Oneside Flat Web
[Fallout4]ウェイストランド開拓記-17
前回のフォールアウト4!
インスティチュート内でレールロードのエージェントとしてスパイ活動を行うてばさき村長!
インスに抑圧された人造人間たちは、反抗のための準備を進める!
一方てばさき村長は、バンカーヒルの戦いでの功績でインス理事会への出席を請われるのであった……
■ Mankind - Redefined
ファーザーに理事会に出てくれと言われたのでちゃんとドレスコードを守って出席した。周りの部門長の人たちは研究室にいるときと同じ服装だった。あっ……ここは理系の集まりでしたっけすみません……なんで俺呼ばれたの……。
会議は簡単な報告事項から始まったが、「フェーズ3」という話題に移ったときに出席者一同の顔が曇った。部外者である俺の前で出す話題ではないということか。空気を読まずに「フェーズ3とは?」って聞いてみた。簡単にいうと、未来永劫インスに十分なエネルギーを供給できる原子炉の起動にかかわる一連の作業らしい。地上で行うパートをケロッグの代わりにやってほしいということだった。……コーサーじゃだめなんですかね?
そしてさらにファーザーは、自分の体調について言及する。出席者からも驚きと落胆の声が上がる。テクノロジーのすべてを結集しても余命僅か。したがって次期指導者を早めに指名しておきたい。それは俺。そういう話だった。……俺ェ!?
待て待てあんたそういう話はちゃんとネマワシしてからするべきでしょ! 何もわかってない! 「研究者でもないよそ者」とか忌憚のないご意見が寄せられちゃうじゃないか! お、俺は研究者じゃないけどデズさんからはプロフェッサーって呼ばれてるもん! よそ者はよそ者だけど……とにかくちゃんと反対意見を圧殺できる場を作ってからそういうことしないと後継者もやりにくいでしょう!? 後継者だれだよ! あっ俺か! やりにくいわ!
俺が解凍されたのは気まぐれだって言ってたけど、ひょっとして死期を悟ってヤバレカバレになってたんじゃあないだろうな……。仮に俺がショーンを追ってインスにたどりつくくらいのタフなおとこになっていた場合、そのカリスマとショーンの父親という肩書きを使って後継者に祭りあげられるよう願って……?
実際、ファーザーにはそれほどの権力はないんだろうな……仕事の内容は部門間の利害の調整とか言ってたし。マッドサイエンティストを束ねるカリスマだけが求められているわけか。ただそのサイエンスも、地上の人間をなんとも思っていない独特のモラルの上に立っていて、科学者も人造人間も離反が相次いでいるわけで……。
指導者としての適性を見せつけてやれ、とばかりに「フェーズ3」の仕事を任されたが、このまま祭りあげられてよい結果になるとは思えない。理事会の出席者の中に、主任であったはずのDr.リーの姿はなかった。彼女は足を洗うことに成功したのだろうか。そういえばB.O.S.の仕事も放置していたような……俺はいったん頭を整理すべく、この件を保留して地上へと戻ることにした。
理事会に出たことで、コーサーのひとりX6-88をパーティメンバーに加えられるようになった。リベルタリアでいっしょに戦った奴だ。フフフフフ。あだ名が欲しいな。『エックスシックスエイティエイト』ではいまいち呼びにくいッ! このてばさき村長が名付け親になってやるッ!……「ペケロク」か……「ペケロッパ」だな!
それにしてもペケロッパ君はそんなあからさまなコーサー制服で地上についてくるつもりかね。「ローマではローマ人のようにせよ」というコトワザもある。地上で目立たないように、俺が理事会用に着てきたこの服を着なさい。
……いい感じだな! 初めて会ったときから君はこういう服が似合うと思ってたよ! これからはこの服装でインスティチュートの存在を目撃した人に圧力をかける仕事をすれば捗ると思うよ!
あっそうだ、俺はBOSに行くんだった。このままペケロッパ君をバレないように連れてっても面白そうだけど、あっちの任務ではダンス氏に同伴をお願いする予定なのでインスに戻ってもらおう。着替えて出てきただけだったな!
