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◆不定期日記ログ◆

CATEGORY 地歴

■2015-04-27
消える免罪符
 歴史の教科書の宗教改革のところに「贖宥状」という見慣れない単語があって驚いた。
 しょくゆうじょう……?我々はこれを「免罪符」として習ったハズ……。

 どうやら「免罪符」という訳は正しくないらしい。罪は免じられるものではなく、罪の結果受ける罰を免じるものだということだ。カトリックでない自分にはいまいち違いがわからないが、とにかくそういう理由で世界史用語としての「免罪符」は消えつつある。

 しかしこうなると、すでに我が国で慣用句として使用されている「免罪符」はいったいどうなってしまうのか。エイプリルフールであることを免罪符に嘘八百を書き連ねた罪はどう贖えばいいのか。そもそもこの場合の「免罪符」の「罪」の概念もカトリック的にはまったく的外れなのではないか。それなのに「贖宥状」に置き換えていく流れなのか。


 人名や地名もできるだけ現地の言葉になるように変わってきている。いつかクリストファー・コロンブスはクリストバル・コロンになるのではないかとにらんでいるが、こうなった場合慣用句としての「コロンブスの卵」は「コロンの卵」になるのだろうか。ならないか。絶対立ちそうにないし。
 
■2014-04-13
History of Japan
 英語版Wikipediaの「日本の歴史」になかなかアトモスフィアに溢れたパワーワードが多いと聞いて調べてみた。
 ぜんぜん読めないのに書いてある内容はなんとなく解る!スゴイ!
  • タイカ・リフォーム
  • プリンス・ショウトク
  • ザ・グレート・ブッダ・アット・ナラ
  • フジワラ・クラン
  • レディ・シキブ・ムラサキ ―― テイル・オブ・ゲンジ
  • ゲンペイ・ウォー
  • テンダイ・セクト & シンゴン・セクト
  • モンゴル・インベイション
  • カミカゼ(ディバイン・ウィンド)
  • エンペラー Go-Daigo
  • ナンバン・トレード
  • バトル・オブ・セキガハラ
  • シマバラ・リベリオン
  • メイジ・レストレーション
  • イワクラ・ミッション
  • タイショウ・デモクラシー(普通だ)
  • フェブラリー26・インシデント

 なんたるアトモスフィアに溢れる歴史用語集か!
 現代の項目には「カクサ・シャカイ(アンイコール・ソサエティ)」なんていう単語もあった。これがカロウシのように世界共通語にならないよう祈るばかりである。
 
■2013-10-10
そんなバハマ
 カリブ海に浮かぶキューバ共和国の首都は、ハバナ
 そしてその北東に浮かぶ島国の名前は、バハマ

 お隣にこれだけ似た地名があると、ブダペストとブカレスト級に紛らわしいと思うんだが、大丈夫なんだろうか。母音の少ない日本語の発音ではわかりにくいだけであって、現地の発音なら問題ないのだろうか。
 しかもその隣のでっかい国の大統領はオバマだ(別にこれは紛らわしくない)。

 しかし、よく考えてみると、我々日本人も「中国地方」と「中国」という似てるなんてレベルを超越した地名を抱えて日常生活を送っているのだった。
 他人の心配をしている場合じゃなかったな!
 
■2013-09-04
国旗ファンタジー
 赤白緑の旗が見えたのでイタリア料理屋だと思って車を止めたら、それはイランの旗で、ペルシャ料理のお店だった……という悲しい話を聞いた。
 たしかにこれが斜めに掲揚されていたら間違える。
ITARY
イタリアとイラン

 世界の国旗を覚えよう!みたいなコンテンツは子どもの心をつかみやすいようだ。
 そういう国旗が勢揃いした資料を何かで見たことがある人も多いと思う。
 だがそのとき、国旗の縦横比まで注意を払う人はあまりいない。

 国旗の縦横比は国ごとにかなりバラバラだ。一番ポピュラーな縦横比は2:3で、フランスやらスペインやらが採用していたおかげで世界中で使われている。次いで多いのが1:2で、こちらはイギリスが代表格だ。なおアメリカさんは1:1.9というよくわからん縦横比を採用している。
 意外にも黄金比や白銀比にこだわった国旗は見かけない。どうせたなびいてしまうのだから、ちょっと長めの3:5や2:3でいいやと思ったのかもしれない。

 国旗が一覧できる資料などでは、すべて2:3の縦横比に統一して示していることがある。こうしないと、たとえば縦の長さを揃えたときに、横長のイギリスなどがやたら面積を取ってしまって不公平だからだ。国連やオリンピックでもそうしているらしい。国によっては単純に2:3に直すことができないので、2:3用のデザインを決めているところもある。


