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◆不定期日記ログ◆

■2024-07-31
月記JULY
 7月が終わった。
 ところで「日本三大何かのタイトルであることは知っているけど何のタイトルかは知らないタイトル」といえば、「書を捨てよ町へ出よう」「彼女が水着にきがえたら」「悪魔が来りて笛を吹く」で異論はないよな?

PIPI
ピピチャン!(「世界の中心で愛を叫んだけもの」は?)
 それは世界三大の方に入ってるんだ。じゃあ7月にやったことや読んだもの、観たものの記録だよ。

■機織り

 娘氏は幼稚園のときなぜか「はたおりで暮らしていく」という夢を持っていたが、カイコガの幼虫を見てそれをひっこめて現在に至る。このたび七夕ということで、ワイフが機織り体験のできる工房を見つけたので行ってきた。
染織工房 糸遊
 糸遊さんは、静岡市の最奥で飼われている羊から羊毛を取り、その羊毛から糸を紡ぎ、草花で染め、織機で布製品にするというプリミティブな活動をしている工房であり、手元のおぼつかない娘氏にイチから機織りを教えてくれた。着物の端切れとかをつぎつぎと織り込んで布ができていく様子は圧巻だった。
 この作業を見ていると、エドモンド・カートライトや豊田佐吉が、より効率的なメカニズムを追求して織機を改良していった気持ちがよくわかった。ひつようは はつめいの ぱぱ。

■パリ五輪開会式

 エエッもう五輪なのかい!? と思ってしまうが東京が1年遅れたので仕方ない。ところで東京の前の夏季五輪はリオでしたけど、その前はわかります? 俺は無理。
 いくらパリが風光明媚だからって街全体を開会式のパレードにしちゃうのは凄い。思わずアサシンクリードユニティを再プレイしたくなっちゃうね。これ、警備に割く人員がとんでもない規模なのでは。リハーサルの効かないオープンな式典でそれだけの人数を統率するの、本当にカネがかかっている。
 コンシェルジュリーの演出には震えたね……マリー・アントワネット、そういう扱いしていいんだ……こちとら釜揚げスパゲッティのお店を「五右衛門」って呼ぶのすらちょっと躊躇してんのによ……。

■古文書に見る江戸犯罪考

 江戸時代の犯罪の記録をひもとく本。ミステリめいた話もある。
 ある窃盗事件で容疑者が捕らえられ、拷問により犯行を自白。しかしその報告を聞いた役人は供述に不自然な点を感じ、犯行現場を再現して実験したところ、容疑者には犯行が不可能であったことがわかった。このことから新たに浮上した真犯人を捕らえ、数度の拷問により犯行を自白させ一件落着ゥーッ! ……いや拷問による自白は必要だったか今!? 死刑のボーダーが限りなく低い時代だからそう簡単に罪は認めないのか!?

 首切り役人山田浅右衛門の話の中に「小伝馬町牢屋敷では毎年300人ほどが死刑に処せられた」と書いてあった。
 そんな毎日のように首を斬れるのか!? ちゃんと一撃で首を落とすには熟練の技を要するってシャルル=アンリ・サンソンが言っていたし、江戸にはそんなに斬首に長けた人材があふれていたのか!? と思って『死刑執行人サンソン(集英社新書)』を読み直したところ、そのへんの違いが書かれていた。

 当時、日本ではハラキリが名誉な死刑で、庶民は斬首等にされた。フランスでは斬首が名誉な死刑で、庶民は絞首刑等にされた。日本の場合は庶民なので4人がかりで土壇場に取り押さえて斬ることができるが、フランスでは貴族が公開斬首されるので一撃で成功しないと名誉に関わる。ところがフランス革命で人権宣言が出て、死刑も平等に全員斬首になったから熟練の技では対応しきれなくなりギロチンが開発された、という流れがあるようだ。
 日本も明治維新で四民平等になったとき、死刑が全員ハラキリになっていたら全自動ハラキリ装置が開発されただろうか。怖すぎるな全自動ハラキリ装置。

