Oneside Flat Web

◆ワンサイドフラットウェブ◆

~  3月のオンライン  ~

■2026-07-31
七月録メスィドール
 Win11のmicrosoft IMEの設定で、無変換キーをIMEオフ、変換キーをIMEオンに設定できると聞いて試してみたらものすごい快適で、30年に渡る全角半角ミスに思いを馳せている。
 ほんと最初からこのオプション付けてて欲しかったよ。わが国でこの30年で、全角半角ミスでどれだけのGDPが無駄になったと思っているんだ。これが失われた30年の正体だよ。

 ではいまさらQOLが上がったタイピング環境で、7月に遊んだもの、観たもの、読んだものの記録だよ。

■Unrailed 2

 一家でじわじわと列車を走らせ続け、ついにスタッフロールに到達した。
#nintendoswitch
我々一家
 中盤のアイランドICのタコが全く攻略できずに詰まっていたが、出現したら最優先で脚を全部破壊する(破壊できないとイッキに満潮になって詰む)ことを突き止めてナントカ越えられた。コイツだけ難易度がおかしい。
 あとワイヤークローが解禁されたことも大きい。これがあるとないとでは線路敷設係の効率が全然違う。カートリッジの追加で「前衛」「後衛」の概念が生まれたのが革新的だな。

■カルドセプト ビギンズ

 15章まで到達したけど、サイドストーリーの「八年戦争篇#1」が使用ブック固定のため苦しんでいる。
 とっとと自属性で5連鎖作って城まで走る戦法しか使ってこなかったから、強制的に足スペルの乏しいブックを持たされてダイス負けを繰り返しているのだ。侵略は計算がめんどくさいんだよな……。

■スプラトゥーン レイダース

 スタッフロールまで到達。ここまでの物量はヒーローモードの1.5倍くらいか。死ぬほど聞いたオタカラゲットジングルがラストバトルBGMになって泣く覚悟をしていたが、それより絵面がアホすぎて笑うほうが上回った。かっとばせー! す・り・み!
 俺に搭載されたワーキングメモリが致命的に少ないので、テクニカルタンクを使って、自動発動で勝手に火力をかさ増ししてくれるガジェットをメインに使っている。パワータンクは意外とそのタイプのガジェットが搭載できなくて苦しい。
 

■アンナチュラル

 米津玄師のLemonが『アンナチュラル』の主題歌であることは知っていたが、観たことがなかった。アマプラ対象になったので観た。そして聞いていたとおり、このドラマはLemonであった。
 法医学の知見を生かして遺体から事件の真相に迫るミステリー&サスペンスが軸なので、毎回不幸にも亡くなってしまった人が出てくる。そしてその関係者が「夢ならばどれほどよかったでしょう」って思ってるときに毎回米津玄師が「夢[Em]ならばど[D]れほどよ[C]かったでしょ[G]う(ウェッ)」って重ねてくる。Lemonすぎる。稀に引っかけで「夢でよかった~~」って思ってる人に対して重ねてくることもある。バリエーションが豊かだ。
 その他、「言えずに隠してた昏い過去」も1話から豊富に取り揃えているし、「今でもあなたは私の光」って思ってる人も、「悲しみさえ苦しみさえ全てを愛してた」人も出てくる。全編を通して濃いLemon原液が流れている。主題歌として書き下ろされたにしてもここまで全てがあるのはすごい。
 そしてそのLemonが中堂系という男のためにあることを堂々と歌い上げる、9話のLemonが最良である。そこに直接繋がる7話のLemonも良い。観てない人はとりあえず1話を観てみて、その情報量の多さを体感してほしい。

■天幕のジャードゥーガル

 『ダンピアのおいしい冒険』で知ったトマトスープ先生の作品が……アニメ化!?
 凄すぎる。だってめちゃめちゃ手間とお金がかかるでしょこれ。原作の段階ですげえ量の参考資料を元に作られてるのに、アニメにしたらペルシャやモンゴルの背景美術を歴史考証する必要があるじゃん。特にイスラーム文化は雑に描写するとすごい怒られるじゃん。正直これがEテレ以外の資本で実現したことに動揺している。
 珍しい時代設定なので新鮮な知識が得られる。俺たちがオゴタイ・ハンで習ったやつは今はオゴデイ・カアンって言うんだね。そもそもカンとカアンって違うんだあ……。
 悲惨な最期をとげる歴史人物を主人公にする場合、どうやって終わらせるかが最重要だと思うので、どこまでアニメ化していくのか見守りたい。