 こうなると気になるのがネパールだが、どうやらあそこまで特殊だともう面積とかどうでもいいらしく、縦横比を気にすることなく掲げられているようだ。
 オリンピックでネパール選手を見た記憶がないけれど、見かけたらきっと目立つことだろう。
 
■2013-04-11
しまんとの宝
 ノートン・アンチウイルスで有名なシマンテック社の本社が四万十市に無いのはおかしい!
 そう訴え続けてきたが、どうもそう単純な話ではないようだ。


 地図を見ると、四万十市のすぐ隣に同じくらいの広さで「高岡郡四万十町」という地名がある。
 高知県には、「四万十市」と「四万十町」という、それぞれ独立した市町村が存在するのだ!

 我が静岡県にもかつて「清水市」と「清水町」がカブっていたが、位置は離れていた。
 そもそも四万十市は2005年に合併で生まれた市である。
 「四万十市」という市名はそのとき新たに作られたものだ。
 そして四万十町も2006年の合併で生まれている。
 なぜ対抗したのか!?だれも止めなかったのか!?
 すでに四万十市内に「中村四万十町」という地名があるというのにこの暴挙!
 四万十川もこんなに愛されて困惑しているだろう。

 こんな状況では、どちらがシマンテック社を誘致するかでモメるのは必定。
 しばらく俺の訴えは実現しそうにない。
 
■2012-02-02
正距なんとか図法2012
 一昨年の日記で、2010年の恵方がFIFAワールドカップ2010開催地・ヨハネスブルグであったことについて書いた。


 そして2012年。
 「今話題の、2012年オリンピック開催地といえば?」 
恵方
「……ロンドン?」
 おお……見よ今年の恵方の先を!素晴らしい一致だ!
 恵方巻きを食べるときは、日本選手団の活躍を祈念するしかない!
 誰が出るのか知らないけど!

 ……ところで2010年のワールドカップって成績よかったんだっけ?
 煽るだけ煽っておいて全然覚えてない。
 
■2012-01-31
シモ・ハユハ問題
 日本文化に明るいフィンランド大使館の人のツイートで、伝説的スナイパーとして知られるシモ・ヘイヘが現地では「シモ・ハユハ」であることが明らかになった。
 対してさすがのヒラコー先生は「現地読みに直していくと、アルカポネは、アル・カポーンで、かぽーんですよ、かぽーん」とナイスなコメントを出した。


 しかし、どうやら固有名詞は現地読みになっていく流れらしい。
 歴史の教科書では、イスラム教の預言者はすでにマホメットではなく「ムハンマド」となっている。
 より現地の発音に近づけるためか、それとも我々の使える音が増えたためか、ガンジーも「ガンディー」に変わってきている。ヒンズー教がヒンドゥー教になったのだから当然の措置といえよう。  
 だが一部の教科書でリンカーンが「エイブラハム・リンカン」に変わっていたのは驚いた。リンカーン級の有名人ですら容赦なくバッサリやられる時代なのだ。

 こうなると、なぜか一人だけラテン語読みで知識人ぶってるコロンブスが、いつまでその名前を保っていられるかに注目が集まる。
 そのうち「コロン」とか「コロンボ」とかになるんだろう。


 固有名詞といえば、地名も現地読みに変わりつつある。
 我々はギアッチョの遺志を継いで、ベニスを「ヴェネツィア」に改めた。
 インドの大都市カルカッタも、2001年に英語読みのこの地名を捨て、いまや「コルカタ」である。
 ペキンだっていつ「ベイジン」に移行してもおかしくない情勢といえよう。ペキンダックは讃岐うどんみたいな感じで残れ!
 イギリスは……なんとかしろ!

 こうなると、手元の地図帳にまだギリギリ残っている「エロマンガ島」の表記も、もう見られなくなるのだろう。
 それはそれで少し寂しい。
 
■2012-01-16
プレトリア
 個人的メモに新たな1行が追加された。
  • アメリカの首都はニューヨークではない
  • オーストラリアの首都はシドニーではない
  • ブラジルの首都はリオデジャネイロではない
  • スイスの首都はチューリヒではない
  • 南アフリカ共和国の首都はヨハネスブルグではない[new!]
 え、じゃあどこなんだよ、と思って調べてみたら、なんか首都が3つあった。
 すごいな南アフリカ。
 
