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◆不定期日記ログ◆

CATEGORY ゲーム

■2018-07-18
交響組曲ドラゴンクエストⅤ
 ゲーム音楽のコンサートが増えている。たいへん喜ばしいことだ。
 そんな中、我が県でもドラゴンクエストⅤの音楽会が開かれる運びとなった。我々夫婦は前回のFFコンサートと同様に娘を預け、喜び勇んでコンサート会場へと向かった。……前回と違うのは、後部座席に義父が座っていることである。

 実にまずい。前回のように涙でベロンベロンになってしまっては面目が立たない。……だが大丈夫だ、手持ちのドラクエのオーケストラサントラではなぜか俺は泣かなかった。理由はわからない。すぎやまこういちに耐性があるのかもしれない。しかしⅣのオーケストラサントラで『武器商人トルネコ』になった瞬間に「不思議のダンジョンの曲がァァ~~」って泣いてたので確実とは言えない。俺の涙腺にはまだ俺の知らない秘密が隠されている。
 本日の演奏曲目を見ると、手持ちの音源(Amazon)と曲順まで同じであることがわかった。つまり予習はできている。俺は安堵した。

 生演奏の迫力は俺の心を鷲掴みにして天空城へと連れ去ったが、なんとか泣かずに聴ききることができた。ただ『高貴なるレクイエム(全滅のテーマ)』の悲しげな旋律が響きわたると、「こ……こんな重厚で悲愴な曲をバックに『ぬわーーっっ!!』ってした人がいるらしい……」ってなって目に涙を滲ませながら半笑いになっていた。本当に意味がわからない。俺の涙腺にはまだ俺の知らない秘密が隠されている。


 幕間のトークではドラクエあるあるネタを絡めながら楽器についての解説も行われ、これをきっかけにオーケストラに興味を持って欲しいという情熱を感じた。

「では会場のみなさん、挙手をお願いします! まずビアンカ派の人~~!」

 え、えらいことや……せ、戦争じゃ……

 どうやら指揮者の人とセカンドバイオリンの人が圧倒的にビアンカを推す中、コンサートマスターの人が初回プレイでフローラを選んだらしい。いくさが始まる。
 しかしこのLGBT時代に再リメイクしたらルドマンとも結婚できるようになるのだろうか。ルドマンルートでどのように勇者を生み出すか考え出すと止まらない。

 ダンジョン曲を演奏する前のトークで「最新作のドラクエXIは塔が少なくて寂しい」みたいなことを言っていた。言われてみればなぜドラクエの世界にはあんなに塔があるのだろう。神の塔とかはまだギリギリ灯台的な施設だったのかなって感じだけど、デモンズタワーは明らかに魔物の前線基地であり険しい山中にあるので謎が深い。要るかその高さ?
 
■2018-06-05
エジプトのメジャイ
 『アサシン クリード オリジンズ』のメインシナリオ(DLC除く)を終わらせた。……昔は「クリアした」とだけ書けばよかったのになんか回りくどい書き方になったな。


 アサシンクリードは「2」と「ブラザーフッド」しかプレイしていないので、実にひさしぶりのアサシン体験となる。今回の舞台はシリーズ最古の紀元前エジプトということで、予備知識がほぼない。

シワ・オアシス
 こういう景色を見て「わーエイジオブエンパイアみたーい」って言ってるのでもうダメ。


 紀元前49年のエジプトは、ギリシャ人とヘレニズム文化が浸透していて、想像していた古代エジプトのイメージとは全然違っていた。古代と一口に言っても、ピラミッドで有名なクフ王から2500年が経っているので、四大文明ハンパねえなという実感がある。
 サイドクエストとかでよく「古代の遺跡」とか「古文書」みたいなのが出てくるけど、おらっち極東の人間からするとおめえっちも立派な古代人なんだよなぁ。
キュレネ
 それにしても「2」のルネサンス期のイタリアと比較してもまったく遜色ない街並みが広がっているのには驚いた。1500年も人類は何をしていたのか。中世ヨーロッパはどんだけ暗黒時代だったんだよ……。


 UBIソフトのオープンワールドゲームの例にもれず、ボタンをフルに使うので慣れるまで時間がかかった。その都度画面に案内が出るのでそれほど困ることはないが、救出クエストなどでよくある「救出対象を担いで(△長押し)馬に乗せて(R2)自分も乗り(△)、移動して、降りて(○長押し)救出対象を馬から降ろし(△長押し)地面に降ろす(R2)」あたりは最後までガイドなしにはできなかった。
 装備の切り替えも横や横長押しやメニューからの変更が組み合わさって混乱を招く。このあたりは初心者アサシンにはちょっと厳しいのではないかと思った。


 基本的にはレベルが足りる限りメインクエストを優先して進めていったんだけど、今回はサイドクエストのお話も凝っていて、寄り道に寄り道感がない。密猟者を狩りまくる同郷の女ハンター、自由になりたくて狂言誘拐する剣闘士、突然のウィトルウィウスなど、ちょっとしたサイドクエストにも濃いキャラクターが出てくるため、ついついいろんなクエストを見てまわってしまう。ウィトルウィウスって手足が4本ずつある人じゃなかったんだ……。
 主人公がメジャイという伝統的治安維持係に就いているため、いろんな人が渡りに船とばかりに助けを求めてくるのも、サイドクエストの寄り道感を減らしていると思う。


 システム面では鷹の目をリアル鷹に委託することで空から偵察ができるようになり、潜入前の情報収集がたいへんに捗るようになった。ここ数年のシリーズを知らないので確かなことは言えないが、直接戦闘での強行突破は成功しにくくなった感じがする。「2」では4人に囲まれてもカウンターからキルストリークをキメてビクトリーできたが、今回はそういったシステムがないため、自分よりレベルの高い敵に囲まれると本当に虫けらのように蹂躙される。真面目にアサシンすることが求められている。しかたない……真面目にアサシンするか……。
腐食促進剤
 画像は腐敗させた敵兵の死体を馬に乗せて敵拠点を駆け回り疫病をばらまく外道。


 アビリティもファークライ並みにバラエティ豊かで、最終的には「捕食者の弓強化(狙撃弓の弾道を操作できるスタンド能力)」で遠距離からちくちく暗殺し、敵拠点に侵入したら「チェーンアサシン(ダブルアサシンがないのでその代わり)」を活用して敵を順番に始末して、最後は「アドレナリン2(無双ゲージ満タンで戦闘モード開始)」の力で強引に崩していった。


 シナリオの最後には、エピローグめいてローマの宮殿のステージがあった。この宮殿(フォロ・ロマーノの在りし日の姿?)がまた美しく、個人的には「ブラザーフッド」で描かれた16世紀のローマより美しいまである。本当に1500年も人類は何をしていたのか。中世ヨーロッパはどんだけ暗黒時代だったんだよ……。
 
