Oneside Flat Web

◆ワンサイドフラットウェブ◆

~  過労なる一族  ~

■2024-07-25
一般名詞の固有名詞化
 一般名詞をサービス名にするんじゃあないよ、とときどき思うのだが、実際、一般名詞をそのまま名称に使っている製品やサービスはけっこうある。ともあれ𝕏という呼称は滅ぶべきであると考える次第である。

 我々日本人は、絵描きを探すときには「イラストレーター」、Adobe社のソフトの操作を調べるときには「Illustrator」で検索しているけれど、英米の皆さんは不便に思っていないのだろうか。
 英語で「この写真どうしたの?」「ちょっと写真屋でね……」と言ったときに、それが写真館で撮ったものなのか、Adobe社のPhotoshopで加工したものなのかわからないのは大変ではないのか。

 このようなことがないよう、多くの文字を持つ我々は、「ルビー」と表記した場合は宝石で、「Ruby」と表記したときにはプログラミング言語、「ルビ」ならふりがな、「ルビィ」ならラブライブというように、業界によって細かく表記し分けて暮らしているわけだ。ともあれ𝕏という呼称は滅ぶべきであると考える次第である。


 表記のほかに、アクセントでカバーしている例もある。
 たとえば我々は、LINEというサービスのことを「ラン」と発音したり、Wordというソフトのことを「ワド」と発音したりして、製品名・サービス名と一般名詞を区別している。こちらは口頭でも区別がつくのが利点で、よい工夫だと思う。
 しかし、これは区別しようと思ってそうなったワケではあるまい。LINEの公式の発音は一般名詞と同様「イン」であり、日韓のLINE株式会社の人々は公式にはそう発音している。Wordもそうなのか?

 また、noteというサービスがあるが、これはみなさんも一般名詞と同じく「ート」と発音しているのではないか。これはまだnoteが口頭で発音される頻度が少ないせいで、爆発的にユーザーが増えたら「ノト」になるのだろうか。日産ノートがそうなっていないので、ならなさそうな気がする。
 だいたいなんでnoteなんて名前にしたんだ。ググラビリティ(これは固有名詞が一般名詞化した例だ)が低すぎるじゃあないか。クルマと違ってどっちも書くものなんだぞ。ともあれ𝕏という呼称は滅ぶべきであると考える次第である。

 一般名詞を固有名詞化することは、ともすれば検索汚染を引き起こす。たとえば2019年には和牛業界が、2022年には錦鯉業界が非常に不便を強いられたのではないか。ググラビリティに配慮することは、現代のネーミングの重要要素であろう。
 ともあれ𝕏という呼称は滅ぶべきであると考える次第である。
 
■2024-07-16
ファミコン40周年
 ファミコン40周年記念イヤーが終わり、一年間行われた様々な施策も終わりを迎えた。
ファミコン40周年キャンペーンサイト | 任天堂
https://www.nintendo.com/jp/famicom/index.html
 奇しくも「発売から次世代機が出るまでの期間」において、ニンテンドースイッチがファミコンの2687日を抜いたとのことだ。ファミコンの息の長さに驚かされる。

■ファミコン全国一斉クイズ

 月イチで行われていた全12回のクイズに挑戦し、最高点は80点、最低点は44点、平均65.3点、総合得点784点であった。上位2%に入ったが、これは全12回の合算なのでアテにならない。12回皆勤の解答者の中でどのへんだったかを知りたい。
総合結果
別にナムコに詳しくないぞ
 ただの4択でなく様々な解答方式を実装してあったり、まれにただの歴史の問題とか地理の問題とかが混ざってきたり、解答者を飽きさせないクイズであった。
 ファイナルファンタジー3のパッケージの男が持ってる二本の剣の色が的中したのは嬉しかった。なんなんだろうなあのかっこいいポーズ。

