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FF15日記 その4

Chapter 13 - 14

 前回のファイナルファンタジー15、3つの出来事!
 ひとつ、ノクティス王子一行は水都オルティシエへ!
 ふたつ! いろいろあってテネブラエへ!
 そしてみっつ! またいろいろあって帝都グラネアへ! 展開が早ァい!!

Chapter 13 - 奪還
 列車は帝国の首都へ向かいます。夜に覆われた関係で帝国はシガイだらけになっており壊滅状態だそうです。悪の帝国が勝手に自滅してることってある?
 シグナタス要塞というところにプロンプト君が捕まっており、シガイを退ける力があるクリスタル(映画でノクト君の国から奪われたやつです。インガオホー)もそこにあるそうなので、そこへ向かいます。
#FFXV #PS4share
 帝都につくやいなや列車が襲撃され、さらにノクト君のシフト能力やら武器を出す魔法やらが使えないことがわかり、貨物車に置いといたレガリアでド派手に脱出します。突然レースゲームが始まるの、最高にファイナルファンタジーって感じだ。

 そしてカーチェイスの最後は大破と相場が決まっています。第9章からずっと走行を許されて来なかったレガリア、ここで無念のリタイアです。さらにグラディオとイグニスともはぐれ、ソロプレイになります。
 FFのサントラをかけながら真っ直ぐな道路を爆走する開放感も、膨大な台本による仲間とのかけあいも、シフトブレイクで空中を飛び回る戦闘の楽しさも、全て失われました。


 ノクト君はようやく覚悟を決め、指輪を装備します。これで「デス(ボタン長押しで敵の即死耐性ゲージを削って殺す)」「ホーリー(MPを垂れ流して攻撃を自動回避)」「オルタナ(MP全消費で周囲の敵を殲滅)」の3つの攻撃手段が生えてきました。
 特にホーリーはタイミングよく回避ボタンを押すことでチート級のカウンターダメージが入ります。バイオハザード5で鍛えた攻撃モーション見切り力があれば囲まれても余裕で全員粉砕できます。
#FFXV #PS4share
 とか言ってたら本当にバイオハザードが始まってしまいました。基地の館内放送でアーデンが「気をつけた方がいいよ~」と盛んに煽ってきます。ゾンビめいた魔導兵がウロウロしており、隠れる場所などが用意されてるので、アーデンとしては何としてもバイオハザードをして欲しいのでしょう。

 カードキーを行き止まりに置いたり、パズルめいた操作盤を用意したり、感染症蔓延のレポートを置いたり、一生懸命バイオハザードを演出しようというアーデンの努力のあとが見られます。ワカるよ。バイオやってビビってる人隣で見てるの面白いもんな。
 しかしこちらには無尽蔵なハイポーションがあり、強力無比なカウンターホーリーがあり、さらにマップには目的地マーカーがついています。こんな状態でバイオハザードしてもらえると思っているんならお笑い草です。全て正面突破で粉砕しました。


 このクソ長い基地で延々とバイオハザードごっこをさせられながら思いました。

 FF15の一番の強みは男4人のキャンプ生活にあると言って差し支えないでしょう。オープンワールド的なゲームで高級車に乗った4人パーティがてんやわんやしていくのには本当に唯一無二の魅力があり、他のゲームでは味わい難いものでした。しかし……

 9章でレガリア移動を奪われ、
 10章でキャンプを奪われ、
 11章で写真撮影を奪われ、
 12章で明るい景色を奪われ、
 13章でパーティ戦闘とシフト能力を奪われました。

 BGMも環境音になってしまったので音楽プレイヤーを起動しようとしましたが、それすらも封じられていました。残されたのはただカウンターをキメながら目的地マーカーを目指して走るだけのバイオハザードもどきです。

 どうしてこんな事になってしまったのか……と悲しみにくれるその気持ちは、ノクト君の気持ちをメタ的に再現することに繋がります。楽しかったあの思い出(ゲーム)は戻ってこない。全て奪われてしまった……そういう絶望感の演出が盤外から襲ってくる形です。
 問題はそれが、そういうメタ的な試みを意図的に仕掛けた実験的インディーゲームでなく、天下のスクエニスタッフが自信を持ってリリースしたFFのナンバリングタイトルで成されてしまったということです。本当になんてことをしてくれたんだ。

