Oneside Flat Web

◆ワンサイドフラットウェブ◆

~  ふなっしーのルフラン  ~

■2024-12-12
ギター・シティ・ブルース
 アコースティックギターを始めてまもなく半年となる。

 夏に書いたとおり、「始めた」とはいえ、誰かに師事したわけでもなければ、プロの用意したカリキュラムに従ったわけでもない。ただ漫然と、ギターが触れる環境にあったから独学で触ってきただけであり、ギター歴半年と呼ぶことすらおこがましい状態であると言える。

 そんな俺が、差し出がましく「ギターはいいぞ」ということを、楽器を所持していないお前たちに伝えていく。これはそんなエントリである。ここまで月報でお伝えしてきたことと多少の重なりがあるうえ、相変わらず動画はないが、特に気にせずに行く。


 教えてやる! ギターは簡単だ!! と言うやつはあまりいない。
 なんであれ、楽器を修めるのにはそれ相応の訓練が必須だからだ。

 だが……たとえばの話だ。
 もしもピアノが弾けたなら、思いの全てを歌にして、誰かに伝えることだろう。
 だけどお前にはピアノがない。伝える言葉が残される。
 アアアーアアー、アアアアー、残される。

 ではピアノがあったとして、そして目的の曲の楽譜もあったとして、じゃあ練習するかっていうとなかなか道のりが長い。
 この際だ、メロディは自分で歌えばいいだろう。どうしても必要なのは伴奏である。
 で、ピアノで、コードをそのまま弾くだけの伴奏をしようっていうと、必要な情報がこれだ。
G-D-Em-C
 まず最初の和音が「ソ・シ・レ」であることを読み取り、次にその音を鍵盤上から探し、叩く。以降繰り返し。

 一方、同じコード(GDEmC)を、ギターで弾こうとすると、必要な情報はこれだ。
G-D-Em-C
 これはもう指定された位置を指で押さえて弦を弾けば良い。当然「こんなん押せるか!」っていうコードが出てくることも多々あるが……。
 この情報の二次元的圧縮効果が伝わるだろうか。ノーツが落ちてくるレーンと手元のボタンの位置を対応させる訓練が必要なbeatmaniaと、手元のボタンそのものが光るjubeatの違いだ。ふっかつのじゅもんを覚えるのは大変だけどロックマン2のパスワードなら行ける。そういうことだ。
 この結果、「楽譜をチラ見しながら弾く」という実力に達するまでのハードルが、他の楽器に比べて低い。これが、さらなる訓練のためのモチベーションを生み出す。

 ただし、ここに「肉声で歌うのは苦手だから……」とメロディも入れてインスト曲として完成させようとすると、ソロギター用のTAB譜を読まないといけなくなるので、難易度は上がる。ちゃんと弾こうと思ったらピアノもギターもバイオリンもディジュリドゥも長い習練が必要なのが真理である。


 なので、ギターは簡単だ!!とは言えないが、ギターで一瞬なんか弾けてるふうを装うのは簡単だ!!と言うことはできると思う。ゆっくりマイナーコードを弾いているだけでもなんか弾けてるオーラを出すことができる。ピアノだと高速で『ねこふんじゃった』を弾くくらいしか装う方法がないじゃん? なんで高速でねこふんじゃったを弾いてたんだろうね、あの頃の俺たちは。


 そして始めてみて良かったこととして、これまで聴いてきた全ての曲に対して、「では弾いたらどうなるか?」という視点が追加されるということが挙げられる。
 従来の「聴く」「カラオケで歌う」の2つの鑑賞軸に「弾く」が加わり、40年ぶんの曲の全てが新たにプレイアブル楽曲として立ちあがってくるのである。

PIPI
ピュイ?(43歳なのに40年前の曲に詳しいのはおかしくない?)
 ええい今はそんな話はどうだっていいんだ。でもこれは40代になって始めたことの大きな利点だと思っていて、今楽器を10代で始めようとすると、ボカロP上がりの作曲家が作った、人間が演奏し歌うことを想定していない超絶技巧曲を、なぜか歌える超絶技巧歌手の曲が世の中に溢れている。これは物理楽器をやる人にとっては厳しい環境なのではないか。


