Oneside Flat Web

◆ニンジャスレイヤー読破ガイド◆

 前項の「読書ガイド」では、ニュービーが予備知識なしでも読める「拾い読み推奨エピソード」を紹介しましたが、ニンジャスレイヤーの魅力は単発のトンチキ日本描写のみにあらず。複雑に関連しているエピソード群を注意深く追ううちに、大きなストーリーの流れが見えてくるニンジャ体験を是非味わって欲しい。そんな観点から作られた「読破ガイド」になります。
 「読破」と銘打ったとはいえ、全てのお話を追っていたらとんでもない量になるのは必定。したがって、当面の目標として「第三部に到達する」ことを目標にエピソードを絞っていきたいと思います。第三部完結後のことはそのとき余力があったら考えます。 (2015年10月更新)
◆第一部 ネオサイタマ炎上
「ストレンジャー・ストレンジャー・ザン・フィクション」
 ↓
「ネオサイタマ・イン・フレイム」ハイ!おわり!

 ……というのはあまりにも乱暴だが、すでにニンジャスレイヤーとナラク・ニンジャのおおまかな関係と、ヤバイ級ハッカーのナンシー・リー、悪のニンジャ組織の首魁ラオモト・カンのキャラクターを大まかにつかめている状態、たとえば『フロムアニメイシヨン』を完走しているのであれば、実際これだけでも次の部に進める。なぜならば第一部の登場ニンジャはほとんどがニンジャスレイヤーによって爆発四散しているからだ!
 しかし完全なニュービーがこれだけ読んでも全然おもしろくないと思うので、今後も出てくるキャラクターが登場・活躍する回くらいはさらっておきたい。どれも独立性が高く、拾い読み推奨エピソードとしてもおすすめできる。各エピソードへのリンクは省略させていただくので、各自有志wikiや読書用アプリより拾って欲しい。
「べイン・オブ・サーペント」シヨン7話
フリージャーナリストのナンシー=サンが暗黒メガコーポの犯罪疑惑に深入りしてニンジャと遭遇する短編。
これ単体だとハッカーとしての彼女の力量が描かれないので、「ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ」とか、後述する「アポカリプス・インサイド~」等で補完したい。
「アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル」シヨン8話
ナンシー=サンがニンジャスレイヤーを巧みに利用して、ヨロシサン製薬の機密に迫る短編。
忍び込んだバイオプラントで遭遇したのは、脱走バイオニンジャをあつめて「サヴァイヴァー・ドージョー」を立ち上げた狂人ニンジャ・サワタリの姿だった……
この後サワタリとは「ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ」で忍び込んだプラントでまたしても遭遇することになる。
「メナス・オブ・ダークニンジャ」シヨン11話
初翻訳作品「ゼロ・トレラント・サンスイ」から続くエピソード。
このエピソードで強烈なライバルキャラとして登場したダークニンジャ(フジオ・カタクラ)であったが、第一部においてはこのあとさしたる登場はなく、本筋にも全然絡んでこない。これについて公式は「たとえばあのガンダムの赤い奴、どうだった?テレビ見ながら『実際坊や』とか何とか呟いた後、ずいぶんご無沙汰してたじゃないか」と言いヘッズを黙らせた。
このあとのダークニンジャの動きは「コンスピーラシィ・アポン・ザ~」に続く。
「スシ・ナイト・アット・ザ・バリケード」シヨン15話
「メナス・オブ・ダークニンジャ」で「センセイの孫娘」というわかりやすい役柄で登場し、その後行方不明となったユカノ=サンが再登場する。
ユカノ=サンは革命組織イッキ・ウチコワシに接収されたのち、このまま第二部中盤まで完全に出番がなくなるので、その状況だけ押さえておけばよい。
イッキ・ウチコワシについてはこの次のエピソード「アット・ザ・トリーズナーズヴィル」を決断的読書だ。
「ラスト・ガール・スタンディング」シヨン3話
読書ガイドのほうでオススメしたヤモト=サンの登場回。
ヤモト=サンを追う場合はいっそこの次に第二部「ウェイティング・フォー・マイ・ニンジャ」に飛ぶのもエキサイティングだし、ショーゴー=サンの行方を知りたければ第三部「ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード」をつまみぐいすることも可能だ。
「デッドムーン・オン・ザ・レッドスカイ」
