Oneside Flat Web

◆不定期日記ログ◆

LOG 2018-02

■2018-02-05
午前0時の交差点
 西洋のコトワザに「It's always darkest before the dawn.(夜明け前がいちばん暗い)」というのがある。要は止まない雨はないという励ましの言葉なんだと思うが、冷静に考えてみると夜明け前よりも深夜のほうがよっぽど暗い。
 気象庁の分類では、「夜明け」は「日の出の前の空が薄明るくなる頃」とされており、0時から3時を「未明」、3時から6時を「夜明け前→明け方」と呼んでいるようだ。これについてはdawnの持つ意味合いが日本語のそれとはちょっと違うのだろうと判断するしかない。

 では真に暗いのはいつになるのだろうか。深夜0時だろうか。日没から日の出までのちょうど真ん中だろうか。あれッひょっとして日没から日の出までのちょうど真ん中の時刻を1年間で平均すると0時になるのか? 0時ってなんなんだ?

 0時を考えるということは、その反対である12時(正午)を考えることでもある。前に考えたこととはちょっと違う。まず俺はざっくりした説明を求めてWikipediaを開いた。

正午(しょうご)とは、地方時において、天球上を一定の速さで動くと考えた平均太陽が地平線より上で子午線を通過(正中:南中または北中)する時刻をいう。

正午 - Wikipedia
 えっと……天球上を……一定の……平均太陽……?
 平均太陽というのがよくわからなかったが、1年間の太陽の動きを平均化したような仮想の概念と理解しておく。そしてこの場合の「子午線」とは、我が国では兵庫県明石市の東経135度線をさす。えっとつまり、正午というのはこの平均太陽が135度線を通過する瞬間と定義されているわけだ。

 ということは、明石市では、太陽が南中する時間を1年で平均するとだいたい12時ちょうどになる理屈だ。明石市の南中時間は解らないが、国立天文台の暦計算室に神戸市の南中時間がまとめられている。このデータを使って神戸市の南中時間を1年間でざっくり平均すると11時59分15秒となった。
 神戸市の経度は135.1833度。時刻は15度で1時間(3600秒)ずれるので、0.18度では43秒くらいずれる計算になる。東経135度ぴったりの地点では平均南中時間はほぼ正午になると考えてよさそうだ。誤差が2秒ほど出ているのは小数点以下を端折ったガバガバ計算だからだろうか。天文学に自信ニキは教えて欲しい。

 というわけで結論!
  • 「夜明け前がいちばん暗い」というが、夜明け前(明け方)は実際明るい
  • いちばん暗いのは日の入りから日の出までの中間地点
  • 東経135度上ではその時刻を年平均するとほぼ0時

 ……ということがわかったが何を調べていたんだっけ。
 
■2018-02-22
おしっこしたあとブルッてなる奴のこと
 39.7度の高熱に倒れたので、おしっこしたあとブルッてなる奴のことを考えていた。
 あれの正式名称はシバリング(shivering)というらしいがそんなことはどうでもいい。

 あの震えが起こる理由、はるか昔に「体温の低下のせい」って説明をうけて納得したまま生活してきたけど、よく考えたらおかしいのではないか。
 俺の膀胱の中で39.7度に保たれた尿を外に出したからといって、なぜ俺の体温が下がるのか?
 
 電気ポットの内部を想像する。
 圧力によってお湯を注いだあと、電気ポットの内部にはたぶん外気が入る。それゆえ室内の温度は下がる。これはわかる。
 だが膀胱は確かに温かいものを外に出しているが、出すだけでなにも入っていかない。体温が下がる理由がない。この理屈でいえば、排泄のあと冷たい水を飲んだときに震えがこないとおかしい。

 なのであれはただ体が「カ・イ・カ・ン……」と言っているだけなのではないか、という悲しい仮説だけが残された。調べてみると「原因は不明」とするソースも多いため、あながち間違ってはいないのではないかと思っている。

 こうなると冒頭の「正式名称はシバリング」というトリビアもガセになる。シバリングは「身震い等による体温調整を行う生理現象」だからである。「シバリング」と「しばれる」の語感の共通性については、おそらくもうさまざまな論文が書かれているだろうから調べるのをやめた。


