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◆不定期日記ログ◆

■2014-05-20
あいりさんの三週間
 先週無事に退院をしたあいりさんだが、その体の小ささゆえにまだ準備不足の点もあった。
 うんこが上手くできないのだ。
 どのコマンドを入れれば括約筋が動くのか、そこんとこをつかみ切れていないようだ。

 こういったケースの場合、ジェルを塗った綿棒の先端を肛門に抜き差しして刺激してやると、出る。
 たしかに出る。
 俺は知っている。
 あの夏の日、大腸の奥の奥まで詳らかにされた肛辱の日に思い知ったからだ。
 激しく前後されるたびに本能で括約筋が動くのだ。
 あの日の屈辱と苦痛を思い出して俺は泣いた。
 娘よ……すまぬ……すまぬ……
 父はこの出来事をおまえが反抗期を迎えたころニヤニヤしながら伝えるつもりだ……


 つらい話はおいといて、本日あいりさんは誕生三週間となった。
 驚くほどおとなしくいい子にしていたようで、懸念されていた排泄も自力でできるようになり、夜中に泣いて起こされることも1~2回しかなかったようだ。

 我々は育児について執拗に調査をし常に予測行動を絶やさない。
 この三週目は「魔の三週目」と呼ばれており、絶え間ない夜泣きによって睡眠を阻害され最終的には目覚めながらにして幻覚を見るようになり最悪死ぬ、という恐ろしい週だったはずだ。
 だが実際はお腹がすいたときにちょっと泣くくらいで、まったくおとなしいまま三週目を終えてしまった。
 おそらく胎内にいるころから初期育児の恐怖を語っているのを聞いていたため、素直に難易度をベリーイージーに設定して生まれてくれたのだろう。なんていい子なんだ。


 今日様子を見に行ってみると、ちょっと本腰を入れて泣くようになっていた。
 ミルクはあげた、おむつは換えた、となると、自分をGODS CHILDだと思っておりこの腐敗した世界に堕とされたことを嘆いて泣いている可能性が高い。
 こういうときは抱っこだ。緩やかな加速度を与えることで、母親に咥えられて恐竜から逃れていた小型ほ乳類の赤子のDNAに働きかけ、安心させるのだ。

 そう思って決断的に抱き上げると、一瞬で静かになった。

 下ろすとまた泣き始める。

 抱っこすると即、泣きやむ。


 矢部「あれーっ、あいりさん君が抱かれて泣きやんだでやんす!」
 監督の評価が下がった
 スカウトの評価が下がった
 だきぐせ がついた < ファファファ~


 オイたった一回で味をしめるな!パワプロくん並の豆腐メンタルなのか?
 このあと滅茶苦茶抱いたり下ろしたりした。
 四週目からはベリーイージーからイージーに格上げか?まさかいままではチュートリアルだったのか?
 あいりさんのレベルデザインは実際ブッダ。