめちゃめちゃ頑張っていて、「令和のオタクにもこの魂を届けてやるぜ……」という強い意志を感じることができた。TSキャラが珍しくなくなった昨今、ハンパなTSキャラを全力でぶん殴ってほしい。

 らんまの関係者、人の話をまったく聞かない異常者が多いんだけど、話が通じなくても物理攻撃で止めることができるためギリギリバランスが取れている。暴力ヒロインには暴力ヒロインをやるための理由と責任があるのだ。

■ニチアサ百景

 プリキュアでは悟くんの告白が成功した。これは本当に偉業と言っていい。
 そもそも特定の交際相手を持つプリキュアが激レアで、一応、最近異世界人と結婚したらしい人はいるんだけど、あちらは作中で互いの関係を明確にしていない。なので正式に彼氏を持つプリキュアは、フレンディさんが史上初ということになる。

 プリキュアの恋はだいたい相手が異世界人だったり妖精だったり無駄に胸元をあけている神だったりするせいでうまくいかないことが多く、幼なじみ枠の男子との関係も結論までは描かれないのが常であった。
 それがここで急にカップルが成立してしまった。まごうこと無き神回であったが、心配なのはこれが「犬が主人公の物語」だということだ。クライマックスでもないこのタイミングでやったということは、「飼い主に恋人ができて相手してもらえなくなるペット」の悲しみが描かれてしまうのか!? 嫌だ!! 苦しむのは毎日悟くんと電話してたメェメェだけにしてくれ!!