■ Liberty Reprimed
BOSのイングラムさんに巨大兵器リバティ・プライムの開発を手伝うように言われていたことを思い出した俺は、プリドゥエンへと向かった。あのときは話半分に聞いていたが、どうやら以前インスで説得したDr.リーが戻っているらしい。さっそく話を聞きにいった。
プリドゥエン内でダンス氏を伴ってDr.リーと面会。Dr.リーはリバティ・プライムの開発班に入ることに不満があるようだが、約束は約束ってことで協力をとりつけた。
空港に降りて、イングラムさんと製作の進捗について相談する。なんでも電磁アクチュエータっていうのを作るための材料が足りないらしい。その電磁ナントカータっていうのが何かは知らないけど、材料の高性能マグネットなら居住地のジャンクかき集めたら10個はあるぜ? みんなもっと俺のジャンク集めに理解を示すべき。
設計図を元に電磁アクチュエータ4つを高速納品したてばさき村長は、次なる任務としてリバティ・プライムに搭載する弾薬の確保を命じられた。戦前の核爆弾倉庫に大量に眠っているそうだ。かくばくだん……? しかも大量に……? 何で君たちはそうやってスナック感覚で核を撃つの……? 核っていうのはこうもっと……ソロモンに帰ってきた大塚明夫みたいな覚悟で……撃つもんじゃあないのか? ていうか今、武装が2種類で「核爆弾」と「アイレーザー」って言いましたね? うっかり流しちゃったけどアイレーザーって何だよ……。
不安は尽きないがとにかくその倉庫の確保を目指そう。場所は例の「輝きの海」だ。またクールなパワーアーマーの出番だな。ダンス氏はヘルメットしてないけど大丈夫なの?
アトムクレーターにファストトラベルし、マーカーの方角だけを頼りに闇雲に進む。今回は強力な虫に囲まれることもなく、粛々とデスクローの足を撃ち抜きながら目的地に到着できた。
ピラミッドめいたその基地は妙に静かだった。地下へ続く縦穴の底にはフェラルグールに混じってチャイルド・オブ・アトムの人の死体が転がっていた。出たよアトム教団……アトムクレーターの人なら話が通じそうだけど、キングズポート灯台でいきなり布教(ガンマ線照射)された思い出が脳をよぎる。まあパワーアーマー着てるし大丈夫だろ……。
一番奥の倉庫には案の定アトム教団の人がいた。開幕ヘッドショットで片付けてやろうと思ったが、敵意が見られないので俺はすばやく銃を収め、説得のために「飲むだけでカリスマ性が増すおクスリ」を使った。ダンス氏はそれを見て嫌な顔をしていた。失礼ですがダンス氏、引きこもりのパラディン・ブランディス氏を説得するときにこれを使った功績をお忘れか? すぐに暴力で解決しようとするのがBOSさんの悪いクセだ。事を急ぐと元も子もなくしますよ。
アトム教団の人は、どうやら大量の核爆弾の眠るこの場所を聖地としてとらえているらしかったので、この核爆弾をぶっぱなしてアトムの力を皆に知らしめるために来たのよ! っていう設定で押し切ったら納得してくれた。ありがとうメンタスグレープ……いいクスリです。あとは運び出し班のためにマーカーを設置し、ダンス氏をここに置いて俺は報告に戻った。
ボストン空港ではリバティプライムの建設がほぼ終わっていた。……人型巨大ロボじゃねえか……BOSいい加減にしろよ……俺は真面目に協力してたのになんだよこのトンチキ兵器……。アイレーザーの段階で嫌な予感はしてたけどなんで人型なんだよ……ていうか人型ロボの武装が核爆弾と目からビームの2択ってもう狂気しかないだろ……ほんとにこんなのを運用する気か?
「リバティ・プライム、サイキドウ」
ウワーッしゃべったァァー!! だから! なんで! しゃべらせる必要が! あるんだよ!! なんか標的レッドチャイニーズとか不穏なこと言ってるし! この子まだ中国と戦争してる設定で起動してるでしょ! バカ! 200年前のアメリカ軍のバカ!
ひとしきり大騒ぎしたあと、イングラムさんからなんか変なパワーアーマーのモジュールをもらって、この件は終了。なんかエルダー・マクソン氏が呼んでるらしいので、俺は上空のプリドゥエンへと向かった。
■ Blind Betrayal
[[ 警告:このセクションにはパラディン・ダンスの極めて重要なプライバシーについて書かれている。プレイする予定のある人は
ここから最後まで読み飛ばすことを強く推奨。 ]]
マクソン氏は鬼の形相で待ち構えていた。アッ怒られる! でもナンデ? さっき心の中でトンチキ兵器とか言ったのを読まれたか? それともバンカーヒルの件でレールロードでアルバイトしてることがバレたか?
