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◆不定期日記ログ◆

CATEGORY 育成記

■2017-07-14
娘氏と人体のひみつ
 お誕生日に与えた小学館の図鑑、他にも動物や果物の図鑑があるというのに、なぜか人体の図鑑にドハマリした娘氏。頻繁に「これはな~に~~?」と聞いてくるのでご両親は困惑するばかり。

「これはな~に~?」
「ミトコンドリアな」
「これは~?」
「ゴルジ体」
「これは~?」
「たっ、たしかリボソーム……いやリソソーム……?」

「これはな~に~?」
「すい臓だね」
「とうもろこしみたいね。パパもとうもろこし開けてみせてごらん?」
「手術か~~」

「これは~?」
「染色体」
「せんしょくたいがスイスーイっておよいでるねェー」
「細胞分裂ね」

「パパ見て~~」
「あー転んで怪我したところ治ったね」
「せっけっきゅうがあってね、血のけっかんが流れているんだよ~?」
「そうだね(もうそうだねとしか言えない)」

 今日も娘氏は朝から人体の図鑑を開いて、腸よ鼻よと育てられています。
 
■2017-06-28
オルゴールと娘氏
 うちにはメリーゴーランドの形をしたオルゴールがあって、娘氏はそれがお気に入りで何度も回してWANDSD OF DEENの「このまま君だけを奪い去りたい」を延々聴いている。

 先日、娘氏がそのオルゴールを持って「ねえ電池かえて?」ってやって来たので、ハッハッハ電池じゃねえよと受け取ったがどうやらゼンマイを巻きすぎて壊れてしまったらしく、うんともすんとも言わない。
 元に戻せる自信はなかったが、やむを得ない。試行錯誤の末に底面を外して機関部を取りだした。ゼンマイが入っている箱の蓋が外れてしまっていたのでそれをはめ直したら直った。

 娘氏は大喜びでまたオルゴールを鳴らしていた。
 俺は思った。この思い出は美しすぎる、と。


 娘よ、この思い出を忘れるんじゃあないぞ。
 大人になってオルゴールの音色を聴いたときにふと思い出すんだ。

「そういえば小さいころ、好きなオルゴールが壊れちゃったときにお父さんが直してくれたっけ……」
「いいお父さんだね」
「うん……そのあとすぐ死んじゃったから、よく覚えてないけど……」
「……ごめん……」
「ううん別に……」

 みたいなイベントにうってつけのエピソードだからな!(俺、死んどる!!)
 
■2017-06-18
続・公園と娘氏
 また今日も娘氏と知らない公園を開拓して回った。


 小学生と幼稚園年長くらいの姉妹が楽しげにおしゃべりしながら草をむしっていた。
 娘氏はなぜかそこにスルッと入り込んで不明瞭なおしゃべりを差し込んでいった。
 姉妹はわけがわからない顔をしていた。
 パパは苦笑い。

 その後もその姉妹とつかず離れずの距離で遊んでいたが、妹のほうがさかんに「りなちゃ~ん!」と姉を呼ぶので、娘氏はすぐさまそれに順応し、自分も「リナチャ~~ン!」と叫び始めた。
 リナチャンは「なんで名前しってるの?」と言っていた。
 パパは苦笑い。

 苦笑いしているだけでは仕方ないので、「アイチャンもお名前おしえてあげて」と促し自己紹介させた。
 そして姉妹に「この子の言う事はよくわかんないと思うけど気にしないでね」とフォローした。
 アイチャンはさっそく「とうま君かっこいいんだよ」と幼稚園の友達を大紹介していた。
 パパは苦笑い。

 姉妹は「じゃあかくれんぼしようか!かくれんぼは知ってる?」と無茶振りをした。
 アイチャンは「しってる!」と即答してしまった。
 パパは苦笑い。

 「それじゃ鬼を決めよう!」とリナチャンが言い終わる前に娘氏は「も~い~かい!!」と叫び始めた。
 姉妹は慌てて走り去った。
 娘氏は一人で「も~い~かい!!ま~だだよ!!」と言っていた。
 パパは苦笑い。

 散ってしまった姉妹を娘氏が探すわけもなく、娘氏はなんか楽しそうな滑り台に吸い込まれていった。
 姉妹のほうもコレは話にならんと思ったのか、本気で隠れずにチラチラこちらを伺っていた。
 仕方ないので娘氏を誘導してそちらの方向に解き放った。
 「みいつけた!」も言わないので姉妹が勝手に見つかった判定をしていた。
 パパは苦笑い。

 今度は娘氏が隠れる番になった。
 娘氏は遊具の陰に隠れた。いちおう隠れ方はそれなりだった。
 しかし近くにパパチャンがいるのと、近くに来た別の子どもに「アイチャンいまかくれんぼしてるんだ~~」と自慢しているのですぐに見つかった。
 パパは苦笑い。


 きっと妹がちょっと前までこんな感じだったからお姉ちゃんはお世話に慣れてるんだろう。
 あまり邪魔をしてはよくないので娘氏を抱えて「遊んでくれてありがとう」と辞去した。
 幼児のこの謎のコミュ力なんなの???
 
■2017-06-13
公園と娘氏
 ワイフが風邪で倒れたので、土日ともう一日カイシャを休んで娘氏の相手を引き受けた。


 とにかく溢れるスタミナを消化して貰わないといけないので、クルマで行ける公園をどんどん開拓した。徒歩圏内の公園は微妙に遠く、6月とはいえ油断ならぬ日差しがあって俺の体力ばかりが無駄に消耗するからだ。

 滑り台は怖くて滑れないくせに、今日は珍しくローラースライダーに興味を示した。無理じゃないの~~? とついていったら「ぱぱあっちいっちゃって!」「ぱぱ下ですわってて!」と生意気に人払いをしてきた。まあ他の子もいないしいいか、とちょっと離れたところで見ていたら、怖がる様子もなくスーッと滑っていった。できるんかい……。娘氏は一人で勝手にくり返し滑っていた。ほぼ等速でスライドしていく娘氏を定点で見ているのはシュールだった。


