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◆不定期日記ログ◆

CATEGORY テレビ

■2016-02-21
魔法商店街
「プリキュアの魔法商店街が期待より全然ヌルかった」

「確かに魔法学校→魔法商店街の流れはハリポタから何年経ってんだって話だな」

「せっかく異世界なんだからもっと斬新な商店街を描いてほしかった」

「Amazonでホウキを注文すると転送魔法で即手元に届くとか?」

「あっAmazonはあるんだ」

「ある。Amazonは魔法」

「Amazonは魔法」
 
■2016-02-08
非実在中学生
 また新しいプリキュアさんが始まった。
 今年は「魔法つかい」ということで、魔法少女とヒーローの違いについて以前考えたことを再掲しておく。

 ヒーローと魔法少女 - OnesideFlat

 それにしても主人公の「おばあちゃんから貰ったぬいぐるみのモフルンといつもいっしょの中学2年生」っていう設定はさすがに無理ないか?毎年多かれ少なかれこういう傾向はあるけど、幼女様は中学2年生をなんだと思っているのか……?

 そういえばまれに定期テストの話題があったり夏休みの宿題の話題があったりするけど、基本自由だし文化祭は生徒会が主導するしで、なんだか小学生と高校生を足して2で割って中学生にしてみましたみたいなちぐはぐさを感じる。プリキュア界の「中学2年生」の感覚は、幼女様向けにチューンされていて現実とだいぶズレているのは間違いない。
 ワイフいわく「少女漫画ではよくあること」とのことだが……これについてはいつか掘り下げてみたい話題ではある。
 
 娘がなんかハマってるので、『おかあさんといっしょ』の「かぞえてんぐのうた」が入ったCDを借りてきた。

「かぞえてんぐ……こいつ真面目に歌うとかなり上手いな……
 これじゃあまるで……フフ……
 歌のお兄さんみたいじゃあないか……」

「あなたッ!娘の前でそんな事ッ!」
 
■2015-12-22
ようかいしりとり攻略法
 子育てクラスタの皆様はご存じだろうか、『おかあさんといっしょ』の歌『ようかいしりとり』を。

 アップテンポでジャジーな音楽に合わせて、妖怪とようかいはかせが妖怪名でしりとりをしていく歌である。軽快なトラックとは裏腹に、出てくる妖怪名はかなりガチで、聞いたこともない奴がさらっと出てくるので驚かされる。

 この歌の中で、妖怪からようかいしりとりを挑まれたようかいはかせは、

■1番(VSろくろっ首)
ろくろっくび→びんぼうがみ→みつめこぞう→うみぼうず→ずんべらぼう→うまつき→きつねび→びじんさま→まくらがえし→しらぬい→いったんもめん(勝利)

■2番(VS座敷わらし)
ざしきわらし→しちほだ→だいだらぼっち→ちょうちんおばけ→けらけらおんな→なきばばあ→あまのじゃく→くらげのひのたま→まめだぬき→きむないぬ→ぬらりひょん(勝利)

(ようかいしりとり//横山だいすけ&三谷たくみ)
 ……と、作詞者のワザマエの光る鮮やかな連勝をおさめている。


 しかし俺は知りたい!
 ようかいはかせや妖怪たちは明らかに手加減をしている。歌の尺に合わせなければならないからだ。
 歌の都合は関係なく、互いに全力で勝ちを狙いにいったなら、はたしてようかいしりとりはどのような競技になるのか!


 まずは基本的なレギュレーションを確認しよう。
  • 使える単語は妖怪名しばり
  • 最初は自分の種族名からスタートする

 それに加えて、歌詞の中からは読み取れない部分を仮に決めておく。
  • 最後のオンビキ(ー)は削除して判定
  • 拗音「ゃ・ゅ・ょ」は「や・ゆ・よ」として判定
  • 「ジ・ヂ」「ズ・ヅ」は区別しない



