◆不定期日記ログ◆
- ■2010-07-30
- なぜ地属性は衰退したか
古今東西、いろいろなファンタジーに属性が登場するが、その中でも飛び抜けて不人気なのが地属性である。
いったいこれはどうしたことだ。
地属性だけに地味だというのか!
地面を割るとか十分ハデではないか!?
母なる大地なのになぜ男臭いイメージしかないのか!?
空中の敵に効かないとか誰が言い出したんだ!?
雷が海中の敵に効く世界だぞ!がんばれよ地属性!
原始、4属性といえばパラケルススの言う「火・水・土・空気」の4元素のことであった。
ここにはしっかりと地属性が刻まれている。
だが「ペルソナ」や「ルドラ」を見よ!
4属性が「炎・氷・風・雷」になってしまっているじゃあないか!
3属性を考えると真っ先に「炎・氷・雷」が出てくる。
これはもう間違いなくFFの仕業であろう。
いったいなぜここに雷属性が割り込んできたのか。
そもそも雷は炎や冷気と並べておくべきではない、もっと優位の属性ではないか?
ギリシャ神話のゼウス、北欧神話のトールなど、神話でも雷を操る神は主神ないしはかなり重要な位置にいる。
日本にも、雷を操る神といえば「天神」菅原道真がいる。八幡・伊勢に続く神社数を誇るゴッドである。
ドラクエ3のように、雷属性は選ばれた勇者のみが扱えるものであるべきなのだ。
FFでも海外版の「ミスティッククエスト」では、基本の黒魔法がクエイク・ブリザド・ファイア・エアロの4種となっており、サンダーはより上位の魔法に位置づけられている。
クリスタルが火水風土なのだから当然といえば当然といえよう。
FFが気軽に「サンダー」とか言い出さなければ、雷の優位性は保たれ、したがって地属性が競合の末はじき出されることもなかったのである。
しかしなぜ土がはじき出されなければならなかったのか。
「火⇔水」「土⇔風」の対立はわかりやすく、雷がこれを崩すスキはないように思える。
風と雷が肩を並べた例を考えてみると、まっさきに「風神・雷神」が頭に浮かぶ。
雷神は前述の天神とつながるが、風神はどんな神なのかよくわからない。二つ合わせて天候を示している、とも言えるが、それでも並列ではあるまい。
風と雷を並べてしまったのは「風神雷神図屏風」の俵屋宗達のせいなのかもしれない。
そしてそのせいで、4属性から地属性がはじき出されたのだ。
つまりFFと俵屋宗達のせいだったんだよ!
なんだってー!
■おまけ
ここまで「雷が地属性のポジションを奪った」という例を扱ってきた。
だが実際は、パラケルススの4属性や中国の五行思想(木火土金水)を尊重して、地属性を残しつつ、この中に雷を入れこもうという試みも結構みうけられる。
では雷はどの属性に入っているのか?
「聖剣伝説2」では、風の精霊ジンがサンダーボルトを使う。
「ロマサガ3」では水の術(玄武術)リストの中にサンダークラップが含まれている。
「天上天下」では、土の氣を操る奴が、地電流と称して電撃技を使っていた。
稲妻は、気体中の分子が電子をはじき出され、プラズマ化することで光っている。
プラズマは固体・液体・気体とのいずれとも異なる第4の状態であり、これをパラケルススの4元素と対応させようと言い出したのはクルックスという人だった。
理科の実験で使ったクルックス管を編み出した人である。
いわく、土=固体、水=液体、空気=気体、そして火がプラズマである。
実際、ものが燃えるときに出ている炎もアレはプラズマなので、化学的に分類すれば雷は火属性であってしかるべきであろう。
■2017-10-19追記
そもそもなんでFF1ではファイアとサンダーがレベル1で、ブリザドがレベル2なんだよ!普通サンダーを上位にしないか!? という疑問をぶら下げていたところ、「ウィザードリィが元ネタでは」という情報をいただいた。過去日記を放流するとこういうことが起きるので大変ありがたい。
確かにウィザードリィにはハリト(火の玉)、モリト(電撃)があり、それより上位の魔法としてダルト(冷気)がある。属性相性はないのでただのフレーバーだが、さらっとサンダーがファイアと肩を並べたのはここに源流があったとみて間違いなかろう。
ただ、電気が利用されていないファンタジー世界になぜ電撃という概念があるのか、落雷レベルになるとそれはもう魔法ではなく神の所業ではないか、という疑問はそのまま残る。ここで「ゲームのせつめいしょ」を確認してみると、モリトは「火花を呼び起こす」としか書いてない。おそらく原語ではsparkと書かれていたと推測するが、これがどこかで電撃と解釈され、それが雷魔法が誕生した理由ではないか、というのを現段階の結論としておこう。
いったいこれはどうしたことだ。
地属性だけに地味だというのか!