 翌日はまた別の公園を開拓した。富士西公園は新東名の高架下にあり、多少の雨を気にせず遊べるのが強みだ。

 遊具のネットを順当に登っていったが最後の山が越せずにあきらめてふて寝する娘氏。しかしその後同じくらいの歳の女の子がスイスイ登っているのを見て再び登り始め、無事登頂した。

 そしてその女の子が滑り台をシューってしたのを見た娘氏は、まったく怖れる様子なく真似して滑り台をシューってしたのであった。昨日まで幼児用の小さい奴しか滑れなかったのに……。おそらくローラースライダーで遊びまくったときに「手すりを掴むと姿勢が安定する」というノウハウを得たのであろう。経験が生きたな。


 カイシャを休んだ平日の日はあいにくの雨だった。しかしお部屋でゴロゴロして納得する娘氏ではない。仕方ないので幼稚園が終わったあと、あえて少し遠くのショッピングモールに出た。
 少し遠くにしたのは、よく行くところで俺が勝手にイレギュラーな遊び(有料プレイスペースとか)を教えると、それをキッチリ覚えてしまって今後の生活に影響が出ることを懸念してのことと、帰りの長時間の車移動で最近サボりがちなお昼寝をしてくれることを狙ってのことだ。お昼寝を拒否した日はご飯前に寝落ちしたりして生活リズムがガタガタになるおそれがある。

 ショッピングモールのプレイスペースは期待していた規模ではなく、娘氏はすぐにおもちゃ屋さんなどに突撃していった。ひとしきりキラキラしたものを吟味し終わると、次は子供服のお店に突撃していった。浴衣を指して「アイチャンこれ似合うとおもうよ」「似合ってるかもしれない」と言っていた。
 そのあとバスキンロビンズを発見した娘氏は「これ食べたい」とキャラメルリボンを要求してきた。なぜこんないろんな色のアイスがある中であえてこれを……「キャラメルリボンでいいの?」と確認したら「からめるりごんがいい」と強い意思を見せた。案の定半分で飽きたので残りは俺がおいしく頂いた。

 ……いやなんかこれ田舎の高校生のデートみたいじゃねえか……いや高校生のときデートなんてしたことないから知らないけど……なんなんだよこれ……俺は子守をしてるんであってデートしにきたんじゃあねえぞ……

 ……ということをワイフに報告していたところ、横で娘氏が「パパチャンとデートたのしかった」と言っていた。そうかそうか。たぶん将来このエピソードを話したらスゲェ嫌がられると思うので、忘れないようにきちんと記録しておくことにする。
 
■2017-06-10
ジブリと娘氏
 アンパンマンの時代は軽やかに過ぎゆき、娘氏はジブリにドハマリしている。
 いまのところ大好きなのはトトロと魔女の宅急便。


 トトロについては以前書いた通り。すぐ「しまじろうがいい」とギブアップする点については、じつは暗いシーンや大トトロが怖かったのではなく、メイが一人で森の中に入っていくシーンが不安を感じさせるのではないかという気づきを得た。ところでメイさんは、ご存命なら60代くらいのはずだけどすごい名前ですね。

 魔女の宅急便はとにかくジジが大好きでハマり始めたようだ。あのようなシニカルな受け答えをする幼児にはなって欲しくない。男の子だったらトンボさんからこの草食時代における積極的恋愛術を学んでもらうところだ。
 クライマックスで、町の人といっしょに手に汗にぎってキキに「がーんばれ!がーんばれ!」と応援し、「キキにたすけてもらったんだよ~~!」と嬉しそうに報告してくるので素直なのは良いことだなあと思った。パパは最後のジジが喋らなかった理由とかをごちゃごちゃ考えるので純粋さが足りない。

 後日お買い物に行ったとき、紺色のシャツを着ていた娘氏は、赤いリボンつきのカチューシャを試着して「これでまじょのたっきゅうびんになったかもしれない」と言っていた。さすがにカチューシャは幼稚園につけていけないから駄目です。
 
■2017-05-25
いろんな娘氏
  • ニンテンドープリペイドカードのヨッシーを指差し「でってう。」と言う娘氏。
  • ベビースターラーメン(太)のことを「にょろにょろのおやつ」と呼ぶ娘氏。
  • 「ぬれてるぬれてるシート♪シート♪」と意味不明な歌を作り歌う娘氏。
  • よりによって「放物線のうた(YouTube)」がなぜかツボに入りむせるほど笑う娘氏。
  • トトロのDVDの再生を要求するも、暗いシーンになるとすぐ「しまじろうがいい」とギブアップする娘氏。
  • トトロを最後まで観て「さつきのくつがおしゃれだった」と幼児並みの感想を述べる娘氏。
  • またトトロを最後まで観て「メイが見つかってよかったでしゅ……メイが見つかってほんとう……」と涙を拭う娘氏。情緒の発達が急すぎる。
  • 初のびっくらたまご入浴剤でびっくらではすまないレベルのパニックに陥る娘氏。
  • 朝、幼稚園に行く前にももクロのライブDVDの再生を要求し気分をアゲる娘氏。
  • カーステレオの再生リストにももクロ以外の曲を紛れ込ませておいたら「モモクロチャンだけでしょー!?」と怒りをあらわにする娘氏。
 パパチャンはモモクロチャン以外の曲も聴いてほしいです。
 
■2017-05-14
伝説は始まる
 昔、ふとした気の迷いで購入したカイミラの杖が出てきた。リモコンとしてスタイリッシュに使用できるが、そのへんにおいとくと何かのはずみで暴発してすぐ電池が無くなってしまうので、電池を抜いて封印しておいたものだ。

 これを娘氏が発見し「あけて!あけて!」ってうるさい。娘氏は去年のプリキュアさんを見て魔法つかいを知り、これくらいのサイズの棒を手に入れるとすぐ「いたいのいたいのとんでけー!!」と俺に向かって攻撃呪文をとなえてくるのだ。
 まあ外箱がけっこう固いので、「これは選ばれし者にしか開けられないよ。アイチャンが成長したらおのずと開くであろう」と言っておいた。


