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◆不定期日記ログ◆

■2009-05-26
ポメラと高齢者
 デジタルメモ・ポメラを買った。
 試しにさっそく文章を書いているが、意外と悪くない。
 キータッチが特にいい。小ささを全然感じさせないキーボードでガリガリ打てる。

 そもそもポメラとは何か?
 なんのことはない、折りたたみキーボードに白黒の小さなディスプレイがついているだけの、テキストファイルを作るだけの装置だ。

 そんなものを2万7千円も出して買うのか?
 買うのである。
 これはそのまま、実家のばあさんの手に渡すつもりだ。

 実家のばあさん?
 ロクに外出もしない高齢者に、こんなモバイル用ド真ん中のデジタルガジェットを与えて意味があるのか?
 あるのである。

 実家のばあさんの趣味は、エッセイやら童話やらを作ることだ。
 20年前くらいにワープロを購入し、それでいろいろ書いてきた。
 ワープロっつっても、当然Wordや一太郎じゃあない。
 ソフトじゃなくってハードのワードプロセッサだ。
 当然、もう売ってはいない。
 ばあさんのワープロは虫の息だ。
 いい加減、いまのパソコンのOSでも読み込めるテキストを書けるようにならないと、ワープロの死亡とともに筆を折らざるを得なくなる。

 実家にはWindowsマシンがあるので、Wordの使い方を教えようかとも思った。
 だが、ばあさんはマウスすら使えない。
 ワープロを使うために、まずOSの使い方から覚えないといけないのは、高齢者には相当ハードルが高いといえる。だいたい、電源を投入して即座に文書が書けた20年前のワープロに比べて、今のパソコンの起動時間はなんなのだ。
 まったくもってWindowsは不便だ。

 そこで俺はこのポメラに思い至った。
 ばあさんはワープロで文書は作るが、文字に修飾などしたことはない。というか、やりかたを知らない。プレーンなテキストを書くだけだ。
 ならば、この「テキストファイルを作る」ことのみに特化したポメラは、ばあさんのニーズを満たす最小限の装置ということになる。一見、小さくて高齢者向けとは思えぬポメラだが、機能を絞ったという点では簡単ケータイのような一面がある。小さいのがむしろネックなくらいだ。
 印刷だけは家族がWordか何かに流し込んでやらないといけないが、それも大した頻度ではないだろう。


 試しに購入の経緯を書いてみたら、あっさりこれだけの長文が書けてしまった。
 入力には全くストレスを感じないどころかテンションが上がる。