拾い読み推奨エピソードのほうでも紹介したエピソード。デッドムーン=サンの「武装霊柩車『ネズミハヤイDIII』を駆る死体専門の運び屋」というなんとも密度の濃い肩書きにまずショックを受ける。『フロムアニメイシヨン』ではちょっとしか出てこなかったが、第二部ではいきなり最初から出てくるので、シヨン出身者は押さえておくべき。
ソウカイヤのマッドサイエンティスト・リー先生による、死体にニンジャソウルを憑依させて蘇らせる「イモータル・ニンジャ計画」がここからスタートする。
「ネクロマンティック・フィードバック」
リー先生の研究所から脱走した2体のゾンビーニンジャを巡る話。
イケメンゾンビーニンジャ・ジェノサイドの登場エピソードだが、まだ直接的な活躍はしない。彼を重点して読むのなら第二部「ゲイシャ・カラテ~」からでもよい。
シンゴ&タバタの刑事コンビは第三部でもチラチラ出てくるので、ここで押さえておいてソンはない。スネークめいた傭兵ニンジャ・ブラックヘイズもこの回で初登場し、実際ライバルめいた戦いをする。
「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」
孤高のニンジャハンター・ヤクザ天狗登場エピソード。
非ニンジャである彼がニンジャを殺すのはもちろん簡単なことではない。紙一重の死闘を繰り返すうちに彼は完全に狂ってしまった。そんな狂人の戦いが描かれるだけでも面白いのだが、第二部・第三部のエピソードを注意深く読んでいると、彼の正体や動機がうっすら見えてくるのがワザマエである。

◆第二部 キョート殺伐都市
 第一部ラストバトルの終了直後からスタートするので「ネオサイタマ・イン・フレイム」を読了しているにこしたことはないが、「ラオモト・カンとの死闘があった」「ダークニンジャが不思議な力で決戦の場から消えた」程度の認識でキックスタートできないこともない。
 さらに第二部前半は、ガンドー、ダークニンジャ、デスドレインあたりの掘り下げエピソードを除いて、飛ばしてしまってもなんとかなる。
 第二部後半は最終章「キョート・ヘル・オン・アース」を経由して第三部へと連なる連続エピソードになっており省略が難しい。しかし、それぞれのキャラの思惑が複雑に絡み合ってクライマックスに至る第二部最終章はエキサイティングで、第一部最終章とはまったく違う印象を受ける。ぜひ準備をして挑んでほしい。
「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」
巨悪が倒れた直後のネオサイタマ裏社会に、謎のニンジャ集団が電撃作戦的に侵入。死闘を終えたばかりのニンジャスレイヤーは新たなニンジャ組織との戦いに巻き込まれていく。
物理書籍版では大幅加筆が入り、一部が別エピソード(キックスタート・ア・ニュー・デイ)として独立しているので留意されたし。
「ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル」
新たなる敵ザイバツ・シャドーギルドの情報を得たニンジャスレイヤーはキョート行きのシンカンセンに乗り込む。
このエピソードは第一部「ネクロマンティック・フィードバック」で研究所を脱走したイケメンゾンビーニンジャ・ジェノサイドの旅の序章である。彼の冒険はキョートで何度かニンジャスレイヤーと交錯するが、本筋とは関わってこない。追いたい場合は「スリー・ダーティー・ニンジャボンド」「リターン・ザ・ギフト」へ進むと良い。
「リキシャー・ディセント・アルゴリズム」
拾い読み編でもオススメしたタカギ・ガンドー登場エピソード。
第一部最終戦のあと戦線を離脱したナンシーの紹介で、フジキドはある私立探偵事務所の扉を叩く。
ガンドーのキャラクターを掴んでいるのなら省略してもいいが、エピソードの独立性が比較的高いのでオススメしておく。ワザと間違ってるとしか思えない狂言強盗の描写に腹筋が爆発四散した。
物理書籍版では大幅加筆が入り、一部が別エピソード(ロンサム・パイン・アンド・ツー・ニンジャズ)として独立しているので留意されたし。
「クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド」
フジキドが「ゴルゴムの仕業!」めいて、キョート地底に眠るコフーン遺跡の情報を得る話。
フジキドは偶然ここで,第一部最終戦から行方不明になっていたダークニンジャと再会する。
