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◆不定期日記ログ◆

RELATION #14af

■2014-03-29
生命の神秘
 酷寒の2月なかば、冷蔵庫の野菜室の奥深くからジャガイモの袋が発掘された。
 いったいいつから入っていたのか、過酷な環境にも関わらずモヤシのような真っ白な芽が伸びていた。
 どう考えてもこれは手遅れ。捨てなければならない。

 ……どうせ捨てるなら、ベランダのプランターに埋めてみるか。

 実はすでに、プランターには芽の出きったサツマイモがオブジェとして植えてあり、それは残念ながら冬の寒さで葉を枯らしてしまった。
 こんな真冬に、こんな弱々しい芽が成長できるとは思えないが……試しにアタマだけ出るように埋めて、大量に水をかけてみた。



 そして2週間後!3月上旬!
じゃがいも
生えたー!
 そこには元気に成長したジャガイモの芽の姿が!
 マジかよ茂りすぎwwwww草生えるwwwww

 こんなにエネルギーのあるもんを俺たちは毎日食べていたのか。
 ちゃんと育つんならもっと広く深く植えてやればよかった。



 そして3月半ば、俺は台所を掃除していて芽はおろか根まで出かかっているニンニクを発見した。
 どう見てもこれは手遅れ。そしてプランターはまだ空きがある。

 本来ニンニクは秋に植えるもの……だが捨てるくらいなら植える!
 俺はためらわずに皮をむいて4つほどプランターに埋めた。
 男は度胸!なんでもやってみるのさ。



 そして1週間後!今日!
にんにく
伸びたー!
 そこには一瞬で顔を出したニンニクの芽の姿が!
 マジかよ成長早すぎwwwww草生えるwwwww

 これはもう春到来!ですね!
 
■2014-06-10
生命の神秘・終焉
 もはや季節は夏。
 春先に気まぐれに植えてからだまって成長を見守ってきたが、どうやら終焉がやってきたようだ。


6月10日
現在のプランター
 ただのオブジェだったサツマイモが急に元気になってきた。
 ジャガイモはアブラムシがついてほぼ全滅。
 ニンニクは結局、にんにくの芽となる部分が出る前に葉を枯らしてしまった。

 サツマイモは引き続きオブジェとするとして、ニンニクとジャガイモを掘ってみよう。


なれのはて
 ニンニクはやはりできていない。一応、元気な奥の2つは残しておくことにする。
 残しておいたところでこれ以上の動きはないと思うが。
 

 ジャガイモは……うわっなんだこれ……


なれのはて
 出るわ出るわプランターいっぱいに小型のイモが!
 あれだけ窮屈に植えたのにこんなになるのかよ……
 ていうかこれ食えるのか?大丈夫なのか?
 浅すぎてうっすら緑色になってる奴は除くとして……
 とりあえずめぼしい奴を洗って乾かして、暗いところに保存!だな!
 
■2014-07-02
ふかしいも
 勇気を出して例のいもを食べた。
ふかしいも
ふかしいも
 一応食べた、一応食べたが……
 なんかベトつくような食感で旨くはねえな……
 小さいのでふかしすぎたかもしれない。
 明太子ペーストの力で味はそれなり。

 残ったやつは…また植えるか?
 こんどはもうちょい広めに植えてやろうな!
 
■2014-08-05
生命の神秘・夏
 7月末に貰ったスイカの種をペッペしたらめちゃくちゃ生えてきたんだが?
スイカ栽培
画面右は夏を謳歌しているサツマイモオブジェ
 俺たちはこんなにエネルギーのあるもんを捨ててたのか。

 まじめに食べられるスイカを作ろうとすると、接ぎ木とかめんどくさそうなのでやらない。
 かつて似たような経緯でスイカをグリーンカーテンにしようと試みて、実ったスイカの自重でグリーンカーテンがえらいことになった茶農家の噂を聞いているので、このままツルをのばしてもいいのかどうか……。
 とりあえず夏休みの観察日記という名目で、伸ばせるだけ伸ばしてみようと思う。
 
■2014-09-16
生命の神秘・再生
 ベランダのプランターの話。

 8月末の涼しさのせいか、スイカは完全に死滅してしまった。
 小さな葉が5つくらいついたが、それ以上の生育は難しかったようだ。
プランタースイカ
左は秋を予感させるサツマイモの様子


 遅れて生えてきた芽もこの気温では風前の灯火。
 もうひと思いに引き抜いてやろう。
 引き抜いて……アレ?

殺伐としたプランターにジャガイモが!
ス……スイカじゃない!

 ま、まさかこいつは……ジャガイモ!?
 掘り損ねていた奴がふたたび芽を出したというのか!?
 連作障害を超えて……何度われわれの前に立ちふさがるというのか!ジャガイモ!
 