■2018-04-30
俺はバンギラスで行く
 4歳児をワイフに任せ、『レディ・プレイヤー1』を観てきた。
 ぶっちゃけこの邦題、というかカタカナ表記はだいぶイケてないと思う。久々の「邦題つけろ」案件ではなかろうか。
 映画のオープニングでは、「オアシス」というネットゲームの説明のあと「READY PLAYER ONE」って出るので、ああ、これはゲーム開始前の決まり文句だなと実感できるが、カタカナで書かれるとぜんぜん伝わってこない。
 とはいえそもそも原作小説が『ゲーム・ウォーズ』という2018年にはちょっとつらいタイトルになっているのでこのへんに深入りするのはやめよう。

 とにかく噂に聞いた通り、版権キャラがたびたび映りこんでくるので画面の情報量が半端ない。字幕で見たかったがこれは吹替で正解だったかもしれない。ただ「2D字幕」と「3D吹替」の二択(最近増えてんの?)となるので望まぬ3Dメガネをかけるはめになった。まあ上映時間の関係で選択肢はなかったんだが。

 版権キャラはいわゆるアバターなので、『シュガーラッシュ』みたいにキャラクターとして出てくるわけじゃあない。しかも大半が一瞬しか出てこない。
 それでも、物語から切り離されてもなお残る版権のパワーっていうのは確かにあって、カーチェイスあるあるの「交差点につっこんできたタンクローリーの下を車体を倒して抜けるバイク」みたいなシーンも、そのバイクがAKIRAの金田(さんを付けろよ)のバイクっていうだけでなんか特別に見えてしまう。
 そして、版権要素の登場はキャラクターやマシンがメインだと思っていたので、「第二の鍵」の舞台に突入したときにはめちゃくちゃ笑った。アレの存在を知らずに映画館に行けたことは、この大ネタバレ時代にとっては本当に幸運だったと思う。



 ここから先はストーリーに関する気になった点を記していく流れになるので、ネタバレを避けたい人はこのセクションを読み飛ばして欲しい。

 まず悪の企業として出てくるアイ・オー・アイが、いったいどれほど悪いのか、そこんとこをキッチリ描いてほしかったなあと思う。いきなり主人公の自宅を爆破するヤベー奴なのはわかるんだけど、その前に、一般ユーザーレベルでどのくらいヘイトを買ってるのかが知りたかった。このへんの描写が物足りなかったので、最終決戦で続々と人が集まるシーンがなんかギャグっぽく見えちゃったんだよね。
 でもアイ・オー・アイ社は排出率が不明瞭な青天井ガチャでヒロインの父親を課金沼に引きずり込んで破産させて地下帝国送りにしてるんだよね? ヒロインの坂本真綾がそんなこと言ってたよね? そういう話がもっと欲しかった。
 なので2018年に生きる俺としては、オアシス内に誤タップを誘うオーバーレイ広告を出しまくってるとか、社畜を大量動員して検索順位だけは高い虚無攻略サイトを運営してるとか、そういう描写を勝手に補完して観ていた。くそっアイ・オー・アイ絶対許さねえ!!
 それにしてもアイ・オー・アイ社、地下帝国に落とした債務者を使って地道に人海戦術で鍵の発掘作業をしていて悲しかった。オープニングでMinecraftとか出てくるくらいなのに、なんかMODとか作ってガーッとできないのかよ……

 あと主人公とヒロインが直接会ってからの距離の縮まり方が早すぎる! と思ったけど、これはもうネットで知り合って友達になるのが当たり前の時代の距離感なのかもしれない。でも本名で呼ぶかHNで呼ぶか迷うシーンはもう要らなくない? 俺なんて高校時代の友人とリアルで会うときすらHN呼びだぞ。……よく考えたらこれは俺がおかしいな……?
 ていうかみんな近所に住んでるのかよ! アジア人の人はアジアに住んでてよ! リアルの友人関係って素晴らしいよね、っていうところに持って行きたいのはわかるけどあっさり集結させないで!

 最後に、この物語の結果「オアシス」がどう変わったのかにまったく触れられなかったのも残念。ここに触れてくれなかったせいで、ラストがリアル重視に寄りすぎた印象がある。クソ企業が滅びた結果クソ広告が激減してちょっと明るくなったロビーとか見てみたかった。……と思ったがクソオーバーレイ広告については完全に俺の脳内でのみ行われていた悪行だった。ちくしょう絶対に許さねえ!!

 内容に関しては以上です。
 さしあたって「親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙なしには見られなかった」という慣用句を終わりの言葉に代えさせていただきます。



 さて、そろそろ時間だ。
 ストーリー中で問題になっていた通り、VR(仮想現実)は人と社会とのつながりを薄くしてしまう可能性がある。しかし、今俺が端末で操作しているAR(拡張現実)は、逆に人を外に連れ出すことができる。
 俺は映画館を出て、まっすぐに最寄りのポケモンジムに向かった。

EXレイドパス
果たし状

 そこには先週届いた挑戦状の通り、ミュウツーが君臨していた。
 俺のオアシスはここがクライマックスだぜ!

ミュウツーレイド
俺はバンギラスで行く!!

 最強のポケモンといえど、訓練されたEXレイド挑戦者が20人そろえば撃破はたやすいのだ! やはり絆の力は最強だな! 他の奴どこにいるのか知らんけど!

ミュウツーゲット
勝ったぞ―――!!

 ありがとうスピルバーグ、最高の映画体験だったよ!
 
■2018-01-24
三歳児とゲームした顛末
 年末年始に娘氏は初めて「ブロックス」の4人対戦をした。今まではただの積み木としてしか使っていなかったので、これでゲームを行うのは初めてのことだ。三歳児にはまだルールを適用するのが困難なので、娘氏だけ「どこにブロックを置いてもいい」というハイパームテキ状態でプレイしてもらった。結果的に大人3人に対して圧勝し、たいそう気を良くしたようだった。大人3人にとってはキングボンビーのなすりつけあいに近かった。

 また、お正月ということで百人一首を出してきて坊主めくりも行われた。今度は完全に運ゲーであるうえ、坊主や姫を引いたときの処理は周囲が勝手にやってくれるため、娘氏は1プレイヤーとしてふつうに参加することができた。そして終盤にパパチャンが坊主を引いて大量にはき出した札を娘氏が姫でかっさらってそのままビクトリーした。


 この体験を経て、娘氏はたびたび「ゲームしたい」と言うようになった。これは来たぞと俺は思った。いまこそ機運が高まっている。ボードゲームによる子育て……ボ育ての機運が。
 幼児を対象としたアナログゲームはいろいろあるが、ルールを見る限りではあまり(俺の)興味がひかれない。ゲームで知育などという大層な志はないので、大人だけでも楽しめて、娘氏の今後のゲーム沼への導線となるようなゲームはないだろうか? たぶんある。たくさんある。

 そういったゲームを選ぶため、まずは問題点を整理しておきたい。対象年齢外なので当たり前なのだが、ご両親が所持するゲームを三歳児がプレイしたとすると、以下のような問題が予想される。
 