 数時間後、力業で外箱を開けたらしい娘氏が、中の杖を持って「アイチャンえらばれしもーになったかもしれない」と報告してきた。
 
■2017-05-11
ファーストブレイク3万点
 娘氏の幼稚園(三歳児保育)が始まった。

 娘氏は早くも幼稚園のおともだちについて話してくれるが、ちょいちょい「トキヤくん」という人名が出てくる。まさか一ノ瀬……! と身を乗り出しかけたが、娘氏は男の子とお話するときに脳内の「男の子の名前」配列に格納されている値をランダムに取り出して勝手に名付けて呼ぶ習性があるので、まだ断定はできない。

 最初は午前中2時間だけの保育だったが、すぐに時間は拡張された。初めてのお弁当にウッキウキの娘氏は、お昼の30分前にはもう涙を浮かべて空腹を訴えるありさまだったらしい。朝、食べるべきときにちゃんと食べることを覚えて欲しい。

 とはいえ俺も朝はろくに食べていない。今年のお正月からkome.zipことオモチをひとつ焼いて何もつけずに食べるだけの生活が続いている。起床から出勤までの極限状態において、食事というアクションに貴重な行動ポイントを割く余裕はないのだ。こんなありさまで娘氏に正しい朝食のありかたを教えられるのだろうか。

 俺が朝食をキャンセルできるのは、職場につねに食料を用意しているからで、そうでなければ俺も涙ながらに空腹を訴えるはめになるでろう。「朝食をちゃんと食べよう」というスローガンは、時間割りで動かなければならない子どもたちのためにあるものだと思っている。娘氏よ、成長して食事時間の自由をその手に掴みとるのだ。
 
■2017-05-08
トイレトレーニング進捗
 娘氏がねんねする前に、入浴中のワイフに「おやすみなしゃい」とご挨拶をして、さあトレーニングパンツをおむつに替えるか、というときの話。


 トイレトレーニングがだいぶ進捗した娘氏だったが、その夜は「(おむつに替える前に)トイレくんに座る?」と声をかけたところ、次の瞬間に尿意を思い出したらしくその場でちっちーしてしまったのであった。
 すぐにトイレに移動させて濡れたズボンを処理してやると、なぜか大粒の涙をうかべていた。そうか……お前さんにもくやしさがわかるようになったか……。
 そのあと小声で「もういっかいかーたんにごあいさつする」と言って、入浴中のワイフにもう一度「おやすみなしゃい」を言いに行くあたり、ずいぶんショックをうけているようだった。この子の情緒は確実に成長している。


 翌日、我々より先に晩ご飯を食べ終えた娘氏、床に座りながら粗相し「なんかぬれてる」との報告。
 お~~い! 情緒~~ッッ!!
 
■2017-04-29
娘月報・四月
 2歳11ヶ月~3歳の記録。


  • ポイフルとかそのへんのゼリービーンズにハマる。ただゼリービーンズという言葉を教えていないため「おしゃれフルーツのおまめ」と呼んでいる。
  • 相変わらずひらがなを勉強中。「『さ』と『ち』はよくにているねェー」「『さ』と『き』も良く似ているよ?」「それはよくにていないとおもう」「アッハイ」
  • つくし恐怖症が拡張されたのか、伊豆シャボテン公園の温室で大量の多肉植物に囲まれて「ひゃあぁぁこわい!」「おっきいだっこ!」「ここから出たい!」ってなった。何がこわいセンサーにひっかかっているのか良くわからない。
  • 夜、聞いてもいないのに「アイチャンはシャボテンこうえんでわーんって泣いちゃったんだよ~~なんで泣いちゃったのかな~~サボテンがトゲトゲってしてこわかったんだよ~~」と言っていたので、トゲトゲってしたのがこわかったのかもしれない。あと泣いてない。
  • ばいきんまんさんが変装してると「これはにせもの」って看破する。なお他のキャラが仮装しているときも言う。
  • ぼく「へっくしヴ!(クシャミ)」娘氏「パパへくしーぶでちゃっwwwたwwwのwwwウハハwwwへくしーぶwwwへくしーぶでちゃっwwwたwwwねwwwウヒャーwww」ぼく「そんなにウケるとは思わなくてゴメン」
  • 梅干しのお菓子を欲しがったので「アイチャンにはちょっとすっぱいかな~~」と言ったら「アイチャンは絶対おいしく食べられるとおもうよ!」と積極的な要求。仕方なく分けてあげたら「めっちゃめちゃおいし~~い!」と言っていた。
  • チリコンカーンを食べた娘氏「辛っぽい!……けっこうおいしい」
  • コナン映画のCM→娘氏「これみよーよ!」→ミスドのCM→娘氏「あ!アイチャンのおいしいおやつだ!」→ビオレのCM→娘氏「アイチャンも洗ってみたーい!」恐るべきはCMの訴えかける力よ。
  • いつの間にか「ゴローン」と言いながらフートンの上で普通に前転していた。どうやって覚えたのか。
  • おねちゅを出しておくすりを飲むようになってから三日後、起床一発「かぜがなおった~~! かぜめっちゃなおった~~!」と宣言する娘氏。よかったな。
  • 「いっこ」と「いっぽん」が合成され「いっこん」という汎用性の高い数詞が生まれた。日本語には数詞が多すぎるよな。
  • 「これちょうだーい!」っていうと確実にダメと言われるのが本人もわかっているらしく「これェェ~~ィ!」とぼかしながらお菓子を指さす娘氏。
  • 車に乗っていると、後部のチャイルドシートから「あ~~さっきのとこ左だったのに」「つぎは右だよ~~?」とテキトーきわまりないナビが飛んでくる。
  • 入浴中、俺のホクロに興味を示したので「これはホクロだよ。アイチャンにはまだないね」と教えてあげた。翌日「これは何ていうんだっけ?」と確認したら「ほっくり」と言っていた。
  • 「アイチャン肌着を着てください。人類ならちゃんと肌着を着るものですよ」「わたしは、ちょうちょちゃん!」「ちょうちょちゃんなら仕方ないか~~」
  • 歯磨きは相変わらず嫌がるが、子ども用の果物フレーバーのついたフロスを買ってみたら大変に気に入って、毎晩「おしゃれフルーツのフロシュする!」と要求する。これ毎日やるやつじゃないから……。
  • どうも店員さんや宅配業者など仕事中の人を「すいません」という名前の存在だと認識しているらしい。インターホンが鳴ったのにワイフの姿が見えないことに焦った娘氏は、玄関先で「おかあたーん! すいませんが来たよ! すいませんが来たよ!」と必死に叫んでいたらしいので恥ずか死。
  • 「アイチャンすいませんの役やるね」「すいませんの役……」
  • ワイフがトイレに入っている間に勝手にオムツを脱いでオマルにおしっこして、新しいオムツをもってきて一人で穿き替える娘氏。こいつもう技術的にはトイレトレーニング終わってるな……あとは気分的なもんだろ……
  • 「アイチャンは、生まれる前はどこからきたの?」「てんきよほう!」「てんきよほう……?(日本地図……衛星写真……宇宙……!!)」


