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◆不定期日記ログ◆

■2007-01-10
リリィ町長
 なぜか今になって『リリィ・シュシュのすべて』を観た。
 もう6年も前の邦画。
 プレステ2もまだ発売されていない。

 6年もたつのに(そして観てもいないのに)そのタイトルだけはなんか覚えていた『リリィ・シュシュのすべて』。
 当時ギリギリ知っていた「リリィ・シュシュとは歌手の名前である」という知識は失われていたが、そのタイトルだけはギリギリ覚えていた『リリィ・シュシュのすべて』。

 とにかくひたすら鬱な映画です。
 テーマは14歳の心の闇です。リリィ・シュシュの素顔に迫るとかそういうのじゃありません。ていうかリリィ・シュシュは名前と歌しかでてきません。
 窃盗、いじめ、売春、自殺、強姦、殺人ともう心の闇の三倍役満です。

 観念的で説明不足でひたすら音と映像の芸術って感じの映画なわけですが、
 作中のリリィ・シュシュのファンの会話で何度も出てくる「エーテル」というキーワードがあります。
 意味は明言されません。作品の主題にも関わりません。ファンの間でだけ通用する共通の単語、くらいの認識です。

「リリィは宇宙であり、エーテルの具現者」
「私にとって、エーテルだけが生きている証」
「強い光を受ける者の影はまた濃い。強いエーテルもまたしかり」

 すごい中二病っぽい文章ですが、発言者が実際に14歳なのでオッケーです。
 ともかくこんな感じで、この作品の観念的ムードを押し上げています。
 
 僕はしょっぱなからよくわからないキーワードを連発されたので、仕方なく、
 理解しやすいように、脳内で「エーテル」を全て「おっぱい」に置換しました。

 エンドロールまですごく楽しめました。