◆不定期日記ログ◆
- ■2024-12-28
- アコギ進捗と、俺たちのレベルアップ
ギターを触って半年、難関として名高いFの音が鳴らせるようになった。
だが押さえられるようになったわけではない。人差し指で全ての弦を押さえるバレーコードは、俺のアカチャン並の握力ではまだまともに押さえることはできない。
ぶっちゃけFなんてFmaj7でごまかせばよい。Fmaj7なら3か所押さえるだけで鳴らせるし、Cとの切り替えが非常に簡単でメリットが大きい。響きもそれほど……変わらない。
しかし……それでもしょせんは代用コードである。ときどき響きに違和感のある場面があった。
特に「C-G-Am-Em-F-C-F-G」のいわゆるカノン進行をジャカジャカ弾いているとき、コードの流れが美しすぎてまがいもののFが目立ってしまう。純正品のFは美しい。俺はなんとしても純正品のFの音を出したくなってしまった。
ところでFとならんで頻出するバレーコードにBmがある。これは代用品のBm7がしっくりこない場面が多く、俺は5・6弦を鳴らさないことでごまかす術を身につけた。(コード譜を知らない人向けに説明すると、黒い点より左側は弦が振動しないので押さえる必要はなく、Bmの人差し指は、実際はいちばん高い弦と5番目の弦だけに力を込めればよい。)
これならば人差し指は1弦を押さえるだけで行ける。低音が消し飛ぶのでこれが前に述べたウクレレ化に拍車をかけたわけだが、このごまかしを続けたことがFに活きた。
BmとFは指の形が似ている。Bmをごまかせるのであれば、Fもごまかせることに気付いた。人差し指で1・2弦を押さえることができれば、指は5弦まで届く。6弦だけミュートすれば少なくとも純正のFにない音が鳴ることはない。
そして、人差し指で1・2弦を押さえるのはDm7でさんざんやっている。つまり、俺が純正のFを鳴らせるようになるまでのひらめきチャートは、以下のような形になる。
この状態から親指で6弦を取りにいくのをウェスタングリップというらしい。意外と正道だった。
ここから、我々のレベルアップの形についての一般化ができる。
現実世界には「次のレベルまであと65535の経験値が必要じゃ」と教えてくれる人はいない。だが我々は確実にレベルアップし、なんらかのスキルを身につける。それはたいてい突然やってくる。なぜか。
おそらく、あるスキルを身につけるためには、複数のサブスキルに一定の経験値が入っていないとだめなのだろう。俺の場合はFをひらめくためにサブスキルBm・Dm7の経験値が必要だったわけだが、一般的にはもっと複雑で、なぜそのサブスキルが条件に入っているのか明らかでない場合が多いのだと思う。
たとえば「自転車に乗る」をひらめくためのサブスキルの一つになぜか「跳び箱」が設定されていて、誰もそれを知らず、ある日の体育のあと突然条件を満たして自転車に乗れるようになる――そんな形で我々はレベルアップしているのではないだろうか。
練習量に比例して成果が伸びていかない理由も、このように考えれば納得がいく。俺はバレーコードのFを押さえるための修行を繰り返すのではなく、Fをごまかして他のコードを弾きまくることで、近道ができていたということなのだろう。その結果バレーコードは一切できていないが……。
PIPI ヤーダーヤダヤダ!!
俺は努力したくないんだよォッ! 遊んで弾いてるうちに上達したいんだよォーッ!
だが押さえられるようになったわけではない。人差し指で全ての弦を押さえるバレーコードは、俺のアカチャン並の握力ではまだまともに押さえることはできない。
ぶっちゃけFなんてFmaj7でごまかせばよい。Fmaj7なら3か所押さえるだけで鳴らせるし、Cとの切り替えが非常に簡単でメリットが大きい。響きもそれほど……変わらない。
しかし……それでもしょせんは代用コードである。ときどき響きに違和感のある場面があった。
特に「C-G-Am-Em-F-C-F-G」のいわゆるカノン進行をジャカジャカ弾いているとき、コードの流れが美しすぎてまがいもののFが目立ってしまう。純正品のFは美しい。俺はなんとしても純正品のFの音を出したくなってしまった。
ところでFとならんで頻出するバレーコードにBmがある。これは代用品のBm7がしっくりこない場面が多く、俺は5・6弦を鳴らさないことでごまかす術を身につけた。(コード譜を知らない人向けに説明すると、黒い点より左側は弦が振動しないので押さえる必要はなく、Bmの人差し指は、実際はいちばん高い弦と5番目の弦だけに力を込めればよい。)
これならば人差し指は1弦を押さえるだけで行ける。低音が消し飛ぶのでこれが前に述べたウクレレ化に拍車をかけたわけだが、このごまかしを続けたことがFに活きた。
BmとFは指の形が似ている。Bmをごまかせるのであれば、Fもごまかせることに気付いた。人差し指で1・2弦を押さえることができれば、指は5弦まで届く。6弦だけミュートすれば少なくとも純正のFにない音が鳴ることはない。
そして、人差し指で1・2弦を押さえるのはDm7でさんざんやっている。つまり、俺が純正のFを鳴らせるようになるまでのひらめきチャートは、以下のような形になる。
この状態から親指で6弦を取りにいくのをウェスタングリップというらしい。意外と正道だった。
ここから、我々のレベルアップの形についての一般化ができる。
現実世界には「次のレベルまであと65535の経験値が必要じゃ」と教えてくれる人はいない。だが我々は確実にレベルアップし、なんらかのスキルを身につける。それはたいてい突然やってくる。なぜか。
おそらく、あるスキルを身につけるためには、複数のサブスキルに一定の経験値が入っていないとだめなのだろう。俺の場合はFをひらめくためにサブスキルBm・Dm7の経験値が必要だったわけだが、一般的にはもっと複雑で、なぜそのサブスキルが条件に入っているのか明らかでない場合が多いのだと思う。
たとえば「自転車に乗る」をひらめくためのサブスキルの一つになぜか「跳び箱」が設定されていて、誰もそれを知らず、ある日の体育のあと突然条件を満たして自転車に乗れるようになる――そんな形で我々はレベルアップしているのではないだろうか。
練習量に比例して成果が伸びていかない理由も、このように考えれば納得がいく。俺はバレーコードのFを押さえるための修行を繰り返すのではなく、Fをごまかして他のコードを弾きまくることで、近道ができていたということなのだろう。その結果バレーコードは一切できていないが……。
PIPI
ピピチャン キタヨ!(観念して握力を鍛えたほうがいいんじゃない?)
俺は努力したくないんだよォッ! 遊んで弾いてるうちに上達したいんだよォーッ!