Oneside Flat Web

◆ワンサイドフラットウェブ◆

~  睡眠勇者ニドネリオン  ~

■2025-11-15
フロンティアの果て
 サガフロンティア2をクリアした。ものすごいお話だった。
 (始めたときの話はこちら。)
SaGa Frontier 2

 サガフロンティア2は「歴史」を描ききったものすごいお話ではあるんだけど、ゲームとして成立しているかというと素直にうなずくことができない。
 最序盤のハンの遺跡で6時間レベル上げして、以降のゲームバランスを自分の手で崩壊させておいて何を言うのか、という見方をすると大変申し訳ないんだが、これはそうせざるを得ない理由がある。

 というのもこのRPG、補給ができない状況が多すぎるのだ。小さなシナリオをひとつひとつ選んで進めていくんだけど、宿屋や道具屋や倉庫のないマップが多い。
 そのくせ武器は消耗するし、LPブレイクも飛んでくる。(LPは宿屋で回復可能)
 そして一度クリアしたシナリオはリプレイできない。なので稼ぎ地点をスルーしたら任意でそこに戻ることはもうできない。
 となれば、サガシリーズでボスが倒せなくて詰んだことのある人が、「じゃあ最初の稼ぎ地点で有用な技と術ぜんぶ閃いとこう」ってなるのは当然の流れであろう。勝利回数で敵が強くなるシステムもないし、3倍速で稼げるし。

 なので、このゲームにサガめいた「強敵とギリギリの戦いをして偶然の閃きで勝利」みたいなロマンシングを期待するのは厳しい。最初のダンジョンで鍛えた能力を次々に継承し、最初のダンジョンで覚えた術で立ちはだかる奴を全部焼き殺せ。

 システムについてはだいたい述べたので、ここから魅力的なキャラについて書き散らしながら、細かいところに言及していこうと思う。ロマサガRS以上のネタバレはしていないが、完全に事前情報のないままプレイしたい人はブラウザバックすべきだろう。長くなるのでたたむ。
・ギュスターヴ13世
 「フィニー王国を追放された術不能者、鋼鉄兵を組織して無双します~今さら降伏してももう遅い~」を地で行くオモテの歴史の主人公……なんだが、実のところRPG的に操作できるのは最初のわずかな期間だけであった。あとはコンバットが少々あるくらいで、ギュスターヴ編は彼の人生をダイジェストで追っていく形となる。
 まあその鋼鉄兵無双は、後世の悪名高き「サウスマウンドトップの戦い」においてこちらに返ってくるわけだが……100年もシナリオを追うと、こういう人々の価値観の変化みたいなものが透けて見えてきて、歴史を見ている感じがするんだよな。ギュス様はその時代の変化の起点にいる人物なので、やはり主人公の筆頭というべき存在なのだろう。

・ケルヴィン
 ギュス様の隣でずっと「やれやれ」って言ってるイメージのある男。ギュス様の死後すらやれやれって言ってそうなところがある。
 というかこいつがギュス様の妹と結婚する話、原作にはないってマでござるか? それがわからないとギュス様の死後の話がぜんぜん意味わかんなくなるじゃん? わかっててもなるのに。
 ギュスターヴ編のキャラは戦闘・育成する機会が少ないので印象が弱い。樹氷の腕輪は貰っていくね……。

・シルマール先生
 この人まじでどこにでも現れるし登場人物全員から尊敬されているので便利すぎる。98歳でも平然と各地を旅してるし、シルマール先生の業績はどこまでが史実なのか歴史家が困っているのではないか。

・ヨハン
 暗殺組織によって体に呪いを埋め込まれており、組織に従わなければやがて死ぬが、死の運命を受け入れて組織を脱走した暗殺者――というめちゃくちゃ濃い設定のキャラクターなのに、原作では仲間になった次の回で死ぬとか正気なのか。普通のサガなら主人公の一角だろ。
 登場回で「キメ顔で立ってると寄ってくる無限湧き暗殺者稼ぎ」ができるため、今作では都合の良い能力継承元として活躍する。3時間くらいかけてめちゃめちゃ剣術を鍛えたんだ。
 ヨハンとの出会いはギュス様の貴重な「術不能者の長所」が見えるシーンなので大切。その他ではケルヴィンの求婚を覗き見するシーンくらいしか活用されてないんだよな。なんでないんだよ。