 話がそれた。これはギターに限ったことではないが、楽器を始めると、耳にするあらゆる曲に対して「弾く」という選択肢が生活に入り込む。弾けるかどうかはおいといて、コードを調べてみる、あるいはアプリを使って割り出す。
 そして、生活の中で耳にする、多くの人に聴かれるちょっとした曲というのは、けっこう単純なコード進行で作られていたりすることに気付く。
 こうして「弾いてどうする」という曲ばかりがレパートリーに加わってゆく。

[D]ポポーポポポポ ポポーポポポポ
[Bm]ポポポポポー ポポー ポポー
[G]ポポポポポー ポポポポポー
[A]ポポポポポーポー ポーポーポーポー

「呼び込み君」収録BGM chordwiki

PIPI
ポポーポポポ
 口笛を吹き鳴らせば、鳥はちょっとだけ歌ってくれる。今日も俺はギターを弾き続ける。鳥を肩に乗せて。

■ブロクリ Advent Calendar 2024!!

 blog界には12月になると、24日まで24個の記事を並べるアドベントカレンダーという儀式がありまして、俺もここ3年ほどmixiという秘境にこもって延々と記事を投稿する修行をしていたんですが、本来これって修行じゃなくて複数人でやるイベントなんですよ。
 それで、山奥で「アタ[Fm7]シハヒトリデヘイ[Gm]キナノ~♪」って歌いながら修行してたら、木本さんよりお誘いを受けまして、ブログクリーンアップ12日目の担当として参加した次第です。
ブログクリーンアップ Advent Calendar 2024
https://adventar.org/calendars/11114
 月報から溢れた下書きがふくらんだとこだったので、タイミングよく形にできて良かったです!
 
■2024-12-07
熾烈なる歯列矯正生活
 歯列矯正のためのワイヤー装着から3ヶ月が経過し、昨日2回目のワイヤー調整をしたため現在前歯と奥歯の全てが痛く、うめきながらこれを書いている。

 歯は順調に動いているとのことだが、いまいち実感はない。
 ここまで痛いのはワイヤーを調整した翌日だけ(なぜか当日ではない)で、あとは大して痛むことはないからだ。
 だがまあ、順調に動いているからこうして痛むのだろう。そう思うことにする。

 以前書いたことの繰り返しになるが、現在俺はワイヤー装着とあわせて犬歯にでかい歯を被せて高さを出し、犬歯以外の歯が噛み合わない状態で生活している。
 その状態で上下のワイヤーをエラスティックスとかいう小さな輪ゴムで繋ぐことより、引っ込んでいる歯を引っ張り出している……んだと思う。確か。
 なので、油断して前歯で何かを噛むと、だいぶ痛む。

 想定外だったのは「外で食べられるものがかなり制限される」ということだ。
 前歯がないと、おにぎりやサンドイッチ、ハンバーガーといった類のものは食べられない。
 逆に懸念していたハイチュウやミルキーといったものは全く問題ない。痛くて噛まないから歯に付きようがない。


 そして、先月より輪ゴムの位置が奥歯から前歯に移った。ワイヤーの輪ゴムを掛ける部分が超カッコいいんだけど、その写真をここに公開すると「歯の黄ばみ……」系クソ広告と同罪になるので、できない。カッコよさを知りたい人はマルチループアーチワイヤーで画像検索してくれ。
 ていうか歯の着色が進んだ気がする。大丈夫なのかこれ。

 それはともかく、輪ゴムが前歯のふちに掛かっていると、デカいものが食えない。奥歯のときより遥かに着脱しやすいので、食事のたびに外すことになる。
 それは逆に言えば、輪ゴムを外して「いただきます」という姿勢を整えなければ何も食えないということだ。たとえば残業中にはそんな悠長なことをしてはいられない。いままで仕事しながら食えたものをほぼ封じられ、inゼリーかカロリーメイトというコスパの悪いもので暮らすしかなくなった。
 働きながら食えるおやつは、鈴カステラか、エアリアルとかいうジェネリックとんがりコーンが主になった。これらは安価で量があり、口内で溶けるので食いカスがワイヤーの隙間に詰まることがない。

 朝食の問題は、ワイフがバナナを切らさず補給してくれることになり、これで出社分のカロリーをまかなっている。先生バナナは輪ゴムの間に入りますか? 入ります。ご安心だ。
 献立についてはあいかわらずワイフが悩むはめになっているが、箸で細かくできるものであれば問題なく食べられる。焼肉とかはきつい。スムージーつくる装置と、ポタージュつくる装置が大活躍してくれている。

