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◆不定期日記ログ◆

■2022-04-08
ディスカバれ! わたしたちの今!
 『星のカービィ ディスカバリー』をスタッフロールまでクリアーしました。

 お前たちは『マリオオデッセイ』のような3Dマリオをプレイしていますか? プレイしていないやつはだいたい「酔うから……」って言うのでわかっています。特に申し開きをする必要はありません。

 『星のカービィ』は今から30年前に、高難易度化する2Dアクションゲームへのカウンターとして生まれました。アクションが苦手な人にもプレイして欲しいという思いが、30年続くシリーズを作り出したのです。お前はプレイしましたか? 俺はすみません、2004年の『鏡の大迷宮』以来まったくカービィに触れてこなかったので、最近のカービィがどうなっているのか全然知りません。まじすみませんカービィさん。

#nintendoswitch
 とにかくカービィさんは「アクションの苦手な人に」ということをいつも考えていました。それゆえ、3Dアクションになった今作では当然「酔うから……」と忌避してきたお前たちが、徹底的にディスカバれる工夫を追求してきています。

 英断なのが視点操作の排除です。カメラはステージの進行に応じてオートで動き、たいてい「手前から奥」か「左から右」に進むように位置取りをしてくれます。これによって3Dアクションとベルトスクロールアクションの中間のようなプレイ感覚に仕上がっています。
 しかし……カメラが(ほとんど)回らないということは、カービィさんにグイグイ寄って最高にカワイイな写真を撮ることができないということなので、その1点だけは心残りですね。
 ゲームプレイにもバリバリに補助がかかっていて、星形弾を吐き出すときもだいたいの方向に撃てば敵のほうに行ってくれるし、突進系の攻撃もユルめの当たり判定で突っ込んでくれるので、アクションをする上でのストレスは全然ありません。

 新要素のほおばりヘンケイは、ほぼマリオオデッセイのキャプチャーでした。まあもともとカービィさんは敵の能力を使って進んでいきがちでしたが、コピー能力より大胆なプレイ感覚の変更を、コピー能力より限定的な範囲で使わせることで実現しています。
 各種コピー能力もいいタイミングでバージョンアップされていくため捗ります。そういう進捗感があるのが大事なんだ。
 ただ娘氏がなぜかバンダナワドルディでしかプレイしたがらないので非常にもったいない気持ちでいます。一応カービィさんに合わせて攻撃力は上がっていくようですが。


 そんな中、主にボスバトルにおいて「しゃがみガードからのジャスト回避がめちゃ強い」というのはあまりカービィさんらしくない調整だなと思いました。いや全然面白いのでいいんですが、やはり3Dアクションにはパリィかジャスト回避がつきものなのでしょうか。敵の突進をジャスト回避して、周囲がスローモーションになっている間に敵がこぼした星を吸ってぶつけるというスタイリッシュなカービィさんが見られるとは思いませんでした。
 こういう話をするとジャスガ苦手勢が「うわ……なんか怖い……ディスカバるのやめて家でパラッパラッパーしとこ……」とブラウザを閉じてしまう可能性が高まるので補足しておきますが、ボスの攻撃はたいていしゃがみガードか全力ホバリングで切り抜けられるので、ジャスト回避は必須技能ではありません。でも受付時間もユルいしやってみると楽しいヨ!

#nintendoswitch
 そういえば最初のステージで歌付きの主題歌が流れたのにも驚きました。そのときは「なんかレジェンドオブマナみたいな歌が来た~~!」と大騒ぎするだけでしたが、これのインスト版がタイトル画面や拠点のBGMにずっと使用されているため、ずっと「果たしてエンディングでこの歌のフル尺がドバっと来たとき俺の涙腺は大丈夫なのか……?」と心配していましたし、「いや『覚悟』しておけば大丈夫だッ! 『覚悟』は『絶望』を吹き飛ばすからだッ!」という強い意志でクリアーしてまあボロボロ泣きましたね。


 そして何より今作の魅力は「明るい廃墟」ではないでしょうか。お前たちは文明が崩壊しているとそれだけでテンションがあがるものと思われますが、そういうゲームでは巨大なゴキブリとかと戦う羽目になり居心地が良くない。夜の廃遊園地なんかはもう嫌な思い出しかありません。
 しかしカービィさんが廃墟にやってくるとカワイイだし、クリーチャーもだいたいカワイイなので、とても楽しくにぎやかに文明の崩壊を満喫できます。それでいて「文明があったころのホロテープ音声が再生される」なんかはFalloutでめちゃくちゃ見たし、斜めに昇降する巨大リフトなんかはバイオハザードとかで完全におなじみの奴です。これ元ネタAKIRAか?
 そんで「バイオハザードかよ」って言ってたらその後ボスがマジでバイオみたいな襲い方をしてきて、最終的にはQTEまで出てもうバイオそのものでした。QTEでバイオを想起するのいろいろ偏ってるな。そんなにもバイオでありながらちゃんとカービィさんのカワイイは担保しているという不思議な作風。君もプレイしてその目でディスカバれ!


 最後に余談ですが、俺は任天堂の横スクロールアクションシリーズといえば、マリオを軸として「ちょっと難易度の高いドンキーコング」「滞空ジャンプとタマゴ投げで画面をいっぱいに使うヨッシー」「探索に特化したメトロイド」「とっつきやすさに全振りのカービィ」みたいな住み分けイメージを持ってたんですけど、カービィが今回3D化するにあたって「マリオより明確にとっつきやすく」という解答を用意したのであれば、他のメンバーはどんな答えを出すのか、あるいは出さないのか、ちょっと気にはなりますね。いやドンキーは一瞬だけ3Dになってましたが。