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◆不定期日記ログ◆

LOG 2023-08

■2023-08-04
はたらく錬金術士
 世界を救うのはもうやめた!!
マリーのアトリエ Remake 公式Webマニュアル
https://www.gamecity.ne.jp/manual/Ma52WyNr/jp/index.html
 これよ、これが言いたかった。なぜなら俺はハイラルを救うのがめちゃめちゃ楽しくてこのままでは無限にゼルダをやってしまうーッ!! って感じだったので、無事ハイラルが救えてゲームが一段落した状態でこれ言うの最高に気持ちいい。

 この名キャッチコピーについては、別にマリーが世界を救おうとして諦めたキャラクターというわけではなく、JRPGが全盛であった当時の空気へのカウンターであったと理解している。
 しかしその後に続く「自由気ままなスローライフRPG」という部分はわからない。このゲームは投資とその回収、個人事業者としての事業拡大戦略などを通して、プロレタリアートからブルジョアジーに至る資本主義の闘争を扱ったものではなかったか。


 かつて『マリー』と『エリー』をプレイし、その後のアトリエシリーズのことをまったく知らない俺は、おぼろげな記憶を頼りにアトリエ生活をスタートさせた。今作ではチュートリアルがしっかりしていて、まずクラフトを作ることを勧められる。クラフトは収入源として優秀なので従うのが良い。
 そして俺は早々とほうれんそうSの調合を行い、妖精の腕輪を手に入れた。これで妖精の雇用が可能となる。ここからが資本主義……個人事業主としての手腕が問われるところである。

 収益性の高い製品の筆頭としてコメートが挙げられる。
 紺妖精にまかせると13日に1個のペースでコメートが生産される。(昔は10日じゃなかったですか?)
 コメートの生産に必要な原材料は、コメート原石・研磨剤・中和剤(赤)である。原石と研磨剤は6.92個/月、中和剤は1.15個/月が用意できればラインを止めずに生産を続けられる。これらをジャストインタイムで納品できる妖精は……
#NintendoSwitch
人件費合計1200円
 こうして25年ぶりにコメート生産ラインが稼働を始めた。
 実際に回してみると、紺妖精では素材の収集がやや過剰である。だがまあ素材はあって損することはない。また、中和剤の生産も茶妖精で十分だが、中和剤は他でも使うのであえて過剰な投資をしている。
 オーバースペックを解決するために生産ラインを2本にしても良いが、ぶっちゃけ1本あればザールブルグの経済を押さえるのに十分であった。これによって王制下でありながら俺は潤沢な富を蓄えることができた。そのうち王室に貸し付けなどをして、積極的に権力に食い込んでいく構えである。

 さらに……潤沢な富は武力を生む。今作ではフレアがアイテム売る店を出すことがある。ここで爆弾を買い込む。また、コメートが量産されることで時の石版の生産が容易になる。つまりドラゴンや魔人ですらも、もう俺を止めることはできない。
 もはや国家を凌駕するカネと暴力を手に入れてしまった。近世封建社会崩壊の始まりはこんなものと相場が決まっている。アカデミーもこのような才能を野に放ったことを悔いているだろうがもう遅い。俺はこのコメート生産ラインで成り上がる!


 うろ覚えの記憶で最効率とは言い難いプレイだったが、半年を残して図鑑を埋めることができた。
 これは初見の人が手探りでやったら埋まらないのでは? やはりこの世界はスローライフとはかけ離れている。俺はそうつぶやいて残りの半年を寝て過ごした。

 そして運命の9月1日……。
#NintendoSwitch
校長「次で最後の1年か。」
 あれッ……エッ? ごめんあと1年あったわ!! うろ覚えでも1年半残るもんだっけ!? エナジードリンク(祝福の聖水)ガブ飲みしないでもっとたびたび寝ておけば良かったな!?

 やはりマリーのアトリエは「自由気ままなスローライフRPG」であった。俺自身が資本主義の絵の具に染まって、この草の香りや、花の色や、星の明るさのことを忘れてしまっていただけなのであった。みんなも資本主義で疲弊していないでマリーのアトリエをやろう!