 まもなく忘年会シーズンとなる。はたして居酒屋に俺の食えるものはあるのだろうか……。
 
■2024-11-30
月記NOVEMBER
 11月はだいたい毎年、残業からの帰宅就寝を繰り返すだけでいつの間にか終わってしまう。
 趣味の時間は最小限しか取れないので、ここに書かれるような細かな出来事は必然的に少なくなる。
 ところで「こまかな」の反対語として生まれたのが「おおまかな」らしいよ。意外と雑な日本語だったんだね。

 というわけで今月やったことや観たもの、遊んだものの記録だよ。


■ナデナデシテアゲルヨ!

 ピピチャンは一年半以上かかってようやく俺の「俺はこう見えてナデナデの上手さには定評があるぞ」という言葉を信じてくれたのか、今までケンカを売るだけだった俺の指に対して「撫で要求」をするようになった。
ピピチャン
[なでなさいのポーズ]
 一度ナデナデに成功したら、放鳥のたびに撫で要求をしてくる。だから言っただろッ俺は上手いってよォ~! 俺は歴代の猫たちに仕えてきたから頭の後ろを掻くことにかけては自信があるんだよなァ~!

■アコースティックギター

 クソザコ握力のためFを筆頭とするバレーコードが押さえられないが、別に5・6弦を無視して4本の弦だけで弾けば指4本あるしいいじゃん!という気持ちでやっている。
 その場合5・6弦はちゃんとミュートしないといけないんだけど、当然そこまでフォローが回らないので、ピックで弾くと触れちゃったときに大変な不協和音になる。なので指で弾いている。
 4弦を指で弾いていると「それはもうウクレレでよくないか???」という疑問が押し寄せてくる。5・6弦を無視すると音も高くなるので完全にウクレレになってしまう。

 しかしモノは考えようだ。ギターをウクレレのように弾くことはできるが、ウクレレをギターのように弾くことはできない。ギターにはウクレレのように弾く自由があるのだ。

■荒野に希望の灯をともす

 アフガニスタンで地域の人々のために用水路を作り続けた、ペシャワール会の中村医師のドキュメンタリーを観る機会があったので観た。
 そもそも中村さんは医師であり、医師として活動していたわけで、いくら「生活を良くしなければ病はなくならない」ということがわかったとしても、専門家を雇うでもなく、独学で指揮をとって用水路を掘り出すというのは想像を超えている。
 ドキュメンタリーによると、その少し前に、病弱であった10歳の子どもを亡くしているということで、「理不尽に一矢報いる」という決意が描かれていた。はたから見たらそれは狂気に見えただろう。それが地域を拓く偉業に続くのだからすごい。
 そして我々の住むこの町にも、かつて同様に、現代日本と比べればきわめて限られた装備で、用水を築いた偉人がいるということを忘れてはいけない。小学校のときに地域の社会科副読本もらったでしょ? 載っていたはずだ。思い出し、感謝しよう。

 ところでペシャワールはアフガニスタンでなくパキスタンの都市であるというのは地味に驚きの事実であった。

■PowerWash Simulator

 なんでか「いっせいトライアル」にPowerWash Simulatorが来たので思わずダウンロードしてしまった。風のウワサに聞いていたが、こいつはクルマや庭を掃除するだけではなく、無料DLCとしてFF7Rのミッドガルを掃除することができる。
 そして「いっせいトライアル」は体験版でなく、製品版そのものをプレイできてしまうので、DLCを入れることすら自在である。というわけで、チュートリアルステージだけやって、娘氏とミッドガルの掃除に来たってワケ……
#nintendoswitch
 神羅カンパニーに雇われて、クレイジーモーターサイクルやミッドガルのジオラマを掃除していると、これをめちゃめちゃに汚したり、あまつさえ爆破ミッションをしたりするアバランチとかいう環境テロリストが許せなくなってくる。俺たちが床に這いつくばって労働している間にも、あいつらは星の命がどうのこうのと騒いでいるのだ。お気楽な奴らめ!