正解はどちらでもなかった。インスから漏れた資料を解析していたら、人造人間リストの中にダンス氏の写真が見つかったとのことだった。DNA情報もあり、それはBOSにあるダンス氏のデータと一致してしまったらしい。BOSは人造人間のようなオーバーテクノロジーを絶対殺す組織である。当然、パラディン・ダンス改め人造人間M7-97の処刑が決定される。
当のダンス氏は、核爆弾倉庫での任務のあと、こつぜんと姿を消したらしい。最初怒られてたのは俺もグルだと思われてたからか。即射殺されなかったのは幸運だったが、彼はどこまで知っているのだろうか。今どこにいるのだろうか。処刑の任務を与えられたものの、まったく従う気が起こらない。マクソン氏の命令には即座にイエッサーしておけばダンス氏は喜んでいたのだが。
情報を集めていると、最初に警察署で会った仲間の一人であるスクライブ・ヘイレンさんに声をかけられた。というか絡まれた。俺がマクソン氏の命令に従ってダンス氏を殺し、かわりにパラディンに昇格するクソ野郎だと思っているらしい。落ち着け。俺が処刑に慎重である姿勢を見せると、ヘイレンさんはダンス氏が以前決めた秘密の隠れ場所のことを教えてくれた。
その隠れ場所、監視施設ブラボーはグリーントップ菜園の裏山にあった。注意深く入り口のタレットを処理する。ダンス氏は徹底抗戦の構えなのか。エレベータを降り、防衛ロボとタレットを切り抜けると隣室にダンス氏の姿を見つけた。武装はしていない。
ダンス氏は俺の姿を見て、素直にBOSの信念に従い処刑されるつもりだと言った。この男はこういう奴なのだ。マクソン氏が死ねと言ったら死ぬのだ。しかしそれでは俺やヘイレンさんの想いはどうなる。死んだことにしてこの地を去るんだという流れに説得し、ともに監視施設を出た。
部屋を出る前、机に見覚えのあるクスリが積まれているのに気づいた。メンタスグレープ……! 例の飲むだけでカリスマ性が増すおクスリだ。俺が説得に使うのを見てあれほど嫌な顔をしていたのに。いったいダンスにどんな心境の変化があったのか。
……外ではエルダー・マクソン氏が待ち構えていた。俺を信用してなかったか? それにしては単独で本人が出てくるのは不自然。ナイト・リースさんあたりが闇墜ちした顔で「処刑せよとのご命令のはずですが……? 私が裏切り者2名を殺してパラディンの座をもらいましょうフフフ」とか言いながら出てきてもおかしくないところを、わざわざ自ら顔を出すということは、マクソン氏にも何か思うところあるということか。俺はダンスの意図を汲み、先ほど取ったメンタスグレープをキメた!
マクソン氏はダンスに辛辣な言葉をあびせかける。やれ機械は信用ならないだの、冷たい実験室で生まれただの、人類を滅ぼす爆弾の一個にすぎないだの、作業途中なのに勝手にアップグレードが始まるだの、やっと使い馴れたのにすぐUIを変えてくるだの、ログインのたびにNumLockが外れてキレそうだの、とにかく罵詈雑言をまくしたてた。
だがダンスは冷静だった。人造人間ではあるがBOSの理念に従って今まで尽くしてきた事実は変わらない、そしてこれからも。俺も「いままで彼が救ってきた人々のことを考えてほしい」と援護した。俺は人間でBOSのためにインスと戦う、ダンスは人造人間でBOSのためにインスと戦う、そこになんの違いもありゃしねえじゃねえか!
マクソン氏は、ここで例外を許せばBOSを支持する全ての者を裏切ることになるという苦しい立場を吐露した。そして折れた。パラディン・ダンスは死んだことになった。もう一緒にBOSの任務を行うことはできないが、この連邦で一市民として生きることは許された。これが精一杯の妥協だったのだろう。
マクソン氏はプリデュエンに戻っていったが、すぐに後を追う気にはなれなかった。ダンス……身辺の整理がついたらキャッスルへ来い。そしてミニッツメンとして働け。BOSの任務は俺とこのライト・オーソリティが代わりに務めよう。
次回へ続く!