 次に使える単語をリストアップしてみる。
 これがいちばん大変な作業であるが、俺は妖怪博士ではないので、今回はwikipedia「日本の妖怪一覧」を流用させて頂く。
 これは「wikipediaベースの知識でようかいはかせに勝てるのか?」という指針でもある。
 この一覧をざっとエクセルにコピペして、以下の補正を行う。
  • 読みが複数記載されているものは別々に登録
  • 「山姥(ヤマンバ・ヤマウバ)」など微妙な発音の違いのみで最初と最後の文字が変わらないものは区別せず登録
  • 「婆(ババ・ババア)」の読みが両方あるものは「ババア」に統一して登録

 そして最初の文字と最後の文字を抽出して考察を行う。



 ざっと見てまず目を引いた文字は「プ」である。
 プで始まる妖怪はいないが、プで終わる妖怪がいくつかいることが明らかになった。つまりこれらを使った瞬間、相手は使える言葉がなくなりゲームは終了する。
 
 プで終わる妖怪とは「イシネカプ」「イワコシンプ」「イワメテイェプ」「コシュンプ」「ヤウシケプ」「ルルコシンプ」の6種である。
 全部アイヌ語ではないか、アイヌ妖怪はアリなのか、という声が脳内を満たしたが、結論からいえばアイヌ妖怪の参戦はアリである。ようかいはかせ自らが「キムナイヌ」を使用しているからだ。

 したがって、今年お亡くなりになり見事に妖怪の仲間入りをしたと思われる水木しげる先生が、ようかいはかせの所へ行ってようかいしりとりを挑んだとしても、「ミズキシゲル」→「ルルコシンプ」で即死して終わる。まあ水木先生であれば「プ」で始まる妖怪をご存じである可能性もあるので断言はできないが。
 いずれにせよ我々のレベルでは、このアイヌ6妖怪に連なる「イ・コ・ヤ・ル」の文字で終わったら、次のターンで確殺されることは注意しておく必要がある。


 次に注目したいのは「ズ」だ。
 リストの中に、ズで始まる妖怪は「ズンベラボウ」しかいない。そのくせ、ズで終わる妖怪は歌詞にも出てくる「ウミボウズ」をはじめ、「アカボウズ」だの「クロボウズ」だの坊主系が各種取りそろえられていてかなり手厚い。その数なんと全26種類。ズで攻めるのはかなりお手軽で、かつ攻撃力が非常に高い。
 一度「○○ボウズ」を食らったら「ズンベラボウ」で耐えたとしても即座に「ウミボウズ」か「ウミナリコボウズ」でガードを崩される即死コンボが確定するため、相手に坊主系を使わせないよう立ち回る必要がある。

 となると、先ほどの「イ・コ・ヤ・ル」に加えて「アウオカクグケザシセタトドニヌノ」の16文字が一気に地雷ワードに加わる。
 ようかいはかせが本気なら、二戦目の座敷わらしなど開幕の「ザシキワラシ」を「シロボウズ」のカウンターで取ってからの10割コンボで終了しているのだ。同居人なので気を遣っているのだろう。

 ここまで地雷ワードが増えると、そこから芋づる式に地雷が増えていく。
 たとえば「ベ」で始まる妖怪3種はいずれも「ウ」か「ン」で終わるためこれも即死ルートへの道を開いてしまう。
 同様に「ラ」で始まる妖怪4種も末尾が「ウ・ニ・ル」なので致死である。
 「ベ」で終わる妖怪は6種しかないが、「ラ」で終わる妖怪は26種もいるので誘い出されないよう注意が必要だ。


 もう少し研究すればさらにコンボルートが増えると思われるが、この段階ですでに「ン」を含めて23文字が地雷と化した。用意した全データ1171種のうち571体、ゆうに49%が「使用した瞬間に死ぬ」ワードである。別の言い方をすれば、ようかいはかせにとってみれば約半数の妖怪が「戦った瞬間に勝ち確」というわけだ。
 さすがにそれは可哀相だろう、せめて最初の妖怪名くらいは選ばせてやるべきでは、とも考えたが、そうなると「じゃんけんで先攻を取ってルルコシンプをぶつけたほうが勝ち」というゲームになるのは確定的に明らか。妖怪図鑑を丸呑みするよりじゃんけんの腕を鍛えるべき、という結論になってしまう。


