◆不定期日記ログ◆
- ■2025-12-03
- 俺とスーパー戦隊
いよいよスーパー戦隊がおよそ50年の歴史に区切りをつけようとしているが、そもそも俺はなんでスーパー戦隊を観ているんだ? という話をしたいと思う。
なぜそんな自分語りを急に始めるのか? 需要がカケラもないのでは? と自分でも思うのだが、意外とこれを記録しておくことは大事なのではないか。
だって我々は日々SNSなどで、なんか沼に落ちて狂っている人を見てニッコリしているが、その人がなぜその沼に落ちたのかは知らないことが多い。こういうことをちゃんと表明しておくと、「その沼……ひょっとして俺も入れるのか?」という気持ちになる希少種が出てくるかもしれない。まあ出てきたところでシリーズは終わろうとしているんだが……今は配信が豊富にある。なので自分語りしていい? するね。
実はリアタイ世代であった幼少期には、戦隊はおろか全く特撮に触れていない少年であった。機動刑事ジバンや仮面ライダーBLACKの時代であったことはギリギリ覚えているが、観てはいなかった。
代わりに観ていたのが毎週の『水戸黄門』や、夕方再放送されていた『暴れん坊将軍』『遠山の金さん』などの東映時代劇で、大学生活まで含めて年寄りと暮らすことが多かった俺は、ここで1話完結型のパターンシナリオの良さを刷り込まれていった。
『水戸黄門』のようなパターンシナリオの良さは、ある程度の予測可能性を持っていて、時にそれをハズしてくるという点にある。
音楽を聴いているとき、人間の脳は常に展開を予想し続け、それが的中すると喜び、予想を超えた展開が来るとさらに喜ぶという話は聞いたことがあるでしょう? パターンシナリオを摂取しているときもそれは同様であることが、弊サイトの20年以上前のログから明らかになっている。俺がエビデンスだ!
そしてそれとは別枠に「特撮主題歌」という大きなコンテンツがある。
大学時代、バイト仲間と月イチで徹カラをするという無茶苦茶な生活を送っていた時期があった。メンバーが同じなのに毎月5時間も6時間もカラオケをすれば当然レパートリーが枯れてくる。そこで目を付けたのが前世紀の戦隊主題歌であった。
前世紀の戦隊主題歌はどれも覚えやすく、歌いやすく、本人映像もついていて飽きにくい。『科学戦隊ダイナマン』で「必殺必殺スーパースーパーダイナマイト」って全力で歌うのは最高なんですよ。力強いアニソンは数あれど、それがこれだけ揃っているセットは他になかなかないんですよ。こうして俺は芋づる式に知らないヒーローの主題歌を覚えていったのだった。
ということで、俺にはスーパー戦隊にハマる下地が完全に準備されていたことがわかる。だがそれは昔の戦隊にであり、最新の戦隊のことは何も知らなかった。そのきっかけとは何だったのか。
今こそすべての日本国民に問います。なぜ、俺が毎週早起きしてスーパー戦隊を視聴するようになったのか。チコちゃんは知っています。
俺がスーパー戦隊を観るようになったのは、『ハートキャッチプリキュア!』が名作だったから~~。
さすがチコちゃんよく知っていますね。でもお前はすぐ過程を飛ばして要因の話をしがちだから困る。戦隊の話をしてるのにいきなりプリキュアの話まで始めるんじゃあないよ。時系列でちゃんと説明すると以下のようになる。
ゴーカイジャーは過去の戦隊の力を「海賊版」として行使するド派手なやつらである。1話完結で毎回パターンがある戦隊のフォーマットは案の定俺によくなじんだし、カラオケのせいで名前だけ知っていた過去の戦隊が次々と登場するのも知的好奇心を満たしてくれた。
一度習慣ができてしまうとあとは流れである。翌年の『ゴーバスターズ』はシンプルにカッコ良かった。それに続いた『キョウリュウジャー』が少年誌的三条脚本で毎週めちゃくちゃなことをやってくれて、同期の『ドキドキ!プリキュア』も破天荒な話が多かったこともあり、このあたりでリアタイ視聴&SNS実況の楽しみ方が確立されたと思う。
キョウリュウジャーについては今でも「戦隊」という枠の中でできる最高のエンタメだと思っていて、「戦隊を知りたいからどれか1作観ようと思うんだけど」っていう人がいたらノータイムでオススメしたい。みんなも腰を痛めて変身できなくなった千葉繁の代わりに変身する飯豊まりえを観よう!