ブロックス
 コンポーネントは最高にお気に入りなんだけど、三歳児には「ブロックを置ける場所」を判断するのがまだ難しい。「それはダメ」ばかりでは面白くないので、「何ができないか」を教えるより「何ができるか」を列挙するのが簡単なゲームのほうがフォローがしやすい。
カルカソンヌ
 これまた街のパネルやミープルなどのコンポーネントは最高にお気に入りなんだけど、実際に自由に触らせてみるとまったく絵を繋げようとしないため、「パネルが置ける場所」や「ミープルを配置できる場所」のルールを理解するには時間がかかるだろう。
カタンの開拓者
 サイコロを振って資源を受け取るところまではできそうだが、その資源を組み合わせて町を買ったり道を買ったりするのを判断するのは厳しい。また交渉がキモなのでこれも幼児にはつらい。手札が伏せられているのもご両親のサポートを阻害する要因である。
ドミニオン
 ルール以前の問題として、トランプやウノ全般にも言えることだけど、三歳児の手ではカードを広げて持つことが困難なので、手札を隠さないといけないゲームは難しい。あとドミニオンではカードのシャッフルができないとお話にならない。あと足し算引き算の暗算が求められるのも厳しい。
ワードバスケット
 しりとりはできるかもしれないが、「う」で始まり「こ」で終わる言葉、などと縛りをつけられると語彙がついていかないと思われる。また文字を読むのに時間がかかるため、瞬発力を要求されるゲームはフェアでない。
キャット&チョコレート
 幼児の発想はめちゃくちゃ面白そうだが、ぶっちゃけお題を与えなくても日常の発想がすでに最高に面白いのでわざわざゲームで発掘しなくてもいい。

 まとめると、
  • ターン制
  • 意思決定点において取れる選択肢は少なめ
  • カードを持たない
  • 伏せカードなどがない完全情報ゲーム
  • 交渉など言葉を駆使する要素の重要度が低い
  • 運要素が強め

 ……あたりが、娘氏でもプレイできるゲームの条件となる。
 というわけで「街コロ」です。
セットアップ
これが!街コロだ!
 日本製のゲームがドイツのゲーム大賞最終候補まで行った、という噂は聞いたことがあった。それがこのゲームである。
 詳しい遊び方が気になる人はリンク先などで見ていただくとして、これはカタンのようにダイス次第で資源(コイン)が貰え、ドミニオンのようにコインでカードを購入して収入を増やし、勝利条件を満たすことを目指すゲームだ。今後のアナログゲーム沼に誘導するにはうってつけではないか。
 デザインも鮮やかでカワイイし、何よりコインとダイスと108枚のカードのみで完結するため非常にコンパクトだ。そしてカードを使うものの、それはただ並べて置いておくだけなので幼児でも問題ない。ダイスに従って収入の部分だけご両親が清算し、買うか貯めるかは本人に任せればよい。買い物の選択肢もそれほど多くはない。

 ただ勝利条件の4物件をすべて買うにはちょっと時間がかかるので、三歳児の集中力が続くかどうかは怪しい。試しに3人で、駅(4コイン)とショッピングモール(10コイン)の2物件のみでプレイを始めてみた。
 その結果!
決着ゥゥーッ!!
娘氏、圧勝
 「3を出したプレイヤーから1コイン徴収できる」能力を持つカフェを完全に見た目だけで2軒購入した娘氏、見事ご両親のクソダイス運により大量の収入を得てそのままビクトリー。ルールはよくわかっていないものの、とりあえず勝ったということはわかったようだ。このとおり一切接待プレイをしていなくとも全員初見ならば三歳児が運で押し切れるのだ。このような勝利体験を積み重ねて、健やかに沼にハマって欲しい。
 
■2018-01-21
農・場・物・語
 ポケットキャンプでひたすら仕入れと納品をくり返す生活に疲れ果てたてばさき村長は、かつて祖父から渡された1通の封書のことを思い出した。
 「どうしようもない生きにくさを感じ、心が輝きを失ってしまいそうなとき」に読むよう手渡されたその手紙には、スターデューバレーという田舎町にある牧場の権利書が同封されていた。
 こうしててばさき村長は、村長(キャンプ場管理人)としての地位を少しだけ退き、その田舎町で牧場主としての生活を始めたのだった……。


 ということで、Switchに移植された(というか移植も翻訳もされていたのにいつまでたっても日本での販売が始まらなかった)インディーゲーム「Stardew Valley」を始めた。紹介記事にはだいたいインスパイア元として「牧場物語」「ルーンファクトリー」の名が挙げられるが、俺はどちらもプレイしていない。こういったインディーゲームを携帯したり怠惰な姿勢でプレイしたりできるというのはSwitchの最強の利点である。任天堂は早くバーチャルコンソールを実装して欲しい。

Stardew Valley
赴任1日目
 荒れ果てたモッコロ牧場に赴任したてばさき牧場長。このあたたかみのあるドット絵が素晴らしい。(本当は等倍で掲載したいんだけどJPGでしか保存できないからちくしょう!)厳密に言うと1ドットより細い糸があったりするのでドット原理主義者に見つかるのが怖いが、そんな些細なことはどうでもよいと断言できるくらい素晴らしい。娘氏は一目見て「これゆうしゃさま?」と言っていた。娘氏にとってドット絵とは「魔法陣グルグル(2017)の次回予告とかに出るアレ」なのだ。

 さて、まず何をするべきかを決めなければならない。ここで軟弱なゲームだと「木を伐採してみよう! いいぞ! 次に土を耕してみよう! その調子だ! 次はタネを蒔こう! 素晴らしい!」と1動作ごとチュートリアルをしてくるが、Stardew Valleyは真のおとこのためのゲームなので、パースニップという聞き慣れない野菜の種と、「パースニップを植えて収穫する」というクエストだけが古びた家の中に置いてある。農地を拓くための斧やツルハシはすでに手中にあるので、どう実行するかは自分で決めるのだ。男の仕事の8割は決断だ。そこから先はおまけみたいなもんだ。

 そんな姿勢で最初の作物を育て始めたので、木を伐採してチェストを作らないとそもそもアイテムが12個しか所持できないとか、朝起きたらテレビの情報番組などを観るべきとか、1つの季節は1か月(28日)で終わり、季節ごとに作物は枯れてしまうこととか、そういったことは後から気づいた。だがそんなことはどうでもよかった。俺は奴隷労働が嫌で牧場へ来たのだ。最高効率プレイを目指したって仕方がない。

 とはいえただ漫然と目に付くことだけをやっていては、このスターデューバレーの荒野で生き抜くことは難しい。幸い飢えて死ぬことはないが、1日に与えられる「スタミナ」と「時間」というリソースを計画的に使う必要がある。
 木を伐採したり、土を耕したりするとスタミナが減る。毎日の水やりにもスタミナを消費するため、無計画に畑を拡張すると水やりだけで倒れてしまうことになる。そしてなにより時間がかかる。スターデューバレーの1時間は我々にとっての45秒でしかないのである。畑を整えるだけで1日が終わってしまっては、労働するだけのロボと何も変わらない。町を横断するだけで1時間くらい吸い取られたりするので、天気と相談しながら、その日何をするかという目的意識を持って、牧場の復興を進捗させなければならない。

