Oneside Flat Web

◆不定期日記ログ◆

■2009-09-14
月に吠える
 月の表面を覆う砂は、太陽光をでたらめに反射させてしまうらしい。
 そのため、夜空に見える満月は、球形であるにも関わらず、平面的に、円形に見える。

 ふと「竹取物語は凄いんじゃないか?」と思いあたった。
 日本最古の物語が、教科書に載るくらいの完成度を誇っているとか、そういう視点では言うまでもなく凄いのだが、今回はそういう話ではない。

 平安時代の半ばごろに、この作者は、月に都があることを想像している。
 つまり月には地球と同じ大地(大地の定義は曖昧)があると認識していたわけだ。
 これは凄いんじゃないか?

 だって夜空に出てる月なんて、お盆にしか見えないし、毎日ゴリゴリ欠けるし、うさぎの模様は描いてあるし、とうてい大地があるように見えないじゃないか。
 「円い」と「丸い」の区別もできない日本語話者が、どうやってそんな発想をしたのか?
 満ち欠けの様子から、球形であることが推測できた……のかもしれない。するとしかし、朔望の仕組みを知っていて、我々のいる大地のほうも球形をしているという事実をあっさり受け入れていたということになる。
 地球が丸いこと自体は、紀元前から知られていたようだけれど、そのうえ月も球状で、そこに都がある、なんてことがフィクションの下地として平然と受け入れられていたのが凄い。
 
 「いや、別に凄くない。地『球』というからには球形なのは確定的に明らか」
 
 お前マジ頭いいな。