Oneside Flat Web

■ Dunwich Borers

　さて次の目的地は……と地図を見ると、はるか昔にどっかで噂に聞いた「魔術博物館」というロケーションが近くにある。この北東部まではるばる来たからにはちょっと見ていきたい。俺はスロッグから東へ向かった。

　橋を越えてすぐのところに大穴が空いていて驚いた。強めのレイダーが巡回しているのが見える。ダンウィッチ・ボーラーという採石場のようだった。覗いていたらなんかレイダーに撃たれたのでガウスライフルで頭を吹っ飛ばしてやった。これは気になる。何を掘ってるのか見てやろう。
　穴をどんどん潜っていく。なんかここに入った瞬間からたびたび揺れを感じる。崩落しねえだろうな……。内部はセクションに分割して管理されていたようで、各所にターミナルがある。中のファイルにアクセスすると、いつのことかはわからないが、各セクションの責任者がセクション４に召集される旨のメールが残っていた。

　セクション３まで来たらさらに大きな縦穴になった。断続的な揺れはまだ続いている。底にはレイダーのリーダーとおぼしきべドラムという奴がいたので上から撃って倒した。降りてべドラムのターミナルを覗いてみると、レイダーたちは鉄鉱石を掘ってサウガス製鉄所に売っていて……この先はフェラルグールの巣窟で……だがそれだけでない「何か」があって……それでこのターミナルの持ち主は発狂してしまったらしい。

　大量のフェラルグールを倒しつつセクション４の奥に進む。ときおり視界がフラッシュして、かつての鉱山の様子らしき光景が見える。なんか揺れも頻繁になってる気がする。セクション４のターミナルには、ティム・シューツという人物が、他のセクションの人間に気づかれないように鉱石でない「何か」を掘っていたという情報が残されていた。そして他のセクションの責任者を集めてよからぬことを企んでいたようだ。
　いやだな～怖いな～と思いながら怪しげなトンネルを進んでいると、また視界がフラッシュして明らかに鉱山の仕事とは関係のない光景が見えた。縛られて跪いた人たちが……？ なにか邪教の儀式めいたものだ。現実の視界が戻ってくると、名前つきフェラルグールが大挙して襲いかかってきたのでスプレーアンドプレイで爆殺した。その中にはティム・シューツ氏のなれの果てもいた。一体何が行われていたというんだ……。

　儀式が行われていたと思われる場所は池になっていた。池というか、水のたまった縦穴というべきか。ディーコンさんが「レールロードの豆知識その113。気味が悪い場所には潜らない。」と言ったがレールロードでなくてもそんなことは当然である。誰が好き好んでこんな穴に入るか。なんか揺れも強まってるし。……しかし一体何があるのか、それは知りたい。
　一定時間無呼吸での活動を可能とするマイアラーク料理を食べ、池に潜る。縦穴の底はよくわからない物体で塞がっていた。さらに横穴があり、祭壇らしきところに名状しがたい剣のようなものがささげられていた。クレンヴの歯……？ 不気味だがそのスペックに惹かれて俺はその名状しがたいものを手に取っていた。揺れは収まらない。

　嫌な予感に反して、帰り道ではとくに何も起こらなかった。謎は謎のままだ。外に出たら揺れも収まった。周囲のクリアリングを再開したら、たったいま拳銃自殺したレイダーを発見した。こいつも発狂していたようだ。どうせ死ぬならこの名状しがたい剣のようなものの切れ味を試してみたかった。

■ Kingsport Lighthouse

　ダンウィッチ・ボーラーからさらに東へ進軍すると、灯台が見えたのでそちらに向かってみた。なんか敷地内に核地雷とか仕掛けられていて嫌な予感がする。なんだよ核地雷って……さらっと地雷の上位種みたいな顔で置かれてるんじゃねえよ……。

　キングズポート灯台とその傍の廃屋にはチャイルド・オブ・アトムの信者が集まっていた。アトム信者……あの爆心地のクレーターで放射線浴をしていたハンパねえ人たちか。ここで何を……と思ったら何もしてないのに敵意むき出しで襲ってきた。なんか見たことない光線銃で撃たれるとガイガーカウンターの針が跳ね上がる。グワーッ放射能！ 布教活動なの！？ 通りすがりの人に放射線を浴びせるのが君たちの布教活動なの！？
　アーマード服には放射線防御がない。あっという間に体力ゲージの半分以上を放射能汚染されてしまった俺はほうほうのていで逃げ帰った。相手がガンマ線銃を持っているのなら、パワーアーマーを使わざるをえない。パワーアーマーを鉛でバッチリ補強して、俺はふたたびキングズポート灯台へと向かった。仲間は無機物代表のコズワースに切り替えた。

　さすがパワーアーマーだ！ 放射線を浴びてもなんともないぜ！ と言いたいところだったが、パワーアーマー越しでも多少の放射能汚染が通ってくるので迅速に始末した。灯台のてっぺんの部屋には一般人の遺体と光りし者が閉じ込められていた。一般人を餌に光りし者を呼び込んで明かりにしていたのか……？ とんでもないことを考えるな。正気の沙汰ではない。