■サイレントヒル:リベレーション

 2013年のサイレントヒル映画。2006年のサイレントヒル映画の直接の続編であり、『SILENT HILL 3』をベースとした話が展開される。
 ここで注意が必要なのが、ゲームの『SH3』は『SH1』の後日談であるが、2006年の映画は『SH1』とは展開が異なることである。(『SH3』ではハリーは『SH1』の主人公として登場するが、2006年の映画の主人公は妻のローズのほうだった。)原作ゲームの記憶と前作映画の記憶があいまいになっているところにこの差異はデカい。
 しかし三角頭さん、とりあえずサイレントヒルなので出したいですよね~~って感じで出てくるので、コイツを生み出した『SH2』のジェイムスさんの罪悪感がなんか可哀そうになってくる。最近公開された『SH2』の映画があんまり評判よくないの、惜しいですね……。

■映画『Michael/マイケル』

 『Michael』については後日アマプラしたところで意味がなく、観るなら映画館で観るべきだと思っていたので、公開終了するまえに観に行けてよかった。
 ボーカルとダンスとルックスが全てカンストしているスタアが現れたら地球はどうなる? ということが余すところなく表現されており、直撃世代でない俺も大満足だった。

 劇場でおなじみの音楽がハイクオリティで来ると泣くという宿命を背負った俺だが、今回はキリ泣かずに劇場を出ることができた。
 途中、「Thrillerが……Thrillerが来るぞ……」という確定演出があり、そこで例のイントロがデデー! デーデーデー! って来たら泣くゥッ!!っていうところまで追い詰められたんだけど、来たのはイントロではなかったのでギリギリ耐えたのであった。俺の勝ちだ!

 素晴らしい伝記映画ではあったが、ジャクソン家の骨肉の争いの時代にマイケルジャクソンを知った世代としては、手放しで喜んで良いのかというひっかかりがある。
 特にジャネット・ジャクソンが参画していないというのが気になる。全てのわだかまりが解決して「マイケル2ではさらに多くのジャクソンが登場」→「ジャネット・ジャクソン参戦!!」の流れになったらいいのにね。

■HUNTER×HUNTER

 ジャンプ+でH×Hの無料公開キャンペーンがあったため飛びついた。ジャンプラ、普通の無料週刊連載だけ追ってる人にはこういうお祭りの情報が入ってこないので困る。

 リアルタイムでは、キメラアント編の王宮突入からの休載で連載を追わなくなり、そこから先が飛び飛びになっていたので、まとめて再読できて本当によかった。339話でこんなにキレイに第一部完!してたんだなこの作品。
 一気読みすると、「このお話を週刊でやるのは無理だ」という納得が得られる。めちゃくちゃ多い登場人物が、全員異なる思惑で動いた結果としての物語があるのだ。脳内にGPUがあって全員の人格をシミュレートしてんのか?

■ニチアサ百景

 プリキュアではついにキュアエクレールが登場し、これでアルカナシャドウも正式加入! と思ったら、アルカナシャドウは「友人をキュアエクレールにしないために怪盗側につき、変身アイテムの破壊を狙っていた」という事実が明かされて敵対を継続する流れになった。そんな暁美ほむらみたいなことをやる奴がプリキュアに現れたことが前代未聞すぎる。
 エクレールはこのまま変身を続けたら恐怖の大王になってしまう……? 平成ライダーでいうところのジオウとゲイツの関係か? やはりアルカナシャドウは2号ライダーの素質がある。逆に全ての2号ライダーにマシュタンがついていれば良かった。

 ところで、現行の2号ライダーであるノクス君は本当に珍しいやつで、この最終盤になっても全然1号と絡まない。変身しない回も多い。
 どっちかというとレギュラーライダーではなく「ときどき味方してくれる怪人枠」と捉えたほうがしっくりくる。そんな枠があることを初めて意識したが。
 『ゼッツ』は久しぶりに孤独なライダーで、この物語がどう閉じるのか予想ができない。