■2011-12-12
けいあん!
 江戸時代、幕府が百姓を統制するために出した「慶安の御触書」というのがある。
 小学校の教科書にも載っているので、覚えてる人は多いはずだ。
  • 朝は早く起きて、晩まで気を抜かずに仕事をすること。
  • 酒や茶を買って飲んではいけない。
  • 麦やあわ、ひえなどをつくり、米は多く食べないこと。
  • 麻と木綿の他は着てはいけない。
 教科書では「幕府が出した百姓の心得」として扱われているこの資料だけど、近年その立場が徐々に崩れてきている。
 ソースあんならすぐ出せ、といっても出てくるのは地方のコピーばかりで、大元である幕府の文書が出てこないらしい。
 幕府のお触れではないとなると、教科書での扱いだってそりゃ変わる。

 これが、甲斐の国の百姓たちによる、
 「社畜の悲惨さを挙げて現代人釣ろうずwwwww」
 みたいなスレのまとめだったらどうしよう。どうするんだろう。
 
■2011-12-03
カプサイ神
 カラムーチョは、唐辛子で味付けをしたポテトチップスである。

 唐辛子は、ペペロンチーノとかキムチとか、世界中の料理にふんだんに使われているけれど、原産地は中央アメリカだ。
 ポテトも、ジャーマンポテトとかフィッシュ&チップスとか、さまざまな地方で料理に利用されているけど、原産地は南米だ。
 どちらも、大航海時代以前にはヨーロッパにもアジアにも伝わっていなかった。


 このことから考えると、昔カラムーチョの袋に「こんなに辛くてインカ帝国」と書いてあったのは、「ポテトや唐辛子を見出し育んだ中南米の文明に感謝せよ」という意味だったのだろうか。
 アステカやマヤのことも忘れないでほしかった。
 
■2011-05-09
領土・領海・領空
 300円のガチャガチャコーナーで「原色日本立体地図図鑑 JR路線網図版」というオモチャを見かけた。東北地方、関東地方……とパーツ分けされている、333万分の1スケールのパズル地図らしい。
 内容は全10種+シークレット。

 ……シークレット?
 なぜ日本地図にシークレットが?
 関東地方Ⅱ(第三東京市Ver.)みたいな差し替えが用意されてるのか?
 すごく気になったので帰って調べてみた。
  • 北海道地方
  • 東北地方
  • 関東地方
  • 中部地方
  • 近畿地方
  • 中国地方
  • 四国地方
  • 九州地方A
  • 沖縄地方
  • 九州地方B
  • シークレット・・・北方領土

 それシークレットじゃねえから!
 いちおう我が国の固有の領土だから!
 どうせなら南樺太
 
■2010-11-03
オーガ
 9世紀ごろ行われた、マジャール人によるヨーロッパ侵攻は、当時のヨーロッパ人に大きな恐怖を与えたらしい。
 彼らはマジャール人を「オノグル」という部族連盟の名で呼んだ。
 これが恐ろしいイメージと共に広まり、なまって「オグル」になり、「オーガ(鬼)」の語源となった、という説がある。
 一方、「マジャール」の語源は「ムガール」にあるらしく、それはペルシアの言葉で「モンゴル」を意味する。

 つまり「オーガ」は「モンゴル」なのだ。

 となると『伝説のオウガバトル』は「伝説の蒙古襲来」。
 鎌倉時代の元寇のことを指すと見て間違いない。
 また『タクティクスオウガ』は「蒙古の戦法」。
 すなわち「火薬兵器や集団戦法を使用し、一騎打ち主体の日本の武士を苦しめた」である。


 こんな俺でも、PSPのタクティクスオウガ、買っていいんだろうか……
 
■2010-10-08
アマゾーン
 仮面ライダーアマゾンは「アマゾン=密林」という前提で作られているが、今作ったらネット流通で既存書店と戦うヒーローになっていただろう。
 今やアマゾンといえばあの本屋のことを指すようになった。
 このAmazon.comの社名は、アマゾン川の流域面積にあやかってつけられたらしい。

 ではさらに、アマゾン川という名前の由来について調べてみると、
 「探険家が女系の部族と遭遇したから」という説を見つけた。 
 つまり、ギリシャ神話に出てくるアマゾネスみたいな部族がいる川、ということだ。

 なんてこと!
 アマゾン熱帯雨林に住んでるからアマゾネスなのではない!
 アマゾネスが住んでるからアマゾン川なのであり、
 アマゾン川が流れているからアマゾン熱帯雨林なのだ!
 よく考えたらギリシャ神話のほうが先に決まってるじゃあないか。


 こうなると、我々はあらゆる因果関係を疑わなくてはならない。
 シベリアンハスキーがいるからシベリアなのかもしれない。
 ギャンブラーがやってるからギャンブルなのかもしれない。
 これ以上人を疑いながら生きていくのは嫌です!
 
