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[Fallout4]ウェイストランド開拓記-18

 前回のフォールアウト4!
 突然インスティチュート次期指導者として指名されドン引きするてばさき村長!
 インスを抜けB.O.S.に合流した科学者Dr.リーに会いに行くが、Dr.リーはトンチキ人型巨大ロボの製作に回されていた!
 そしてパラディン・ダンスのBOS離脱を受け、てばさき村長は人造人間の存在について深く悩むのであった……
Confidence Man
 ここまで、インスティチュート、レールロード、そしてB.O.S.のそれぞれの組織における人造人間の立場を見てきた。インスは人造人間を製造し使役する。人造人間たちは奴隷船の底で反乱の機械を伺っている。レールロードはそいつらを逃がし、新しい記憶と人生を与えるが、その後のことは成り行き任せだ。中には略奪者になるものや殺人者になるものもいる。地上はそういうところなので仕方ない。BOSは人造人間を絶対殺す。というか制御できないテクノロジーは全部殺す。当然インスもレールロードもスレイ対象である。

 どこの思想に与するべきか。そもそも人造人間にとってどの状態がいちばん幸せなのか。そんなことを悩みながら、俺の足は自然とダイヤモンドシティのバレンタイン探偵事務所に向いていた。ニック・バレンタインは俺の知る限り、最も人間社会に溶け込んだ人造人間であり、かつ稼動している最古の人造人間だ。彼の話をもっと聞いておきたいと思った。

Fallout 4
 探偵は相変わらず忙しそうにしていた。机の上に保留中の事件があったので「手伝うから一緒にやんない?」と声をかけた。アール・スターリング嬢失踪事件。この事件自体はすぐに片付いた。ただ聞き込みをしている最中に、ダイヤモンドシティの宿屋で仕事を頼まれてしまい、そちらもついでに解決することになった。

 宿屋のバディムさんは、ダイヤモンドシティラジオのDJであるトラビスのことを気にかけていた。彼はラジオの声も聞き取りづらく、まさに貧弱な男の見本のようだった。しかしここは油断なき真のおとこでさえも銃撃戦に巻き込まれれば命の保証はないウェイストランドである。あいつはダメだ。惚れてる女にすら声をかけられない腰抜けだ。タフになれ。そうバディムさんは願っているようだ。こうしてトラビスタフガイ化計画が始まった。

Fallout 4
 だからといってなぜ俺がバーでトラビスと一緒にケンカしないといけないのか。まあ自信をつけさせるためならやぶさかでないが、クリティカル一撃でゴロツキのアゴが外れちゃうぜ。あとこのゴロツキどもは誰なんだよ。
 このような演出のおかげでタフな男として自信をつけはじめたトラビスだったが、ここで肝心の言い出しっぺであるバディムさんがレイダーに誘拐されてしまうという事件が起こる。

 いいかトラビス。勇気を出せ。おまえは強くなった。だがなんのためにだ? ホットなウェイトレスをモノにするためか? 友人のピンチに銃を抜いて駆けつけられないような男は、メキシコの酒場だったら即座に脳天を撃ち抜かれているだろう。大丈夫だ俺がいる。俺は実のところお前ら連邦民がチビるほど怖れるインスティチュートの次期オヤブンと目される男だ。俺をしんじろ。
Fallout 4
 まあ実際は君の後ろにいるガトリングレーザーで武装したロボット探偵ニックが敵をキレイに殲滅してくれるよ。射線上に入るなよ。このガトリングレーザーによってあっさりレイダーたちをなぎはらい、無事にバディムさんを救出できた。ふたりは仲良くダイヤモンドシティに帰っていって、一件落着というわけだ。

Long Time Coming
 いつものように現場に残されたジャンクを漁っていると、ニックさんがこちらに話を振ってきた。どうしても殺さなければならない奴がいるらしい。相手がどんな悪党であれ、ニックさんが明確に殺意を持っているのは珍しい、というか初めてではないだろうか。

Fallout 4
 その男の名はエディー・ウィンター。ニックさんの人格の元となったニック・バレンタイン刑事が追っていた、200年前の犯罪王なのだそうだ。エディは驚くべきことに、核戦争前に自ら適量の放射線を浴びてグール化し、200年たった今でもシェルターに潜伏しているのだという。

 なんでそんな干からびたスルメみたいな奴をニックさんが殺さなければならないのか。オリジナルのニック――ややこしいのでバレンタイン刑事と呼ぼう――の記憶がそうさせるのか。ニックさんはこのバレンタイン刑事の人格と行動理念のおかげで、ダイヤモンドシティで信頼を得るに至った。バレンタイン刑事の記憶が自分のものでないことはわかっているが、彼の代わりにしかるべき報いを与えてやりたいのだそうだ。


 潜伏場所に侵入するには暗証番号が必要。だが警察をナメていたエディーは、10枚のホロテープにその番号のヒントを残した。200年の時をすぎ、それらは証拠品として連邦中の警察署跡地に散らばっている。お互いがすでに1個持っていたのであと8個。こうして我々の警察署スタンプラリーが始まった。
Fallout 4
 警察署はどこも崩壊しかかっており、もはやこの地に治安という概念がないことを伝えている。正直よく証拠品が残っていたものだ。署内のクリアリングはたいして苦労しない場所ばかりだったが、クインシー警察署だけは例のガンナーたちがまた戻ってきており激戦となった。クソッあのとき警察署内もジャンク漁りしとくんだったな。ステルスするアサルトロンとか聞いてないぞ。

 なおクインシーでの戦闘終了後にニックさんに話しかけたら、グッド・インテンションというユニーク武器を拾ってきていた。いつの間に……これは前にここを掃討したときに行方不明になっていた戦利品じゃあないか……探偵の観察力は伊達じゃねえな……。