 よって、ようかいしりとりでようかいはかせに勝ちたいのならば、いきなり即死コンボをたたき込める妖怪と化して挑むのがベストである。
 先ほどの座敷童も、座敷童のままでは開幕即死だが、別名義の「お倉坊主」で参戦すれば逆に開幕10割をたたき込んで圧勝できる。
 もしあなたが妖怪と化してようかいしりとりの覇者となりたいのであれば、「瀬坊主」か「黒坊主」あたりがてっとり早い。
 瀬坊主は阿武隈川に身を投げればワンチャンあるし、黒坊主は夜な夜な女性の寝室に忍び込んで口を嘗めるただの変質者だった可能性がある。
 ただし前者は死ぬし、後者は社会的に死ぬ。


 こうなる予感はしていたものの、なんとも味気ない結果になってしまった。
 唯一の救いは、今回使った語群がwikipedia準拠だということで、wikipedia先生の知らない「プ」や「ズ」で始まる妖怪がまだいる可能性が十分あるということだ。
 今後の妖怪研究に期待したい。
 
■2015-10-04
レッツゴー覚悟
 あたらしい仮面ライダーが始まったので、かつての東映さんのことばを引く。

東映の篠原は言う。「乗り物や武器、アクションが好き。世界の子どもに共通する遊びのDNAは今も昔も変わらない。そこを外さないキャラクターや商品づくりが勝負だ」。たとえば、仮面ライダーの変身ベルトは、携帯電話やIC乗車カードなど、子どもが触りたがるものをモチーフにしてデザインしている。

(朝日新聞GLOBE|特撮ヒーローはいまもたたかう oct 16,2011)
>子どもが触りたがるものをモチーフにしてデザインしている
  • USBメモリ ←わかる
  • メダル ←わかる
  • スイッチ ←わかる
  • 指輪 ←わかる
  • 錠前 ←わかる
  • ミニカー ←直球だがわかる
  • 眼球[new!] ←!?

「眼球はさすがに違うんじゃないか」
「でも娘はやたらと眼球を突こうとしてくる」
「じゃあセーフだな」
 
■2015-02-05
ベルサイユのばらHARD
 アニメ版『ベルサイユのばら』を観終わった。
 どうやら春からNHK-BSで再放送するらしい。なんたるタイミングか。BSないから関係ないけど。


 原作漫画が1972年、アニメが79年とやや間が空いているからか、かなりのアレンジが施されている。
 ざっくり言うとハードモードになっている。

【ノーマルモードとハードモードはこんなに違う!】
  • 全体的にコメディパート削除、戦闘パート大幅増量
  • 序盤からオルレアン公がたびたび暗殺者を差し向けてくる
  • シャルロットとロザリーの和解イベントがない
  • ジェローデルが序盤から登場するわりにショコラをかけられない
  • サン=ジュストが暗殺者となって何度も攻撃を仕掛けてくる
  • 「戦いが終わったら結婚式だ」の死亡フラグを立ててないのに銃撃される
 中盤に監督が替わってから特にその傾向が顕著で、ベルサイユ宮に「貴族をコロセー!」と叫びながら火薬をかかえて飛び出してくる奴が突然POPするとか、貴族の馬車を囲む暴徒がバイオ4の村人並みに多いとか、隅々までハードモードの影響は及ぶ。
 そのかわりアランが非常に使える人材になっていたのでよかった。一人だけ男塾から来たかと思った。そういえば男塾にもオスカルめいた奴がいたのでおあいこである。


 なお、例の処女喪失シーンが野外という別の意味でハードな変更もあるので要チェックだ。
 
■2014-11-05
The Working Dead
 ワイフがhuluでゾンビドラマ 「The Walking Dead」を観ている。
 何がウォーキングデッドだ、俺は仕事が溜まりすぎてワーキングデッド状態だっつーの。
 ためしに「The Working Dead」でイメージ検索してみたら海外の社畜画像が大量にひっかかった。やはり同じことを考えてんだなあっちの人も。ところでWalkとWorkは発音と綴りが入れ替わってると思うので誰か教えてやってくれ。