■2010-08-26
地方空港
 日本の空港 - Wikipedia より抜粋。
  • たんちょう釧路空港〔釧路市〕
  • 富士山静岡空港〔静岡県島田市・牧之原市〕
  • コウノトリ但馬空港〔兵庫県豊岡市〕
  • 出雲縁結び空港〔島根県斐川町〕
  • 徳島阿波おどり空港〔徳島県松茂町〕
  • 米子鬼太郎空港〔鳥取県境港市・米子市〕
  • 高知龍馬空港〔高知県南国市〕
  • 対馬やまねこ空港〔長崎県対馬市〕
 なんだ、「富士山静岡空港」って別に恥ずかしい名前じゃないじゃん。
 むしろ勝ち組って感じ?
 
■2010-07-20
祈りの軌道
 CNNの報道によると、インドネシアのイスラム教徒たちが、祈るときにメッカの方向を間違っていたらしい。

 ウレマ評議会は3月に国内の信者に対し、日々の祈りを捧げる時は西の方角を向くようにとの指示を出していた。イスラム教ではサウジアラビア・メッカの聖地の方角を向いて祈りを捧げることになっており、インドネシアから見ると聖地は西の方角にあるとの判断だった。
 しかし実際には、インドネシアの西側にはアフリカ大陸があり、メッカは北西の方角だったことが判明した。

(ジャカルタ CNN)
 メルカトル図法やミラー図法の地図では、インドネシアから見てメッカはほぼ10時の方向にあり、まあギリギリ西と言えなくもない。
 緯度と経度から方角を計算して、羅針盤を見ながら航海する方法ならば、この地図での方角でだいたい間違いはない。
 だが、最初に方向を定めて一直線に飛んでいく場合は、正距なんとか図法の地図で方角を確認しないとあさっての方向へ飛んでいってしまうことになる。

 この3月の指示以前はどうだったか知らないが、大航海時代のころから、人々のなかには「メッカは西」というイメージがあったのではないか。
 今は飛行機があるから、正距なんとか図法での「北西」が、人々のイメージとしてしっくりくるのだと思う。
 祈りは飛行機のように飛んでいくもの、というイメージとも言える。

 そんなイメージのズレに評議会がうっかりしているあいだに、世界はもう次のステップに進みつつある。
 今やムスリムが宇宙へ行く時代なのだ。
 宇宙飛行士、シェイク・ムザファ・シュコア氏のwikipediaの項目には、宇宙でのムスリムの振る舞いについて書かれている。
 それによると、マレーシアのファトワ協議会いわく、
  • 宇宙ではどちらに向かって礼拝すれば?→本人に任せるよ
  • 無重力ではひざまずくのが大変なんだけど……→無理しないでいいよ
  • 断食期間の「日中」はどこで判断するの?→打ち上げ基地の標準時で
  • 宇宙食って食べていいの?→本人に任せるよ
 ……だそうだ。
 なんか肝心なところが全部あいまいになってて大丈夫だったのか?と思うけど、こういう例が増えればもっと固まっていくんだろう。

 こうして人々のイメージが宇宙的になっていったら、そのうち地球の裏側・タヒチのムスリムが「下」に向かって礼拝する時代が来るだろう。
 それまでタヒチの島々が水没しなければ、だけど。
 
■2010-02-27
空間図形
 ちょっとドラクエ3の世界を思い描いていただきたい。

 ドラクエ3に限ったことではないが、RPGのワールドマップは四角いことが多い。
 そして、その四角の上下左右の縁は、それぞれ逆側につながってループしている。
 いったいこの世界は、どういう立体になっているんだろう?

  • 正方形のマップを用意する
  • 半分に折ってのり付けする
  • それを筒状に巻いて完成

トーラス
できたァーッ!!

 上下の縁と左右の縁をそれぞれ合わせれば良いのだから簡単だ。
 これだと地面がペラペラだが、実際はもうちょっと厚みがあるんだろう。
 地図にある程度の誤差があるのは当然だ。
 断面が細長ーい楕円形の、巨大なドーナツ、って感じだろうか?


 「これだと筒の中に陽が当たらなくね?」という疑問も当然ある。
 が、ドラクエ3では南北の位置にかかわらず、昼夜の時間が一緒だ。
 このような立体で、それを実現するには、太陽は筒の内側になければいけない。
 筒の内側が昼で、外側が夜になる。

 そしてこの立体は自転しているわけではなく、キャタピラのようにじわじわと地表が動いて、外側になったり内側になったりしているのだ。
 うわっ……キモい……。
 俺、この世界、守りたくない……!