 全てのホロテープを集め、暗証番号を割り出すと、ニックさんはパーティを抜けてアンドリュー駅へと向かった。俺はいったんサンクチュアリに戻ってドッグミートを呼んでからその地下鉄駅へと向かった。ケロッグを追跡したときのメンバーで、今度はエディーを追い詰めようってスンポーよ。まあわんわんは荷物を持ってもらうために呼んだんだけど。
Fallout 4
 アンドリュー駅は外も中もレイダーの拠点と化している。たぶんフェラルグールが来るだろうと読んで、ニックさんにラピッドショットガンを渡しておいたがアテが外れた形になった。ニックさんは全身から火花を散らしながらレイダーに斬り込み、ショットガンをぶちこんでいた。アグレッシブ! すまん!

 こうしてレイダーを蹴散らしながらニックさんのあとを追っていくと、暗証番号を求められるドアの前に至った。かつてバレンタイン刑事が追い求め、逮捕かなわず、婚約者の命まで奪いとられた犯罪王がこの奥にいるのだ。俺は慎重にドアを開けた。

 エディー・ウィンターは顔がちょっと干からびてる以外は、ただの小綺麗なおっさんだった。こいつが犯罪王……? 俺はニックさんの反応を伺うべく後ろに下がった。BLAM! 次の瞬間、犯罪王はニックさんのラピッドショットガンによって肉塊と化していた。えっ……あ、もうちょっとこう、精神攻撃とかしなくて良かったんですかね……。

 200年を生き延び、ふたたび地上に悪の帝国を築こうとしていた犯罪王は、切ることのできなかった200年前のインガオホーによって一瞬で滅び去った。ほんとスクショを撮る暇もなかった。そして、ニックさんも同様に、一瞬で200年前の怨念から解放されたのだった。

Fallout 4
 これでバレンタイン刑事を知るものはいなくなった。代わりに復讐をとげたものの、ニックさんはこれがただの他人の記憶であるという思いを強くしただけだったと言う。それってつまり、エディを殺そうっていう感情はバレンタイン刑事由来のものでなく、ニックさん自らの正義感によるものだったってことでいいんじゃないの。ニックさんはその正義感に自己のアイデンティティを見いだしたようだった。

 こうしてニックさんの精神的・肉体的(肉はないけど)な小旅行は幕を閉じた。ニックさんのコミュMAXのボーナスはハッキング試行回数+1。正直もっと早く取りにくればよかった。それはそれでクインシーで詰んでたかもしれんが。

Pickman's Gift
 ニックさんと探索しているときに、なんか「ピックマンズ・ギャラリー」という家の回りでレイダーが騒いでいるのを見つけた。そのときは邪魔なレイダーを始末して探索を続けたが、やはり家の中が気になるので、ヒマそうなケイトさんを誘って見学に行ってみた。
Fallout 4
 内部にしめやかに侵入。ピックマンという男を大声で探しているレイダーが何人かいた。部屋はレイダーの死体でデコられ、肉片が散乱していた。間違ってスーパーミュータントの巣にでも入り込んだか? と思ったけど、前衛的な絵もたくさんあるのでかろうじてギャラリーなのだと理解できる。なんでケイトさん真面目に鑑賞してんの。

 ピックマンを追うレイダーの声を追って3階から地下へ。地下は意外と広くほぼダンジョンと化しており、普通のレイダーの拠点を落とすのと変わらない手間だった。一番奥で、レイダーのボスに果敢に殴りかかる紳士がいたので救出した。彼がピックマンであり、レイダーを殺しまくるので報復されていたようだ。
Fallout 4
 ピックマンになぜレイダーを殺すのか聞いてみたら、真顔で「レイダーの頭部をコレクションする趣味に反対されたから」と答えられた。アッ狂人だ! まあレイダーもわりあい遺体で遊んでること多いからインガオホーだと思うし、趣味だというなら止めないけど……我が村の入植者に手を出すようなことがあったらお前もこのガウスライフルで殺しますからね。


 奇怪なギャラリー鑑賞を終え、ケイトさんをイーグレットツアーマリーナに送る途中、ファロンデパートとミルトン病院に併設された立体駐車場の入口に「←男道 in」みたいな矢印が書かれていたのを見つけたことを思い出した。あからさまに罠! ……しかし人の気配はしないし、いったい何なのかは見てみたい。
Fallout 4
 内部は複雑な迷路になっていた。行き止まりには大量の放射能バレルが積んであったり、ローチの群れがいたり、殺す気マンマンだ。なんてことだ……俺がスターライト・ドライブインに作った巨大迷路なんて児戯もいいとこだ。こんな本格的なダンジョンを自作できる男がいたのか。殺意があるぶんピックマンより怖い。
Fallout 4
 上の階層で大量のグールに襲われた。おかしい……VATSに反応がなかった……あっという間に囲まれて死ぬかと思った。そのうちデブりし者まで走ってくるのが見えたので、俺はもう惜しげもなくヌカコーラ・クアンタムの栓を抜いてガウスライフルを撃ちまくった。伝説級グールが強打プラズマピストルを持っていたので死にかけた甲斐があった。

 屋上の手前で居住空間らしき場所を見つけた。結局このダンジョンを作った男の姿はなかった。死んだのだろう。大量の罠の素材と、パワーアーマー塗装の雑誌が手に入ったので悪くない冒険だったが、これほどまでのクラフト魂を持つ奴の遺言のひとつも手に入らなかったのは残念だった。


【物件紹介】
Fallout 4
 キングズポート空中都市――もはや重力から解放された家

 次回へ続く!
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