■2014-11-03
生命の神秘・休耕
 例によってプランターの話。

プランター
秋模様

 ジャガイモってツル植物でしたっけ?って感じになっている。
 そしてそろそろサツマイモの葉が元気を失ってきた。
 そういえばもう1年以上放置していることになる。(2月時点の様子)


 芋掘りの季節だし、そろそろ暴いてみるか、と思ったが……。

プランター
収穫ゼロ。

 そういえばそうだった……
 小学生のとき、サツマイモは種芋から出た苗を植えていた……
 種芋から芽が出た地点が、植えたとき地上に出ていたため、地中に芋を生成できなかったのだろう。どうりで葉を伸ばす方向に全力を傾けられたわけだ。
 やはりオブジェはオブジェであった。

 この土はしばらくあそばせておいて、また春先に台所で余ったものでも植えてみるとしよう。
 
■2015-04-06
約束の地ベランディア
 春……。
 それは俺が勝手にいろんなものをベランダのプランターに見境なく植える季節……。
 去年のスイカチャレンジはとても悲しい結果に終わったが、今年も適当に何か植えずにはいられないッ!


 というわけで植えたのは3つ!
プランター栽培
約束の地ベランディアの様子
 まず中央が、2月に台所で芽を出していたジャガイモ!
 去年より大きな個体を選んだので一ヶ月ちょいでもうこんな有様だ!

 向かって右にある丸い鉢が、バジルだ!
 めずらしく実益を狙っている!うっかり3月の陽気に誘われて植えてしまったが、今になってようやく小さな芽が出てきた!

 そして左の鉢が今回の新チャレンジ!ヤマイモだ!
 昨年秋に実家からもらったむかごをいくつかとっておいて、3月に植えた!
 去年のジャガイモ鉢を利用しているので連作障害が心配だが、ジャガイモとヤマイモは競合するのだろうか?
 それにくわえて冬を越す課程でかなりひからびてしまっていたので、はたして発芽するかは大いに疑問だったが……4月になってようやく芽が出てきた!


 が、あれ……?
 よく見たらこいつ……
殺伐としたベランダにジャガイモが!
ヤ……ヤマイモじゃない!
 げえーっ!!おまえはジャガイモ!!
 掘り損ねていた奴がまたしても芽を出したというのか!?
 連作障害を超えて……何度われわれの前に立ちふさがるというのか!ジャガイモ!
 
■2015-06-14
約束の地ベランディアその2
 もはや季節は夏。
 約束の地ベランディアは大きな変貌を遂げていた。
ベランディア全景
ベランディアのようす
 緑を大きく広げているのが、シソとバジルだ。
 写真中央のシソについてはなぜかバジルの中に混じって生えてきた奴だ。おそらく一昨年ワイフが育てていたやつの種が芽吹いたのであろう。なんて強靱な生命力なんだ。せっかくなので別のプランターに移植し、苗で買ってきたやつと併せてシソランドを建設して食卓の役に立てている。

 バジルはほっといてもモリモリ育ってくれるので助かる。ベランダに緑のハーブがある状況はバイオハザードなどにも強いと思われるので安心だ。シソを移植したあとに再び種を蒔いた。種はまだまだある。

 そして新しい白い鉢に植えられているのがイチゴだ。なぜかワイフが苗を買ってきたので植えた。イチゴの育て方なんて知らないぞ。触手が何本か生えてきて新しい土を探していたので、先端をグルっとUターンさせて土にふれさせておいたらそこから新しい株が育ってきた。なるほどこれがランナーってやつか。

 一番日当たりのいい場所に高々とそびえ立っているのがミニトマトだ。これもワイフが苗を買ってきたので植えた。苗から育てるのはいまいち面白みがない……と思って放置していたら、いまやベランダから飛びださんばかりの高さに育ってしまい、あわてて支柱を立てたところだ。青い実がゴロゴロついている。

 バジルはたくさんあるし、トマトができたら自前でイタリアン気分になってしまう。あとはチーズを自給できれば……そうだ!母乳をチーズにできないか?とワイフに聞いたら気持ち悪いことを言うなと一蹴された。まったく仰る通りである。


 役目を終えて枯れ果てたのは2月に植えたジャガイモである。台所で芽を出していたやつだ。はたして元のジャガイモを上回る質量のジャガイモを錬成できたのか?
ジャガイモ
うわーまた出た
 掘ってみたらこんな感じ。食べられそうなやつだけを合計しても、元のジャガイモの質量を凌駕している。味は知らんが今年も錬成成功と言えよう。