 翌朝、熱は平熱まで戻っていた。
 
■2018-02-24
CDリッピング物語
 ここ数年、音楽CDの取り込みはWindows Media Player(WMP)を使ってきた。
 はるか昔は午後のこ~だなどといったフリーウェアを駆使していたものだが、PCの乗り換えを続けるうちに環境を構築するのが面倒になり、マイクロソフト様にお任せした形だ。ようは易きに流れたのだ。


 しかしここ数年、CDDBによる曲名などのタグ付けがまともに機能しなくなった。
 WMPはAMGというCDDBしか扱えないので、こうなるともうCD取り込み機能は死んだも同然。AMGでなくGracenoteのCDDBにアクセスできるリッピングソフトに移らなければならない。

 俺は当然Win10標準のGrooveミュージックを起動した。
 しかしこいつにはなんとCD取り込み機能が付いていない。
 後継ソフトがこのありさまで「WMPと使いわけろ」と言ってるのに、AMGのCDDBが終わってることについては何も対策を用意しないのだ。本当にデジタルミュージック界隈は俺をナメている。

 俺が常々「暗黒メガコーポが考えた最強の音楽プレーヤーでのファイル管理には1ミリも同意するつもりはない」と断言しているのは、こういう事態がたやすく起こりうるからだ。
 このように容赦なく暗黒メガコーポは弱者を切り捨てる。弱者というのはいまだにCDとかいう物理媒体で音楽を入手するのがコスパ最高の日本とかいう島国の野郎のことだ。つまり俺だ。

 そこに当然「ウチならできますよ」とシリコンバレーくせえ息を吹きかけてくる黒Tシャツの男がいる。iTunesだ。クソッたれ。たぶん日本人の9.9割がおまえんとこのアプリかソニーのアプリで音楽を取り込んでいるんだろう。そしていつか切り捨てるんだ。俺のように。俺は絶対お前たちのやり方には屈しない。


 弱者のままではいけない。暗黒メガコーポの犬のままでは。家畜の安寧。虚偽の繁栄。牙を研ぎ直し、餓狼に戻らなければ。
 それはつまり、このように突然ソフトウェアを取り上げられてもすぐに別の環境を用意できる、真の男になるということを意味する。

 今の俺は完全に15年以上前のあのころの……デジタルミュージックライフを始めたころの精神状態に戻っているッ!
 つまりやるべきことはまずWinamp様の召喚である。
 なんとWikipedia情報ではWinamp様がGracenoteのCDDBを扱えるとある。
 開発が止まってほぼ死体となったソフトを動かすのはもはやネクロマンシーに近い業ではあるが、動くなら動かしてみせる。

 しかしこれは早々に躓いた。
 動くには動くが、2014年くらいの段階でGracenoteにアクセスできなくなったらしい。これでは用をなさない。
 次に俺の目に留まったのはQuintessential Media Playerだった。
 このクソ長い名前には憶えがある。俺がWinamp5になじめずに移住したソフトだ。まだ生きているとは思わなかった。

 まずこいつはCDのリッピングに午後のこ~だ……じゃなくlame_enc.dllが要る。
 この化石を安全に発掘できる場所を探しあてる自信はなかったがとにかくダウンロードした。
 しかし動かない。どうやら32ビット版でないといけなかったらしい。再DL。
 ここまでやったらきちんとCDDBからアルバム名も曲名も取って来てくれるようになった。
 やはり暗黒メガコーポの支配に立ち向かえるのは市民の叡智である。
 だが今度は1曲リッピングするたびにエラーを吐く。
 これを直すためにLAMEのEXEとCLI Encoderというプラグインを別途DLしてこないといけなかった。


 こうして1時間ほどでようやくCD取り込みの手段が復興した。
 次善の策としてMusicBeeも考えていたが、今回は古巣のQMPで解決だ。
 QMP……すまなかったな……やはりお前が正しかった……
 俺があのとき易きに流れて暗黒メガコーポの犬となったのが間違いだったんだ……
 オマエもいつまで動くかわからないが、もうどちらかが死ぬまで離しはしないよ……