何年も戦隊を追っていると、1話完結のパターンシナリオだけでなく、1年という枠組みの中でのパターンも楽しめるようになった。
昔の人が花鳥風月から時の移り変わりを感じ詩を詠んだように、追加戦士の登場から初夏の風を感じ、年末の大決戦や総集編からクリスマス販促の息吹を感じるのである。1話完結でないライダーにも年間のパターンはあり、ニチアサが風物詩となり歳時記となっていった。
そのうち娘氏が生まれ、育ち、共にニチアサを観るようになった。プリキュアの対象年齢を越えてからもプリキュアと戦隊はわりと楽しんで観てくれているようだ。
特に2020年の『キラメイジャー』は「戦隊でここまで面白い話ができるんだ!」って感じの快作だし、2021年の『ゼンカイジャー』は「戦隊をここまでオモチャにしていいんだ!」っていう怪作だし、2022年の『ドンブラザーズ』に至っては「ここまで戦隊じゃなくってもいいんだ!」という何かであり、毎週戦々恐々としながら観ていた。
しかし……こんなに面白いのに、ずっとオモチャの売り上げが芳しくないという話は聞いていた。
バンダイさんの2025年のIP別売上を見ると、ドラゴンボール1906億、ガンダム1535億、ワンピース1395億に対してライダー307億、プリキュア79億、戦隊64億と文字通りケタが違う。芳しくないどころか誤差だ。俺たちが一喜一憂していたのは誤差にすぎなかった。もうこの国ではオッサンしかオモチャを買っていない!
こういう状況で現状の枠組みを堅持しても、ただ滅びを先延ばしにするだけになる。我が国全体がもうそうなのではないかという悲壮感すら漂う。枠組みの大幅な改訂もやむを得ない話だ。人口減を前提とした効率化をしなければならない。それはこの国のあらゆるところで行われていることだ。
だから……娘氏に水戸黄門の話をしてもピンとこないように、そのうち世に溢れるパロディなどの「戦隊あるあるコンテンツ」が全滅してしまう日が来てしまうかもしれない。そうならないよう、過去作品へのアプローチは続けて、文化を継承して欲しいなあと願う。
ところで、最初のほうで「音楽を聴くとき脳は展開を予想して快感を得る」というたとえ話を出したけど、それが人類普遍の事実であるならば、戦隊やプリキュアを観て快感を得る機能が全人類に備わっているということではないか!? あまねくすべての人類はすべからくニチアサを観てドーパミンを出すべきと考える次第である。
いつか書いておくべきだろうなあと思いながら、スーパー戦隊のシリーズ終了の報を受けて慌てて脳内から掃き出した形になります。これも立派なクリーンアップと言えるでしょう。俺は脳内を大掃除して戦隊の終焉を見届ける。お前はどうする?