 娘氏は本日3歳を迎えた。まさにイヤイヤ期のまっただ中で、お風呂に入れようとすれば「おふろ入んない!」、歯磨きをしようとすれば「自分でやってみる!」など、とにかく「いやだいやだ!」とご両親の提案を拒否して自我をメキメキと確立しつつある。

 とはいえ無事に3歳になれたので、いよいよ来月から三歳児保育がスタートする。娘氏の世界は確実に広がり、我々ご両親の知らない娘氏が増えることになる。おともだちの話も増えるだろうし、もはやこのような月報の形で網羅的に記録する意味合いは薄れるだろう。そろそろ月齢という刻みで物事を測ることがなくなってきたことだし、この形での記録は今回をもって最後とすることにした。

 今後はもうちょっと小刻みに、特記事項があるときをメインに記録していこうと思っています。よろしくご愛顧おねがいします。
 
■2017-04-20
続・ねんね伝説
 相変わらず就寝時に寝物語をしている。むしろ娘氏のほうから要求してくるようになった。前回の経緯はこちら
 以下はそんな娘氏の奔放なガチャによってドロップしたキャラクターたちである。


■おんたマン
 温泉たまご。最初のガチャでリセマラを繰り返し引き当てた主人公。温泉街を抜け出して人助けの旅に出た。第4夜のガチャで「てって」が出たので立派な腕が生えた。

■高橋
 サバンナちほー出身の椅子。第2夜のレジェンドガチャで仲間になった。必殺技は四連続キック。おんたマンによって投擲されることでさらに威力の高いキックを繰り出すことができる。

■アイチャン
 幼児。サービス開始一週間を記念した最初のイベント「アイチャン救出作戦」で登場したが、イベント期間終了まではパーティメンバーとしてアンロックされなかった。登場したときにお腹が痛かったので、たびたびお腹が痛くなる。

■早撃ちマック
 ガチャで娘氏が言った単語がよくわからなかったので、一部がこう聞こえたという理由で登場した悪役。たびたび偽物のコックさんに変装して現れ、アイチャンに偽物の料理を食べさせる。アイチャンはお腹が痛くなり、高橋のキックによって懲らしめられる。


 途中からガチャの排出率がおかしくなって、「何の話が聞きたいかな?」と聞いても「かいじゅう!」としか答えなくなったので、ガチャのシステムを変えた。
 お話の中で「箱の中にあったのは何でしょう?ガチャ」や「家の中から出てきたのは誰でしょう?ガチャ」に細分化したところ、排出されるキャラがうまいこと偏るようになった。

――――――

「そのうち牧場につきました。牧場で飼われていたのは何でしょう?」
「う〜ん……バナナ!」
「そうバナ……バナナ!? ええと……そこにはたくさんのバナナが草をはみ、牧場内をパカパカと歩いていました……この地方ではバナナをお刺身にして食べるバサシという料理がゆうめいで……」

――――――

「大きな桃がパッカーンと割れて、中から何が出てきたでしょう?」
「もよう!」
「えぇ……割れた桃から……きれいな模様が飛び出して……アイチャンの乗っていたバナナにくるくると巻き付いて……きれいな模様つきのバナナになりました……」

――――――

 どんどん破天荒な展開になっていくが、娘氏はこの形式がお気に入りで、前の事前にガチャを引くパターンに戻すと、終わったあとに「なんでしょう?って聞いて?」とやりなおしを要求してくる。あげく勝手によく聞き取れないおんたマンの話を紡ぎだし「~~は何でしょう?」と不明瞭な質問を投げてくる。


娘氏「غامض غريب はなんでしょう?」
ぼく「??……わんわん」
娘氏「わんわんがやってきました。わんわんがキャベツがたべたいよ〜〜ごはんがたべたいよ~~といいました」