なおもう一人、フォレスト・サワタリとも第一部以来の再会を果たすが、この人はいかんせん狂人なので気にしなくてよい。第一部最終章をとばした人は「三人は第一部の最後に互いに戦い、決着がつかず散り散りになった」という背景だけ押さえておけばよい。
「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」
凶悪犯罪者デスドレイン登場回。デスドレインはまだ直接本筋に関わってこないが、このあと第二部を通して物語を引っかき回すので押さえておきたい。
コフーン遺跡調査から脱走した学者ウミノをめぐって、フジキドとザイバツ幹部が初めて直接対決する話。
ザイバツ幹部イグゾーション=サンとの決戦は「デス・フロム・アバヴ・セキバハラ」へ続くので、そちらも合わせて読んでおくことをおすすめする。ドラマCD化されたスシ・トーチャリングのシーンでは深夜に飯テロを受けるヘッズが多発した。
「カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」
前半はダークニンジャことフジオ・カタクラの過去話。ライバルでありながらここまで大した存在感もなく「ダークなんとか=サン」程度の認識であったダークニンジャにようやく背景が書き加えられた形になる。
ただしいきなりエジプトにニンジャとかとんでもないニンジャ真実を見せつけにくるので備えよう。途中「ヌンジャ」という不穏な単語が出てくるがタイプミスではない。
#7以降は暴れ出したデスドレイン一派をダークニンジャとザイバツ幹部・ニーズヘグが討伐する話。
ダークニンジャとデスドレインを重点しないのであれば省略可能だが、世界観に関わるニンジャ真実が盛りだくさんなので覚悟ができたら挑もう。
「アウェイクニング・イン・ジ・アビス」
ダークニンジャと戦い敗走したデスドレインが、ただひとり生き残った仲間ランペイジを闇医者に運び込むシーンからスタート。このときなぜか少女を拉致する。
エピソードのメインは、コフーン遺跡の神器を巡ったフジキドとザイバツのアドベンチャーレース。
タイミングの悪いことにデスドレイン一派もダークニンジャ目当てに現地入り。復讐戦を兼ねた秘宝獲得レースが始まる。
省略可能だが、これ絶対ゼルダやったあと書いただろ、というすがすがしい迷宮描写がタノシイ。
ここまでを便宜上「前編」とする。
神器「聖なるヌンチャク」の封印を解いたニンジャスレイヤーは、休眠したナラク・ニンジャを覚醒させるため、ガンドーと別れて新たな協力者シルバーキー(カタオキ)とともにネオサイタマへ帰還。
「後半」は、ザイバツへの反攻の道筋が描かれる一連のエピソード群で構成される。各エピソードが時間軸を超えて複雑に絡みあっており、読む順番に正解がない。したがって、翻訳順に読み進めることで、リアルタイムでエピソードを追っていた当時のヘッズたちの混乱を追体験することを提案してみたい。
「ウェイティング・フォー・マイ・ニンジャ」
ザイバツに狙われていたシルバーキーを救出したフジキドは、ナラクに示された通りネオサイタマへ戻る。
シルバーキーとの出会いは「ビヨンド・ザ・フスマ・オブ・サイレンス」で語られるので、重点したい人はこのあたりで読んでおくと理解が早い。
ここでフジキドのシナリオはヤモトのシナリオとザッピングするが、ヤモト側の事情は予習していなくても問題ない。実質シルバーキーのお披露目回。
「ディフュージョン・アキュミュレイション・リボーン・ディストラクション」
ザイバツ・シテンノの敗北をうけ、キョートからネオサイタマへ幹部クラスが出撃。
ザイバツの進出をよく思わぬネオサイタマのアマクダリ・セクトも動き、複数のニンジャ戦闘が始まる。

作中のニンジャという設定でありながら、次元を超え、まるでほんやくチームの一員であるかのようにふるまい、インタビューズでヘッズとの質疑応答をしていたザ・ヴァーティゴ=サンが、ここで初めて本編に乱入する。彼の活躍はあまりに規格外なためリアルタイムでないと追いにくいが、サブアカウントを利用したTwitter小説ならではの存在といえよう。このときはインタビューズの打ち切りと同時に本編に出現する荒技を見せた。

この戦いの中でナラク・ニンジャのソウルは無事覚醒するが、シルバーキーはしばらくメインシナリオからログアウトする。
「リブート、レイヴン」
ガンドーがフジキドと出会う10年前の話からスタートし、時間軸を飛ばしながら第二部最終戦直前まで行く長編。
ダメなオッサンと少女を中心に描かれる話は大好きだし、それが探偵と助手なら実際役満なのだ!