 ところでゾンビとは元々、ブードゥー教の司祭が呪術で死体を動かして奴隷にしたという伝承によるものらしい。
 それではゾンビとは労働力だったというのか。
 じゃあ死んだ目で通勤電車に乗る我々はソンビと何が違うというのか。
 すでに我々はWorking Deadと化していたのかもしれない。せめて仕事で得た収入は有意義に使いたい。
 
■2014-10-28
ファッキン情報社会
 珍しくテレビドラマを観ている。
 森博嗣原作の『すべてがFになる』(と、それに連なるS&Mシリーズ)が映像化したからだ。

 やむを得ないことだと思うけれど、当然設定はいろいろ変わっている。
 舞台が名古屋から神奈川になったのはまあいいとして、年代が1990年代から2014年になってしまったのが非常に痛い。
 犀川先生がUNIXじゃなくてWindows8を使っているのは残念だけど仕方なし。それよりもタバコが排除されたことと、携帯電話やスマートフォンが普及しきってしまったことが大打撃である。

 タバコを吸うシーンなくしてどうやって推理中であることを演出するというのか!と思っていたがなんか大量に汗をかきながら脳内会議をしていた。犀川先生はこんなアツイ推理をする人じゃなかったでしょ!と思わずにはいられない。
 そして携帯電話の存在はもっとヤバい。初回は『冷たい密室と博士たち』だったんだけど、案の定「閉じこめられたのにケータイで助け呼ばないのおかしくね?→やっと呼んだけどたまたま不通→ケータイで連絡しようとしてるのに慌てない犯人おかしくね?他の友達に助けを呼ばないのもおかしくね?」という状態になったじゃないですか!

 マジで現代はミステリィに厳しい時代だな!ファッキン現代!ファッキン情報社会!!
 
■2014-01-30
プリキュアが教えてくれたこと
 マナさんは我々大人に多くの教訓を残してくれた。


■エシディシ・メソッドは役に立つということ
 怒りや絶望など、感情が高ぶりすぎたなと思ったときは、ためらわずに大声で泣くことで気持ちを落ち着かせることができる。
 これはおよそ12000年前から伝えられるエシディシ・メソッドと呼ばれる方法であり、10000年の歴史を持つプリキュアがこの秘法を伝承していても何ら不思議はない。
 過酷な戦いに身を置きながら、最終回まで一度も心の折れなかったマナさんの鋼鉄メンタルは、このエシディシ・メソッドに支えられているのだ。

■話し合いをするためには力が要るということ
 「争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない!!」とよく言われるが、むしろ話し合いも同じレベルの者同士でしか成り立たないことを、マナさんは身をもって伝えてくれた。
 両者に明らかな武力の差があると、話し合いはただの脅迫に変わってしまう。戦争を放棄しても武力は放棄できないのはこのせいである。
 話し合いをするために強くなった、とおっしゃるマナさんは、その身につけた武力を存分に発揮し、笑顔でターゲットの背後をとって説得を強行するなどしていて少し怖かった。

■大勢の他人より家族を優先するのは悪ではないこと
 終盤に「大切な家族を救うために大勢の他人を犠牲にするのは自己中か」という、まるでサンデル先生の講義のような哲学的な問いが出てきて困惑した。
 いったい子供番組でどのような答えを出すのかと思ったが、これは「愛」でいいらしい。
 これを一歩進めて「自分の命を救うために大勢の他人を犠牲にするのは自己中か」というところまで行ったらどのような答えを出しただろうか。さすがにこれは許されないだろうか。すまない、蝶野攻爵……「謝るなよ、偽善者」あなたに届け!マイ・サンライト・ハート!
 これではプリキュア5つの誓いが真っ赤な誓いになってしまう。危ないところであった。


 次のプリキュアさんはカードでコスチュームチェンジして戦う人らしい。
 10周年ゆえにレジェンド・プリキュア・コスチュームを出すつもりであろう。
 バンダイさんは抜け目ない商人の目を持っている。
 