なぜそんな自分語りを急に始めるのか? 需要がカケラもないのでは? と自分でも思うのだが、意外とこれを記録しておくことは大事なのではないか。
だって我々は日々SNSなどで、なんか沼に落ちて狂っている人を見てニッコリしているが、その人がなぜその沼に落ちたのかは知らないことが多い。こういうことをちゃんと表明しておくと、「その沼……ひょっとして俺も入れるのか?」という気持ちになる希少種が出てくるかもしれない。まあ出てきたところでシリーズは終わろうとしているんだが……今は配信が豊富にある。なので自分語りしていい? するね。
実はリアタイ世代であった幼少期には、戦隊はおろか全く特撮に触れていない少年であった。機動刑事ジバンや仮面ライダーBLACKの時代であったことはギリギリ覚えているが、観てはいなかった。
代わりに観ていたのが毎週の『水戸黄門』や、夕方再放送されていた『暴れん坊将軍』『遠山の金さん』などの東映時代劇で、大学生活まで含めて年寄りと暮らすことが多かった俺は、ここで1話完結型のパターンシナリオの良さを刷り込まれていった。
『水戸黄門』のようなパターンシナリオの良さは、ある程度の予測可能性を持っていて、時にそれをハズしてくるという点にある。
音楽を聴いているとき、人間の脳は常に展開を予想し続け、それが的中すると喜び、予想を超えた展開が来るとさらに喜ぶという話は聞いたことがあるでしょう? パターンシナリオを摂取しているときもそれは同様であることが、弊サイトの20年以上前のログから明らかになっている。俺がエビデンスだ!
そしてそれとは別枠に「特撮主題歌」という大きなコンテンツがある。
大学時代、バイト仲間と月イチで徹カラをするという無茶苦茶な生活を送っていた時期があった。メンバーが同じなのに毎月5時間も6時間もカラオケをすれば当然レパートリーが枯れてくる。そこで目を付けたのが前世紀の戦隊主題歌であった。
前世紀の戦隊主題歌はどれも覚えやすく、歌いやすく、本人映像もついていて飽きにくい。『科学戦隊ダイナマン』で「必殺必殺スーパースーパーダイナマイト」って全力で歌うのは最高なんですよ。力強いアニソンは数あれど、それがこれだけ揃っているセットは他になかなかないんですよ。こうして俺は芋づる式に知らないヒーローの主題歌を覚えていったのだった。
ということで、俺にはスーパー戦隊にハマる下地が完全に準備されていたことがわかる。だがそれは昔の戦隊にであり、最新の戦隊のことは何も知らなかった。そのきっかけとは何だったのか。
今こそすべての日本国民に問います。なぜ、俺が毎週早起きしてスーパー戦隊を視聴するようになったのか。チコちゃんは知っています。
俺がスーパー戦隊を観るようになったのは、『ハートキャッチプリキュア!』が名作だったから~~。
さすがチコちゃんよく知っていますね。でもお前はすぐ過程を飛ばして要因の話をしがちだから困る。戦隊の話をしてるのにいきなりプリキュアの話まで始めるんじゃあないよ。時系列でちゃんと説明すると以下のようになる。
彼女(現:ワイフ)が『ハートキャッチプリキュア!』の視聴を始める(2010年2月)
↓
ニチアサ民に足を踏み入れる
↓
30分前の『仮面ライダーオーズ』が気になり視聴を始める(2010年9月)
↓
さらに30分前の戦隊が終わってなんか記念作品が始まることを知る
↓
『海賊戦隊ゴーカイジャー』の第1話を観て度肝を抜かれる(2011年2月)
↓
ニチアサ民の完成
このようにして起床時間が30分ずつ早まっていったのだった。当時は戦隊はニチアサのトップバッターだったのだ。『ハートキャッチ』と『オーズ』が両方名作でなかったら戦隊までは辿り着かなかったであろう。奇跡のリレーに感謝したい。↓
ニチアサ民に足を踏み入れる
↓
30分前の『仮面ライダーオーズ』が気になり視聴を始める(2010年9月)
↓
さらに30分前の戦隊が終わってなんか記念作品が始まることを知る
↓
『海賊戦隊ゴーカイジャー』の第1話を観て度肝を抜かれる(2011年2月)
↓
ニチアサ民の完成
ゴーカイジャーは過去の戦隊の力を「海賊版」として行使するド派手なやつらである。1話完結で毎回パターンがある戦隊のフォーマットは案の定俺によくなじんだし、カラオケのせいで名前だけ知っていた過去の戦隊が次々と登場するのも知的好奇心を満たしてくれた。
一度習慣ができてしまうとあとは流れである。翌年の『ゴーバスターズ』はシンプルにカッコ良かった。それに続いた『キョウリュウジャー』が少年誌的三条脚本で毎週めちゃくちゃなことをやってくれて、同期の『ドキドキ!プリキュア』も破天荒な話が多かったこともあり、このあたりでリアタイ視聴&SNS実況の楽しみ方が確立されたと思う。
キョウリュウジャーについては今でも「戦隊」という枠の中でできる最高のエンタメだと思っていて、「戦隊を知りたいからどれか1作観ようと思うんだけど」っていう人がいたらノータイムでオススメしたい。みんなも腰を痛めて変身できなくなった千葉繁の代わりに変身する飯豊まりえを観よう!