地面を割るとか十分ハデではないか!?
母なる大地なのになぜ男臭いイメージしかないのか!?
空中の敵に効かないとか誰が言い出したんだ!?
雷が海中の敵に効く世界だぞ!がんばれよ地属性!
原始、4属性といえばパラケルススの言う「火・水・土・空気」の4元素のことであった。
ここにはしっかりと地属性が刻まれている。
だが「ペルソナ」や「ルドラ」を見よ!
4属性が「炎・氷・風・雷」になってしまっているじゃあないか!
3属性を考えると真っ先に「炎・氷・雷」が出てくる。
これはもう間違いなくFFの仕業であろう。
いったいなぜここに雷属性が割り込んできたのか。
そもそも雷は炎や冷気と並べておくべきではない、もっと優位の属性ではないか?
ギリシャ神話のゼウス、北欧神話のトールなど、神話でも雷を操る神は主神ないしはかなり重要な位置にいる。
日本にも、雷を操る神といえば「天神」菅原道真がいる。八幡・伊勢に続く神社数を誇るゴッドである。
ドラクエ3のように、雷属性は選ばれた勇者のみが扱えるものであるべきなのだ。
FFでも海外版の「ミスティッククエスト」では、基本の黒魔法がクエイク・ブリザド・ファイア・エアロの4種となっており、サンダーはより上位の魔法に位置づけられている。
クリスタルが火水風土なのだから当然といえば当然といえよう。
FFが気軽に「サンダー」とか言い出さなければ、雷の優位性は保たれ、したがって地属性が競合の末はじき出されることもなかったのである。
しかしなぜ土がはじき出されなければならなかったのか。
「火⇔水」「土⇔風」の対立はわかりやすく、雷がこれを崩すスキはないように思える。
風と雷が肩を並べた例を考えてみると、まっさきに「風神・雷神」が頭に浮かぶ。
雷神は前述の天神とつながるが、風神はどんな神なのかよくわからない。二つ合わせて天候を示している、とも言えるが、それでも並列ではあるまい。
風と雷を並べてしまったのは「風神雷神図屏風」の俵屋宗達のせいなのかもしれない。
そしてそのせいで、4属性から地属性がはじき出されたのだ。
つまりFFと俵屋宗達のせいだったんだよ!
なんだってー!
■おまけ
ここまで「雷が地属性のポジションを奪った」という例を扱ってきた。
だが実際は、パラケルススの4属性や中国の五行思想(木火土金水)を尊重して、地属性を残しつつ、この中に雷を入れこもうという試みも結構みうけられる。
では雷はどの属性に入っているのか?
「聖剣伝説2」では、風の精霊ジンがサンダーボルトを使う。
「ロマサガ3」では水の術(玄武術)リストの中にサンダークラップが含まれている。
「天上天下」では、土の氣を操る奴が、地電流と称して電撃技を使っていた。
稲妻は、気体中の分子が電子をはじき出され、プラズマ化することで光っている。
プラズマは固体・液体・気体とのいずれとも異なる第4の状態であり、これをパラケルススの4元素と対応させようと言い出したのはクルックスという人だった。
理科の実験で使ったクルックス管を編み出した人である。
いわく、土=固体、水=液体、空気=気体、そして火がプラズマである。
実際、ものが燃えるときに出ている炎もアレはプラズマなので、化学的に分類すれば雷は火属性であってしかるべきであろう。
■2017-10-19追記
そもそもなんでFF1ではファイアとサンダーがレベル1で、ブリザドがレベル2なんだよ!普通サンダーを上位にしないか!? という疑問をぶら下げていたところ、「ウィザードリィが元ネタでは」という情報をいただいた。過去日記を放流するとこういうことが起きるので大変ありがたい。
確かにウィザードリィにはハリト(火の玉)、モリト(電撃)があり、それより上位の魔法としてダルト(冷気)がある。属性相性はないのでただのフレーバーだが、さらっとサンダーがファイアと肩を並べたのはここに源流があったとみて間違いなかろう。
ただ、電気が利用されていないファンタジー世界になぜ電撃という概念があるのか、落雷レベルになるとそれはもう魔法ではなく神の所業ではないか、という疑問はそのまま残る。ここで「ゲームのせつめいしょ」を確認してみると、モリトは「火花を呼び起こす」としか書いてない。おそらく原語ではsparkと書かれていたと推測するが、これがどこかで電撃と解釈され、それが雷魔法が誕生した理由ではないか、というのを現段階の結論としておこう。