Oneside Flat Web

◆ワンサイドフラットウェブ◆

~  過労なる一族  ~

■2025-08-31
マンスリーレポート:8月
 日本三大「みんな名前は知ってるけどみんなやってないゲーム」といえば『エルシャダイ(2011)』『新・豪血寺一族 -煩悩解放-(2006)』『君のためなら死ねる(2004)』で異論はないことと思いますが……

PIPI
ピピチャン!(『きみしね』は12万本売れてるみたいだよ!)
 くっ……だが『赤ちゃんはどこからくるの?』だと今度は知名度がな……! そもそも「みんな知ってる」のハードルが高すぎる感があるな。
 では8月にやったこと、読んだもの、遊んだもの、観たものの記録だよ。

■Pixelバッテリー交換

 先月、俺のGoogle Pixel 6aに「バッテリーパフォーマンスプログラム」というお知らせが届いた。なんでもPixel 6aが充電中に炎上する事故が起きたらしく、充電回数400を超えたPixel 6aに、充電能力にリミッターを設けるパッチを当てるとのこと。そしてユーザーには無償のバッテリー交換を受ける権利があるようだ。

 リチウムイオン電池による火災が日本中を騒がせているため、俺はただちに最寄りの代理店に予約をとった。予約フォームがエラーを吐いて完了しないため直接行って予約を取った。バッテリーが在庫切れになり止まっていたようだ。Googleさんはしっかりしてほしい。
 リミッターがかかった状態だとバッテリーの持ちが体感半減って感じだったので、在庫復活のタイミングで早めに予約が取れたのは不幸中の幸いだった。修理は無事終わったが、こうなった原因はバッテリーではなくOSのほうにあるらしいので、追加でパッチが当たらない限り、再び充電回数が400を超えたときにまたリミッターがかかってしまう。死の宣告ってワケかよ。
 Pixel 3aを使い始めたのが2019年の7月、6aにしたのが2023年の1月である。もう2年くらいは使いたいものだが難しいかもしれないな。

■あらばけ!荒吐グングンパーク

 最新作ッ! うすた京介最新作ッ! 高校~大学くらいのあいだにうすた京介によって脳を焼かれ続けた人生だったので本当によくなじむ。
 俺がギャグマンガに求めているものの一つに『すごい言語感覚』があって、弊サイトでいちばん検索流入が多いページが「ジャガーさん作品目録」であることからも、みんながすごい言語感覚を求めていることは自明。本作もいきなり「おショリに刺さっているんだな!?」でやられてしまい、なすすべもなく単行本を購入した次第だ。読んでいない人はすぐ第1話をチェック! みんなもおメソス、ゲッホマゼ!
 そろそろモエモエ的な女子の登場を期待している。でももう「常識人間でありたい男子を異常世界に引きずり込む女子」は描きつくした感もあるかもな。

■Splatoon3

 今シーズンのブキチPは以下のようになった。
#nintendoswitch
 20種で計測して合計30481.0なのでやはり俺のパワーは1500くらいだということがわかる。
 とはいえこれ、計測するときに運よく4勝1敗して1800近いスコアを叩き出したスペースシューターが2敗ですぐ100とか落ちた一方、計測で4敗して1200スタートになったガエンは破竹の5連勝しても1400だったりするので、最初の5戦がハネるかどうかみたいなところがある。十分な試行回数があればどれも1500台に落ち着くんだろうけど持ちブキが多すぎてな……。

■ドラゴンクエスト3リメイク

 お盆休みを利用して一気に魔王ゾーマをやっつけた。
 やまびこの帽子でラリホーを2連呼する賢者と、ビーストモードでねむりの杖を2連打する戦士によって睡眠ハメを食らったゾーマは、ビーストモードとはやぶさの剣でヒュプノスハントを4連打する盗賊によって1ターンに3800のダメージを食らって滅亡した。これが令和の勇者だ!(なにもしてない)
 あまりに姑息な戦いかただが、先に睡眠ハメを仕掛けてきたのはお前たち(ナイルのあくま)なので自業自得の極み。インガオホーである。

 パパの後を追って娘氏がプレイを始めたのでオルテガのきもちになった。しまった、俺は勇者一人旅をすればよかったのか……。
 オススメのパーティを聞かれたけど、正直このゲームを快適にプレイしようと思ったら魔物使いと盗賊は外せない。それくらい小さなメダルとバトルロードの報酬が美味い。度重なるリメイクで自由度が狭くなっているのでは。

 なんとこのドラクエ3というゲーム、令和の小学5年生がほぼ全てのBGMを知っており、固有名詞もだいたいお馴染みになっている。『ドラゴンクエストビルダーズ』の教育効果だ。ドラクエがひとつのIPとしてブランディングされているのを感じる。これに比べるとファイナルファンタジーは次世代へ繋ぐための導線が弱すぎる。しっかりしてほしい。