 Project R.E.D.では『ギャバン』が終わり『角醒オメガホーン』が始まった。オメガホーンとはまさかメガホンを丁寧に言った言葉だったとは……気付かなかった……。
 ギャバンは「デスギャバン編、完!」という一区切りがそのまま最終回になったような終わり方をした。物語が4クールから2クールになるのであればレギュラーキャラも半分にしないと掘り下げが不足するのではないかという気持ちがある。でも恒例コスプレ回もあったし、入れ替わり回もあったし、少なくとも弩城怜慈がどんな奴かは十分に伝わったので、思惑通りなのだろう。
 そしてオメガホーンも登場人物が多い。でもこれ、ひょっとして「変身」するのって一人だけだったりするのかな(すでにギャバンが顔を覗かせているが!?)。いよいよ「戦隊ではできなかったこと」を全力でぶつけられるターンがやってきた。楽しみに待ちたい。
 
■2026-07-24
渦潮のレイダース
 『スプラトゥーン レイダース』が発売された。オイオイ先週『カルドセプト』の新作が出たばかりだぞ。忙しすぎる。
スプラトゥーン レイダース | Nintendo Switch 2
謎がうずまく島で、シャケをシバいてオタカラ・ハント! 2026年7月23日(木)発売、Nintendo Switch 2『スプラトゥーン レイダース』の公式サイトです。
https://www.nintendo.com/jp/games/switch2/aadla/index.html
 今作は対戦ではなくハクスラがメインで、ソロプレイが基本となっている。まずここに拍手を送りたい。いままでもDLCで意欲的なソロプレイコンテンツは提供されていたものの、単品の作品として出るのは初の試みとなる。

 「チーム対戦型TPSでないSplatoonに興味はない、早く4を出せ」という声もあるだろう。だが俺の考えは違う。
 俺もSplatoon4を待ち望んではいるが、それはそれ、これはこれ。
 こういったスピンオフを通して、より多くの人にイカ世界の魅力を知ってもらえるのであれば、それは歓迎すべき流れだと考えている。

 Splatoonがこの11年間で積み上げてきた歴史、音楽、美術までを含めた世界は素晴らしい。
 しかし……ゲームがチーム対戦型TPSという極めて治安の悪いジャンルである限り、残念ながら一定の層から白眼視されることは避けられない。
 数値化されたレートでマウントを取り合い、戦犯だのなんだのと物騒な罵声が飛び交う現場にわざわざ新たに入ってくるやつはいない。それくらいチーム対戦型TPSは治安が悪い。これは各ユーザーの努力で環境美化できるレベルではなく、ジャンルそのものが抱える闇だと思っている。

 なのでSplatoonが、シリーズの軸を対戦型FPSとしながらも、それ以外のジャンルのゲームをリリースしたことは好意的に捉えている。
 マリオさんもカービィちゃんもピカ様も、レースしたりパズルしたり、多彩なジャンルのゲームをどんどん出しているではないか。イカももうそういう規模のIPになったはずだ。ドラクエにはモンスターズもビルダーズもヒーローズもある。いずれはその座を狙ってほしい。
 
#nintendoswitch2
 そんな気持ちで俺はウズシオ諸島に旅立った。
 マイキャラはデフォルトのイカボーイにしたが、ワイフの「めっちゃいろいろ作るじゃん」という指摘を受けてタコボーイに変更した。世界観を守っていく。
 
 ゲーム部分は少し触ってみてすぐわかった。今回、Splatoonは地球防衛軍になった。
 残念ながら画面分割2人プレイには対応しておらず、我々の夫婦ゲー欲を満たすことは叶わなかったため、地球防衛軍4.1は別途買わなければならないが……とにかく地球防衛軍のソロプレイに感覚が似ている。

 Switch2の性能を活かして描画される大量のシャケを、多彩なブキでしばく。難しいステージに挑めばより強いブキがドロップする。ハックとスラッシュの繰り返しが俺の精神を研ぎ澄ましていく。
 せっかく持ちブキのジェットスイーパーLV10が出たと思ったのにすぐLV13のフデが出たため、不本意ながらフデを振り回さざるを得ないあたりも、地球防衛軍でお馴染みの感覚だ。
 ……ところで最終的にまたサイド・オーダーするというか、「LV1からスタートしてランダムに出るアイテムで自己強化しながら地下30階を目指す」みたいなエンドコンテンツが出たりしないよな? なんかローグライトとも相性がよさそうなシステムだよな。

#nintendoswitch2
 しかしこれ、Splatoon4の新しいバイトはどうするだんろうね。メカニック君がこんなに効率的にシャケをシバける装置を大量に開発してしまったら、さすがのクマサンもこれらを導入しないワケがない。
 労働基準法、第一条! 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない!!
 