前半部は過去編、後半はフジキドがネオサイタマに戻ってからの話、エピローグでまた細かく時間軸が飛ぶので注意。
省略可能ではあるが、ガンドーというキャラの掘り下げ回なので、第二部最終戦までには修めておきたい。
「シージ・トゥ・ザ・スリーピング・ビューティー」
「ディフュージョン~」のあと、ザイバツが敷いたニンジャスレイヤー包囲網を強引に突破していく話。
忍殺No1変態ニンジャ・モスキート=サンが久々に出てくる。第二部開始エピソード「ウェルカム~」でモスキート=サンの変態ぶりを確認した上で臨むことを推奨したい。
カトン使いのザイバツ女ニンジャ・イグナイト初登場。中間管理職ニンジャ・ワイルドハントの胃に穴が開きそうになる。
このエピソードでナンシー=サンが戦線に復帰する。
第三部「フラッシュファイト・ラン・キル・アタック」
アイエエ!第二部終わってないのに第三部ナンデ!?と先行連載されたエピソード。
ここまでのエピソードを何とか読んできた人なら、当時のリアルタイム読者と同じ感覚で味わえるはず。
エーリアスとかいう新キャラ、見た目はあからさまにアイツだが中身があからさまにアイツなのだ!
どうしてこうなってしまったのかは、いつか第二部最終戦を読んで確かめよう。
「ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ」
ザイバツがイッキ・ウチコワシに攻撃を仕掛け、ユカノの拉致を決行する話。
第二部最終章まで続く連続的同時進行的エピソードの一つなので独立性は低いが、ソリッドスネークめいた傭兵ニンジャ・ブラックヘイズ=サンの活躍が素敵なのでオススメ。
あとオムラ・インダストリのポンコツぶりも素敵だしニンジャスレイヤーの出オチ感もすごい。
途中ちらっと第一部「キルゾーン・スモトリ」のオマージュあり。
このエピソードのあとのユカノのようすは「シャドー・コン」で垣間見られる。
「ドゥームズデイ・ディヴァイス」
どちらかというとダークニンジャのほうにスポットが当たるエピソード。
組織内で急に力を伸ばしてきたダークニンジャを誅殺しようと画策するグランドマスター・パーガトリー(通称:パガ)、以前の屈辱的敗北の復讐を試みるデスドレイン(通称:デスド)、そのデスドレインをなぜかかばう少女・アズールが使役する不可視の召喚獣……ダークニンジャは迫りくるパガとデスドと召喚獣をどうさばくのか?
省略可能ではあるがアズールのジツの初披露なので押さえておきたい。
「ザ・マン・フー・カムズ・トゥ・スラム・ザ・リジグネイション」
ガンドーは、ザイバツへの潜入捜査を進めるうち、ある若いニンジャの暗殺指令を受ける。
ところがその暗殺対象ニンジャはザイバツへの裏切りを考えており意気投合。反攻の準備が始まる。
これも途中、「ビガー・ケージズ~」「トビゲリ~」などのエピソードと平行するので、時間軸に注意。
シルバーキーの安否もうっすらと明らかになる。
「トビゲリ・ヴァーサス・アムニジア」
結局キョート城に捕らわれたユカノが、ザイバツへの最終決戦への布石を打つ話。ナンシーやタカギ・ガンドーなどニンジャスレイヤーの協力者もキョートに揃う。
第二部最終章間近の連続的同時進行的エピソードの一つなのでやはり独立性は低いが、この話で重要なユカノしんじつが明かされるので、これを押さえないと第三部に移れない。これが長大な最終章でなかったことを幸いに思う。
#4の途中でまたなんかザ・ヴァーティゴ=サンが混入してくるが気にしなくてよい。
「オペレイション・レスキュー」
省略可能ではあるが、サヴァイヴァー・ドージョーを重点する層は押さえておきたい。バイオニンジャの天敵サブジュゲイター=サンとの対決と、その鍵となるバイオニンジャ・ディスカバリー=サンの加入が描かれる。
なおサブジュゲイター=サンの初登場エピソードは、読書ガイドのほうでもお勧めした「ブレードヤクザ~」だが、これも最終戦と関係が深いエピソードなので、未読の場合はここまでに目を通しておこう。