■ゲームゲノム

 NHKのゲーム教養番組。モンハン編、桃鉄編、そしてゲーム音楽編が放送された。
 特にゲーム音楽編が珠玉の逸品で、ゲーム音楽の歴史と、ゲームならではの音楽体験についてわかりやすいまとめがなされていた。俺はファミコンの音楽で泣き、スーパーファミコンの音楽で泣き、プレイステーションの音楽で泣いた。
 インタラクティブミュージックについては、俺にテトリスエフェクトのスゴさを教えてくれたじーくどらむす先生が出演して解説してくれた。noteにとても詳しくまとめてくれているので読もう。

■ニチアサ感

 プリキュアにはけっこう「人間になれる妖精」が出てくるんだけど、たまに人間として社会生活をしてる規格外な奴がいる。例えば『ドキドキ!プリキュア』のダビィは芸能事務所に勤務しており普通運転免許を所持しているなど凄まじい社会性を持っていた。
 しかし今年のタナカーンは格が違った。運転免許は当然持っているし、なによりこいつは「住所」を持っている。しかも不思議な力で賃貸契約をしたのではなく、一戸建てである。一般の郵便物が届く一戸建てを所持しているということは、人間と同じ方法で土地と建物の登記や固定資産税の支払いなどをこなしたということ。そして建物自体はメルヘンチックだが、中で普通に料理や動画編集を行っているため、少なくとも電気と上下水道は契約している。あなたはこれを一人でできるか?
 プリキュアの世界では異世界人の戸籍をふしぎな力で何とかするのは常套手段だが、さすがにこれだけの申請・許可を全てごまかすことは不可能であろう。前代未聞の妖精が出てきてしまった。

 そして『仮面ライダーガヴ』が最終回を迎えた。良いライダーだった。
 お菓子みたいにポップなモチーフを使ってくるときはだいたいシビアな話になるのがライダーなので、序盤にショウマ君が「おいしいものノート」をつけ始めたときには、絶対これは終盤の鬱展開に大活用されるぞッと身構えたのであった。脳裏に蘇る「なんか、味の抜けたガムみたい」というタトバ君や、「俺もう……姉ちゃんの手料理食べられないや……」という花道オンステージ君の姿……。しかしこれが本当にハッピーな使われ方だけをして終わったことにほっと胸をなでおろしたのであった。
 
 最後まで仮面ライダー同士が言葉で分かり合い爆速で対立を解消する、ストレスのない作りだった。ニチアサ民でない人は「それは当たり前では?」と思うかもしれないが、一人は異世界の反社から逃げ出した男、一人は異世界人に母と師匠を殺された人間、一人は異世界の反社に弟を殺された異世界人で、ひとつ誤解が生まれればすぐにでも殺し合いを始めそうなお膳立ての中、殴り合いよりも話し合いで絆を深めていったライダーたちは素直に眩しかった。
 特に辛木田絆斗は偉い。キレやすいくせにキレたらキレたことを自覚して距離を取り、自省して謝ってくる。不完全なライダーシステムで体がボドボドになってても、他者への気遣いを忘れない。本当に偉い。こいつが2号で良かった。もしもヴァレンでなく仮面ライダーギャレンになっていたらアンデッドとの戦いが1クールで終わるレベルの物わかりの良さである。いや『ブレイド』はアレだから良いんだが……

 なにより、今作は俺に「ハラハラするバトル」こそが特撮の醍醐味だということを思い出させてくれた。本当に毎週見ていてハラハラした。
 シナリオの話ではない。撮影がとても危ないのだ。最終クールに出たPVの中盤を観ていただければわかる。ポップな見た目ですごい無茶なアクションを連発している!
 CGや特撮で安全を確保しているのだろうけど、それを差し引いても「なんでこんな危ないこと思いつくの!」と叫んでしまうシーンばかりだった。スーツアクターさんたちの奮闘には頭が下がるばかりだ。来季もド迫力のバトルを期待したいが、安全にはくれぐれも気を付けていただきたい……。
 
■2025-08-26
44歳と6弦と4弦
 44歳になった。

 何度も書いているが、加齢にしたがって、時間が経つのが早すぎる。
 そもそもの話になるが、俺はまだ「令和元年が7年前」ということを納得していないのだ。多く見積もっても3~4年前だと思う。
 だが令和ライダーを数えるとすでに7作目が始まろうとしており、にわかに正気に戻ることができる。娘氏の進級とニチアサだけが俺の正気を支えている。


 44歳になったということは、なんとギター歴が1年を越えたということだ。
 ギターウクレレはまだ続けている。ただし目標がないため成長もない。成長はないが、音楽に対する理解が少しだけ進んだ感覚はある。

