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◆不定期日記ログ◆

■2016-01-26
金太郎は過大評価では?
 金太郎をご存じだろうか。
 愚問である。誰もが知っている。彼はよくわからんハレンチな赤い布をまとい、熊を使役し、マサカリを武器とした。みんな知っている。そのことは知っている。
 だが彼は何をした人なのか、そこまで来るとほとんどの人が口を閉ざす。昔の日記で「知名度のわりに実態が知られていない」と危惧したが、その思いは強まるばかりである。娘の絵本に彼の物語が載っていた。今なら青空文庫にもある。時間のある人は今一度目を通してみてほしい。

 金太郎 - 青空文庫

 終わり方がひどい。思っていたよりひどい。
 主人公の紹介を終え、熊とチュートリアルバトルをして、お侍さんにスカウトされ、いよいよ都で本格バトルだ、というところで無慈悲に終了する。なんなの?体験版なの?少年ジャンプの10週打ち切り漫画でももうちょっと話を転がすぞ。
 だってお前「マサカリかついだ金太郎~♪」っていうオープニングテーマも公開されてただろ。プレスリリースには仲間とともに大江山ステージで酒呑童子と戦う迫力の画面写真もあったじゃん。なんで体験版だけ出してアワレにも倒産しちまったんだよ。ダメじゃない?これ語り継いじゃダメじゃない?静岡県ゆかりの彼をあまり責めたくないけど、少なくとも桃太郎とか浦島太郎と肩を並べていい作品じゃなくないこれ?


 金太郎がここまでの地位を築けたのは、おかっぱ頭と斧とよくわからんハレンチな赤い布、というわかりやすい記号性が、五月人形などのフィギュア原型師に愛されたからであろうと推測する。公式からの供給が途中で消滅したのに、同人グッズだけはさかんに作られている希有なジャンルなのかもしれない。