■2013-11-15
東映とバンダイがAEDを作ったら
 とりあえず一年でモデルチェンジする。つらい。
  • 蓋を開けると「シャバドゥビタッチヘンシーン シャバドゥビタッチヘンシーン」と待機音が鳴る
  • 電極を取り外すと「ソイヤッ!」と威勢のいいかけ声が出る
  • 「3!2!1!ズッオーン!」と千葉繁の極まったシャウトで通電
  • 別売りの獣電池を3本直列でセット可能!
  • 別売りのソウガンブレードと合体させることでマシンガン形態に!
  • 別売りの(以下略

 女の子向けもあって、そっちは「心拍をなくした悲しい患者さん!このキュアAEDが、音声ガイダンスに従って、あなたのドキドキ取り戻してあげる!」とか言われる。
 
■2013-04-17
天の道を往き、総てを司る
 ニコニコ動画でスタイリッシュ特撮料理アクション・仮面ライダーカブトを観始めたため、一週間に観る特撮の量が半端ないことになっている。

 リアルタイムでキョウリュウとウィザード、ニコニコでBLACK(RX)とカブトに加え、DVDでのマジレンジャー視聴もまだ続いているため5本同時進行だ。オタクの道は上には上がいるためこの程度ではニワカだろうと思うが、一般的に見たらもう立派な特撮オタであろう。後戻りはできぬ。


 ところで、カブトの水嶋ヒロ先生が「ライダー…キック」とつぶやいてから後ろ回し蹴りするのが最高にカッコイイ。
 言われてみれば、ここのところ必殺技名のコールはベルトなどのオモチャが担当するものばかりで、ライダー本人が技名を叫ぶのは珍しい部類である。
 ベルト音声が豊富なほうがオモチャとして面白いし、それが容易に実装できる時代になったのだろう。

 でも、やっぱり必殺技コールは役者本人がしたほうが盛り上がるし、欲を言えば処刑BGMも本人が歌ってほしい。
 そういう意味でBLACKのてつをさんは最強のハンサム。
 
■2013-02-16
ダイレン戦隊五星ジャー
 恐竜!プラス人間!
 21年の時を超え、地球を守るために今!
 地上最強のブレイブチームが誕生した!
 聞いて驚け!ジュウレン戦隊恐竜ジャー!
 
■2012-12-23
ヒーローと魔法少女
 突然だが、『スマイルプリキュア!』のメンバーは、ものすごく「プリキュアであること」をエンジョイしているなーと思った。

 プリキュアは過去二作しか知らないが、これほどエンジョイしまくっているのはスマイルが随一ではないのか。
 確かに今までも、プリキュアになったことで精神的成長とか人間関係改善とかの利点はあった。
 しかしそれは戦う運命を背負うリスクを考えると圧倒的にリターンが少なすぎる。
 その点スマプリの面々は、本棚ワープの能力を利用して異次元に秘密基地をつくるわ、世界中にワープして観光旅行はするわ、映画村では映画を撮られるわ、キュアデコルは好き放題使うわで、鬱回の分を差し引いても実生活が充実しまくっている。


 ヒーローもの(バトルヒロインもの)において、主人公が得た異能の力を私的利用する場面はあまり見ない。
 戦う目的そのものが私的であるズバットみたいな例はややこしいので除くけれど……

 仮面ライダーフォーゼでは、ペンとかウォーターとか明らかに戦闘用でないモジュールがあったものの、それらを戦闘以外に使おうとするとKENGOさんに「フォーゼの力を下らない事に使うな」と怒られていた。
 ゴーカイジャーの面々は、最初は「宇宙最大のお宝を手にいれる」ためにおもいっきりレンジャーキーを私的利用していたが、やはりそれはアウトローゆえ。最終的には「地球を守る」という歴代戦隊の意志を受け継ぐに至った。

