Oneside Flat Web

◆不定期日記ログ◆

■2023-04-30
マリオ・ザ・ムービー
 映画館で『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を観てきました。「ザ」の位置そこなんだ。

 いやまあ、そうはいってもマリオはアクション主体なんで、場合によっちゃあ有名な1-1の音楽あたりが使用される程度で、ワンチャン勝てる見込みがあるかな~~って思って挑みましたけどまあすごい勢いで泣きましたね。俺がゲーム音楽で泣くことはもうネタバレにもなにもならないと思うのでここで書いてしまっていますが、まあ泣きました。なのでマリオのゲームを遊んだことのあるみなさんは、全員ただちに映画館に行ってください。それだけで10億人くらいいるな。そして行ったらここに帰ってきてください。分かち合いましょう。

 以下がネタバレ感想です。
 この映画を作ったIlluminationとか、ピクサーとか、昔からアニメーションの展開に合わせた曲を作って劇伴にする手法がめちゃ得意じゃないですか。で、今回スクリーンで大暴れしてる人たちって、その劇伴の素材になりうるメロディの引き出しが無数にあるんですよね。なので択の数が多すぎて脳が対衝撃姿勢をとれないんですよ。

 たとえばレインボーロードが出てくることは予告で知ってたので余裕ぶっこいてたんですけど、いざ出た瞬間に「音楽は64か!? 8か!?」って備えたらまさかの初代で、側頭部に強い衝撃を受けてダウンしてしまったんですよね。これが矢継ぎ早に来る。
 キノピオが出たら「旅立ちのひっこぬき峠」のイントロのアレが出るし、タヌキマリオが出たらマリオ3のメインテーマが出るし、そしてそのどれもがアクションの尺の関係で数秒だけの衝撃で俺の涙腺を殴りぬけていくんですね。
 それで俺のガードがすっかり下がりっぱなしになったあと、エンドロールの尺で存分にメドレーぶち込んでくる。これはもうガードできないのでライフで受けることになります。ズルです。勝てるわけがない。

 で、主体のアクションですが、隅々までゲームっぽいのはもちろん、ただゲームっぽいだけじゃなくって、「マリオメーカーのクソステージで死に続ける」とか「マリオカートで下に見える道に飛び降りてショートカット」とか、俺たちがやってきたことを話の流れに織り込んでくれているのが信頼感あってよかったです。
 そんなゲームっぽい動きをしてくれている中で、「マリオとドンキーが殴り合ってるのにスマッシュブラザーズっぽくない」というのが特に感心したポイントでした。だってスマブラっぽい動きができるシーンはいっぱいあったでしょ。でもスマブラはマリオシリーズではないので、そこには線を引いてくれているんだなって思いました。
 なのでピーチ城に垂直にマグナムキラーが落ちてくるシーンで「やっぱりスマブラじゃねえか!!」って力いっぱい思いました。ピーチ城に垂直にマグナムキラーが落ちてきたらそれはもうスマブラなんよ。

 シナリオについては、よく考えると「ニューヨークでの移民生活でバカにされてきた俺が異世界へ行ってプリンセスから貰った謎のキノコで無双!?」っていうイマドキのお話なんですね。観ている最中はぜんぜんそれに気づきませんでした。これマリオがスーパーマリオになるまでのお話なんだよな。俺は「ちゃんと最後は現実に帰ってくる異世界モノ」が好きなんですけど、まさかこの映画がそれに該当するとは。
 マリオだけでなくて、キノコ王国とピーチ姫についての「王様がいないのに姫だけいる、しかも姫だけ人間」という謎が今作で明かされた……というか、インタビューによると今作の脚本を作る中でようやく答えができた……ということらしいんですが、説得力のある答えでよかったです。そういうことなら女王でなくて姫だよなあ。
 つまり、まあ、ネタバレ抜きだと「宮野真守の声帯から例のマリオの掛け声が出ているということがにわかには信じられない……」くらいしか書けないんですよ。これサブスクとかには配信されるのかなあ。心配な人は絶対映画館行ったほうがいいです。骨を拾ってください。