 これがなかなか時間泥棒になる要因で、Switch本体の機能でスリープはできるものの、セーブは寝たときにしか行われないため、「明日は博物館に鉱石を寄贈しにいくぞ!」と思って寝たあと、俺自身も寝てしまうと、次に電源を入れたときに完全にそれを忘れてまた鉱山へ向かってしまうのでよくない。やはりもう1日進めておこう……となる。やめどきがない。明日使うものを全部抱いて寝るしかない。
Stardew Valley
夏24日目
 こうして初めての夏を迎えたてばさき牧場長は、報酬で手に入れた高性能スプリンクラーを設置して、これで水やり労働から解放されるとウッキウキでいたものの、朝、スプリンクラーが周囲8マスだけにぴゅーっと水を出して仕事を終えたのを見て膝から崩れ落ちた。高性能でこれかい。仮にも生き物を育てる仕事、そう簡単に労働をサボることはできないのだな。こうした不便と少しずつ戦って勝ち、メイクマネーしていきたい。
 
■2017-12-26
スーパーマリオオデッセイ
 12月の上旬、俺は迷っていた。
 ここのところずっとイカをやっている。イカのマッチング時間にポケ森でイカを釣る毎日だ。同じSTEPの毎日じゃ生きてることさえ忘れちゃうそれじゃ張りがない。新しいゲームがやりたい。
 そういえばPS4で出た地球防衛軍の最新作が面白そうだ。あとゲームオブザイヤーでガンガン名前があがるブレスオブザワイルドとか、スーパーマリオオデッセイもプレイしておきたい。この週末あたりどれかを買おう。

 Splatoon公式「フェス始まるぞ」
 ぼく「アッハイ」

 こうしていつものようにイカをプレイして週末を終えた俺は危機感を覚えていた。
 まずい。去年の今頃はうっかりFallout4を始めたばっかりに気づいたら半年もそれで遊んでしまい、Switch本体とブレスオブザワイルドの購入タイミングを完全に失った。このままではまた1年半くらいSplatoonに持っていかれてしまう。次の週末こそ新しいゲームを……。

 Splatoon公式「ガチアサリ始まるぞ」
 ぼく「アッハイ」

 こうしてイカの新ルールで週末を終えた俺は逆にすがすがしい気持ちになっていた。
 イカはいつやっても楽しい。ならば新しいゲームが買いたいと思ったときに買うべきだと。イカにはいつでも戻ってこれるのだと。
 そんなわけで結局、俺がスーパーマリオオデッセイを手にしたのは年の瀬もせまる12月の下旬になってからだった。


 この スッパーマーリオー↑オデッセーイ!!(例の声)は、俺にとってはマリオ64以来の3Dマリオということになる。あのころは、初めての3D空間でクリボーすらうまく踏めない我々のために、マリオさんはパンチとキックを習得していた。
 今回のマリオさんは「帽子投げ」を習得している。帽子は基本的にはマリオさんの向いているほうに飛んでいくので、最初はやや戸惑った。イカと平行してやっているので、視点変更が右スティックでなく正面を向くボタンで行うようになっていたら、帽子投げも多少はスムースだったかもしれない。しかしこれはすぐに慣れた。操作に関して本当にストレスがないのはさすがのマリオさんと言える。

 そしてヨッシーのときにも感じたことだが、本当にすみずみまでオモテナシの心が詰まっている。言い換えれば、ブリックロード憲章が忠実に守られている。ブリックロード憲章とは「ゆきどまりにはアイテムを置く。自由勝手に持ち去るべし。」「今はゆけなくとも、いずれたどり着く場所もある。」など、探索要素のあるゲームの基本的方針をうたったもので、俺がたった今名づけた概念である。

 創意工夫して到達した場所には、たいていパワームーン(規定数集めると次のワールドが解放される)か紫コイン(収集アイテム)があり、かけた労力がスピーディーに達成感に変換されていく感覚がある。そのサイクルが小刻みにくり返され「うおォン俺はまるで人間達成感発電所だ」という気持ちになってくる。

 そしてあるとき、ふとジャンプした先に隠しブロックが現れたのを見て「制作チーム……なぜ俺がここでジャンプすることがわかった……?」みたいな感覚に陥る。たとえば寄り道をしてずいぶん本筋と離れたところに来てしまったな、と思っていたのに、いつのまにかマップの重要地点に到着しておりこの道こそが本筋だったのだ、みたいな状況がすでに何度か起こっている。
 
 ブリックロード憲章のはじめのほうに「私の統計によれば、約70パーセントの人は、まず右を選ぶ。」とある。俺は俺の自由意思によって好き勝手に走り回っていたはずだった……しかしそれは巨大なブッダの掌の上だったのだ……。


 正直に言えば「何をやっても製作チームの想定内なのではないか」という感覚はたしかにあり、それゆえ64ほどの無邪気な解放感はない。だが一挙手一投足が気持ちいいので何かせずにはいられない。特にキービジュアルに使われている都市の国では、周囲がリアル頭身の人間だらけのためマリオさんの超人的身体能力が際立ち、存分に解放感を味わえる。素晴らしいというほかない。

オデッセイ号
 写真はうっかり湖の国の開放的な服装のまま都市の国へと向かってしまい、娘氏から「はだかでまちに行ったらだめでしょ~~!」と注意されるマリオ氏です。がんばれ。
 
■2017-12-01
キャンプてばさきの苦悩
 レベル36に到達し、現段階でカモミが実装されていないことが明らかになったので、ここらで『どうぶつの森 ポケットキャンプ』(以下ポケ森)のファーストインプレッションを記しておく。
 去年はカモミのいない寂しさからなぜか荒野にとびだしてしまったため、まずは無事にどうぶつの森の新作が遊べることに感謝したい。
 
てばさき村長就任
深夜、キャンプ場に立つてばさき村長
 何をするかがプレイヤーにゆだねられている『とびだせ!どうぶつの森』(以下とび森)と違い、こちらはやるべきことが明確になっている。キャンプ場の管理人に任命されたプレイヤーは、魚や果物などの商品を仕入れ、それを各地でキャンプしているどうぶつたちに納品し、いくらかのお金と素材をもらい、そこから家具を作り、家具でキャンプ場を彩るという流れの中で、どうぶつたちの好感度を上げていくのがおおまかな目的となる。