 例えば先月末にマリオペイントが突然よみがえって「やあ! 33年ぶりだね! 何してた?」と創作を迫ってきたが、「最近はギターで1645進行の曲ばっかりやってる。見せてやるからちょっと待ってろ」と落ち着いて対応し、作品を仕上げることができた。Youtubeニコニコ動画に置いてあるので見ていってほしい。


 夏の気持ちをアゲていくため、最近はウクレレの方をよく触っている。やはり軽くて小さいというのは触る頻度が増えて良い。相変わらずウクレレのコードを覚える気がなく「5フレットにカポがはまった5・6弦のないギター」として扱っている。
 そういう姿勢でギター用の曲を弾いていて気がついた。本来G(ソ・シ・レ)で弾くべきところをG7(ソ・シ・レ・ファ)に変えると急にハワイアンっぽくなる。セブンスコードに変えることで響きがオシャレになることはよくあるようだが、ウクレレにおいてはGよりG7のほうが圧倒的に押さえやすいという事情がある。

 いったいどっちなのだろう。ウクレレではGよりG7が押さえやすいからハワイアンではG7が多用されるのか、それともハワイアンで多用されるG7を押さえやすいようにウクレレが設計されたのか。
 おそらくどちらでもなく、ただの偶然なのだろう。前者はウクレレ誕生以前からハワイ音楽は存在していただろうし、後者はギターと共通する押さえ方をもつ以上意図的とは思えない。ウクレレとG7の運命的な親和性をかみしめている。

 こういう見方ができるようになっただけでも楽器を始めた甲斐があったと思う。なお恒例の「ロールモデルにするべき44歳のキャラクター」を探したら『最強伝説黒沢』とか出てきてそっと閉じた。リアルだぜ黒沢……。海侠のジンベエ44歳も少年漫画のレギュラーキャラとしてはなかなかシブいが、平均寿命が人間と異なる可能性があるしな。
 
■2025-08-24
EXPO EXPLOSION!!
 せっかく夏休みなんだし一度くらいは娘氏と映画館に行こうと思っていて、この夏の映画といえば『8番出口』『タローマン 万博大爆発』だよねっていう話になったんですよ。ここで『鬼滅』が出てこないあたりが我々なんですが、娘氏がまさかの「その二つだったらタローマンかな」ということで、そして行きました。
映画『大長編 タローマン 万博大爆発』 公式サイト
なんだこれは!この夏スクリーンに現れる巨人、タローマンである。岡本太郎の作品がおおあばれ!タローマンを映画で見よう!
https://taroman-movie.asmik-ace.co.jp/
 NHKの5分番組ですら混沌の暴力だったというのに、それを105分に引き延ばして何をするというのでしょう。どんな目に遭わされるかわからない。私と娘氏は覚悟して劇場に向かいました。怖かったら怖いほど、逆にそこに飛び込むんだ。岡本太郎もそう言っていた。

 ところで『タローマン』について説明が必要な人もいると思いますので簡単に説明すると、NHKが我々の受信料を使って日本国民に虚偽記憶を植え付けようとしている社会実験です。
 今作も「1970年代に放映された劇場版のリバイバル上映」というテイで繰り出されますが、嘘です。気をしっかり持ってください。
 たぶんもう30年くらいしたら俺も『チャージマン研!』とかとごっちゃになって、どっちも存在していたと認識している可能性があります。いやどっちもフェイクになってる可能性のほうが高そうだな。

 そんなフェイクであるにも関わらず、最初の注意書きとして「この作品における人物、事件その他の設定は、全てフィクションであります。ただし岡本太郎の作品と言葉は実在する。」と白刃を突きつけるような決断的まなざしを観客に向けてくるのがタローマンです。決意の凄みを見せてやるというつもりでやればいい。岡本太郎もそう言っていた。
 105分の上映時間の間、体感で3分に1度くらいの頻度で、岡本太郎の言葉が引用され続けます。全てがフェイクの世の中で岡本太郎の言葉だけがリアル……そういった刷り込みが自然と行われていく仕組みになっています。
タローマン3つのちかい
[謎の入場特典カード]

 そして実際に観た感想なのですが、何にどう触れたら良いのでしょう。この作品、ネタバレをしてどうこうなるものなのでしょうか。

ボーボボたちは田舎へ帰省していた。まごころ込めて植えた割り箸畑から、メルヘンチック遊園地が獲れたが、それは毛狩り隊Aブロック基地となっていた。

『ボボボーボ・ボーボボ』第12話あらすじより
 これは有名なアニメの実際のあらすじです。意味不明ですが内容を正確に捉えています。
 ネタバレをしたところで、その内容が本当にでたらめなものであれば、ただ狂人と思われるだけなのです。しかし自分が純粋に感じたこと、考えたことを、理解されようがされまいがダイレクトにぶつけるしかない。岡本太郎もそう言っていた。