 娘氏はだいぶ気に入ったみたいだけど、ゲームの内容があまりに修行めいているのでトライアル期間で満足してしまった。ジャイロがスプラトゥーン並に良く効いてくれたら最高だったんだけど……。
 しかしこのコラボDLC、3Dモデル制作した人にはすっごくありがたい企画なんじゃないの? 他社のタイトルも軽率にコラボしてドロッドロになるといいと思う。

■ニチアサ百景

 ニチアサはもう伝統芸能みたいな気持ちで観ているので、歌舞伎でいう大向こうを叫ぶべき瞬間というのが毎年ある。たとえば巨大な敵に踏み潰されたプリキュアがその足を全員で持ち上げた時などはみんな「よっ!日本一!」みたいなテンションになるでしょ? なるんですよ。
 仮面ライダーにおいてそれはまず「1号2号同時変身」で、最初は反目しあっていた二人が初めて横並びで同時に変身を行った場合、当然大向こうからは「よっ!ご両人!」という声がかかるんですよ。

 今年の仮面ライダーは1号が人間でなく、2号も改造人間であり、互いに自分の正体を隠して戦っていた。その情報のすれ違いもコメディパートで活用されていたので、同時変身はおそらく年末まで持ち越しになるだろうと思っていたが、年末商戦で盛り上がる直前のこの時期にこの展開を切ってきた。
 しかし互いに正体を明かしたとはいえ、「人間でない」という部分は伏せられたままだ。いちばんおいしいとこだけ残して関係性を一歩進める見事な脚本カラテであったと言えよう。なんで辛木田さんの家族写真見て頭痛を起こしたんだろうね……不穏すぎて怖いよ……。
 
■2024-11-25
ロマサガ2Rと、ゲームの解像度
 最終皇帝手羽崎一郎、七英雄との戦いにピリオドを打つ!
ロマサガ2  リベンジオブザセブン
 こうやってゲームの主人公に自分の名前をつけて楽しむやつ、「小学生だからできた」というよりは、「解像度の低いドット絵だからできた」というほうが正しいんだろうなという思いがある。
 なにしろこの手羽崎一郎とかいう皇帝、常にイケボでしゃべりルックスもイケメンだ。これを自分だと思って遊ぶのは無理がある。しかしそれでも最終皇帝手羽崎一郎は“俺”なので、即位後すぐに先帝コッペリアの遺骸を調べたのち、帝国大学に直行し蓄音機で「涙を拭いて」を聴きながら涙したという。
ロマサガ2  リベンジオブザセブン
涙を流す俺

 世間ではドラクエ3のリメイクも発売され盛り上がっているところだが、あちらはロマサガ2Rのような3DCGのキャラではなく、ドット絵を元にした2D-HDである。
 おそらくこれは、ドラクエ3がパーティメンバーの名前をつけて楽しむゲームであることを重視してのことだろう。自分の名前をつけないまでも、みんながフリーレンパーティやライオスパーティを作って遊んでいる様を見て、フルポリゴン・フルボイスのキャラではこうはいかなかっただろうと強く思った。

 それでも解像度が上がった結果、「勇者が民家のツボを漁るのはどうなんだ?」という疑問が持ち上がってくる。いや……これは解像度の低い時代から言われていたか。これについても作中で「忘れ物」とか「捨てた物」という言い訳が追加されているようで、まあ民家のモノを取ると住民と敵対してえらいことになるRPGとか普通にある時代なので大事なことなんだろうなと思った。
 
 一方ロマサガ2Rでは皇帝陛下がそのへんの民家の宝箱を平気で開けてお金を持って行く。
 
娘氏「人の物を取っている」
ぼく「違うんじゃ、これは帝国の領地だから略奪ではないんじゃ」
娘氏「悪政をしいている」
ぼく「違うんじゃ、バレンヌ帝国には税務署がないから、皇帝自ら所得隠しをしている国民から追徴課税をしているんじゃ」
娘氏「お金じゃなくて術酒とかのときもある」
ぼく「古代日本でも地方の特産品を都まで運んで納める税があったんじゃ、それを皇帝自ら回収しているんじゃ」
 
 解像度が上がるといろいろ大変である。なぜ王様ははした金で勇者を魔王討伐に送り出すのか。なぜ軍隊でなく4~5人で戦わないといけないのか。誰が宝箱を置いているのか。なぜ全滅するとお金が半分になるのか。なぜ僻地に城都会があるのか。どの緯度を進行しても等距離で世界一周できるのはなぜか。さまざまな答えが考えられるだろう。考察の種は尽きない。