・デーヴィド
 サウスマウンドトップの戦いのプレイヤー。まじであのコンバットは酷い話で、SRPGだとすると育成要素が一切なく、シミュレーションだとすると運ゲーすぎる。攻略見ても5回やり直したわ。
SaGa Frontier 2
3ターンでこの形にできなければリセット。
 ギュスターヴ編最後の主人公なのに育成の機会がないためあまり印象がない。まあ仮に育成の機会があったとしたら、サウスマウンドトップの戦いは丙子椒林剣もったコイツが残像剣で全部なぎたおして終了するので仕方がない。
 今気付いたけど、サガフロ2のお話を十全にゲームとして成立させるのなら無双アクションとしてリメイクするしかないのではないか。コーエーテクモ! サンダイル無双をつくれ!

・ウィル・ナイツ
 ウラの歴史の主人公。親の死の真相を探るうちに「エッグ」という呪物を知り、ナイツ家3代にわたるエッグ所持者との戦いに身を投じていく。つまりジョナサン・ジョースターであると考えるとウィル編の話はスッと理解できる。
 なんか敬語キャラだし、エッグとともに海の底に消えたら本当にジョジョだったんだけど、その役目は後進に譲りましょうね……。
 ラストダンジョンでの活躍は「本当に86さいなのか!?」って感じなのでジョジョリオン要素もあるんだ。
SaGa Frontier 2
くどいようだが本当に86さいか!?
 石の将魔を削岩撃で削り倒すときに石化耐性を忘れて一回リセットしたのは内緒だ。

・コーデリア
 キャラデザが素晴らしくソシャゲで重宝されている子。正史では死ぬっぽいがそんな選択肢は選べなかった。「どうして私を選んでくれないの?」じゃあないんですよ。任務の内容から言ってどう考えてもタイラーさんが適任でしょ。
 最初の稼ぎ地点であるハンの遺跡でひたすらデュエルし続け、弓槍拳のだいたいの有用技を全部ひとりで開発していった功労者。

・タイラーさん
 見るからに「モヒカン+斧」という世紀末スタイルなのに、ウィルパーティで一番の常識人なので困る。モヒカン+斧でこんなにいい人なことあるんだ。
 しかし斧という武器種、ゴールデンアクスのレアドロップを無視する程度には使用者が少ない。どっちかというと育成の過程で育ってしまった火・石・樹の術レベルを継承するのに役立った。

・ナルセスさん
 サガシリーズ随一の皮肉屋。口を開けば皮肉しか言わないが、自分の年齢の半分しかないウィルにめっちゃ親切にしてくるツンデレお兄さん。
SaGa Frontier 2
エッグだけに……な。
 ウィルが北方に向かうとき「引退する」って言っときながら追ってきて合流してくれた上に、最後に「実はな、私は寒いのが苦手なんだ」と言ってイチョウの散るなか去っていくのは完璧すぎるぞ。

・ラベール
 お前「ラベール」って本名じゃなかったのかよ! ラベール(ザ・ビューティー)を通称にできるやつ、凄腕女スパイくらいしかいなくないか!?
 キャライメージ的に「妖精王のリラ」を使って音弓無双するべきだったんだけど、妖精王のリラが取れることに気付くのが遅れたため、それはレイモンが使うことになった。

・リッチ・ナイツ
 ロマサガRSで概要は知っていたが、お前、それはどう見ても「孕ませた彼女を実家に送還したまま顔も出さずに失踪」という形だぞ。なんて男だ。
 でもまあ父の顔を知らないジニーちゃんがあれだけ慕ってるんだから、ジニーちゃんはよほど良い話を聞かされて育ったんだろう。
 槍に適性があるの、やっぱコーデリアの血が入ってないですか?

・エレノア
 若い男ばかりを護衛として雇って連れまわすセクシー術士。リッチとのベタな男女腐れ縁、いいよね……。
 登場回で粘れば「魂の歌」を習得できる。ロマサガRSで慣れているから周回は苦ではないが、リセマラはあまりやりたくない。幸い10回くらいのリトライで習得できたので良かった。

・ジニー・ナイツ
 キャラデザが素晴らしくソシャゲで重宝されているが、公式絵とドットで髪の色が違うため髪色が安定しない子。
SaGa Frontier 2
ドット絵もかわいい
 美女の噂に鼻の下を伸ばすロベルト(27)に対する「これだよ。男って、どうしてこうかな?」があまりにも河津節すぎる。
 ジニーちゃんは誰と結婚したんだろう。最初にパーティ組んだ槍使いと結婚するのがナイツ家の運命ならプルミエールと結ばれたのかな??