 お話自体は(細部に目を瞑れば)これよりはわかりやすいものですが、実際この映画と『ボーボボ』には非常に近いものを感じます。ボーボボが聖鼻毛領域を展開すると物理攻撃でなく「ハジケること」でダメージが通るようになるのですが、つまりこの「ハジケ」が「でたらめ」であり、そして「でたらめ」は「秩序への抵抗」なのです。大丈夫ですか? ついてきていますか? わたしは正気です。
 なので上映中の心構えとして、心の中にビュティさんかピヨ彦を常駐させておき、「高速回転させた――!!」とか「知らないよぉそんなグッズ!!」とか「『死』は何だよ!!」等と叫ばせておきましょう。そうしないと心が持ちません。全力でツッコめる応援上映とかやるべきだと思います。
 あと藤井監督が伝説の「サウンドロゴしりとり」などで発揮した手腕をフル活用した部分がちょいちょいあり、そういった方向からも腹筋を狙撃されました。ただもちろんこの作品は『ボーボボ』でも「サウンドロゴしりとり」でもない、未知のカオスです。他人のものはもちろん、たとえ自分の仕事でも、なぞってはならない。岡本太郎もそう言っていた。
 
 作品内で描かれる、1970年から見た2025年の世界が実に自分好みで、レトロフューチャーでテクノポップな映像体験ができ最高でした。円形ディスプレイとか見たのはFallout以来だよ。それ以外にもあからさまなピアノ線とか、贅沢に破壊されるミニチュアとか、特撮としての絵作りも楽しめました。貴重な1970年の万博映像を利用してこんなことを……。
 いろんなことが自由になった現代社会でなお不自由を感じてしまう人は是非観て欲しい。きっと元気が出てくる。そんな映画でした。芸術は自由の実験室。岡本太郎もそう言っていた。


 ところで帰りに娘氏と話していて気が付きました。この映画では「でたらめ」を強調するけど「べらぼう」はあまり出てきません。これって同じNHKの大河ドラマに配慮したんでしょうか。あっちの『べらぼう』は「そう きたか!」で、こっちのべらぼうは「なんだ これは!」なので共通性があります。蔦屋重三郎もそのうち大江戸大爆発してしまうのかもしれない。破壊こそ創造の母だ。岡本太郎もそう言っていた。
 
■2025-08-14
Minecraft: Vibrant Visuals
 せっかく新PCなのでWindows版のマインクラフトを買った。

 もともとマイクラは2台のSwitchで家庭内マルチプレイをしていたんだが、今年5月にニンテンドーが事前予告なしでそれを禁止したため、画面分割に押し込められてやめてしまった。任天堂は分割画面を他の本体におすそわけできるようなソフトを早く出して誠意を見せてほしい。

 一方、マイクラのアップデートの一環として、グラフィックが向上する「バイブラントビジュアルズ」というものが発表されていた。影MODが公式化されたようなものらしい。どうせ2本目のマイクラを買うなら新PC購入後にこれをやるのも悪くないだろうと思った。
 マイクラ統合版は比較的簡単に他機種とクロスプレイできる。XBOXアカウントの設定は複雑怪奇だが、娘氏の子どもアカウントを作ったときにさんざん苦労したので覚悟はできている。


 ということで、昨日、公式サイトでポチッと購入して新PCにインストールした。
 これが従来のマイクラで、
mineclaft basic
 これがバイブラントビジュアルズ。
mineclaft Vibrant Visuals
 レイトレーシングほどではないが、水の雰囲気がかなり変わって新鮮である。見た目が変わりすぎてどこの水底に砂利があるのかわかんねえな。ほかのバイオームの様子も見物して回りたい。


 ところがこれをONにしていると突然フリーズする問題が起こった。スペック的には十分すぎるはず……と思ってタスクマネージャーを開いて注視していると、GPUメモリが「専用GPUメモリ384MB」と「共有GPUメモリ15.5GB」に分かれており、「専用」のほうがほぼ100%に張り付いている。
 言ってる意味がわからない……が、専用GPUメモリとかいう奴の割り当てがおかしいのでは? わからないなりに検索して、Deskmini X600を使ってベンチマークしている人の記録を見つけ、それを参考にBIOSをいじった。
  1. Advanced → AMD CBS → NBIO Common Options → GFX Configration を開く
  2. iGPU Configration を UMA_SPEDIFIED に変更
  3. UMA Frame buffer Size を Auto から 4GB に変更
 BIOSのどっかにあるんだろうなと思ってはいたけど、こんなに深いところにあるとは思わなかった。ともあれ、これで落ちなくなった。先人の記録に感謝である。
 4GBはもっと増やしてもいいかなって思ったけど、おおよそ1.6/4.0GBくらいで安定しているのでそこまで増やさなくても十分そう。