■パネルでポン

 なぜか娘氏の中でブームが再来した。
 以前と違うのは、娘氏が一人用モードで修行を繰り返したという点であり、このとき俺LV7、娘氏LV1で良い勝負をしていたのが、今や俺LV5、娘氏LV3でも勝てない始末。お邪魔を送り込む速度が昔よりもはるかに速くなり、連鎖を仕込んでいるヒマがないのであった。
 こうなればもう、娘氏が送り込んでくるお邪魔を一気に解凍し、そこに偶然生まれた連鎖のタネを拾ってカウンターをしかけるしか勝機はない。しかし当然、そうやって送り込まれたカウンターにさらにカウンターがかかることもあるわけで……。

 ワイフが『ぷよぷよテトリス2』をやらせてみたところ、ぷよぷよはそこそここなせるものの、テトリスがボロボロだったらしい。そういう得手不得手があるんだ……。色を見ることと形を見ることでスキルが分かれているのかもしれないな。

■風来のシレン6

 無事とぐろ島をクリアして、今は次々と解禁される特殊ダンジョンに片っ端から潜りまくっている。

 やってると明確に良くないなと思う点があって、歴史的に不思議のダンジョンでは、曲がり角の「壁」と「水路」で明確な違いがある(ナナメ移動可能か、直接攻撃が通るか、等)んだけど、モンスターの特技が壁の角を抜けるどうか(よせカエルの舌は通る? アイアンヘッドの頭は通る?)は特技による。
 歴史的にこうなっているので感覚的には理解しているんだけど、今作は本当に一撃を食らうかどうかが生死を分けるシーンが頻出するため、ここがわかりにくいのはストレスになる。まあ、基本的には特技はすべて角抜けだと思って対処すればいいし、そうすべきなんだけど、新米風来人にはキツい仕様だよね。

 昔と比べて、俺はPermaDeathというシステムへの忌避感がうすれたような気がする。
 中学生だった頃、スーパーゲイズのクソ野郎に火迅風魔刀を変化の壺に入れられて失ったことで具合が悪くなるくらいショックを受けたものだったが、今はそこまでショックは受けないだろう。
 これは「死んだら終わり」というシステムのゲームが珍しくなくなったという環境面の変化と、デジタルデータへの愛着がそこまでではなくなったという俺自身の変化があるのだろう、と分析する。
 ともあれゲイズは滅ぶべきであると考える次第である。

■天穂のサクナヒメ

 まさかここまでメディア展開するとはまったく想像していなかった。農水省が農業の未来をこのアニメに託しており意気込みが重い。大丈夫かッ! サクナヒメは一応インディーゲーなんだぞッ!

 俺はすでに第3話の「ヤナト田植唄」で涙ぐんでしまっているし、最終回で「ヤナト田植唄・巫―かみなぎ―」が流れて爆泣きすることが予約されているんだけど、たぶんアニメに先に触れていたらこれで泣くことはなかっただろう。
 これはゲームでずっと断片的に聴いてきたフレーズや楽器が集結することで生まれたゲームだからこその泣き体験なので、映像作品ではこれに至る可能性は少ない。
 詳しくはに書いたが、ゲーム体験のネタバレとなるため「最終回までにゲームを触っておきたい!」という人は読まぬが吉。サクナヒメはアクションゲーとしてとっても手触りが良いので全人類プレイしてくださいっていうを読んでくれ。

■逃げ上手の若君

 少年ジャンプで「北条時行を主人公とした漫画が始まる」と聞いたとき、俺は「ええーっ少年漫画で実在の歴史人物を主人公にしたヒット漫画ってないんじゃないの……?」とつぶやき、そして次の瞬間には柱合会議の場にひったてられていた。
 「実在の歴史人物を主人公にした少年漫画って難しいんじゃないの?」ってつぶやいただけなのに!(柱合会議コラ画像省略)