・ロベルト
 ラスダン前のメンバー深掘りシナリオで一人だけ深掘りされなかったのがじわる。特に因縁はないのである! とはいえ絵に描いたような相棒ポジションなのでこいつがいないと話が進まない。
 LPが高いせいで弓使いなのに壁役に抜擢される珍しい人。ナルセスさんの魂を継承して頑張ってもらった。なんかいつもガッツポーズしてない?

・プルミエール
 ラストバトル前の「お義母さま、父上、力を!」が意外だった。あんな家庭環境で家出して、それでも敬意は持ってるんだな。
 コーデリアの魂を継承してひたすら脳削りしてもらった。

・ミーティア
 シルマール先生がヴァンアーブル先生につないだ心を巨大な石斧に乗せて物理で殴る!! この子もリマスター前はほぼ深堀りされてないうえ育成パートもなかったってマジかよ。
 タイラーさんの魂を継承して樹の将魔をマキ割りトルネードしてもらった。物理!!

・グスタフ
 説明もなくファイアブランドめいた剣を持って仲間になるやばい奴。サガフロ2はダイジェストなのでこういうのは事前に説明しないのだ。
 ファイアブランド持ってるってことは継承の儀を受けたフィニー王家の者で、名前からしてギュス様の血筋であることはわかるでしょう? あとは聞かないでね? という姿勢、令和では逆に新鮮かも。そんなことより髪型がやばい。目立ちたくないんじゃないのかよ。こいつがナイツ家の物語に介入することでギュスターヴ編とウィル編がひとつになっていくギミックだったんだな。
 このために鍛えたヨハンの魂を継承して、マルチウェイを閃き、すべてを粉砕した。
SaGa Frontier 2
ヨハン「私が殺します☆」
 デーヴィドとの追加シナリオの戦闘曲が過剰にカッコ良くて震えてしまった。髪型がやばくなる前はこんなに情熱的な男だったのだな……。
 
 サガフロ1のリマスターが「ファンディスク」だとすれば、サガフロ2のリマスターは「完全版」と言えるだろう。システム周りだけでなく、シナリオ上でも原作にはあまりにも欠けた情報が多すぎる。
 その欠けた情報が『アルティマニア』『パーフェクトワークス』といった書籍で補完され、今回のリマスターに取り入れられた。これらが微妙に差異があるのもなんだか本物の歴史っぽくてよい。
 俺たちが見たサガフロンティア2の物語は、「これはフィニー王家の公式記録」「ヴァンアーブルの『鋼志伝』にある記述」「これは後世の創作」みたいな感じで作られているのだ。たぶん「或る英雄の最期」は後世の創作だね。あの世界には義経チンギスハン説と同じレベルで、ギュス様海賊団説があるはず。
 
■2025-10-31
マンスリーレポート:10月
 突然だけど「ぎなた読み」ってあるよなぁ~~……

PIPI
ピピチュケチャン!(「工場からの廃水やばい煙」の「やばい」の部分)
 そういう単語の区切りを読み間違えるっていう話だ。
 でも「弁慶がな、ぎなたを持って」はイケてなさすぎる。まず義鉈って何だッ!? 調べてみたが原典が不明だし、そんな武器種は実在していないんじゃあねーのかッ!? 重いコンダラと同レベルのヤツが堂々と広辞苑に載ってんじゃあねーぞ! ふざけやがって! ぎなたって何だッ! クソックソッ!

 ……では10月に遊んだもの、読んだもの、観たものの記録だよ。

■アコースティックギター

 ニチアサでフルタ製菓が社歌を流して踊りまくっている。なんかすごく簡単なコードで構成されている気がしたので、YouTubeにある社歌をAIに読ませて、コードを割り出してもらった。
 この作業にはかつてChord AIを使っていたが、今はChordifyというサービスを使っている。もっとギターに習熟すれば自力で割り出せるようになるのだろうか……解析されたコードをギター片手に検証し、俺でも弾けるように限界まで単純化することができた。弾いてどうする。