 余談になるが、エリーのほうの記憶でついついお部屋の掃除を依頼しちゃうんだけど、エリーと違ってマリーは部屋がどんなに散らかっててもまったく仕事に支障がないのであった。
 世の中には2種類の人がいる。散らかってると作業ができない人と、散らかさないと作業ができない人だ。そしてそれらの相互理解は難しい……そんなことを考えさせる仕様であった。
 
■2023-08-12
ポテトVSエイリアン
 Brotatoが面白いので、何周遅れの状態からだって平然とBrotatoが面白いということを訴えていきたいと思います。
#NintendoSwitch
 Brotato、暴太郎戦隊ドンブラザーズに脳を焼かれた人間は反射的に「ぼろたろう」と読んでしまうのですが、よくよく見たら『ブロテイト』でした。じゃがいも兄貴みたいな意味? とてもポテトには見えませんが自機はポテトだそうです。
 評判は常々聞いていたのですが、このたびNintendo Switchで遊べるようになったのでゴールドポイントで買ってしまいました。

 ゲームのジャンルとしては「トップダウンアリーナシューター」と書かれています。このジャンルの代表的なゲームにVampire Survivorsがよく挙げられますが、なんと私はこれをやっておらず、最後にやったトップダウンアリーナシューターはよりによって『SMASH T.V.』になるものと思います。BIG MONEY! BIG PRIZES!
 操作は自機の移動のみで、全方位から迫る敵をオート照準オート発射の武器で始末していき、WAVE20を越すことができればクリアとなります。

 また「トップダウンアリーナシューターのローグライト」とも書かれています。WAVEごとにアイテム購入タイムがあり、そこでどのようなアイテムを手に入れることができるかで、武器とパラメータのシナジーが高まったり高まらなかったりしていきます。キャラも武器もパラメータも多彩であり、したがって近距離パワー型や遠隔操作型などさまざまなデッキを目指すことができます。
 ローグライトなので死ねば無に戻ります。恒久的に保持できる資産はありません。ただ1回のプレイ時間が短いので喪失感もさほどありません。繰り返し遊ぶタイプのゲームなので、プレイ時間が短いのがありがたいところです。

#NintendoSwitch
 写真は終盤のWAVEの様子ですが、何が起きてるかわかります? 俺はわかりません。わからなくてもよいのです。デッキがきちんと組めていれば、敵はオートで死にますし、被弾も耐えられます。あとは予備動作がわかりやすい突進や飛び道具に気を払えば生き残ることができるはずです。


 実際にプレイを始めると、ほぼ説明がなく、翻訳にもクセがあるので慣れないうちは戸惑うことと思います。
  • 「エンジニアリング」って何だよ?
    →位置の関係でわかりにくいですが、このゲームの武器は攻撃力として主に「近接ダメージ」「遠距離ダメージ」「属性ダメージ」「エンジニアリング」のどれかを参照していて、アイコンでわかります。設置系の武器がエンジニアリングを参照することが多いようです。
  • じゃあ「ダメージ%」は何なの?
    →こちらは上記の攻撃力算出のあとの最終的なダメージに乗算されるようです。ただしエンジニアリング系武器で設置したタレットや地雷には効果がないって英語のwikiに書いてありました。
  • 「遠距離ダメージ」と「遠距離」があるんだけど?
    →「遠距離」は射程が伸びます。武器の説明のとこにも射程のつもりで「遠距離:175(近接)」とか書いてあるのでだいぶ混乱しました。一応近接武器でも遠くに届くようになるようですが、そのぶん攻撃頻度が削られるのでメリットはいまいちです。
  • 「HP再生」と「ライフスティール」はどっちがいいの?
    →HP再生は自動回復で、ライフスティールは攻撃時に回復です。なので火力と相談してどっちかに決めるとよいでしょう。マイナスになっても問題ないようです。
  • 「運」と「収穫」って何が違うの?
    →運は木箱&消耗品(回復アイテム)のドロップ率と、店売りアイテムのレアリティに影響しているらしいです。収穫はWAVE終了時の材料(お金)と経験値が増えるようです。その性質上、どちらも早い段階で上げておきたいパラメータです。
  • 拾いきれなかった材料(お金)が袋に入ってるのは何?
    →拾いきれなかったぶんは一度キープされて、次のWAVEで材料を拾ったときに一緒に拾えるようです。「×2」って出てるのがそうらしいです。なんなんだこの仕様?
  • 霊妙の武器の効果がわからない。
    →「+1 ダメージ% 波のときに、この武器で倒した敵20体ごとに 獲得ステータス:0」は、「1WAVE中に20体倒すごとにダメージ%のパラメータが+1される」の意味です。文章の順番がまぎらわしいんよ。
  • 稲妻シヴって何? 便利だから使うけど
    →わかりません。Shivを調べたら「ドス」と出てきました。世界にはまだ我々の知らない武器があるんですね。