 プレイ感覚が『とび森』とまったく違う理由がこの「仕入れ→納品」の部分にある。どうぶつたちは計3回納品すると満足し、それ以上注文をしなくなる。つまり「好感度を上げる」という目的が進捗しなくなる。決まった時間まで待つとどうぶつが入れ替わり、また納品が可能となる。
 問題なのがこのサイクルが0時・3時・6時・9時という3時間毎というところである。3時間ごとにお世話とか新生児かよ。1日単位でリフレッシュしていた『とび森』と比べるともう目まぐるしい速度と言っていい。ソシャゲ的な観点で見ると、6時間放置したらスタミナが溢れるということだ。スタミナが溢れることに不快感のある俺がプレイすると、たとえば以下のような一日になる。
就業時間
 ……こんな悲惨なブラック労働が、スローライフを掲げる「どうぶつの森」で許されていいのか。さすがにこれでは続かないので、スタミナが溢れることを許容せざるを得ない。
 ではログインはそこそこにして、課金アイテムによってカバーしようと思ってもなかなか上手くいかない。課金アイテムでは魚や果物などの仕入れを早くすることはできるが、どうぶつたちに納品して好感度を得る作業は加速できないからだ。一応追加注文を出させる課金アイテムはあるものの、たった3時間で入れ替わることを考えると、これは好感度を集中的に上げたい「推し」に使うものだろうと推測される。
 
 そもそもどうぶつの森とは「明日になったらまた来てくれ」って言われたら素直に待つゲームではなかったか。そこをリアルマネーで解決しようという気が微塵も起こらない。これはもう完全に相性が悪いとしか言いようがない。
 概要が発表されたときは「たぬきちがUR家具ガチャを持ってくるゲームでなくてよかった」と素直に思ったが、今は家具はガチャで集めたほうが『とび森』に近かったのでは……とすら思っている。『とび森』で毎日品揃えの変わる家具はある意味ガチャであり、『ポケ森』においても広場で売られている家具や服は似たような性質を持つ。こちらがメインで、この品揃えをリフレッシュする権利が課金アイテムにあったらまた違ったのではないか。『とび森』ではそれに加えて、モデルルームで他人の持つ家具を注文できたので、他人の家を見に行くモチベーションに大きく貢献していた。

 そう、他人のキャンプ場を見に行くモチベーションがないのも大問題だ。特に他人のキャンピングカー内部は見に行く理由が何もない。したがって俺の車も誰も見に来ることはない。誰も見に来ない場所にリソースをつっこむのは無駄なので、ローン完済の実績を解除してからは車にはまったく手をつけていない。
 さらに言えば『とび森』では「今日はもうやることがないから、誰かの家でも見に行くか」というヒマがあったわけだけど、この3時間サイクルでは、スキマ時間で少しずつプレイする人は「もうやることがない」という状況が永遠に来ない。

 誰も見に来ないなら別に家具を増やす必要もない。というか、無駄に家具を作っていると、オブジェを建てるための素材が無くなる。どうぶつの勧誘に必要な家具だけつくっていても無くなる。オブジェは完成まで時間がかかるうえ、どうぶつたちの好感度上限を上げるのに必須なので、一刻も早くこれに手をつけ始めないと好感度が溢れてしまう。というかすでに溢れている。これを一通り完成させないと、おちおち家具で遊ぶこともできやしない。

ドラムセットとライト
光と音のステージを楽しむどうぶつたち
 いくらSNSとの接続が容易なスマートフォンアプリとはいえ、キャンプ場、特にキャンピングカーへの導線が弱い現状では「お気に入りの家具を集めてキミだけの最強キャンプ場をつくろう!」という動機はなかなか湧いてこない。『とび森』、特に『ハッピーホームデザイナー』をそういう動機でプレイしていた俺はコンセプトから外れてしまったなという感じがする。

 いろいろ不満点を書き連ねてきたけれど、これは現段階での不満であり、今やゲームはアップデートで大きく姿を変えることができる時代である。QRコードによるマイデザインの実装(解像度がネックか?)や、ARコンテンツなど、遊べる仕掛けはまだまだあると思う。なによりカモミが実装されたら確実に神ゲーになるので早くどうぶつ追加のアプデを下さい。
 
■2017-09-13
シャニライについての雑感
 突然だがリリース直後からスマホン向けリズムゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』通称シャニライをプレイしている。

Shining Live
開始14日目
 何を言っているのかわからねーと思うが俺も何をやってるのかわからねー……だが聡明な読者諸兄におかれましては、俺が以前この乙女ゲーおよびアニメについて言及していたことを覚えている方もおられよう。なぜか俺は原作に触れる前からこの作品の楽曲を次々とカラオケのレパートリーに加えており、キャラソンまでガッチリ頭に入っているのである。どんどん高音域と超絶技巧を要求してくる昨今の男性シンガーと比べて、男性声優ソングはたいへん歌いやすい音域で、かつCメロとか全然なくて覚えやすいため最高なのだ。

 そういうわけで「うたプリの曲で遊べる音ゲーがあるんだってェー!?」と色めき立ってダウンロードしたのである。もともとこれがPSPでどんなジャンルのゲームとして発売されたかはあえて忘却した。バンドブラザーズでも思ったけど、譜面がスクロールしてくるのではなく判定ラインが移動するシステムの音ゲーでは、当然のように「改行」の瞬間が来る。改行ごとに視線の位置が大きく動くためたいへんな負荷があり、そのたびにビートマニア特許を死蔵させたKONMAIへの呪詛が発生する仕組みだった。だからPSP原作のことは忘れた。


 話が意図的にずれたので戻す。シャニライは『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』のシステムをほぼ継承したタッチ式の音ゲーである。すなわち譜面は画面上中央から放射状に降ってくるタイプなので上記の問題はない。とはいえスクフェスをプレイしたことがないのでそれ以上のことは何も言えない。基本プレイ無料なので自分の目で確かみてみろ!

 音ゲーではあるものの、初期状態ではたとえフルコンボだドンってしても大したスコアは出ない。キャラクターを育てる必要がある。レア度の高いキャラを並べればようやくスコアが出るようになる。このへんはシアトリズムFFでもう完全に慣れた。あっちはキャラが育ってないとフルコンボでもクリア扱いにならないモードすらあるので、一応クリアさせてくれるぶん優しい。これをさらに尖鋭化するとパタポンになる。言われてみればパタポンはソシャゲ向きだなおい。

 そういうわけで、スコアを出したいなら強化上限の高いキャラを獲得するのが肝心になる。そして最近のソシャゲの例にもれず、最初にレア度URのキャラクターを一人選べる。まったく深く考えずに蘭丸先輩にした。
 しかし、たとえ最初のカードが選べるようになっても、人類は「そのつぎの11連ガチャでURが出るまでリセマラ」とか言い始めるので愚かというほかない。ガチャという集金手段そのものはいまやたいして悪い文明だとは思わないが、ガチャを搭載することで必然的に付随してくるリセマラはもう完全に最低最悪の文明と言えるし滅ぼすしかない。リセマラしなけりゃいいという問題ではない。あの「時間を人質にして妥協を引き出す」という原理の存在そのものが悪なのだ。もはやこんな文明は一度焼き尽くして石器時代に戻すほかない。


