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◆不定期日記ログ◆

■2014-05-01
ナースキャップ
 病院に行ってふと、いつのまにかナースキャップが完全消滅していたことに気づいた。

 廃止した理由を調べてみると、頭を下げたときいろんなところに引っかかって邪魔だったとか、あまり洗濯をしないので不潔だったとか、ズレるたびに髪を触って直さないといけないので不衛生だったとか、とにかくさんざんな言われようだ。
 あれ……じゃあ逆にナンデ今までそんなもんつけてたわけ?
 帽子をかぶる理由は、日差しをよけるとか、髪が落ちないようにするとか、いろいろある。だがナースキャップはそのどちらの用も成しそうにない。

 昔、傷病者の看護は聖職者や身分の低いメイドの仕事であった。それゆえ、シスターのベールやメイドのヘッドドレスがあのナースキャップの原型となったという説がある。このような起源から判断すると、何か機能性があってアレをつけているわけではない、ということになる。
 まずここでショックである。看護婦におけるナースキャップはバニーガールにおける耳程度の役割しかなかったのだ。フェティシズムにあふれる貴方は「つまりどっちも大切なものではないか!」と思うであろうが話がややこしくなるのでご遠慮願いたい。

 しかしバニーガールの耳はその名のとおりうさぎを模している。ではナースキャップは?
 これについては看護師の皆さんが最初にナースキャップを頂く「戴帽式」の情報に行き当たって理解できた。初めて現場に出る前にナースキャップをかぶり、ナイチンゲール誓詞を朗読するという。そう、ナイチンゲールだ。ナースキャップとは要するに、近代看護教育の母であるナイチンゲールを模していたのだ。

 全てのナースはナイチンゲールのコスプレをしていた……そう考えるとまあ、廃止されたのは当然の流れかなという気がしてくるが、それよりナイチンゲールのスゴさが際立つ事実であった。