■ファミコン国民投票

 こちらは週イチで全51回行われた。投票行動の記録はそのうち見られなくなるとのことなので、いくつか抜粋してここに転載しておこうと思う。思い入れのあるお題の時は素直に答え、そうでないお題のときは上位票を予想して投票していった。
  • Q.「はじめて買った(買ってもらった)」のは?
    A.うっでいぽこ(第235位)
    ぶっちゃけこれ何票入るんだろ、と思って投票した。235位だった。ちなみに1位~3位は全部マリオでした。
  • Q.「ハイスコア」といえば?
    A.スターソルジャー(第1位)
    あのころの高橋名人を知っていれば他になかろう。
  • Q.「赤いカセット」といえば?
    A.MOTHER(第1位)
    これも疑いようがないが、実は初代MOTHERはGBA版で触れたので、原作のカセットの色を見て育ったわけではないのが寂しいところ。
  • Q.「対戦」といえば?
    A.ドクターマリオ(第11位)
    マッスルタッグマッチとどっちにするか悩んだすえこっちにした。1位のマリオブラザーズみたいに、ファミコンゲーは協力と対戦の境界があいまいになりがち。
  • Q.「マイクを使う」といえば?
    A.ドラえもん(第3位)
    これは1位を当てにいったんだが3位だった。1位の「たけしの挑戦状」、2位の「バンゲリングベイ」が圧倒的得票率だった。
  • Q.「スポーツゲーム」といえば?
    A.熱血高校 ドッジボール部(第5位)
    もうちょっと上位行くかと思ったが「ファミスタ」や「ハイパーオリンピック」に敗れた。なんで不良がこんなにスポーツに熱心だったんだろうね。
  • Q.「白いカセット」といえば?
    A.スペランカー(第13位)
    正直「白さ」よりも先に頂点に輝くダイオードのことが思い出されて、なぜファイナルファンタジー3(2位)の白さを思い出さなかったのかが謎なんだよな……
  • Q.「謎」といえば?
    A.トランスフォーマー コンボイの謎(第2位)
    トランスフォーマーを知らないので一体なにが謎だったのかわからないところまで含めて謎。アトランチスの謎、ガンプの謎、神龍の謎、ワイリーの謎、謎が多い。
  • Q.「BGMがよかった」といえば?
    A.ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・(第1位)
    こんなん1つ選べるワケがないだろ。これだけで全51回投票してやろうか。だが選ばねばならんので、ファミコンの枠内で「アレフガルドにて」という最強の伏線回収をしたということと、すぎやまこういち先生の功績を讃えてこれにした。納得の1位。
  • Q.「アドベンチャーゲーム」といえば?
    A.さんまの名探偵(第3位)
    意外とテキストアドベンチャーのゲームに触れていなかった。ポートピア&オホーツクに次いでの3位。投票しようと思った「シャドウゲイト」が10位に入らなかったのは意外。わたしこそしんのゆうしゃだ!
  • Q.「漢字だけのタイトル」といえば?
    A.魔界村(第2位)
    これは1位を狙って投票したんだけど惜しかった。あえての漢字表記という意味では「沙羅曼蛇」がトップなのは納得。
  • Q.「勉強になった」といえば?
    A.おぼっちゃまくん(第65位)
    意外に思われるかもしれないんだけど、この時代に桃鉄WORLDみたいなことやったゲームがあったんですよ。ブエノスアイレスとかこれで知った。ところで「マインドシーカー」に投票したやつが1.2%いるんだけど超能力者になったのか?
  • Q.「パズルゲーム」といえば?
    A.落っことしパズル とんじゃん!?(第25位)
    自分の中で「アクションパズルは無し」という縛りを入れたところ、残ったのは倉庫番系ゲームでした……。実際投票上位はほぼ全てがアクション要素アリのもの。それはそう。
  • Q.「裏技」といえば?
    A.ROCKMAN3 Dr.ワイリーの最期!?(第6位)
    足でな、Ⅱコンの十字キーを入れ続けるんじゃよ。1位は納得のグラディウス。コナミコマンドは世界的に有名だからな……。
  • Q.「龍/竜/ドラゴン」といえば?
    A.ダブルドラゴン(第4位)
    タイトル画面の「ゐ戴龍」みたいなショドーが忘れられなくて……
  • Q.「2」といえば?
    A.天地を喰らうⅡ 諸葛孔明伝(第23位)
    いろんな2があるけれど、「1」をガチで知らないという点で選出。上位はどれもこれも「1」が有名なやつで……「聖飢魔Ⅱ」はナシだろ!!
  • Q.「パッケージがよかった」といえば?
    A.ファイナルファンタジーⅡ(第21位)
    うるせ~~~! 知らね~~~~!!
  • Q.「隠れた名作」といえば?
    A.ソロモンの鍵2 クールミン島救出作戦(第94位)
    いちばん面白かった投票。ファミコンにもう名作は隠れていないという説が有力です。ソロモンの鍵2は全然ソロモンの鍵じゃないけれど、Switch Onlineでやってみたら面白かったので挙げた。上位3タイトルも得票率2.5%とかなので本当に興味深い投票だった。
  • Q.「シミュレーションゲーム」といえば?
    A.ファミコンウォーズ(第1位)
    バカ! CMのせい! バカ!(2位はファイアーエムブレムでした)
  • Q.「必殺技がよかった」といえば?
    A.ドラゴンボールZ 強襲! サイヤ人(第11位)
    チャオズの必殺技が最強なドラゴンボール、他にないと思う。
  • Q.「おかあさん」といえば?
    A.東方見文録(第3位)
    どう考えてもMOTHERが1位なのは揺るがないと思ったので、おか~さ~んのトラウマシーンで有名なコレに賭けてみた。3位だった。エアプで投票するのは忍びない。
  • Q.「RPG」といえば?
    A.ドラゴンクエスト(第1位)
    シューティングゲームである「頭脳戦艦ガル」が3位にランクインしているのには補足が必要かもしれない。ファミコン国民投票する奴は大部分がおっさんなので、当然のように伝説のテキストサイトFUNNY GAMER'S HEAVENを読んでおり、従って頭脳戦艦ガルが「スクロールRPG」を謳っていたことはエアプでも知っているのである。
  • Q.「ロボット」といえば?
    A.アストロロボSASA(第6位)
    ジャイロが1位であることは揺るぎないと思ったので、やったことないのに語感が良すぎて覚えているタイトルに投票した。アストロロボササ、一体どんなロボなんだ。
  • Q.「おとうさん」といえば?
    A.ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・(第1位)
    これはポカパマズさんしか思いつかなかった。前述の「おかあさん」もそうだったけど「両親がやっていたゲーム」を挙げてる人が多く、その発想はなかった。
  • Q.「ファミコン」といえば?
    A.うっでいぽこ(第168位)
    ここで最初の投票に回帰していく、アツい伏線回収の流れ。順位がめちゃ上がったのは初回の投票がバラけ過ぎていただけなのだろうな。