■2026-07-19
お前もカルドセプトをビギンズしろ
 カルドセプト、10年ぶりの新作!
 その報を受けた俺はただちに王立学府セプトアカデミアに入学し、ビクトリーを目指しているが、お前は目指さなくていいのか? ということをこれからみっちり書いていく。
カルドセプト ビギンズ
カードを組み合わせて陣地を奪い合う戦略ボードゲーム『カルドセプト ビギンズ』の公式サイトです。
https://game.neoscorp.jp/culdcept_begins/
 とはいえ俺は生まれついてのセプターではない。DS版カルドセプトをエンディングまでクリアしただけのニワカにすぎない。対人戦もほとんどしていない。だがそれがどうしたと言いたい。
 別にゲームをお勧めするのにベテランである必要はない。ニュービーは未経験者に近い視点を持つ。なのでやる。

#nintendoswitch
 『カルドセプト』はスゴロクとカードバトルを組み合わせたデジタルボードゲームである。
 やることはほぼモノポリーで、ダイスを振ってフィールドを周回し、土地を確保して独占を狙っていけば勝利に近づく。
 勝利条件はモノポリーとは異なり、既定金額を稼いでスタート地点に戻ることである。ていうかモノポリーの勝利条件って何だっけ。……エッ他プレイヤーの全滅!? それ何時間かかるの!?

#nintendoswitch
 もっともモノポリーと異なるのは、土地を確保するために手札からクリーチャーを召喚すること。このため、土地を防衛したり侵略したりするクリーチャーと、それを補助するアイテム、スペルをバランス良く含むデッキを構築して戦うことになる。

 ここでデッキとか召喚とかいうと、お前はすぐ「うわ……カードゲームじゃんなんか怖い……カルドセプトやめて家でパラッパラッパーしとこ……」となることが予測されるが、お前がカードゲームを恐れているその要因は「一部の社会性のないプレイヤー」と「転売者を生むランダム商法」の2点であることを、俺はとっくに見抜いている。
 カルドセプトは買い切りのゲームだし、ソロプレイでも十分楽しい。つまり投機目的でカードを買いあさる奴や、すさまじい体臭のヤツに出くわす危険性はないためセーフティであることが完全に証明されている。
 そもそもだ、よく聞く「体臭がすごいカードゲーマーがいるからヤバい」と「カードにめちゃくちゃ金がかかるからヤバイ」っていう話、ムジュンしていると思わないか? 体臭がすごいヤツがどうやって高いカードを買う収入を得ているんだよ。仕事着は臭くないけど私服は臭いのか? 意味がわからない。

 ムジュンを指摘しゆさぶりをかけたことで、お前はカードゲームへの警戒態勢をやや解いたといえるだろう。そうなればこれはほぼモノポリーであり、ダイスとカードが高度にゆうごうした素晴らしいゲームであることが飲み込めるはずだ。
 ダイスを振って、空き地に止まればクリーチャーを召喚し、他人の土地に止まればおとなしく通行料を払うか、侵略して奪う。
 自分の土地を通れば土地のレベルが上げられ、レベルが上がれば地価も通行料も増えていく。同じ属性の土地を独占していけばそれらが跳ね上がる。
 これを繰り返してビクトリーへ向かう。そのうちお前はモノポリーでは侵略ができなくて物足りなくなるだろう。そうなれば立派なセプターである。

 今作は過去作と比較して、魔力(収入)がデカめで、ブック内のカード枚数も40枚に減った関係で、1試合の時間が短くなった。
 展開が早くなったことで、1巡目のダイス&カード運の影響が強くなったように感じるが、それはリトライも容易ということ。
 この完成されたシステムを楽しむならば今ではないか? 俺はそう思う。

 ちなみに今作はマルチプラットフォームでの発売である。俺は熟慮のすえSwitch版を選んだ。Switch2版のほうがロードが快適でおすそわけ通信対戦モードもあるが、携帯するぶんには初代Switchがベストだからだ。そのうち必要性が生じたらアップグレードパスを買えばよい。
 ……アップグレードしたら、その時点でSwitch2版にセーブデータが移行されて、Switch側とは別のゲーム扱いになっちゃうのかな? ただの縦マルチなら両取りできそうだけど……そんなうまい話があるのだろうか……?
 
