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◆不定期日記ログ◆

■2021-11-07
秩父の「ちち」って「父」の方じゃないのかよ
 令和になったときに群馬にキャンプにいったわけだけど、その帰り道にカーナビにしたがってテキトーに走っていたら秩父に迷い込み、そのまま山梨に抜けたことがあった。

 その時は帰り道というだけだったので全くどこにも寄らずに通り過ぎた。ただ「車で3時間半ぶっ飛ばせば静岡から秩父まで行ける」という情報は俺の頭に染み付き、いつか再訪してやろうという思いを燻ぶらせていた。
 その後コロナとかいう奴が長いこと「県境をまたぐな」という社会情勢を作りだし、ようやく感染拡大が一段落したので我々はすばやく秩父行きの計画を立てた!……というのが、ことの始まりである。


 いい感じの土日を見繕い、ワイフに宿を確保してもらったまではよかったが、なんと前日にワイフが風邪を食らってダウンした。
 これは中止やむなしか!? そんなふうに考えていたところワイフより「アイチャンが家にいたらどっちみち寝ていられないから行ってきて」というGOサインが出た。

 そういうわけで、娘氏と二人旅をすることになった。



 娘氏とロングドライブするときの問題点がトイレで、娘氏はもうたいていのトイレは一人で攻略できるので助かるんだが、パパがもよおしたときに男子トイレの前で待っててもらうことには危険がある。
 したがって、外の様子がすぐわかる小さいトイレのある場所を狙うか、あるいは多目的トイレの室内で待っててもらうかの2択であり、この旅では道の駅の多目的トイレを活用することが多かった。

 秩父へ向かう中継地点……というかロングドライブに飽きた娘氏を解放するためのドッグランめいた施設……として、前回荒天の中訪れた笛吹川フルーツ公園に寄る。
 さすがに実りの秋とあって人出がすごく、駐車場がめちゃめちゃに混んでいた。運よく停められたのでよかった。
デデンネ
デデンネ
 この公園はだいぶ高低差がある。時計はそろそろお昼を指しているし、上のほうにフードコートがあることがわかっていたのでサクサク向かいたかったが、娘氏を足止めする魅力的な遊具がたくさんあり、中腹に着くころにはパパは餓死寸前となった。娘氏は娘氏で空腹の限界まで遊具で遊び、ごはんを食べるところまでまだだいぶ登山する必要があることに文句を言っていた。


 遊び疲れた娘氏は「もうホテルいきたい」と苦情を言ってきた。フルーツ公園でだいぶ時間をとったので、このまま秩父へ向かえば宿のチェックインの時間になる。
 山梨から埼玉へ抜ける道はえげつない急カーブが続くが、娘氏は車に酔ったことはない。そしてパパは山道のほうがテンションが上がるタイプのドライバーである。どっちを見ても紅葉が素晴らしい。サクナヒメのサントラをかけて、娘氏と田植え歌を口ずさみながらすいすい進んでいく。

 山道を下ることさらに30分、旅籠屋秩父店にチェックイン。娘氏は「アイチャンはひとりでおんなゆに入るってこと……?」と不安を隠さなかったが、旅籠屋は普通に部屋ごとにユニットバスがあるだけなのでまったくそのような心配は要らない。

 娘氏と出かけるときの問題として「一人前を注文したくせに半分食べて飽きる」という点があり、ファミレス等では大盛をシェアするなどして調整するのだが、未知のお店で未知の食べ物だとこうはいかない。しかも二人旅では娘氏が残したものを食べる人が俺しかいないという計算になる。
 フルーツ公園で1.5人前のほうとうを食べた俺はもう完全にお腹いっぱいだったので、夕飯はもうテキトーに済ますことに決めていた。幸い旅籠屋はとなりがローソンなので食料の心配がない。明るいうちに買い出しをして、コンビニおにぎりを中心とした「わるわる晩御飯」を広げて最高になった。