  •  こうなるとスーパーファミコンの40周年のときには何をやってくれるんだろうと期待してしまう。40周年って2030年か……遠いな……
 
■2024-07-12
ファイティング文鳥
 なんか最近、荒々しい鳥の写真ばっかり撮っているような気がする。
 ウメチャンもピピチャンも俺を攻撃はしてくるが、一応ちゃんと手乗りとして慣れてはいるので、たまには穏やかなウメチャンの写真でも撮るか。
ウメチャン
おちつき
 なんかアナログスティックに挟まれていると落ち着くらしい。
 しかしこの穏やかなウメチャンも、ひとたび俺が手を伸ばせばこの通りなのです……。
 やっぱ文鳥はこうでなきゃな!!(歌はsunoAIに歌ってもらいました)
 
■2024-07-07
お前たちもとぐろ島に向かい一獲千金しろ
 俺は現在とぐろ島に渡って一獲千金を目指していますが、お前たちはとぐろ島に行かなくていいのか? という話をします。
 そもそもお前たちは『風来のシレン』というだけで「あの死んだら全部おわりになるヤツでしょ……?」と敬遠していることと思いますが、それがどうしたと言いたい。

 去年、『アーマード・コア6』という名作が出たことは知っていますね? あれも俺はずいぶん敬遠していましたが、実際やってみたらとても楽しかった。
 そして今年の初めに『シレン6』が出ました。こちらも『5』が出てから10年以上経ってのナンバリング新作です。敬遠しているお前たちも、やってみたらとても楽しいに決まっている。


