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◆不定期日記ログ◆

■2007-07-13
選挙前なのでまじめな話
 「国の借金」という言い方が気に食わない。
 とくに社会の教科書でもこういう言い方をしているのが気に食わない。

 国債っていうのはたしかに借金だが、一般のイメージする借金とはちょっと違う。
 外国債でなく内国債である以上、それは将来手に入る予定の税金の「前借り」という意味合いが強いじゃあないか。
 こう考えると「借金」という言い方のアンフェアさがにじみ出て来る。

 800万の借金をしている奴が、今月も30万の借金をしようとしている。
 これは当たり前のことだ。
 当たり前じゃあいけないんだが、我々はこの手の話を、多重債務の恐ろしさの話などで頻繁に聞いている。受け入れやすい状態だ。

 こうなってしまった債務者はもうオワタ状態なので、
 「日本は終了しました」という無責任な印象を相手に伝えるにはもっとも手っ取り早いたとえだろう。

 ところがこれを「前借り」という言い方をすると印象が変わってくる。

 すでに小遣いを8000円前借りしている小学生が、さらに今月300円を追加で前借りできるか?しかもこいつの小遣いは月500円なんだぞ!

 できるわけがない。
 我々はそういうお話を聞いたことがない。先の多重債務者の話よりずっとありえない話だ。
 素直に「前借り」にたとえたほうが、「借金」にたとえて800兆がどうのと並べ立てるよりも、よっぽど今の財政の異常さを正確に示しているじゃあないか。

 なのに変な例ばっかりで、こうして前借りという表現を使った説明を見たことがない。
 ましてや家計にたとえて「こんなにヤバイ!」とか言うのは絶対にフェアじゃない。

 そんなに思考停止させたいのか。
 「なんでそんな前借りをさせちゃってるの、俺たちは?」っていう「疑問」をより喚起させたほうが、年金問題や福祉の問題につながるじゃあないか。

 多重債務者のエピソードとマッチングしてしまう「借金」という言い方は、逆に現実から目を背けさせるだけの不適切なたとえだと主張したい。
 以上!