■2026-07-02
熾烈なる歯列矯正生活8
 歯列矯正の日々、1年と11か月が経過。

 6月に歯のワイヤーを調整した翌日、普通に昼食をモリモリ食べていて気がついた。痛みが……ないッ!
 今までなら、矯正歯科の翌日は歯が使えなくて、カレーメシを飲むしか腹を満たす方法がなかったはず。これはつまり、歯の移動がもう微調整のレベルに到達したと考えてよいだろう。
 
 まもなく2年が経とうとしており、実際あとどのくらいで終わるのか、俺も家族も大変気になっていたのだが、聞けずにいた。
 というのも最近、矯正の患者さんが増えたのか、担当の先生が大忙しで、複数の部屋で平行作業するようになった。なので、助手の人が俺の口内を準備して、先生が作業をし、最後にまた助手の人が仕上げをして終わり、という流れになっていた。
 先月なんてもう、先生が来るや否や「ハイお口開けてください~~こんにちは~~」とアイサツが後回しになるレベルだったので、もはや俺の歯に話しかけている可能性すらある。
 先生から見ると、俺はいつも顔にタオルがかけられた状態であり、歯のほうに人格を見出すのも無理のない話だ。
 「順調に動いてますね~~」とは言われるが、俺が先生と会うときは常に言葉を発することができない状態で、専門的なことは何も聞けない。助手の人に聞いても忙しい先生にわざわざ尋ねに行くだけだろう。インフォームドをコンセントすることが困難である。

 それがついにタイミングが合ったので聞いてみたところ「今回は下の歯型を取ります」ということであった。
 エッ歯形を取る……それってつまり……次で下のワイヤーが外れるってコト!?


 果たしてその通りで、今月、下のワイヤーが外されることになった。
 ワイヤーを固定している台座は、特殊な薬品で接着剤を溶かしてポロリと取れるもんだとナメていたら、けっこう腕力でミシミシ言わせて引き剥がすパートがあってビビった。きちんと食いしばっていればノーダメだが、ナメた態度をとっているとこういうとき予期せぬダメージを受けることになる。歯列矯正、けっこう腕力に訴えるシーンが多いな。

 ワイヤーが外れたからといって歯列矯正は終わりではない。
 ここからはリテーナーと呼ばれる着脱式のマウスピースを歯の裏に装着して、歯の戻りを抑制するステージに移る。
 これはどのくらいお世話になるのか聞いてみたところ、「ワイヤーと同じくらいの期間」……つまりさらに2年が目安であるとのこと。最初は食事と歯磨きのとき以外は常時装着で、様子を見て就寝時だけの装着になるのだそうだ。

 「ちなみにこれ失くしたら……いくらくらいになるんですかね」
 「25000円くらいですね」
25000円
 思わずChatGTPでラグジュアリーにし、紛失しないように決意を固める俺であった。


 しかしこれ……常時装着の間はワイヤーより厳しいんじゃあないのか??
 歯の裏が唾液に触れなくなるため、これを装着したまま糖の含まれるものを飲食すると虫歯の原因となる。となると、歯列矯正のあいだ俺の摂取カロリーを支えてくれていたコカコーラが気軽に飲めなくなってしまう。飲む前にリテーナーを外し、失くさない場所に置き、飲んだら歯の裏を磨いて再装着しなければならない。ワイヤーのときは歯に挟まるものを歯間ブラシで除去していればよく、歯に挟まらないものは無限に食べることができていた。またしても摂取カロリーが減りBMIが下限を突破してしまう危機に晒されている。
 リテーナーケースがもらえたので、それとキャンプ用の折り畳み歯ブラシを常時携帯することにした。汚れが気になったときのためのポリデントめいたものも導入だ。
 朝食は……朝食はどうしたらいいんだろう。バナナは糖分に入りますか? 入るよなそりゃ……。