 俺自身の話をすると、2008年の『シレン3』以来、もう長らくシレンシリーズをやっていません。なんか『3』から新要素がモリモリになって対応するのがめんどくさくなり、ひなびたサルーンでベイブと安い酒を呑みながら、全盛期の風来人の昔話ばかりして、『2』や『GB2』あたりの要素量がちょうどいいのでリマスターしてほしいナ……なんて腑抜けたことを言っていたのです。

 しかし発売後、歴戦のシレンジャーたちが「プレイ感が初代シレンに近い」と口々に言っているのを見て、これはいつかやらないといかんと確信しました。そしてこの夏、公式が「大型アップデート」と称して初心者向けの要素を追加したのを見てセールの予感を察知した俺は、ぬけめない商人の目で1割引きのうちに本作を手に入れたのでした。

風来のシレン6
とにかくいくぜ!
 こうしてシレンを再開した俺は、まず決定ボタンをAにするかBにするか選べるオプションに感服しました。このダイバーシティの時代では、あらゆる国籍・文化・性の多様性は尊重されるべきであり、「決定ボタンが下か右か」という問題はもう文化の一部なのです。
 聞いているかソニー&スクエニ! 「PS4で起動したときとPS5で起動したときでFF7Rの決定ボタンが入れ替わる」なんて仕様は多様性へのヘイトなんだよ! 悔い改めろ!!

 話を戻しましょう。
 風来のシレンというやつは、ポケモンなどと同様、エンディングを見てからが本番なタイプのゲームです。まあ最初は何度か死にながら要素のアンロックをしていけばよいでしょう。俺はおさんぽ気分で村を出ました。
 しかしそんな平和ボケの楽しい遠足はすぐに終わりを迎えました。なんか……マムルやチンタラの攻撃が……痛くないですかッ!? HPがガンガン減ってるぞッ! でもその場ダッシュしなくてもHPがガンガン回復していくぞッ!! なんだこれはッ!

風来のシレン6
HP 15/31
 なんか3Fでパコレプキンに出会って、ワンパンでHP半分持っていかれた俺は、完全にあの頃の目つきに戻っていました。テーブルマウンテンを踏破し、目つぶしお竜に「魔蝕虫なんてちょろいもんよ」というセリフを言わせるために孤軍奮闘したあの頃に。
 敵は強いですが、こちらの回復も早い。つまり、絶対に囲まれないこと、連戦もできるだけ避けること、そしてそのためにアイテムを惜しまないことが肝要です。そしてこれこそが、かつて風来人だった俺から、まだ風来人でないお前たちに贈るインストラクション・ワン……不思議のダンジョンにおけるイロハのイなのです。

 こうなればもう、おさんぽとか言ってられねえ。俺は死力を尽くしてフロアを爆走していきました。ときどき知らない敵(火遁忍者とかいう奴、聖域の巻物を焼きやがったんだが!?)とか、知らないアイテム(耐炎耐爆のお香とかいう奴を焚いたあとドラゴン草を撃っちまったんだが!?)が出ましたが、その都度、図鑑の説明文が更新されるため、なんとか対処することができました。

 24Fの蛇頭山に入るときの演出などは完全に初代のテーブルマウンテン到達時のものを意識しており、中学生だった俺が最初にテーブルマウンテンに到達したときのパッションを思い出して否が応にもテンションが上がります。

 しかし……どうやらまだ合成がアンロックされていません。マゼルン種のうわさも聞きましたが、出現はしていないようです。防具が鉄甲の盾+3でもだいぶ厳しい。地の恵みの巻物だけでは十分な防御力を得ることができません。
 それでもなんとか手持ちのアイテムを駆使して29Fまで到達しましたが、そこで「ドラゴンだけでなくスカイドラゴンも出る」という無法極まるモンスターテーブルに衝突し、万策尽きて憤死しました。ジェノサ……ねだやしの巻物なんて手に入らねえぞ!?
風来のシレン6
憤死、このあとすぐ!

 奇しくもファーストプレイが『シレンDS』のときと似たような苦しさになりました。新要素をさばきつつ行ったという点では今回のほうが健闘したかもしれません。
 そういうことで、20年前に風来人だった人は絶対にやるべき調整に仕上がっていますし、今まで不思議のダンジョンを敬遠していた人にも体感して欲しい絶妙の厳しさになっていると思います。体験版があるといいのにね。現場からは以上です。