 いったいどんなシーンなんだ。
 
■2017-03-29
娘月報・三月
 2歳10ヶ月~11ヶ月の記録。


  • こどもちゃれんじにドはまりしている。特に「こどもちゃれんじEnglish」のDVDが大変なお気に入りのようだ。巧みな広告戦略により娘氏は次号が届くのを心待ちにしており、幼少時からガッチリと顧客を抑えておく福武書店のワザマエに舌を巻いている。
  • 娘氏「アイチャンえいご覚えたんだ~~」ぼく「何を覚えたの?」娘氏「ベネッセ」ぼく「アッハイ」
  • ワイフの病院に付いていったとき、先生に「静かにできるかなー?」と聞かれて大声で元気よく「はーい!」とお返事する娘氏。だめだこりゃ。
  • 本日は娘氏が「♪も~も~い~ろ~くぉ~ば~~(裏声)じぇーっ!(地声)」って無限にくり返しているので発狂寸前。
  • 娘氏が「あめのふじたろう見よーよ!」というのはモモクロチャンの「天手力男(あめのたぢからお)」のライブ映像を要求するとき。に、似てねー! と思ったが、ライブDVDを観てみたら曲の前に確かに「あめのふじたろぉ!」って紹介してた。娘氏のせいじゃなかった。
  • カーオーディオでモモクロチャンのアルバム流してると、曲が変わるごとに「あっ!アイチャンのだいすきなだいすきな、うただ!」というので全部好き。
  • 娘氏「もういらない、かーたん食べちゃって」ワイフ「そっか……」娘氏「わりぃね~。せっかくちゅくってもらったのにわりぃね~」ワイフ「なにこの2歳児……」
  • 怒られると「怒られたァー……」って顔をするようになった。
  • ワイフが日中に行われたイタズラについて俺に報告していると「チクられたァー……」って不満げな顔をするようになった。あげく「しょうがないしょうがない!」とか自分で言ってた。
  • いとまきまきの歌の節で「まーよーぐねぐね まーよーぐねぐね じーってじーって まーよーぐねりん(早口)」って歌ってて謎。
  • 娘氏「おもち♪もちっもちっ♪」ワイフ「何の歌?」娘氏「おもちのうただよ~?」ワイフ「誰が歌ってるの?」娘氏「おもちだよ~?」ぼく「ギンギー料理みたいな流れやめて」
  • パパチャンの出勤が気に入らないのか、Yシャツを着ようとしている俺に向かって「パパそのおようふくハンガーにかけちゃって!」と具体的な指示を出す娘氏。
  • 知らない小学生男子たち「あれー!この子はなに?」アイチャン「このこは、アイチャンだよお!」男子「何言ってるかわかんないね!」なんか意思疏通できてないけどいっしょに鬼ごっこしてるぞこいつら……
  • 公園で知らない小学生男子とデンジャラスゾンビの良さについて語り合っているうちに、アイチャンはいままで頑なに拒否してきた滑り台をシューってできたのでありました。
  • まな板の上で包丁トントンしてると目ざとく「きゃべつ!? きゃべつくだしゃーい!」と千切りキャベツを要求する野菜大好き人間の娘氏。まな板の上に手を出してくるので危険極まりない。
  • ひらがなが単体ならほぼ完全に識別できるようになった。ひらがな表の「さ」と「ち」を指さして「よくにているねェー」「なんでにているのかな~~」と言っていたので平安時代の人は反省して明確な回答をください。
  • ぼく「これでアイチャンは自分の名前が読めるようになりましたーおめでとうございまーす」娘氏「パパチャンはかっこいいひとになりましたーおめでとうゴザイマシタ……(小声)」ぼく「お、おう、ありがと……」
  • 21時寝かしつけ開始 → 22時ねんね → ワイフねんね部屋脱出 → ぼくねんね部屋脱出 → 居間の電気つける → 振り返るとちっちゃい手がフスマを開けている → 娘氏「アイチャンめがさめちゃったの」→ Mission failed...
  • 娘氏「ダグヴァー!ジュキジキダァー!」ぼく「ああ~~アイチャンの知性帰ってきて~~」娘氏「ちせいがお馬さんに乗ってかえってきました」ぼく「あっ知性さ~~ん!」
  • トイレトレーニングは停滞中。お腹が痛いというのでオマルを出してきてフタを開けてやったら「トイレすわらないよ!」「トイレくんのふたをしめて!」「パパチャントイレくんをあっちにしまって!」と順を追って拒否された。
  • そんな娘氏だったが、こどもちゃれんじの「トイレッシャ しゅっぱつ!」の教材を見せたらなんとかトイレにすわるとこまでは回復した。ありがとう福武書店……。
  • 歯磨きの仕上げみがきを徹底的に嫌がっている。まあ歯の大切さは失ってみないと解らないよね。ワイフが虫歯画像を見せて「ボロボロになっちゃうんだよ~~」って伝えているがやっぱり泣く。でもそのあとのうがいは「ぶくぶくぴゅーする!」といって自発的にやる。
  • 娘氏「パパチャンがまんして」ぼく「何を」娘氏「パパチャンおやつがまんして」ぼく「えっひどい」娘氏「かーたんゴハンがまんして」ぼく「暴君か」
  • イヤイヤ期の子は「お風呂入ろう!」と言っても「おふろ入んない!」と言うだけなので、「お洋服ぬぎぬぎ対決だ!」と宣言して自ら脱衣することで娘氏の自発的な入浴を促すライフハック。
  • ワイフ実家でネコチャン同士が喧嘩してるのを見て、「リリチャンもリンチャンも、よくばりだから!もったいないよ!」と知ってる限りのネガティブな言葉を総動員して諌めようとする娘氏。
  • プリキュアさんの映画CMを見てすばやく「これみよーよ!」と反応する娘氏。そんなに好きかモフルン……。翌週には「これみたーい!アイチャンもキラキラライトもらいたーい!」とより具体的な要求が出てきた。まだ30分すら座ってられないからダメです。
  • なぜかつくしを異様に怖がり「ひゃあぁぁパパチャンおっきいだっこ!」としがみついてくる娘氏。
  • お昼寝から覚めて、部屋のふすまを開けながら「アイチャンどんどん起きちゃうんだ~~」と宣言する娘氏。
  • 幼稚園に入ると靴の消耗が激しくなることが予想されるので、現在のサイズと一つ上のサイズを一足ずつ増やした。同じデザインの靴を買ったのに微妙に仕様が変わっていた。気に入ったものがあったら複数サイズ一気に買っちゃうのも手だな。
シャキッとコーン
 緩衝材があったから顔書いて「コーンに生まれたこの~命~ワワワワ~♪」って歌ってただけなのにアイチャンが「こわすぎる」「こわい」「やっつけて」ってマジレスしてくる。


 プレ保育も親子教室も終わり、いよいよ次は5月の入園を待つばかりとなった。最初から全く臆することがなかったが、回を重ねるごとに集団に合わせることにも慣れてきた感があり、先生にも「大丈夫そうだね」と言ってもらえた模様。今後はどんどんご両親の知らない娘氏が増えてくるので、そろそろこの記録の形も変えていく必要があるだろう。
 
