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◆不定期日記ログ◆

■2009-12-11
年末ジャンボ!
 僕自身はめったに買わないが、年末になると宝くじ売り場が盛況だ。

 宝くじの賞金の期待値は、価格のおよそ半分。
 300円で買った宝くじは、1枚あたり150円弱の賞金が期待できる。
 これは法律で「半分を超えちゃ駄目」と決められているから。

 だが、この期待値を見て「買う人は愚かだ」と結論づけるのは早計だ。
 期待値を利用するときは、かならず分散をチェックしなければならない。
 宝くじの賞金は0から3億まであるから、分散はかなり大きい。
 期待値と違って具体的な数字にならないため忘れられがちだが、「結果がどの程度バラつくか」は我々の行動に大きな影響を与えている。

 みんな期待値が150円弱であることを承知して「宝くじは夢を買うものだ」と言う。
 夢という曖昧なワードを排除すると、これは分散を買っているということだ。
 嫌な分散を小さくするために、保険会社に金を払う人がたくさんいる。
 良い分散を大きくするために、150円を払ってもよかろう。

 僕はこの分散を評価していないわけではない。
 今年に限っては、期待値・分散以外の「買わない理由」があるのだ。
 ここまでしてきた論理的な話では全くない。

 今年、プロゴルファーの小田龍一選手が、賞品として宝くじ3000枚を獲得した。
 これは要するに、3枚だけ買った人に比べて、小田選手は1000倍も当たりやすい、という事だ。
 気合を入れて30枚買ったとしても、まだその100倍も当たりやすい人がいるという事実。
 この圧倒的な開き。どう考えても太刀打ちできそうにない。
 バッファローマンに「わたしの超人強度は1000万パワーだ!」と言われたウォーズマンの気分だ。
 もはや白旗、完全降伏である。


 同じ確率的アプローチでもこれほど印象に差が出ることがある、と身をもって知った。