何年も戦隊を追っていると、1話完結のパターンシナリオだけでなく、1年という枠組みの中でのパターンも楽しめるようになった。
昔の人が花鳥風月から時の移り変わりを感じ詩を詠んだように、追加戦士の登場から初夏の風を感じ、年末の大決戦や総集編からクリスマス販促の息吹を感じるのである。1話完結でないライダーにも年間のパターンはあり、ニチアサが風物詩となり歳時記となっていった。
そのうち娘氏が生まれ、育ち、共にニチアサを観るようになった。プリキュアの対象年齢を越えてからもプリキュアと戦隊はわりと楽しんで観てくれているようだ。
特に2020年の『キラメイジャー』は「戦隊でここまで面白い話ができるんだ!」って感じの快作だし、2021年の『ゼンカイジャー』は「戦隊をここまでオモチャにしていいんだ!」っていう怪作だし、2022年の『ドンブラザーズ』に至っては「ここまで戦隊じゃなくってもいいんだ!」という何かであり、毎週戦々恐々としながら観ていた。
しかし……こんなに面白いのに、ずっとオモチャの売り上げが芳しくないという話は聞いていた。
バンダイさんの2025年のIP別売上を見ると、ドラゴンボール1906億、ガンダム1535億、ワンピース1395億に対してライダー307億、プリキュア79億、戦隊64億と文字通りケタが違う。芳しくないどころか誤差だ。俺たちが一喜一憂していたのは誤差にすぎなかった。もうこの国ではオッサンしかオモチャを買っていない!
こういう状況で現状の枠組みを堅持しても、ただ滅びを先延ばしにするだけになる。我が国全体がもうそうなのではないかという悲壮感すら漂う。枠組みの大幅な改訂もやむを得ない話だ。人口減を前提とした効率化をしなければならない。それはこの国のあらゆるところで行われていることだ。
だから……娘氏に水戸黄門の話をしてもピンとこないように、そのうち世に溢れるパロディなどの「戦隊あるあるコンテンツ」が全滅してしまう日が来てしまうかもしれない。そうならないよう、過去作品へのアプローチは続けて、文化を継承して欲しいなあと願う。
ところで、最初のほうで「音楽を聴くとき脳は展開を予想して快感を得る」というたとえ話を出したけど、それが人類普遍の事実であるならば、戦隊やプリキュアを観て快感を得る機能が全人類に備わっているということではないか!? あまねくすべての人類はすべからくニチアサを観てドーパミンを出すべきと考える次第である。
■ブロクリ Advent Calendar 2025!!
12月といえばアドベントカレンダー。今年も木本さんとこの企画「ブログクリーンアップアドベントカレンダー」への参加を表明しまして、去年はギターの話を書いたんですけど、今年はこれをもって3日目の記事として占拠しようという魂胆です。いつか書いておくべきだろうなあと思いながら、スーパー戦隊のシリーズ終了の報を受けて慌てて脳内から掃き出した形になります。これも立派なクリーンアップと言えるでしょう。俺は脳内を大掃除して戦隊の終焉を見届ける。お前はどうする?