■2017-03-04
ねんね伝説
 最近、消灯後に娘に寝物語をしている。


ぼく「じゃあ最初にガチャを回そうか。アイチャンは何のお話をしてほしい?」
娘氏「さんかっけい!」
ワイフ「最初にガチャあるんだ……」
ぼく「では三角形の話をするとしよう。昔々あるところに三角形がいました……」
(中略。完全アドリブなのでクオリティは推して知るべし)
ぼく「……こうして三角形は荒野へ旅立ったのでした。つづく」
ワイフ「えっ終わり? 続きは?」
ぼく「明日またログインボーナスをもらってガチャを回さないとシナリオが進まないんやで」
ワイフ「酷いシステム」


 ―――翌日―――

ぼく「昨日は三角形が旅立ったところまで話したね。ではまたガチャを回そう。今夜は何の話をしてほしい?」
娘氏「のこぎり!」
ぼく「のこぎりが仲間になりました。出会いの物語が解放されました」
ワイフ「そのアナウンス要る?」
ぼく「三角形が歩いていると大きなのこぎりがやってきました……」
(中略)
ぼく「……こうして三角形はふたたび荒野へ旅立ったのでした。つづく」
ワイフ「終わり?」
ぼく「明日またログインボーナスをもらうんやで」
ワイフ「課金しよ?」


 ―――翌日―――

(娘氏泣き寝入りにつきおやすみ)


 ―――翌日―――

ぼく「きのう連続ログインボーナスが途切れたから今夜はガチャ回せんのやで」
ワイフ「酷いシステム」
ぼく「せやから再インスコして最初からやで。さあアイチャン何の話をしてほしい?」
娘氏「さんかっけい!」
ぼく「三角形はあまり強くなかったからリセットして別のにしたほうがいいぞ」
ワイフ「リセマラあるんだ」
ぼく「さあアイチャン何の話をしてほしい?」
娘氏「おんせんたまご!」
ぼく「ではおんせんたまごの話をするとしよう。昔々あるところにおんせんたまごが……」
(中略)
ぼく「……こうしておんせんたまごの冒険が始まったのでした。つづく」
ワイフ「ねえ課金しよ?」


 レア度が低いキャラを引くと完全にモブだったり、連続ログインボーナスがたまるとSR以上確定のガチャが引けたりと激アツな仕様なのだが、肝心の娘氏は単語を投げてくるだけで別段何も反応してくれないのであった。
 
■2017-02-28
娘月報・二月
 2歳9ヶ月~10ヶ月の記録。

  • 「お風呂入ろう」「おふろ入らない!」「おむつ替えよう」「おむつ替えない!」と、何かにつけ「いらない!」「いらないよ!」と否定の姿勢から入る。我が娘のイヤイヤ期はこのような形で発露したようだ。応答ができるのに指示が通らないのは精神的にまいるな。
  • 『おかあさんといっしょ』で「ガラピコぷ~」が始まると「いらないよ!」と強い口調で文句を言う娘氏。だが観てはいるので謎。
  • おふろポスターでひらがなを教えている。「ひらがなの『が』は『かめ』の『か』にてんてんがついて『が』ー」って教えたのをスッと覚えてリピートしているが、意味がわかっているかは疑わしい。
  • 「アイチャンのあーは『あさがお』のあー」「いいぞその調子だ」「かーたんのぬーは……?」「ないぞ」
  • 「じゃあ『うさぎ』の『う』を捕まえてみようか!」っていうと素早く「う」を指すので、これはカルタとかを使うと効果が上がるのではないかと画策している。
  • 「パパチャンこれは?」「すね毛。すね毛は?」「しのかおり。(クンカクンカ)……いいにおいだねェー」→結論:死の香りは石鹸の匂い。
  • シルバニア人形を手にひとりでクイズごっこしてたので盗み聞き。「من أجل الحب は何のためでしょう! 1! ころばないため。2! ……愛のため。」「愛のため……!?」
  • 娘氏「きらきらプリキュアあらもーど見るー?」ぼく「まだ第1話なのに正式名称覚えるの早すぎませんか?」
  • ワイフ実家で遊ぶのに夢中になって帰るのを嫌がり「かーたんいっちゃって」と言うので、ワイフが部屋から退出して「帰っちゃうよ~?」と顔をチラッと覗かせたら「かーたん全部いっちゃって!」と容赦ない追い打ち。
  • オブツダンにお線香をあげたあと、大じいじの部屋でイタズラを始めた娘氏を注意したところ「かーたんおせんこうの様子見にいっちゃって!」と具体的な指示で人払いをしてきた。
  • 「よーいしょよいしょ よーいしょ♪ 」と『大きなかぶ』の歌をよく口ずさむので、「おおきなかぶは~~」のあとに「ざんねんでした またきてね~~」と『くいしんぼおばけ』のラストの煽りを強引に接続したら、「うたがちがうよ」「おばけのうたじゃない」と丁寧なツッコミをもらった。
  • 「ポットのうた歌って?」「??」「マヨネーズのうた歌って?」「???」
  • カラッカラに乾いてしまったおしりふきを取り出して「おしーふきがへとへとじゃないの!」と文句を言う娘氏。へとへと……?
  • ポッキーが食べたいのに名前がわからない娘氏「チョコレートパスタ食べたい」
  • グミのことを「ふっかふかのおやつ」と呼ぶ。由来不明。ルマンドを「まきまきのおやつ」っていうのはなんかワカル。
  • 夫婦の会話に「景気」という単語が出てくるや否や隣室から「ケーキたべる?」とやってくる娘氏。
  • 頭痛にうめくワイフに対し「ぼくのかおをおたべ? げんきなった?」と優しく介抱する娘氏。
  • 「べんきょうしてるんだ~~」「かーたんもべんきょうして?」と言いながら育児書を開いて持ってくる意識の高い娘氏。
  • シャボン玉で遊びたくて公園にやってきた娘氏「みんな~~シャボン玉ですよぉー!!」ワイフ「ヤメテ」
  • 公園の展望台に登ったら大変に気に入ってしまい、混んできたので下りたものの「もーっと発見!発見する!!」と猛抗議。なるほど高いところに登ると新しいロケーションを発見して経験値が入るタイプのオープンワールドだぜ。
  • ブランコを押してもらっている間にも絶え間なく喋り続けているためドップラー効果がかかる娘氏。
  • 娘氏「タノシイごっこたのしいねェー!」……たのしかったらそれはもうゴッコではないのでは……いや本心はたのしくないからゴッコなのか……?
  • クレヨンを逆に持っていたので「クレヨンの頭のほう使って描いて!」と言ったところ、クレヨンを自分の頭に押しつけて不思議そうな顔をしていた。
  • パパチャンからMP3プレーヤーを奪い、イヤホンを上手に耳に入れて音楽を聴く娘氏。そのうちシャツをめくっておへそにイヤホンをつっこんで「……?」という顔をしていたが、すぐに「おみみにしよ」と言って耳に入れ直した。そうなんです、おへそでは音が聞こえないんです。
  • 娘氏はおやつとか食べてるとき「はいどーぞー」ってかーたんやパパチャンとシェアするのが好きなんだけど、イヤホンも片方こっちによこしてシェアしようとしてきた。食べものに限ったことではなかったのね。
  • なぜかカブのつけものが超好きで、無限に要求してくる。塩分量が心配なので「今日はもう我慢してね」っていったら「がまんじゃないもーん!!」と叫んで激怒泣き。「いっぽんじゅっちゅじゅっちゅっちゃー!」と不可解な怒りを繰り返しぶつけてきた。
  • 「ねーしぇんぱい、今なやんでるとこなんだけどさー」「へぇー何を?」「……」「何!? 待って! 行かないで!」
  • 三歳児保育の準備でさまざまなグッズを揃え、それらに怒濤の勢いで名前を書く作業が始まった。これ無敵のマイナンバー制度でなんとかならない?(ならない)