#FFXV #PS4share
 ようやくグラディオたちと合流し、プロンプトを救出すると、その後、武器やシフトアタックの封印も解除されます。
 ミュージックプレイヤーも戻ってきましたが今はそれどころではないのでガンガン先に進んでいきます。

 クリスタル格納庫の近くまで来ると、章ボス含め並みいる強敵シガイが波状攻撃をかけてきます。ここまで買いためたアイテムをふんだんに使いつつナントカ倒していきますが、最終的に数が多すぎるということで、「ここは俺たちに任せて先に行け!」という例の奴で、またノクト君は一人になりクリスタルルームに向かいます。
#FFXV #PS4share
 ここでアーデンの正体と目的が明かされ、クリスタルの中に取り込まれたノクト君は、中で剣神バハムートに「王の使命」を伝えられました。なんでバハムートはクリスタルの中におるん?
 ルシス王国創成期より続くアーデンの嫌がらせを止め、闇に包まれた世界に夜明けをもたらすためには、六神の啓示を受け「真の王」となったノクト君がルシス王の玉座に座り、命と引き換えに力を解き放つ必要があるとのことです。ノクト君は自分の死の運命を何も言わずに受け入れたけど、これ指輪をはめたときに知ってたのかな。
 で、アーデンは逆に、ノクト君を「真の王」にしたうえでそれを完全消滅させることで、神話的嫌がらせを行おうというのでした。


 王の使命を果たす覚悟を決めたノクト君の意識は溶けてゆき、そして目覚めたら剣神の証を……
#FFXV #PS4share
 老いてる―――!!(ガビーン)

Chapter 14 - 帰郷
 なんと20代が一瞬で過ぎ去り30歳になってしまったノクト君改めノクトさんですが、時代が進むことはプロローグで明かされているため(オープニングにラストシーン直前を持ってくるザナルカンド演出)、これでいよいよ最終章となります。
#FFXV #PS4share
 10年気絶していたよくわからない島から船でルシス領に上陸です。世界はシガイによって完全に崩壊しており、ここは迷わず「仲間を求めて(FF6)」を再生しながら走りました。メッセージをもとに仲間との合流地点へ向かいます。10年間ずっと夜だったのに植物とか普通に成長してんな……。

♪仲間を求めて

 10年間の情報を整理しつつ、仲間たちと再会します。全盲のイグニスの髪型がキマってることと、めちゃめちゃ元気に走ってくる姿が衝撃的でした。「シドが急激に元気をなくしてイグニスの新鮮な魚料理だけを楽しみにしてる」という追加情報もFF6の曲を流していた俺には刺激が強かったです。まずい魚を与え続けると死ぬのかな?

 そして男たちはアーデンの居座る王都へと向かい、最後のキャンプを行います。
#FFXV #PS4share
 イグニスが……みんなのお母さんが……復活している!! ヤッター!!
 いやほんとこのメニュー表が出てきたとき「FF15が帰ってきた!」と思ったので、これはただのバフ盛り以上の効果があります。発売前に「リヴァイアサンおにぎり」とか馬鹿にしてた奴は反省してください。飯の描写は生命線です。
 こうして「王都に帰ってきたノクトさん」と「キャンプ生活の空気感が戻ってきたプレイヤー」の気持ちがリンクしつつ、最後の戦いが幕を開けます。

#FFXV #PS4share
 いざ都庁……じゃなかった王宮攻めじゃあー!! 実家がラストダンジョンな主人公っていうのも珍しいですね。
 新宿……でなく王都インソムニアはシガイだらけで旧帝国兵、アーリマン、ブラックプリンなど次々に襲ってきて恐ろしい。特にキングベヒんもスは強敵だったがシヴァ召喚でナントカ倒しました。
 続いてシガイと化してアーデンに操られるイフリート……これはプロローグで流れたシーンから始まりバハムート召喚、乱戦、最終的には再びシヴァが召喚されナントカ倒した……
#FFXV #PS4share
 FF15のダイヤモンドダスト、絵面がひどくて面白い。ノクトさん困ってんじゃねーか増えるな。


 アーデンの待つ王の間の前で、ノクトさんが写真を1枚持っていきたい、と言い、これまで保存してきた写真をみんなで見ることになります。
#FFXV #PS4share
 プロンプト君は11章からパーティを離脱しているので、写真のリストは必然的に「8章までの楽しかったゲーム」のものになります。写真によってはみんながコメントくれるのが素晴らしい。ホントこれはこのゲームでしかできない体験です。
 みんなのコメントからいっても集合写真を持っていくのが自然な流れなのですが、俺の解釈ではノクトさんは飯の写真にこだわりがあるので飯の写真を……いやプロンプトが撮った飯の写真、カップヌードルしかねえな!?