 話が意図的にずれたので戻す。こうして俺と蘭丸先輩の共同生活が始まった。音ゲー部分にはすぐ慣れた。多少スライドで取りこぼすことがあるがタッチの感度自体は良い。スタミナを消費して曲をプレイし、クリアできればプレイヤーランクの経験値が溜まり、ストーリーが進み、新しい曲が解禁される仕組みだ。キャラが育っていないのでスコアは出ないが、前述のとおりクリアにスコアは無関係なので、一定以上のBADを出さなければクリアはできる。つまり「まず全曲解禁する」というモチベーションでプレイしはじめた俺にとっては、ガチャの引力はかなり少ないと言える。ご祝儀課金したいところだが課金対象がない状態だ。

 不満点を挙げるならまずホーム画面表示のローディング時間がエグいことだ。曲選択画面とキャラ強化画面など、頻繁にホームを経由して移動する必要があるのでストレスを感じる。Live2Dの技術で動かしてるとおぼしき蘭丸先輩のデータを読みにいくのに手間取っているのだろうか。なんなら蘭丸先輩は別室にいて声だけ聞こえるとかでもいい。そのほうが何か共同生活してる感ない? ないか。ワイフがスクフェスもインストールして検証したけど、あっちのホーム画面は超サクサクだった。ほんとなんとかして欲しい。
 あとキャラ強化では固有スキルを強化できるんだけど、肝心のスキルが何なのかを見るためにはまた別の画面に移る必要がある。つまり、たとえば「BADをN回GREATにする」のスキル持ちを強化したい場合、キャラ一覧画面で一人ずつスキルを確認して覚えた上で強化画面に移らないといけない。これは完全にUIの敗北と言えるので改善を期待したい。
 曲を解禁するために読むストーリーは率直に言って虚無だが、それは俺が招かれざる客なだけなのでこの点に関しては文句は言うまい。だが3話にわけるくらいならチケット3枚消費にして一気に読むくらいはさせてくれてもよいのでは。


 ようやく最高難易度のPRO譜面にも手が届くようになって、曲も徐々に揃って楽しくなってきた。ただうっかりAndroidのタスクマネージャー画面にタスクが残っていて、朝の通勤電車の中でポケモンGoを終了しようとしてうっかりそれに触れてしまい起動してしまうという事故が起こるので怖い。とっさに音量をゼロにしたから良かったものの、あやうく電車内で「愛の奇跡~を♪あ・げ・る♪S……好きだよ……T……好きです……」とかいうデンジャラスでアチチな状況となるところでありマジで胸がバキュンした。現場からは以上です。
 
■2017-08-26
36歳になるということ
 36歳になる、ということについて調べてみた。
 35歳のときに「35歳のキャラクター」についていろいろ調べたけれど、もはや36ともなるとモデルとすべきキャラクターがほぼオッサンとなるのではないか。


 まず、昨年触れたとおり、『紅の豚』ことポルコ・ロッソさんが36歳のようだ。アニメ主人公で36歳というのはもうそれだけで希有な例だろう。糸井重里をして「カッコイイとは、こういうことさ。」と言わしめる豚だからこそ可能なことである。ちょっとこれを目標とするのは厳しすぎるように思う。もはや尻の毛まで抜かれて鼻血も出ねえ。いきなりハードルが上がりすぎた。

 頼みの綱の『ジョジョ』では第五部のジャン=ピエール・ポルナレフが36歳と書かれている。しかもポルポル君はそのまま亀の中で幽霊化したので現在も36歳と思われる。スタンドの力があるとはいえ、わざわざ車椅子でコロッセオの上階へ登るそのバイタリティは見習いたい。「スカートをまくるようにゆっくり動くんだ」とか「オレは上!きさまは下だ!!」みたいないやらしい語彙も見習っていきたい。

 あと『鋼の錬金術師』の師匠ことイズミ・カーティスが連載終了時点で36歳だそうだ。やっぱ少年誌で36歳っつーと親とか師匠とかになるよな……。でも師匠としてエルリック兄弟を鍛えていたころはもっと若かったわけで見事なカリスマ性といえる。しかしこのひと「通りすがりの主婦だ」って言ってたけど、旦那さん肉屋じゃなかったっけ。自営業の場合は「主婦」って感覚あるのかな?

 ゲームでは『バイオハザード6』時点でのレオン・S・ケネディが36歳だ。27歳で大統領の娘を救助し、36歳で大統領直轄のエージェントになってんだからさすがスコット君やで。しかしこの人、36歳にしては愛用のハンドガンに「ウィングシューター」って名づけたりマグナムに「ライトニングホーク」って名づけたり、公式で中二病を発症している可能性がある。もうただのイケメンとしては通用しない年齢になってしまったが大丈夫かレオン様。

 主人公の親ネタとしては『落第忍者乱太郎』の乱太郎のかあちゃんが36歳の設定のようだ。数え年かどうかはこのさい気にしない。しかし乱太郎が10歳なので26歳で出産していることになる。戦国時代であることを考えると遅すぎないか。キュアブロッサムさん(14歳)の母親(36歳)より遅い。しかも元くのいちのかあちゃんが26歳で初産なんてことがあるだろうか。そこには壮絶な人生があったのではないだろうか。

 原作の設定がガバガバなので確証はないが、アニメ版『おそ松くん』のイヤミが36歳設定らしい。一人称がミーの人でいちばん有名な人だ。たぶん二番目に有名なのはニャンちゅうだに゛ゃあん! お゛お゛ん(激似)。ここまでのキャラクターと比べればイヤミくらいならなんとかなりそうな気がするが、彼には「シェー」という全お茶の間必笑のアルティメット一発ギャグを産み出しており芸人としては偉業といえよう。

 あとは国民的漫画『ドラえもん』の、のび太のパパことのび助がてんとう虫コミックス2巻の段階で36歳だそうだ。……のび太のパパって普段なにやってんだ……? 調べてみると商社勤務とのことだが、スーツ来て出社してるイメージが全くないな。なんか甚平みたいな和服を着てゴルフクラブの手入れしてるとこしか思い出せない。さらにママが常に家計簿の赤字に悩んでいる印象が重なり、ほんと何やってんだという感が強い。ヤバイだろ家計簿が毎月赤字とかどんなただれた家庭だよ。だいたい3人家族にしては家が広すぎるんだよ書斎なんか構えやがって。もっとスリムな生活をしろ。


 なんか36歳としてうまくやっていけそうな気になってきました。ガンバロ!
 