「キョート・ヘル・オン・アース」
物理書籍にして8冊にわたる第二部のエピソードを束ねて束ねて放たれる第二部最終戦。
ザ・ヴァーティゴ=サンのTwitterトレンドワードまで活用した破天荒な戦いや、誰もが投稿ミスを疑った効果範囲の広すぎる幻術など、従来の小説では考えられない表現技法が満載。長い道のりではあるが、是非ここまでたどり着いて欲しい。

◆第三部への接続
 本稿執筆段階ではまだ第三部の終わりが見えていないため、ここでは「キョート・ヘル・オン・アース」を読破できた人が、そこからの接続として手をつけるべきエピソードを紹介するに留める。
 逆に言えば、「ヒャアがまんできねぇ第三部からだ!」という読み方をする人は、下記のエピソードおよびそれに連なるエピソード群を避けていくとよい。もちろん構わずダイナミックに中央突破してもよいが。
「フー・キルド・ニンジャスレイヤー?」
ザイバツ・シャドーギルドをやっつけてビクトリーしたフジキドが、いかにして日常生活に戻ろうとし、いかにして忍殺の場に舞い戻ったかが語られるエピソード。先行翻訳された「サツバツナイト~」等からは想像もつかないダウナー系フジキドにヘッズたちは息を呑んだ。
「ワン・ガール、ワン・ボーイ」
二重人格女ニンジャ・エーリアスのそれぞれの人格が折り合いをつける話……というとやや正確ではないが、ネタバレを避けるとそう表すしかない。第二部を最後まで読んでいなくても、上記「フラッシュファイト~」までたどり着いていれば問題なく読める。
なおインプルーヴド・カトン・ジツ使いのニンジャはニンジャ名鑑で先行公開されており、公開時は「なんたるサンシタ臭ただようニンジャか!」と馬鹿にされていた点を補足しておく。
「ザイバツ・ヤング・チーム」
不思議空間に移転して再起を図るザイバツの活動を、若手ニンジャのミッションを通して描く。新キャラの視点で進むので、第二部最終章で何があったかを知らなくても読めるが、誰が生き残って誰が死んだかのネタバレとなってしまうので、気にする人は第二部を読了してから読むことをお勧めしたい。
「ギルティ・オブ・ビーイング・ニンジャ」
突然のカッパドキアめいた岡山県の描写が、ヘッズたちに岡山県リアリティショックを引き起こしたエピソード。
第二部でユカノしんじつにたどり着いてから読んだほうが混乱が少ない。上記「トビゲリ・ヴァーサス~」まで読了してからチャレンジすることをお勧めする。加えて、第一部「アトロシティ~」と第二部「カース・オブ・エンシェント・カンジ~」を押さえておくとよりいっそう楽しめる。
「グッド・タイムズ・アー・ソー・ハード・トゥ・ファインド」
キョートの謎の組織の依頼を受けて、あるニンジャを探すため女学園にガンドーが調査に入る話。ニンジャ。ナカヨシ。
全寮制女学院青春物語っぽく進行するのでニュービーにもお勧めできるかと思ったが、最終的にぜんぜんそんなことはなかった。第二部の結末を見てから挑むことをお勧めしたい。ガンドーの調査はこのあと「マスター・オブ・カブキ~」でユカノやエーリアスらと交差する。
「モータードリヴン・ブルース」
第二部を通していいところがなかったオムラ・インダストリのその後を描く。
第二部「ビガー・ケージズ~」でオムラの実態を把握してから読みたい。第二部最終戦でのオムラの動向を知っているとなお良いが、大枠は読み取れるので必須ではない。ネオサイタマデッカーコンビも出る。
「ホワット・ア・ホリブル・ナイト・トゥ・ハヴ・ア・カラテ」
エーリアスが「元に戻る」ための冒険の第一歩。上記「ワン・ガール~」を押さえた上で、ユカノ視点なので第二部のユカノしんじつも押さえておく必要がある。ここから冒険は第三部「マスター・オブ・カブキ~」でポータル兄弟を巻き込み、「アンダー・ザ・ブラック・サン」へと続いていく。
リー先生のゾンビーニンジャ計画はここから新たな段階を迎える。
 随時追加するかも。
[Comment]