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◆不定期日記ログ◆

■2014-05-13
命名までの顛末を記した長文
 何にでも名前はある。
 聖書にも書いてあるだろ、「ことばは初めに神様とともにあり、全てのものはこれによってできた」……だから、生まれた子どもにもまず名前をやらなきゃいけない。


 胎内のエコー写真にヒトの形めいたものがハッキリ写るようになったころから、我々は主治医に性別はどちらか尋ねていた。主治医は判断に慎重だったが、ある日「2000%女の子です」と断言できるヒワイなアングルの写真が撮れてしまったらしく、その日から名前の候補探しが始まった。

 俺の命名に対する姿勢はこのときから変わっていない。
 すなわち、重点する要素を順に並べると以下のようなものになる。


・漢字から読みが判断しやすい
 その漢字の読みがほぼそれしかなく、読みから漢字を連想できるなら最高

・読みから漢字が判断しやすい
 電話口で自分の名前の漢字を説明するときなど、口頭でも伝えやすい

・変換が容易
 いかなる環境でも一発変換可能な名前が理想

・一般的な漢字である
 常用漢字内、最低でもJIS第一水準内にあるべき

・総画数が少ない
 15画以上の漢字だとちょっと複雑って印象あるよね

・外国人から見ても呼びやすいかどうか
 インド人とかは知らない

・「天国・地獄・大地獄!」で天国行きかどうか
 これ地方によってすごいバリエーションあるよね

・字画姓名判断の結果が良い
 上の項目の次くらいに重要。つまり全く考慮しない。


 まずは何でも思いついた名前をひたすら列挙していった。
 予定日が5月だったので、かなり初期の段階で安直に「さつき」か「めい」でいいや、と思いついた。だってトトロの糸井重里っていうか草壁タツオ、あの人32歳だぞ。(関係ない)

 だが「さつき」だと、名字とあわせたとき難聴の人が片山さつきと間違えそうなので却下。
 「めい」は長らく有力候補だったが、読みやすさを考えると当てられる漢字がほぼ「芽衣」しかないということに加え、人気の名前であることから重複のおそれがあり断念。
 そもそも5月生まれにならなかったのでこの判断は正解であった。

 春にちなんで「はるか」はどうか?
 1文字にしてしまえば漢字はやや複雑だが変換はしやすい……とおもいきや「はるか」には「遙」「遥」の区別があり、説明にかなりの困難性を伴う。「春歌」だと目の色素が薄そうだし「春華」だとうなぎパイっぽい。却下した。

 では花の名前は?
 季節の花の名前は、世界的にも女性の名前としてスタンダードだ。
 4月から5月あたりの花ということでアヤメはどうだろう。
 でも「彩芽」ではあんまりだし、かといって他の漢字を当てても変換しづらい。

 ならばここでグローバルな視点を取り入れよう。
 アヤメの花は英語でアイリス。Irisは虹の女神でイメージも良いし、ヨーロッパでは人名としても使われる。このアイリスからとって「あいり」はどうか?

 「それ何か片桐はいりみたい」

 いや…ええと…言うほど似てねえよ!


 名前の響きの面から列挙していたワイフとも意見が一致し、それからしばらくなんの反対意見もなかったため、なんとなくそのまま「あいり」で決定となった。
 漢字はギリギリまで「愛理」「愛里」「愛梨」などで迷ったが、「画数の少ない愛里がいいだろう」ということで落ち着いた。


 あいりさんは本日ようやく退院し、ひとまずワイフ実家に落ち着いた。
 一日中おとなしくミルクも要求せずに隙あらば寝ているので、全力全開で2000パー我々の子どもだ!と思った。