炎柱「そもそもジャンプには『花の慶次』という名作があるだろう! 何も問題なし!」
音柱「話がド派手になってていいなら『封神演義』がある。太公望自体は実在だし派手派手だ」
風柱「封神がアリならよ、『天地を食らう』だっていいんじゃねえか?」
蛇柱「昔『革命児ゲバラ』というジャンプ漫画があった」
恋柱「『日出処の天子』!どうかな!(少女漫画だけど……)」
霞柱(少年漫画のくくりがあいまいになってきたなあ)
岩柱「なんと可哀想な子供だ、手塚治虫の『ブッダ』を知らぬとは」
蟲柱「『ベルサイユのばら』とは実質アントワネットのことではないですか?」
水柱「……『はだしのゲン』」
一同(さすがに自伝的作品はナシだろ……)

 青年誌を除くと、柱を総動員しても古い漫画しか出てこなかった。アニメ化まで行った段階でもう偉業と言っていい。
 史実を元にした場合、「主人公が老いる」という少年漫画には致命的な問題がある。『へうげもの』とか後半まじで白髪の爺しか出てこなくなるもんな。なので少年漫画においては「前田慶次郎利益が老いるとでも!?」っていうくらいパワフルなキャラクターにしないといけないが、北条時行は20代で亡くなっているので悲しいことに問題がクリアされている。このへんどうするんだろうね。

■リブートとリマスター

 『らんま1/2』や『地獄先生ぬ~べ~』が再アニメ化されるらしい。特にらんまのほうは、すでにレジェンドとなった声優陣が大部分続投しておりアラフォー世代を沸かせている。
 思えば『ダイの大冒険』や『るろうに剣心』の新アニメからは、「令和の小学生にも傘でアバンストラッシュや牙突をやらせてやるぜ!」という迫力を感じた。実際ダイの大冒険はマルチメディア展開したし、これはリブートを狙ったものだろうなという感じがする。
 
 一方、(発表時の印象なので的外れかもしれないが)らんまからは「令和の技術でリマスターしよう」という意思を感じる。だが今の時代に蘇らせるにあたって、ジェンダー配慮やコンプラ的に変更せざるを得ないセリフもあろう。令和に紅つばさをイジることはもう不可能だ。それらをカバーする価値を生み出すなら、リブート……「令和の小学生にも飛竜昇天破をやらせてやる!!」という気概がないといけない。
 ここまで言えば俺の要求はお分かりであろう。小学館は直ちに『らんま1/2 町内激闘篇・爆烈乱闘篇』をニンテンドースイッチで配信しなさい。いいね?

■ニチアサ百景

 プリキュアでは怪物を生み出す元凶が「絶滅したニホンオオカミの霊」ではないかという可能性が示された。
 今作は「犬のプリキュアがいる」のではなく「犬が主人公のプリキュア」なので、犬がいちばん主体的に物語を駆動させなければならない。それにはもう殺人熊と抜刀牙を出すしかないと思っていたが、ニホンオオカミの魂を救う話であれば条件は達成される。
 こういう、毎年同じようなことをやってるニチアサの中で、「今作でやるべきこと」が浮き彫りになってくる感覚が好きでニチアサおじさんやってんだよな。
 
 ライダーはここにきて「序盤のゲストキャラが次々登場」と「街頭クソデカモニタージャック」が発生し、いやがおうにも令和ライダーの最終盤という雰囲気が高まってきた。なんで令和ライダーは街頭クソデカモニターで胡乱な主張をしてしまうのだろうか。
 
 戦隊は追加戦士が入ったものの、なんか爆速で全員から受け入れられてしまい、毎年お楽しみの「追加戦士とのかけあいで既存戦士のキャラが深まる回」がレッド以外全然ないのが珍しい。追加戦士というより「遅れてきた6人目」みたいな感じだ。ジェラミーやジロウが加入したときにはもっと一悶着あったもんだが……いやあいつらが濃すぎたのか?