 そこにタイミングよく『パワフルプロ野球2024-2025』がSwitchのいっせいトライアルに入った。パワプロが2日間フリープレイになったところでできることは限られている。そう、応援歌の作成だ。
 コードはわかっているが、コードを構成する音のことは何もわからない。ピアノを習った経験と今のギターの経験が接続されていないのを感じる。Musiccaのコード表を見ながらベースラインを打ち込み、試合中にフルタ製菓社歌を流しまくることができるようになった。流してどうする。

■HOW TO SURVIVE HISTORY

 ワイフが手に入れた『とんでもないサバイバルの科学』を読んだ。
 タイムマシンで白亜紀後期の地球や、西暦79年8月24日のポンペイや、1348年のペスト大流行時のロンドン、1519年のマゼラン艦隊などにタイムスリップし、過酷な状況をどのようにして生き延びるかという本。
 特筆すべきは1912年4月10日のタイタニック号にワープする回で、三等船室からスタートして生還を目指す道のりが記されている。それは死ぬたびにループを繰り返したのかと思うような鮮やかな攻略ルートであった。「標識のない避難扉の鍵が0:15~0:30頃まであいている そこに行け!」じゃあないんだよ。でもまあ、生存者の証言を集めてつくったんだから、そりゃループモノの解法みたいになるよな。

■カービィのエアライダー Direct

 来月発売のエアライダー情報を桜井D自らプレゼンする配信。
 8月のダイレクトではゲームの概要が伝えられたが、その段階では俺は「リマスターで良くね?」とややナメた態度を取っていた。しかし今回はその態度を悔い改め完全にドゲザするはめになった。
 「ウエライド」の情報解禁に加え前作の音楽・ステージ全リマスターはさすがに俺に効く。完全版かよ。
 これに加えてウエライドで旧Switch本体におすそわけ通信できたら最高だったんだけど、ウエライドは内部的にはエアライド同等になったらしいので贅沢は言わないでおこう。

桜井D「そしてもうひとつ収集要素があります。グミです。」
ぼく「?」

桜井D「グミは食べられはしませんが……」
ぼく「――!」

桜井D「もてあそぶことができます。」
ぼく「!?」

 ぜんぜん意味がわからなかったがグミに一番「天才」を感じてしまった。ここで謎のグミを推せるやつ、天才しかいない。間違いない。発売日に買います。

■忍者と極道

 まさかのアニメ化。幻想ユメじゃねえよな……!?
 毎週、異様なテンポで原作のアツさをブチ込んできてすごいが、さすがに放送コードが危険ヤバすぎて苦労が窺える。「みんな! 〝 〟キメろォォ!!」は笑ってしまった。大丈夫だろうか、このあと総理大臣が麻薬ヤクキメて児童ガキ脳天ドタマブチ割るんだが……!
 この作品については「ニンジャスレイヤーとプリキュアが好きなヤツは全員読め」と言われて読んだらその通りすぎて、ニンジャスレイヤーとプリキュアが好きなヤツ全員に勧めているんだけど、そんな奇特なヤツが周りにいなさすぎて困っている。
 主人公に求められるヒーローの資質――「決してあきらめない」とか「恨みでなく優しさで戦う」みたいなものは、言ってみれば全てプリキュアが毎年やっているのであり、それを深く理解ワカっている作者が書くヒーローの姿はとてもかっこいいのだ。信じてほしい。

■銀河特急 ミルキー☆サブウェイ

 先月最終回を迎えたCGアニメ。時間ができたのでうっかり12話イッキ観してしまった。
 漏れ聞いていたイメージでは、サイバネ女子が銀河鉄道内の清掃業務をしながら乗客とのドタバタをなんとかする話なのかな~~って感じだったんだけど、1話が4分しかないことを知って空気が変わった。1話4分!! コントを見ているような気持ちだ。声優さんの演技プランがダベり重点なのも嚙み合ってる。
 世界観もレトロフューチャーとSFががっちりハマっていて文句ない。主題歌の選択はほんとなんでそんな都合のいい曲があったんだよって思った。なんと普通にYouTubeで観れてしまうのでみんな観るといいぞ。
 