 ダメもとでワイフが「かーたんお化粧してくるからひとりでパンツ脱いでトイレしてほしいなー」と言って洗面所に向かったところ、娘氏はわざわざ洗面所のドアを閉めてからパンツ脱いでオマルに座ってトイレしてパンツ履くまで勝手にやった。できるんかい……これは拭くこともちゃんと教えておく価値はあるな……。
 
■2017-02-16
10ビット突破記念日
 今日は我が娘が誕生して、ちょうど1024日目にあたる。
 1024、それは1と0しか理解しないスイッチングデバイスと十本指の人間が編み出した調和の数。人間の頭脳にもいつかきっとインストールされる、そんな約束の数字。

 十本指……つまり10ビットの情報量でカウントできる数字の限界が1023である。我が娘は本日これを突破し、11ビット目に光が灯った形になる。
 桁を繰り上げるのは大変なのだ。次の桁が用意されていないがためにいきなり最小値に戻ってしまったり、3桁目を表示できないがためにレベル99を突破したときに「あ0」になってしまったりするのである。初代聖剣伝説に至ってはゲームが止まる。そのようなバグもなくここまで成長したことを、まずは素直に喜びたい。

 喜んでいるだけではアレなので、皆様にもこのシンピテキを感じてもらうべく、誕生日から数えて桁上がりが起こる日を計算する装置を一気呵成に作りあげました。自身やご子息ご息女の、次に桁が上がる日を確認してバグに備えてください。
桁上がり記念日計算機
http://one.cside.to/flat/overflow/index.php
 我々の平均寿命がざっくり30000日くらいだということを改めて実感して震えている。89歳まで生きてやっと16ビット目(32768日)に到達する。
 人間のクラスに生存日数のプロパティが用意されていた場合、神はたぶんそれを16ビットのintegerに設定したのではないだろうか。まさか65635日以上生きる個体はいるまい。メモリを節約すべし。そんなふうに我々をプログラミングした可能性がある。
 なので、誰かサイバネ機構を駆使して180歳くらいまで生きてみてほしい。生存日数が65536日目に到達した瞬間、算術オーバーフローが発生し、生存0日目に戻るバグがあるかもしれない。やってみる価値はある。なにしろ人間は数学的には必ず死ぬとは限らないのだ。
 どうでもいいけど「算術オーバーフロー」という響きがやたら強そうに感じてしまうのはFFタクティクスのせいですよね。


 ここから技術的な余談になる。
 このプログラムを書いているときに初めて「2038年問題」にぶちあたって多少難儀した。2038年1月19日になると、時刻を扱うときに使われているUNIXTIMEの桁が溢れて、負の数になってしまうというものだ。これも平たく言ってしまえばオーバーフローの問題である。
 2038年以降の日数を計算するためにDateTimeクラスというものを初めて触ってみたが、現環境では日付の差を計算するdiffというファンクションが動かず、結局UNIXTIMEの数値を強引に足し算して新しいDateTimeクラスオブジェクトを作るという強引な実装になった。
 したがって、このプログラムは入力の段階では2038年問題の影響から抜け出せていない。入力を受け付けないようになっているので、2038年以降生まれの人は諦めてほしい。
 