 これでまたプランターが空いたので、夏に向けてワイフが買ってきた枝豆の種を植えておいた。完全に実益を狙っている。おかしい……「家にあるものを戯れに植える」のが俺の育成方針だったはず……これでは園芸が趣味の人みたいではないか……。

「ワイフ=サン、気がつけばプランターが食べられる野菜でいっぱいになっている。オヌシは食材を手に入れるため私の『植物を育てたい』欲をいいように使っていたのでは?」(参考)

「別にみんなで食べるんだからいいじゃん」

「アッハイ、デスネー」
 
■2015-07-05
ベランディア収穫祭
 約束の地ベランディアで栽培されているバジルの元気がなくなってきた。
 少し前からアブラムシ的な虫がたくさんついていて、木酢液等でも追い払うことができず、葉っぱの一部を食い荒らされていたのだ。
 無事な葉っぱもいびつな形に曲がってしまい、これはもう生食はしないほうがいいんじゃないかな、というレベルになってしまったので、思い切って収穫することにした。

バジル
どーんと収穫
 4本まるごとでおよそ70グラム。
 しかし生食しないとなると何に使うか。
 この虫食いの歪んだ葉を有効に活用する方法……。

 そういえば噂に聞いたことがある……「東方美人」というウーロン茶を!

東方美人茶……19世紀、台湾島の北西部において、茶葉を害虫に食い荒らされた農民がこの茶葉を強引に製茶したところ、甘い香りのするウーロン茶ができたことから、あえて虫に食わせるという荒唐無稽な製法が確立された。主な取引先であった英国で「オリエンタル・ビューティ」の名をつけられたこのウーロン茶は、現在においても台湾で生産が続けられている。

(民名書房刊『茶葉王大百科』より)
 虫食いの茶が許されるならジュースにしてしまえば良いのだ!
 幸い、我が家にはしそジュースの製法が伝わっている。なーに言ってみりゃバジルだって同じシソ科のハーブ、やってできないことはないだろ!


【しそジュース改めバジルジュースのつくりかた】
  • まず葉っぱ70gに対して500ccの水を沸騰させます。
  • 沸騰したら葉っぱをブチこんでふたをします。
  • 再沸騰して吹きこぼれるくらいのタイミングで葉っぱを全部取り出して捨てます。
  • なんか布とか使って煮汁を漉します。
  • 煮汁に砂糖250gをドバドバぶちこみます。
  • 少しさましたあと、クエン酸大さじ1/2杯を同量の水で溶いて投入します。
  • 完成。飲むときは水か炭酸水で3倍に希釈します。

バ汁
できたァーッ!
 しそでなくバジルの香りがするしそジュースができました。
 まあそりゃあそうなりますよね。
 
■2015-07-19
復活の地ベランディア
 例によってベランダのプランター栽培の話。


トマト無惨!
 トマトは強風やら自重やらでボッキボキに折れてしまったが、なんとか実を熟れさせることはできたようだ。よくやった。
 それにしても支柱を立てないと自重を支えられない植物ってどうなんだ。これも人類の品種改良の結果か。カイコめいた何かを感じる。
 さてこれでこの鉢もそろそろ空くな、と思ったが……何か足下から生えて来ているぞ?


この葉の形は……!
 げえーっ!!これはまさかヤマイモ!
 春先に死に絶えたとばかり思っていたヤマイモ!生きとったんかいワレ!

 というわけで、この鉢とこの支柱は、この弱々しいヤマイモがどこまで生育できるかの観察場となりましたとさ。
 
■2015-09-20
ベランディア収穫祭
 めっきり寒くなってきたのでベランダのバジルをすっかり収穫した。
 バジルたちは前回の収穫祭から2ヶ月ちょいですっかり勢いを取り戻していた。バジルの鉢だけ土が乾くのが早い。それくらい勢いよく育っていたのだ。

ザ・バジル
はっぱ
 今回もごっそり収穫。収量は前よりもだいぶ多く、虫もつかなかったのでたいへんきれいな葉っぱである。娘もさかんに「はっぱはっぱ」と言っていた。

 今回はちゃんとバジルらしく使ってやることにした。
 これにニンニクとオリーブオイルと塩を加えて粉砕だ!

ザ・バジル
ハンドブレンダーで、バジルをブレンドせよ!!
 十分細かくなったら、さらにオリーブオイルを追加してパジルペーストの完成である。
 そのまますぐ茹でたスパゲッティにぶっかけて食した。
 ついさっきまでベランダに生えていたものが立派なパスタソースになるとは……むしろバジルと塩とニンニクを砕くだけでこんな旨いものができるとかイタリア人は天才だな。
 あと2食分くらいあるから、残りはジップロックして冷凍だな!