■ニチアサ百景

 仮面ライダーでは、CMクイーンであるねむちゃんが、なんと4年前に交通事故に遭い昏睡状態にあることが明らかになった。ねむちゃんは元々孤児であり、養父兼芸能プロ社長のおっさんによって、活動していると見せかけられていたのだ。
 すごいよなぁ……だって脚本書いてるの下手すると1年以上前でしょ?
 最近nano bananaやSora2が出たから、我々は「死んだアイドルが新商品を持ってCMする」みたいな動画が平然とAI生成できてしまうことがわかっているけど、1年前に「1年後には動画も生成できるし人物固定もできるのが当たり前の感覚になる」って方向に作品の根幹を全賭けすること、できるかよ。かなり肝が据わってるな。

 それはそれとして、勝手に活動させることについて「尊厳の問題」って言っておきながら捜査しない警察はどうなんだ。捜索願が出てないとはいえ人が一人消えてるし、事故を起こしたトラック運転手とトラック会社はどう処理したんだ。きちんとしてくれ。
 子ども番組といっても、特撮という大嘘を通すためには設定のディテールには気を使って欲しいと思う俺です。ウナギにドジョウを一匹混ぜる者あり。ならばウナギにはかえって手を抜くべからず――ミヤモト・マサシも、そう言っている。

 スーパー戦隊では……シリーズが? 終わる……? スーパー戦隊って「終わる」ものなのか? どうせ来年からスーパーデューパー戦隊になってリスタートするんでしょう? そうだと言ってくれ。
 
■2025-10-30
内閣総理大臣杯
 初の女性総理が誕生したということで、大相撲の内閣総理大臣杯の授与はどうなるの?という記事をいくつか読んだ。

 概要を3行でまとめると、
  • オスモウは神事でありドヒョウ・リングは女人禁制
  • これまでも賞の手渡しを希望した女性首長はいたが、相撲協会が断っている
  • 別に総理本人が手渡す必要はないため、相撲協会は現状ノーコメント
 ……という状況のようだ。

 もし高市総理が授与を希望した場合、どうすべきか考えてみた。
  • Case 1:吊る
     ドヒョウ・リングを踏まないように吊る、もしくは我が国の小型モビリティの技術を結集した強化スーツに乗り込むことで踏むことを避ける。
  • Case 2:化ける
     「これなら神様も女とわかるまいよ」おお……見よ! 神をも畏れぬメタルバンドスタイルの超絶ド派手衣装と過激メイクでドヒョウ・リングに向かう総理の姿を!
  • Case 3:外側から指示を出す
    総理「シンジロー! キミに決めた!」
    シンジロー「感動した!」

 Case 3、ジェンダー平等を目指すにあたって「適材適所」を忘れないようにしようという意思を感じるな。
 
■2025-10-19
熾烈なる歯列矯正生活6
 歯列矯正の日々、1年と2か月が経過。
 6月に、咬合位置の矯正のため被せられていた仮の歯が取り除かれて以降、安定して前歯が使用可能になったため、おにぎりやハンバーガーなど、かぶりつくタイプの食事に苦労しなくなった。
 とはいえワイヤーを調整した翌日はやはり全ての歯が痛く、食べるものに苦労するのは変わらない。日清さんのカレーメシ完全メシで心と体を支えている。このシリーズもっといろいろ出してくれ。

 さて、前回報告したとおり、既に前歯はほぼ揃った。現在は唯一めちゃめちゃ横向きに倒れている小臼歯――通称「5番」が起き上がるスペースを作るための調整が行われている。
 そのためにこのたび俺の口内に投入された新兵器がオープンコイルである。
 例によって口内画像を出すとキモいので、気になる人だけ画像検索でもしていただければよいが、ワイヤー部にバネのようなものが追加された。
 ……本気か? 歯に接合されたワイヤーに、縮めたバネを差し込むことで……スプリングパワーで歯と歯の間が開いていくというのか? そんな誰でも考え付くけど絶対実行しなさそうな力業ギミックが……俺の口内に!?
 今は圧縮されていて、ワイヤーが一部分だけ太くなっているようにしか見えないが、歯の間がこじ開けられていくうちに徐々に緩んでバネの形に戻っていくのか?
 なんか舌が挟まったら痛そうだな?

 これを装備した代わりに、例のかっこいいワイヤー(マルチループアーチワイヤー)は普通の直線的なワイヤーに戻った。マルチループがない分、食べカスが挟まる部分が減るので、食後の歯磨きは多少楽になったといえるだろう。
 なんかこのまま「5番」を起こしておしまいなんじゃないかと錯覚してしまうんだけど、「早くても2年はかかる」とのことだからそんな単純な話じゃあないんだろうな。