 ヒーローものだと、そもそも得た力が戦闘用でプライベートに活用できない、という例も多そうだけど、例えば「遅刻しそうなので超加速」とかそういう使い方は全然されない。
 魔法戦隊であるマジレンジャーを観てみたら、案の定ピンクのお姉さんが私的に能力を使いまくって怒られていたので、私的利用はギャグシーン以外ではされない、と言ったほうがいいかもしれない。


 その点、魔法少女はどうだ。
 ちゃんと観たことがないので憶測だが、ひみつのアッコさんとか、エスパー魔美さんとか、ほぼ個人的な目的ないしは身内を対象に能力を使っているイメージがある。
 そもそも「平和を乱す存在」がいなければ公的な目的が存在しえない。
 ドラえもんだって大長編でない限りは基本的に私的利用だし。

 このへんが、セーラームーンに代表されるバトルヒロイン(ヒーローもの)と、魔法少女ものの大きな違いだと思われる。
 ヒーローは異能の力を私的利用してはいけないのだ。
 あんなこといいな、できたらいいな、のノリで「子どもに夢を与える」のが伝統的魔法少女であり、平和を乱す存在から「子どもの夢を守る」のがヒーローである、とざっくり断定できよう。

 このように考えると、まどマギのあんこの「魔法ってのはね、徹頭徹尾自分だけの望みを叶えるためのもんなんだよ」という台詞は魔法少女としてむしろ当たり前の感覚であり、QBが「確かにマミみたいなタイプは珍しかった」というのも頷ける。
 マミさんやさやかちゃんがやりたかったのは「ヒーロー」であって「魔法少女」ではない。
 「だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから」とまどか神の仰る通りである。


 スマイルプリキュアでの能力の私的利用は、ヒーローものの文法の中で魔法少女的な要素を復権させようという動きなのかもしれない。
 彼女らを見習って、「魔法」を全面に押し出している仮面ライダーウィザードさんはもっと指輪の力を私的に使うべき。
 まずはプレーンシュガードーナツを毎回店舗からコネクトで取り寄せることから始めよう。
 
■2012-11-11
ロマンホラー!真紅の秘伝説
 ここんとこ楽しくアニメ版「ジョジョの奇妙な冒険」を観ている。

 ジョジョ一部ゲーをプレイしたときにも思ったんだけど、この作品はすっごく説明セリフが多い。この時代の少年漫画は多かれ少なかれそうなのかもしれないけど、ジョジョは印象深い説明セリフが多いので特にそれが際立っている。
 ゲームにおいても、声優さんが

「稲妻十字空烈刃!」
「やった!ジョースターさんに試した時は模擬ゆえか手刀を十字に組んでいなかった……したがってその欠点は頭突きやふくみ針などの攻撃に弱い!だが十字空烈刃はその欠点をおぎなって攻守において完璧だ!」
「これを破った格闘者はひとりとしていない!」

 ……のような台詞を、技の発動から命中までのコンマ数秒であろう時間帯に一息でねじ込まねばならず、とても愉快なことになっていた。今のところアニメでも、これを丁寧に踏襲している。



 実際、こういうのはアニメとしてどうなんだろう?
 第5話「暗黒の騎士達」に至っては、その場にいる全員が説明セリフ合戦を繰り広げているところにナレーションが乱入し、さらにそのナレーションにディオが台詞を被せてくる、みたいな状況になっており、漫画で文字を追っている時には気づかなかった「濃さ」が全開になっていた。
 「ジョジョのアニメ」としてはこういう台詞をカットしてはいけないだろうし、現状にまったく不満はない。
 だが一本の新作アニメとして観たとき、この説明セリフの多さはギャグの域に達しているのではないか?