 そして「あつ森」アップデート済みのニンテンドースイッチをしたり、すずめ雀をしたりして夜は更けていった。



 翌朝は7時に起きた。本日はプリキュアもライダーも戦隊もない悲しみの週だが、放送がなくても体が自動的に起床するようになっているし、娘氏は休日に寝坊することに全く価値を見出していない。
 そして、本来ニチアサの放送が始まる8時半ころには、もう我々は完全にニチアサになっていた。

浦山ダム
 これが親の顔より見た浦山ダム。親の顔をもっと見ろ。
 特に「仮面ライダーゼロワン」でめちゃくちゃ高頻度で見た光景が広がっている。ここに滅亡迅雷のアジトがあることは間違いないし、なんならこのダム湖から暗黒種デーボスが蘇った記憶も薄れていない。毎年戦隊かライダーかどっちかは戦っている場所だろう。
 娘氏はダム湖を見て「おわりのある海だ」と言っていた。

浦山ダム
 ダム湖の奥にある大久保橋に行きたかったが、あいにく通行止めだったので、浦山ダムの下に向かう。ああここは「ゼロワン」でフワがアサルトウルフをこじ開けた駐車場だな。
 娘氏は「階段登りたい」と言い出した。正気か? だが「待ってるから勝手に行ってこい」とは言えぬ。階段500段はスクワット250回に相当する。
 帰りはエレベーターで降りた。ダム内部にあるいろんな展示パネルが観れたので悪くはなかった。



 続いて、さらなるニチアサを求めて秩父ミューズパークへ向かった。
 ミューズパークはさまざまな施設を擁する細長い公園であり、駐車場も用途別に無数に用意されている。とりあえず野外音楽堂に向かえばいいら、と車を走らせていったらすごい奥まったところまで行ってしまった。普通に先端部の方の駐車場を使って、公園内をレンタサイクルで爆走するなどするのが良い楽しみ方だと思う。
秩父ミューズパーク
 これが親の顔より見た野外音楽堂。親の顔をもっと見ろ。ここについては「キラメイジャー」でクランチュラさんが芸術性を発揮するシーンが記憶に新しい。だいたい毎年なんらかの形で見ているので趣がある。
秩父ミューズパーク
 これは親の顔ほど見る機会はないが、出てきたときに印象深いミューズの泉。「オーズ」で伊達さんが初登場したあと爽やかに自己紹介して去っていったのがここだった気がしたんだけど、帰って確認しようと思ったらオーズがアマプラ対象から外れていた。いつまでもあると思うな親とプライムビデオ。

 要所要所に遊具があるので娘氏が退屈しない。だが確実に先ほどのスクワット250回が体力を蝕んでおり、公園の端まで歩いていくのはムリと判断して、いったん車に戻って展望ちびっこ広場の近くの駐車場までファストトラベルした。


 広場で遊んでいるうちに11時を回ったのでお昼を食べて帰ることにする。食べるところは2年前に通り過ぎたときから決めている。
喫茶アルフィー
 喫茶アルフィー……秩父はアルフィーのヒゲの人の故郷であり、この近くに生家があるのだそうだ……。
 しかしアルフィー情報に明るいワイフが欠席で、俺と娘氏だけで入店するのは気が引ける。どうするんだ、ガチのアルフィニストしかやってこない店だったら。入店した瞬間にファッション傾向が全然違う3人のおっさんに囲まれて、「おやおや……一人きりじゃ眠れないSweet Littleシンデレラのおでましか……」みたいなことを言われたら!!

 実際、開店直後で誰もお客がいなかったのでまったく心配なかった。
 店内BGMは当然アルフィーしか流れていない。
 娘氏はピザとガトーショコラを、パパは名物のそばスパゲティとおさつプリンを注文してご満悦になった。娘氏もペロリと平らげてしまったので美味かったようだ。
 秩父での当面の目的を果たしたので、また道の駅で休憩しながら3時間半ぶっとばして静岡に戻った。いつかは大谷石地下採掘場跡とかこもれび森のイバライドとかに行きたいですね。