■2017-01-29
娘月報・一月
 2歳8ヶ月~9ヶ月の記録。

  • 娘氏がオヤツのこんにゃくゼリーを持ったままじーっと絵本を眺めていたので、ワイフが下から容器をぐにゅーと押してあげたら「アレぇ!? おかーたん、かんがえちゅうだった……!」と慌てる。考えてたのか。
  • 余談だけど「考え中」って言葉は平成教育委員会が普及させたのではないかとにらんでいる。他に「(名詞化した連用形)+中」の用法はあまりなじみ深くない。平成が終わろうというこの時代に、我が娘はどこでこの語彙を拾ったのか?
  • イルミネーションされた並木を見た娘氏「あっ!くりしゅましゅツリーの森だ!」
  • 娘氏「ろっかっけい見てみる!」 ぼく「六角形……?いいよ(画像検索)」 娘氏「ろっかっけいがいっぱーい! これは?」 ぼく「ハニカム構造」 娘氏「ハミカミ……工場」 ぼく「ハニカム構造」 娘氏「はみがき工場」 ぼく「はみがき工場」
  • 「だってー、だってー、かんけいないことを、かんけいあるってー、いったじゃん!」と意味不明の苦情を言いながらごはんを嫌がる娘氏。
  • 娘氏がついにモモクロチャンや真綾お姉チャンのライブDVDを勝手に取り出してPS4にねじ込むようになった。指紋べっとべとなので正しいDVDの扱い方を教える必要がある。「きれいな面が汚れて力が出ない……」「DVDマーン!」みたいなキャラが必要だ。
  • 娘氏が「あーめのーたぢからおー」ってずっと歌ってるんだけど……。最初に覚えたモモクロチャンの曲が怪盗少女でもZ伝説でもなく「天手力男」っていうのはモノノフとしてどうなの?
  • なぜか『コンコンクシャンのうた』気に入ったようで、「ぞうさんが♪まくすした♪」と延々歌っている。マスクな。おうたのレパートリーが増えて、消灯から一時間以上アカペラヒトカラしていることもあり、寝かしつけの消耗度が半端ない。
  • 娘氏「わたし思ってたんだけどひょっとしてー…… فتاة ذكية かな? おかーたん」 ぼく「よく聞こえなかったけど言い回しが完全にワイフのそれ」
  • Eテレ0655のねこのうたで「♪わたし、ねこ、このひと、かいぬし」で飼い主の写真が出てくると「よくわかんない人だねェー」と忌憚なきご意見を寄せる娘氏。
  • お風呂で水の入ったコップを持って「だめ。これは。アイチャンのだから。パパチャンには。はやい。」と噛んで含めるように諭してくる娘氏。
  • 翌日のお風呂でまたコップを持って半笑いで同じセリフを繰り出す娘氏。これやっとけば爆笑間違いなしの鉄板持ちネタだと思ってるな?
  • 入浴中の娘氏「これは?」 ぼく「……乳首」 娘氏「ちくび」 ぼく「アイチャンの乳首はどこ?」 娘氏「アイチャンのちくびはー……もう、ないかな」 ぼく「そうなんだあ……」
  • 数日後、浴室の鏡で自分の姿を見ていた娘氏が突然「あっ! アイチャンのちくび!」と自分の乳首を発見した。本当にないと思ってたのか。見つかってよかったな。
  • 塩こんぶキャベツを独り占めしながら「やっぱりおふろのあとはキャベツだねー」と独自の嗜好をしみじみ語る娘氏。
  • 「えほんもいっしょにねんねしゅる」といって絵本といっしょに布団に入ることは珍しくないが、ついに「とんとんってしてあげて」と絵本の寝かしつけをするよう要求してきた。ご両親は君の寝かしつけだけで手一杯だぞ。
  • 人形を両手に「あんぱんまんとー、ばんきんまんとー、おしゃべりしてかーたん」とたびたび要求してくるので、ワイフのキャラクター認識力と演技力、構成力が日々鍛えられている。でもメロンパンナちゃん×ドキンちゃんとか公式で絡みの少ないキャラはどうしたら……。
  • ニンテンドースイッチについてあれやこれやワイフと話していると「たのしそーだよねェー」と訳知り顔で会話に食い込んでくる娘氏。
  • 部屋の電灯をうっかりリモコンで消したっきりリモコンを紛失し途方にくれるパパチャンを見て、「ぼくにまかせて!」と言って電灯のスイッチを長押しし、見事点灯させる娘氏。うちの電灯にそんな機能あったのォォー!?
  • ダウンロードなどの進捗バーを見ると相変わらずバーを応援するが、最近は「アイチャンも伸びたーい!」と憧れまで抱くようになってしまった。
  • リボンのこと「りごん」って言うので強そう。
  • 特撮の戦いをいっしょうけんめい解釈する娘氏「あっ、かめんライダーにおこられてる」
  • 「パパチャンに似てるね?」って言われてロコツに眉毛をハの字にして「あんまりにてないよ」と即答する娘氏。
  • 「ねねちゃん? はだかんぼうにしてやるよー?」と優しい声掛けとともにお人形の服を脱がす娘氏。
  • 娘氏に「アンパンマンかいてー」って言われたときに適当にサラサラーっと描いて渡すと「……チガウヨ(小声)」「これはアンパンマンではない。」って決断的にダメ出しされるようになった。
  • ハムスターのマンソンがくしゃみしたのに反応して「ティッシュもってこようか?」とやさしい気づかいをする娘氏。
  • マンソンの巣箱をレゴでガリガリやって遊んでいるので注意したら「マンソンがいいよって言った。」とハムスターに責任転嫁する娘氏。
  • こんにゃくの弾力がツボに入り、「ぬばーん」と言いながらお皿にこんにゃくを叩きつける娘氏。怒られる。
  • 「アイチャンのー、好きなさかなはなんでしょー!」「うーん……鮭かな?」「だいせいかーい!」「ホッケは?」「だいせいかーい!」「いるか?」「だいせいかーい!」「大盤振る舞いだ」
  • トイレトレーニングが前進の兆し。トレーニングパンツを濡らすことの不快さを覚えたのか、我慢する様子が見られるようになった。そこを見逃さずにオマルに座らせればよい。ワイフの手腕が光る。おまるの近くにごほうびシールを貼る紙を設置したことで、さらにモチベーションが上がったようだ。


 三歳児保育に向けて幼稚園でレクリエーション。だが状況がよくのみ込めないらしく「なんでこんなことするんだよォ」と知った風なことを言っていた。節分のオニのお面をつくったんだけど、自ら生み出したオーガがなぜか恐ろしいらしく、被るのも見るのも断固拒否の姿勢。先生が演じてくれたカゼ予防の人形劇はわりと食いついた。

ワイフ「今日の幼稚園で何がいちばん楽しかった?」
娘氏「ピーマンマンがかぜバイキンをピーマンパンチでやっつけて、たのしかた! ……でもおにがコワカッタ……(小声)」
ワイフ「そんなに」