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◆不定期日記ログ◆

■2012-04-01
四月馬鹿の謎
 なぜエイプリルフールは嘘をついてもよいのか、調べてみた。



 英語で、月の名前がズレていることに疑問を持ったことはないだろうか?
 たとえば10月は英語でoctober。オクトは8の意味だ。
 逆算すると、月は3月から始まっていることになる。
 これは、庶民が使っていた暦によるものらしい。

 古代のヨーロッパで一般的に使われていた暦は、農耕歴である。
 農作業は、3月、気候が暖かくなり始めたころに作物の種をまくことから始まる。
 農業をしていない1月2月の暦は必要なかったのだ。
 おそらく「8番目の月」のような言い方は、このカレンダーに端を発するものだろう。

 3月に王様が暦のスタートを宣言すると、まず領内の各地で「今年どれだけの種をまき、どの程度の収穫が見込めるか」の報告が行われる。
 領主はそれを元に、税金や徴兵の程度を決めるのである。
 今でいうところの予算審議、通常国会にあたる仕事だ。
 この予算がだいたい3月末までに承認され、4月1日に発表される。
 現在の会計の「年度」という区切りはこの慣習から来ているらしい。

 だが、地租改正も行われていない社会では、税金はすなわち作物。
 こればかりは予定通り収穫できないことも多く、予算の執行はままならない。
 4月1日に発表された政策は、実現できたものの方が少ない有様だった。
 このような政治の中で、皮肉屋の庶民は、これをネタに「4月1日の午前中は嘘をついてもいい」というジョークを編み出したのである。



 これがエイプリルフールの発祥。もちろん全部嘘。全部っていうのも嘘。