#FFXV #PS4share
 最終戦はノクトさんとアーデンの一騎打ちとなります。途中からリヴァイアサン戦で見せたドラゴンボールみたいな戦い方になり、最後は連続QTEで全てのファントムソードをブチこんで粉砕します。
 その後ノクトさんは、押し寄せるシガイたちを仲間に任せ、一人玉座の間へ進み、壮絶なハラキリ儀式をもって星の闇を消し飛ばすのでした。どう考えてもハッピーエンドではないのですが、「エボンジュを倒したら、俺、消えっから!」と言って本当に消えてしまうのがFF主人公なので、その点はあまり理不尽に思いませんでした。今他作品のネタバレする意味あったか?

 最後のキャンプの回想が流れ、エンドロールも終わり、国歌「ファイナルファンタジー」と共にイマジナリーノクトさんとイマジナリールーナ様が幸せそうに微笑み、タイトルロゴがドーンって出てFF15はおしまいです。

♪Main Theme from FINAL FANTASY

 もう国歌が流れてタイトルロゴが回収されるだけで満点あげちゃうッて気持ちになるので困る。

総括
 俺は得難いゲーム体験をしました。
 ゼノギアスのDisc2やMOTHER3の第8章は、シナリオを語りきれなかったために起こった悲劇でした。しかし、その2作はどちらも元々一本道で、後戻りできないタイプのRPGです。FF15はオープンワールドを与えておいてからそれを奪うという点で性質が異なります。
 特筆すべきはゲームが面白くなくなっていく絶望感と、ノクト君の心情がメタ的にリンクする仕組みで、これが1つずつ奪還されていき、最後のキャンプで厨房に立つイグニスを見た瞬間の高揚感に繋がりました。「あとは明るい世界を取り戻すだけだ」という気持ちの盛り上がりがゲームシステムの側面からも……

 ……いや……

悪い やっぱ辛えわ

ちゃんと言えたじゃねえか

 これが、そんなメタ的な試みを仕込んだ実験作として作られたわけがないのです。本当に「はじめてFINAL FANTASYをプレイする方と、すべてのファンの為に――」と謳うのであれば、「ゲームをあえてつまらなくする」などという冒涜的手段がとれるはずがありません。「こうせざるを得なかった」というのはとても悲しいことです。
 想像するに、製作期間が伸びすぎて、本作品の唯一無二の魅力である「男4人のキャンプによるオープンワールド」が打ち立てられたころには、他の要素(特にシナリオ)をそれに合わせることができなかった、というだけのことなのでしょう。
 「オープンワールドによる自由なプレイスタイル」と「映画的演出による重厚なシナリオ」というのは完全に水と油で、それを解決する界面活性剤は未だに発明されていないので仕方のないことです。

 俺のプレイ体験は幾たびものアップデートで改善された結果ですので、発売日に買ってクリアした人にとっては本当に辛えものだったと思います。
 音楽を含めた演出面はさすがファイナルファンタジー最新作と言える素晴らしいものでしたが、直前に映画を観ているため「映画でやれ」という気持ちが正直なところです。
 ただ、膨大な台本と緻密なAIによる「仲間」の表現は他のゲームでは味わえないものでした。AIはともかく、台本はこれに匹敵する量を用意できる機会はもうないんじゃないでしょうか。そういう意味でこれは体験する価値のある作品であることは間違いありません。

 「オープンワールドと映画的シナリオを両立させることには失敗したが、オープンワールドと4人パーティを両立させる試みは一定の成果をあげた」というのが通しでプレイしてみた実感でした。
 フルCGで映画が撮れてしまう時代にRPGに何ができるのか、ファイナルファンタジーにはその答えを見つけ出して欲しいものですね。

#FFXV #PS4share
 おしまい。
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