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◆不定期日記ログ◆

■2010-02-20
カタカナ既得利権
 本来、一般的な言葉だったはずなのに、日本に輸入されてカタカナ語になると意味の限定がされてしまう言葉がある。
 カタカナ語の浸透する経路を考えれば、まあ起こりうる事態ではあると思う。



 たとえば「アドレス」と言えば、もう我々はe-mailアドレスかURLのことだと理解する。
 「メール」と聞いても郵便を思い浮かべる人は少ないだろう。
 「ムービー」は主にデジタル機器で撮る動画のことを指し、
 「ヘルパー」といえば訪問介護員のことを指す。
 不思議な刷り込みだ。

 よく考えてみると、「デート」「セックス」「プロポーズ」なんて、意味がアレな方向に限定されてすぎている。
 とくにセックスはダメだろ、すげー不便するじゃないか、ピストルズとかが。
 デートも「あのコとイチャイチャする日付」だけに限定するなんて、どんだけリア充なんだお前ら、全員爆発しろ!

 フランス語もひどい。
 アベック(avec)は英語のwithに相当するだけの単語だったハズだ。
 ランデブー(rendez-vous:会う約束)も男女か宇宙船くらいしか使わない。
 アバンチュール(aventure:アドベンチャー)だって火遊び扱いだ。
 フランス語……いやらしいな!



 ここに「ポット」という言葉がある。
 壺、瓶、鉢などを指す言葉だ。
 しかし、園芸分野を除き、これは長らく「電気ポット」が権利を独占してきた。
 英語のpotにはそもそもそんな意味はないというのに、である。

 だが、そんな既得利権を果敢にも切り崩す勇者がいる。
 「消臭ポット」である。
 少なくとも我々は、この商品をみたとき、電気ポットを思い出したりしなかった。
 電気ポットの牙城に一撃を加えた商品だと言えるだろう。
 消臭ポットにはぜひ頑張っていただきたい。

 そのうち、核家族化が進んで電気ポットが電気ケトルに駆逐され、こんどはケトルという言葉が電気魔法瓶を総称する……そんな日がくるかもしれない。