■2017-07-30
勇者の家族の戦いのおはなし
 どうやら友人の1歳9か月の息子が、母親のマウスを奪って弊サイトを見ているとのことだったので、この最年少の読者のためのコンテンツを作りました。
絵文字でドラクエ5
http://one.cside.to/flat/docs/dq5emoji.html
 ドラクエ11も出たことですし、ここらで伝説の勇者の家族の戦いを読み聞かせるのもいいんじゃあないですかね。
 
■2017-07-29
ぬりたく~るテンタクル
 Splatoon2がやってきて、またしても一日一時間イカをする生活が戻ってきた。

 前作のシオカラーズから、ハイカラニュース担当はテンタクルズ(Youtube)へと変わった。身長、肌の色、人種の差などかなり世界展開を意識したデザインだ。

 しかしどうも腑に落ちないことがある。
 イカ世界のプロデューサーが、これから売り出そうっていうオシャレ系のアイドルユニットに「テンタクルズ」と命名するだろうか?
 あいつらにとって触手といったら髪型じゃないか。「ヘアスタイルズ」ってどう考えてもインディーズおもしろスリーピーズバンドの名前だろ。

 「シオカラーズ」はまあシオカラ地方出身ってことで、チームしゃちほこみたいな感じで売り出したんだろう。ワカル。でもテンタクルズはわからない。だがまあニュースの最後のキメポーズの前にイイダさんのターンテーブルがヌルーって退場するのが面白いから全て許そう。
 
■2017-07-16
Switch On!
 スプラトゥーン2前夜祭のさらに前夜、任天堂からニンテンドースイッチ発送のメールが届いた。
 これでは前夜祭には間に合わないと判断し完全に諦めていたが、寝て起きてクロネコさんの履歴をチェックしたらすでに最寄りのセンターまで来ていて思わずドゲザした。すみません日本の物流ナメてました。
ルナ!トリガー!
さあ転売屋の罪を数えろ
 というわけでニンテンドースイッチ着弾ーッ!
 事実上ニン・ゴジラ討伐ドロップ品として知られる黄色Joy-Con組み合わせだ!
 これでハイカラスクエア移住の準備が整った!

 感想としてはやっぱり思っていたのより小さい。
 Joy-Conはオモチャめいた小ささなうえカラフルで、娘氏がいたく気に入ったようだったので、本体をベットベトにしないように何か策を講じなければなるまい。ソフトを喰われないようDL版にしても本体を喰われたら意味がない。

 そしてその小ささゆえの省スペースが地味にありがたい。WiiUをしまわずに済む。WiiUというプロダクトは最高に嫌いだったが、あのゲームパッドは頻繁にTVリモコンが消える我が家においてはたいへんありがたい代替機だった。またHuluやアマゾンビデオを再生するのにも便利だ。
 Switchはいまのところこういう便利さがないので、前夜祭が終わったらイカ発売まで完全に置物になる。はやくゲーム以外の機能も充実して欲しい。せめてバーチャルコンソールがどうなっているかだけでも教えて欲しい。ミニSFCなんて作ってる場合じゃねえぞ。携帯できるSwitchにWiiU並みのSFCバーチャルコンソールが来ればもう何もいらねーじゃあねえか。

 とはいえあまり携帯して持ち出すようなものでもないかな……でもWiiもWiiUもテレビから外して実家に持っていくだけでもクソ面倒だったので、それが劇的に改善されたのは嬉しい。あ、地味に「据え置き機なのにブレーカー落ちに強い」というのは強みだな。モデムが止まるからイカには関係ないけれど。


 小一時間スプラトゥーン2前夜祭をプレイして、このゲームには何も心配いらない、と確信して、また本体だけ箱に戻す俺であった。
 
■2017-07-11
俺とニンゴジラの戦いの記録
 6月初頭、俺はカレンダーの6/16に印をつけ、「このへんからSwitchを意識していく」と書き込んだ。品薄解消の見込みのないニンテンドースイッチ本体との戦いの始まりである。

 正確には5月下旬のマリオカート需要が一段落したあたりで開戦する予定であった。しかし、5/18の「Splatoon2セット」の発表によりマイニンテンドーストアは完全にニン・ゴジラに破壊され、「○○日以降、注文再開予定」の文字が消滅したため、入荷の情報がまったく途絶えてしまったのであった。

 徐々に危険な状況に追いつめられていることは承知していたが、6/16の「ARMS」発売に合わせて黄色のJoy-Conが組み合わせに追加されると踏んで、そのときの本体の補充に期待をかけたのである。
 マイニンテンドーストアは一度買い物をしないとクレジットカードの情報を記憶してくれない。やむをえず本体より先にイカのDL版を購入し、つねにログイン状態をキープしておくことにした。
 
 それからマイニンテンドーストアのトップページを1日3回確認する生活が始まった。しかしストアはずっと「準備が整い次第注文再開予定」の表示のまま息をしていなかった。16日には予定通り、黄色のJoy-Conが組み合わせに追加された。しかし追加されただけだった。本当に大丈夫なのか。

 そんなふざけた状態のまま2週間がすぎ、7/6のスプラトゥーン2Directを迎えた。俺は以前より冷めた眼でそれを見ていた。発売まで2週間となってもまだ本体が手に入る見込みがない状態では、公開されるイカの新情報にはあまり熱意を持って接することができなかった。
 
 実際その日は恐ろしい情報が公開された。チュートリアルがプレイできる体験版相当のものがダウンロード可能となり、発売1週間前の15日に先行フェスと称してバトルが行われるとのこと。俺は背筋が凍った。
 リアルタイム性はイカの魅力の1つであり、発売前イベントとはいえこれを体験する機会を逃すのは損失。つまりこの時点で2週間あった猶予が1週間に半減した形になる。
 ……それにしてもまさかソフト同梱版を予約させておいて、それを予約した人の参加できないイベントを開催してくるとは……。

 こうしている間にもハイカラスクエアに出入りしているイカがいる。この日それを危機感として背負ったSwitch難民は俺だけではないだろう。ライバルは何万人いる? 息をしていないマイニンテンドーストアに命を預けたままで大丈夫なのか? そんなハズはない。

 俺は調べものを始めた。そして死んでいたと思っていたストアが「準備が整い次第注文再開予定」の表示の裏で何回か本体を吐き出していたことをつきとめた。騙しやがったな……俺はチェックするURLを注文ページに切り替え、PCとスマホンの両面から一日中監視することにした。

 土曜には物理店舗に電話攻勢をかけた。その結果、トイザらスに入荷があって完売したという情報と、クルマで一時間かかるヨーカドーに1個残っているという情報を得た。家電量販店はまるで役に立たなかった。だがとりあえず、週末になれば物理店舗に入荷がある、ということは良いニュースだった。来週末が近づいたらまた入荷予定を聞きまくればよい。

 ふとゲームボーイを買ってもらったときのことを思い出した。あのときも品薄が続き、インターネットもない時代にゲームショップ(あのころはゲームショップがあったのだ)を渡り歩き、商店街の小さなおもちゃ屋さんでようやく購入できたのだった。あのころのハングリー精神を思い出さなければならない。

 日曜、月曜とひたすら各種ネットストアの在庫を確認した。もちろんその間もマイニン監視は欠かさなかった。45000円や48000円といった中古価格を見慣れすぎて、マイニンテンドーストアの「32378円」を見るたびに「安すぎだろ……こんな安いからみんな殺到して買えないじゃないか……」と錯覚した。

 主に2chとtwitterの動向を見ていたが、得られる情報はデマや妄想が多かった。特にtwitterで情報を追っていると「ニンテンドーストアにニンゴジラが出た」→「ニンゴジラが○○分くらいに出たらしい」→「スイッチ再販していた」→「見逃したわ転売屋氏ね」という見事なデマの発生を観察できた。しかるべきところがしかるべき情報を発信しないとデマの温床となるのだということがよくわかった。