　……まさか、ダンウィッチ・ボーラーで「何か」をしていたのもこいつらなのか？ そういえば例の祭壇めいたところには小型戦術核ミニニュークも捧げられていたし、各セクションの責任者を集めて放射線を浴びせる儀式をしたのでは……それでそいつらは皆フェラルグールになっちまったと……？ こいつらがいつから放射能を崇めているのか知らないけど、ありそうな話ではあるな。

　キングズポート灯台は居住地として開発できるロケーションだ。ここは守りやすい地形だし、平らな場所も作れそうなので、開発したらよい居住地になりそうだ。

■ The Devil's Due

　だいぶ寄り道したが魔術博物館に到着した。しかしドアは固く閉ざされている。閉館か。そもそもなんでこのロケーションが地図にメモされていたのか覚えてない。俺はなぜここに……？

　仕方ないのであたりを探索してみる。建物の隣に新鮮な死体が転がっていた。ホロテープに録音された断末魔によると、どうやらデスクローに追われてここに逃げ込む最中だったらしい。近くには地下室への扉があった。中に逃げ込めた人がいたかもしれないので、俺は油断なく周囲を警戒しながら地下室の扉というか蓋を開いた。
　地下室を進むと上階で激しい物音がする。そして天井の穴から新鮮な死体が追加されてきた。警戒しつつ階段を見つけて上るが、一階は不気味なほど静かであった。

　さらに奥にすすむと突然アルビノのデスクローが襲いかかってきた。いったいこいつどこから入った！？ 格上の相手っぽかったので、容赦なくガウスライフルのクリティカルを両足に叩き込んで始末した。
　トイレでもう一体の新鮮な死体を見つけた。同様に録音された断末魔を聞いてみると、どうやらリン・ウッズというところからデスクローの卵をかっぱらって運搬中、怒り狂ったデスクローに追われてこの有り様だということだった。こんなにべらべら一人で喋ってたなら地下にいた俺にも聞こえそうなもんだがな……。

　そのデスクローはさっき片付けた。この卵はどうするか。かわりに運搬して売り払うか、それとも……てばさき村長の足取りはリン・ウッズへと向かっていた。子どもを奪われる気持ち、痛いほどわかるってばよ……。凶悪バイオ生物とはいえそれに違いはないのだ……。なお庭にあった新鮮な死体、さらにパーツが減ってたような気がしたんだけど気のせいだと思う。

　リン・ウッズは人の気配のしない集落だった。が、塔のてっぺんにあるスイッチを入れるとサイレンが鳴り響き、どこからともなくレイダーとデスクロー２匹が現れて戦いを始めた。なんなんだこの村は。最終的にデスクローは俺を攻撃しはじめたので倒した。１日に３匹もデスクローを殺すなんてなんて日だ。

　卵の盗まれた巣はその近くにあった。近寄ると岩の上から発光デスクローが降りてきたので、すわ４匹めかとガウスライフルを構えたが、敵意を感じない。オイラが卵を取り返してきたのが……わかるのかい……？ でもオイラが君の仲間を３匹も殺してきたのが……わからないのかい……？
　奇妙な信頼関係のもと、俺は卵を巣に戻した。巣の近くにはデスクローガントレットという武器があったので入手した。農民の惨殺死体もあったけど……まあ……うん、また里に降りてきたら殺し合いをしような。

　一連の冒険でディーコンさんのコミュレベルがMAXとなった。今度はロマンスの選択肢は出なかった。かつてディーコンさんが言っていた。レールロードという組織は決して理想の組織ではなく、綺麗事や嘘を言っていると。それは俺が他に所属しているミニッツメンやB.O.S.も一緒だと。その組織が何を目指しているかより、俺に何をさせようとしているか、それを見極めろと……。

　そういえば……俺はテレポーターを「どこに作るか」より前に「どの組織と作るか」を決めなければならなかったのだった。その決断を先伸ばしにするためにこんなボストン北東部まで来てしまったのかもしれない。

　ミニッツメンは……まだ弱小もいいところだ。ディーコンさんは「警察よりすこしだけマシ」と評している。ラジオフリーダムは復活したものの、寄せられる情報は、マークウォーター建設現場を居住地とみなすなど、かなりの不安がある。また、インスと繋がる装置を作ったところで、短期的にはミニッツメンに利益はない。

　レールロードは……単純にクソ忙しそうだ。たぶん俺とディーコンさんが揃ってぶらり旅をしていたらいつかグローリーさんがカロウシするレベルでブラック労働している。トム氏の技術力は信用できるが、小規模組織ゆえに下手にインスと繋がったらインス絶対殺すマンの皆さんが何を始めるかわからない。

　もっとも利害が一致しそうなのはBOSだ。組織力があり、技術力も申し分ない。ディーコンさんは「ファンじゃない、とでも言っておこう」と気になる言い方をしていたが、この件についてはBOSにとってもメリットが大きいしWin-Winなのでは。こうして俺は設計図を手に、エルダー・マクソン氏の元へ向かったのだった。

　次回へ続く！

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