#NintendoSwitch
 ひとまず遠距離型の「レンジャー」を銃器モリモリにしてクリアし、次に基本の「丸々」をなぜか霊妙近接でクリアし、属性型の「魔法使い」をトーチ&稲妻&火炎放射でクリアしました。
 使用できるキャラクターは続々とアンロックされていますし、クリア後の高難度もレベル1~5まであるようで、520円でここまで遊べてしまうことに驚嘆しています。
 聡明なる読者諸君はニンテンドーカタログチケットで2本くらいゲームを買っていると思いますので、Brotatoを買うくらいのポイントは溜まっていますね? 買いましょう。私からは以上です。
 
■2023-08-23
とりとうがらし
 おやつの時間に、汗をかきながら暴君ハバネロを食べていた。
 なぜ暴君ハバネロかといえば、極端に辛い菓子ならば娘氏に横取りされないで済むからだ。

 だがそんなおやつタイムを狙うやつが他にもいる。
Pipi&Habanero
ピピチャン!
 まるでポップコーンを投げる男に群がるハトのように、ピピ助がまとわりついてくるのである。
 こいつは最近、人間が食べているものに対する興味がすごく、「それは鳥も食べられるやつでは?」という顔で接近してくるのだ。

PIPI
ピピチャン!(その認識は違う。ハバネロをはじめとするトウガラシ種の植物は、哺乳類や昆虫を遠ざけて、カプサイシン受容体を持たない鳥類だけに食べてもらって種を遠くに運んでもらうように辛く進化したのであり、したがって「鳥も食べられる」ではなく「鳥こそが食べるべき」なのである。これはトウガラシへの冒涜では?)
 ウワーッ理論武装だッ! でもすごいたくさん塩分も入ってるからダメッ! 散れッ散れッ!
 
■2023-08-26
ガイド・トゥ・ザ・ギャラクシー
 42歳になった。
 厄がどうとか言っている場合ではない。42とはこれすなわち「生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答え」であり、深遠なる叡智なのである。

 しかし妙な話ではないか。いまやGoogle先生のみならず、bingAIに聞いてもアレクサに聞いても生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えが42であることが即答される。俺はそれを引き写しているだけだ。
 実際に究極の疑問の答えを計算したわけではないのに、答えが42であることだけを知っているというのは、カンニングのようであまり気持ちが良くない。


 なので、42歳になる前に、このやり取りが出てくる1979年の名作SF『銀河ヒッチハイク・ガイド』を読んだ。ちゃんと生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えが42であることを確かめなければいけない。

 『銀河ヒッチハイク・ガイド』の中で、高次元知的生命体は生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えを計算すべく、ディープ・ソートというべらぼうなコンピューターを設計・起動する。そのコンピューターが750万年にわたる計算の末に出した答えがこの「42」であった。

「わかりました」ディープ・ソートは言った。「深遠なる疑問の答えは……」
「答えは……!」
「生命、宇宙、その他もろもろの答えは……」とディープ・ソート。
「答えは……!」
「答えは……」ディープ・ソートは言い、また口をつぐんだ。
「答えは……!」
「答えは……」
「答えは……!!……?」
「四十二です」ディープ・ソートは、はてしない威厳をこめ、あくまでも落ち着きはらって答えた。

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
 「42」のほうを先に知っている状態で2ページ以上に渡って答えを引っ張られるの、正直笑ってしまった。

 そして「42は間違いなく究極の答えであり、意味がわからないのであれば問いが間違っている」という話になり、今度は問いのほうを究極の問いにすべく究極のコンピューターが作られる。その結末については……古い小説なのでネタバレに配慮することはないと思うが、これを見て原作にあたってくれる人がいるかもしれないので伏せておこう。

 こうして俺は42歳になる前に、42が生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えであることを確認することができた。これを俺は「紙上聖地巡礼」と呼んでいる。ネタを使うときにはできるだけ元ネタを履修することでリスペクトを示していきたい。さすがに古い作品だと図書館に頼ることになるが……
ちくわ大明神
『ブラック・ジョーク大全』阿刀田 高
 ……リスペクトを示していきたい。