 更新監視ツールも使ったが、対して役に立たなかった。そもそも「在庫あり」の状態を知らないのだから、どのように更新を監視すればいいのかわからない。結局頻繁にスカを掴むだけさった。
 やむなくマイニンテンドーストアに対象を絞った。マイニン監視の間隔は次第に短くなり、電車内や昼休みではもう1分あけずにリロードしていた。

 その甲斐あって、ようやく火曜のお昼休みが終わるころに、マイニンテンドーストアの在庫補充に立ち会えた。俺は何度も予行練習した動きでJoy-Conの色を定め、同じく在庫復活したProコンをタップし、カートに叩き込んだ。住所もクレカも登録済みだったが、事前に2chで「ログインパスワードとクレカセキュリティコードの入力がある」と聞いていたので油断なくそれらを入力し、鯖落ちに巻き込まれる前に購入ボタンを押すことができた。
 到着はフェス当日になるか翌日になるかわからない。だがもういい。手に入ったという事実だけで十分余裕を持ってイカ情報に触れられる。


 こうして俺の戦いは終わった。
 正直こんな苦労をするくらいなら、だれかを成功報酬1万円くらいで雇って代わりにチェックしてもらったほうがマシなのでは? と何度も思ったが、それって要するに「転売屋」とかいう人のことですよね?
 
■2017-06-22
ゾゾという町について
 ZOZOTOWNで6時10分50秒ちょうどに注文を確定すると、荷物の代わりにかいてんのこぎりが届くという都市伝説……。我々はその真偽を確かめるためスタートトゥデイ本社に向かった!

 ……という話ではない。ファイナルファンタジー6のゾゾの町のことを考えていた。あのスラム街には不思議な魅力がある。謎の高層アパートや胡乱な住人、降り止まない雨、町と見せかけて実質ダンジョンである点など、あの世界の中でも異質な存在感を放っているのは間違いない。


 それにしてもこのゾゾという町、成り立ちを想像すると謎が多い。
 まずあの高層アパート。FF6の世界でこれほど高い建物がある町はない。各地の城よりも圧倒的に高い。そしてそれがあの山の中にそびえている。すぐ裏がゾゾ山なのでかなりの山間地と予想される。周囲の景観からかなり浮いているといっていいだろう。

 そしてそれがスラム街になっているということ。スラムというのは普通は、急速な都市化と人口集中によって、大都会の周辺に人口が溢れて形成されるものなのではないだろうか。なぜ山奥にスラム街が単体で出現するのか。設定上は「貴族の町ジドールからあぶれた貧民の暮らすスラム」ということだったが、それならSaGa2のビーナスの大都会のように、都市のそばにあばら家を建てていくのが自然だろうし、なにより都市部より高い建物の建つスラムというのは想像しづらい。


 そういえば話に聞いたことがある。南アフリカ共和国のヨハネスブルグにはポンテシティアパート(ポンテタワー)という高層ビルのスラムがあるらしい。もともとは高級マンションとして建設されたものの、アパルトヘイト終了後に犯罪集団が侵入し治安が悪化。元々住んでいた白人富裕層は退去し、そのままガラの悪い集団に占拠されて無法地帯と化した、というものだ。

 ゾゾはまさにこれだったのではないか。最初はジドールの富裕層が、自分たちを貧民層から隔離するためのゲーテッドコミュニティとして建設したのではないか。それがどこかのタイミングで貧民たちに乗っ取られ、でも隔離は成功したのでそのうち現在の形におちついてしまった、という流れであればいろいろ納得がいく。特にジドールの富裕層は、高い場所に屋敷を構えているほうが偉い、みたいな価値観があったはずなので、財を投じて山間地に高層ビルを建ててしまう可能性はある。


 確かなことは何も言えない。ただスラム・シャッフルが名曲だということだけは確かだ……私からは以上です。
 
■2017-05-01
セーブもしますか?
 あまりにもアウトドア適性が無さすぎて、ワイフに「テント買った」と言われて「セーブポイントもないのに!?」としか返せなかった。


 そのあと当然「コテージは!?」って聞いたわけだけど、テントの上位種がコテージって、初代ファイナルファンタジーのスタッフは何の薬物をキメてたんだろうか。気になったので調べてみたら、TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に魔法のコテージが登場していたのがそもそもの元ネタという情報を得た。それで最近のFFでは登場していないのか。FF15で高速で丸太を組み上げて荒野にコテージを建てるイケメンたちを見てみたかった。

 しかしいろいろ調べてみると、ねぶくろもテントも登場していないのにコテージだけ堂々と存在するSaGa2の異常さがあらためて理解できよう。文脈なしでこういうものをブチこんでくるのがSaGaの魅力なのだ。
 当時コテージというものを知らない俺に「コテージは もっていったほうがいい やどやと おなじこうかだよ」と親切丁寧に謎の知識を吹き込んでくれたSaGa2の功績は忘れない。


 あ、買った小型テントについては今後、娘氏の運動会などのイベントに持ち出される予定であり、セーブやHP回復の用途には使われないようです。
 
■2017-04-15
あみぐるみでっていう
 ワイフがWii Uの『ヨッシーウールワールド』を買ってきた。
 買って初めて気付いたんだが、これは『アイランド』や『ストーリー』と違って二人同時プレイができる。なのでさっそく我々はこれを今年初の夫婦めおとゲーとしてプレイしはじめた。


 もはや横スクロールのジャンプアクションは事実上任天堂しか作ってないのではないかと思われる昨今、さすがのノウハウの蓄積を感じさせる作りである。「水面にヒップドロップすると深く潜れる」ということを気付かせるために、その上にヒップドロップで倒す敵を配置してあったりするオモテナシの心。

 手芸品の世界になったことでタマゴが毛糸玉になったのも良い。ていうか「産んだタマゴを投げまくる」っていう初代の設定はいったい何をキメたら思い付くんだよ。狂気でしょ。(まあブロックを叩くとキノコが生えてきて、しかもそのキノコが右に滑り始めるっていうゲームもよっぽど狂気だと思いますけど。)その点今作では敵も味方もウール製なのでほどいて毛糸玉にするのは理にかなっている。


 しかしまあ協力プレイが対戦と化すのはファミコン時代からのお約束。飲み込みに当たり判定があるのでたびたび誤爆して毛糸玉にされるし、なにより毛玉投げでのフレンドリーファイアが頻発する。これが大変腹筋によろしくない。フレンドリーファイアしたとき「バシッ」ってバラエティー番組とかでツッコミがどついたときみたいな音がするのが笑える。俺の投げる毛玉がたびたびマトを外してワイフの方へ飛んでいくので笑える。あの手この手で跳弾してワイフの方へ飛んでいくのでほんと笑える。緊迫した狙撃シーンであればあるほど笑える。

ウールワールド
 こういう状況でなめらかに手が滑ってワイフを撃つのが俺のクオリティ。いやホント真面目にマトを狙ってるんだけどね……。