 そんなことを話しているうち「アニメではなく、ミュージカル化すれば良かったのでは?」という意見が出た。
 ジャンプ漫画のミュージカル化といえばテニミュを真っ先に思い出すが、「あいつこそがテニスの王子様」を聴く限りでは意外と親和性が高いような気がする。
 心理描写がいちいち口をついて出てきて、戦況も逐一実況してしまうとしても、それが歌に乗っていれば全く違和感はない。芝居がかった台詞まわしも相性がよさそうだ。

 つまり、ディオが人間をやめるまえに、突如舞台袖にスポットライトが当たり、「♪おれぁおせっかい焼きのスピードワゴン、ロンドンの貧民街からジョースターさんが心配なんでくっついて来た」みたいに歌いながらスピードワゴンが登場、そのまま曲に乗せて踊りつつ「♪ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッ―――ッ!」と燭台を蹴り飛ばすようなミュージカルになるわけだ。
 あれ、面白そうじゃねこれ。
 サブタイトルはいっそ「ロマンホラー!真紅の秘伝説」のほうでお願いしたいところ。
 
■2012-08-25
花のハダケ組
 なぜかアニメ『少女革命ウテナ』を観終わった。なるほど、これはたしかに「革命少女」じゃなくて「少女革命」だな。



 ウテナは名前しか知らないアニメで、聞きかじりの知識すらほとんどなかった。
 なのでのっけから「ウテナが男装していることに特に理由はない」という事実を知って衝撃を受けた。

 オスカル様がどんな犠牲を払って男装していたか!
 当然それは戦いに赴くため女を捨てる、という覚悟ゆえ!
 それをオマエ、なんの設定もなく何となく男装を……

 ……とかツッコんでいたら、
 「赤スパッツ生足フトモモのどこが男装だ!?」
 という本当に根本的なツッコミを落としている自分に気づいた。
 少女革命ウテナ、恐ろしいアニメであった。
 
■2012-03-15
クウガの見た東京
 実は先月から『仮面ライダークウガ』を観ている。
 オダギリジョーのアレである。もう12年前の作品だ。
 平成ライダーを観はじめたのが『オーズ』からで、その後『フォーゼ』を観つつDVDで『剣』を押さえ、『電王』をかじり、『クウガ』に至った。このチョイスが正しいかは不明。


 平成ライダーの中でもクウガは別格だと聞いていた。
 確かに空気が全然違う。
 クウガが戦っているシーンより警察が犯人(怪人)を追っているシーンのほうが多かったりして、ほとんど刑事ドラマみたいだ。ホラー寄りのサスペンス劇場と言うべきかもしれない。

 そんな雰囲気なので、けっこう民間人がばたばた死ぬ。
 警察が捜査していて、マスコミも報じているので、被害者の数は具体的に表示される。
 毎週、通り魔事件で数十人が殺されてる世界だ。それも東京圏限定で。

 作中で「危ないからむやみに東京に遊びに行かないように」とか「関西のほうに帰ってきなよ」みたいな話が出てくる。
 あれ、なんかちょうど1年前の日本でも似たような状況になったような……。
 「ただちに人体に影響」どころか死体が積み重なってるぶん、アレより深刻度は段違いだと思うんだけど、人々は普通に働いてるし、遊んでるし、殺されてる。たぶんこの世界でもインターネットでは「関東から移住しない奴は情弱」とか「逃げる奴は馬鹿」とか騒ぎまくってるんだろう。

 もし放射線が、毎週15人の無作為な標的だけを狙って即死させる通り魔のようなものだったら、我々は逃げただろうか?
 東京の昼間人口を考えれば死亡率は100万分の1程度。我々は、自転車や自動車に乗るとき、これくらいの死亡リスクは日々受容している。……そう考えて普通に出社しているだろうか? 
 クウガの東京の描写は思った以上に鋭い。


 途中「最近の子どもは何を考えているのか理解できない……」みたいな教育論とか、明らかに子ども向けでない部分がチラホラ出てくるのも新鮮でいい。
 さらにそれを12年たってから観ている俺は、ゆとり教育を嘆く先生には「大丈夫!あと10年耐えればゆとり教育は無かったことにされます!がんばって!」と声をかけ、いい学校に入ることに疑問を呈する少年には「お前が就職する年は世界的にすげえ不況だよ!」と脅し、「こんな先行き不安な社会で子どもを産んでも……」と心配する女性には「今後、先行きが安心できる年なんてありませんよ!」と励ましたりしている。
 今でも十分通用するなあ、このドラマ。