◆不定期日記ログ◆
- ■2018-11-21
- パスポート狂騒曲
パスポートをつくらねばならぬ。以前台湾に行ってから5年経過しているので、更新でなく新たに申請しなければならぬ。
ていうかね、俺はマイナンバーカードを持ってるんですよ。もう国から番号を振られてるんですよ。
で、パスポートをつくるときに必要なのが、
ということは、申請書とマイナンバーカードを携えた本人が窓口で「これでヨロシクやってくれ」と言えばパスポートができちゃう、そういう未来に俺たちはコミットしたはずなんですよ。俺そっくりに整形した悪しき者にナンバーを盗まれたらとんでもない被害が出るところまで含めて、危険と利便性を天秤にかけて選んだサイバーパンクSFな未来なんですよ。人を番号で管理するっていうのはそういうことでしょう!?
ところが実際今生きているこの世界はなんだ。
まず戸籍謄本がコンビニで出ない。どうやら本籍と住民票のある自治体が異なる場合は、別に利用登録申請が必要らしい。そして俺は本籍も居住地もその申請に対応していなかった。俺はすべてを諦めて物理肉体を役所へと移動させた。
これはどういうことだ。そもそもなぜ自治体の区別がある? 俺の個人情報は番号を打たれてサイバー空間に格納されたのではなかったのか? ドラクエの冒険の書ですらどの町の教会からでも読み書きできるというのになんだこのザマは。俺はマイナンバー制度でSFの世界に足を踏み入れたと思ったのに実際は中世ファンタジー以下の暗黒時代だった。
次に写真だ。俺が証明写真ボックスに800円を投入して撮った写真は「背景がグラデーションなので使えない」と突き返された。
確かに外務省のサイトには「背景は均一無地」と書いてある。それを見落とした俺が無知蒙昧な情報弱者であることは認めよう。しかし俺はこれを「パスポート用」というモードで撮影しており、にも関わらず背景を「単色」と「グラデ」で選択させられたのだ。この選択肢はつまり、外務省の説明をロクに読まずにノコノコやってくる馬鹿を国外に出さないための罠……文盲をあぶりだすリトマス試験紙……富士フイルムさんが外務省の要請で実装した適性チェックということか……。
俺は深い絶望に包まれた。俺が無知蒙昧だったという事実にではない。せっかく無人で写真が出力できるシステムを作り上げておきながら、このような卑劣な罠を仕込む人間に対してである。
機械化の進展は、撮影・現像の経験がない人間でもひとりで証明写真を出力できるだけの技術を生み出した。そしてAIの進化がもたらす次の社会では、知識や情報の共有が進み、専門知識のない人間でも新たな価値を生み出せるようになる。それなのにこれはなんだ。わざわざ書類を頭に入れておかなければいけないようなシステムを組む国に未来はあるのか?
これでは将来的にAI市役所が開発されても、結局電子化前と同じ手順を踏まされ、したがって俺のような血の巡りの悪いアホには何の利便性も与えられないことは目に見えている。そして真の電子政府化が進む諸外国に蹴り落とされ我が国は世界の最貧国に転落するのだ。一刻も早くこんな国から脱出しなくては……しかし俺のような凡愚にはパスポートを手に入れることすらままならない……。
最終的に、このようなまったく生産性のない作業のすえ揃えた書類は「あんたパスポートの期限10年でつくっとるから期限切れてないぞ」というお達しとともに突き返された。
さすがの外務省も自分のパスポートの期限を把握せずに申請しようとするアホに事前警告するシステムは思いつかなかったらしい。見たかエリート官僚ども! これがアホだッ! お前たちは「自国民に馬鹿は一人もいない」と信じて馬鹿には見えない服でパレードする裸の王様だァーッ!
……俺のような記憶力の欠片もない人間でも無事に社会生活が送れる、パーソナルAIアシスタントの開発……待ってますGoogleさん……
ていうかね、俺はマイナンバーカードを持ってるんですよ。もう国から番号を振られてるんですよ。
で、パスポートをつくるときに必要なのが、
- 申請書
- 本人確認書類
- 写真
- 戸籍抄本または謄本
ということは、申請書とマイナンバーカードを携えた本人が窓口で「これでヨロシクやってくれ」と言えばパスポートができちゃう、そういう未来に俺たちはコミットしたはずなんですよ。俺そっくりに整形した悪しき者にナンバーを盗まれたらとんでもない被害が出るところまで含めて、危険と利便性を天秤にかけて選んだサイバーパンクSFな未来なんですよ。人を番号で管理するっていうのはそういうことでしょう!?
ところが実際今生きているこの世界はなんだ。
まず戸籍謄本がコンビニで出ない。どうやら本籍と住民票のある自治体が異なる場合は、別に利用登録申請が必要らしい。そして俺は本籍も居住地もその申請に対応していなかった。俺はすべてを諦めて物理肉体を役所へと移動させた。
これはどういうことだ。そもそもなぜ自治体の区別がある? 俺の個人情報は番号を打たれてサイバー空間に格納されたのではなかったのか? ドラクエの冒険の書ですらどの町の教会からでも読み書きできるというのになんだこのザマは。俺はマイナンバー制度でSFの世界に足を踏み入れたと思ったのに実際は中世ファンタジー以下の暗黒時代だった。
次に写真だ。俺が証明写真ボックスに800円を投入して撮った写真は「背景がグラデーションなので使えない」と突き返された。
確かに外務省のサイトには「背景は均一無地」と書いてある。それを見落とした俺が無知蒙昧な情報弱者であることは認めよう。しかし俺はこれを「パスポート用」というモードで撮影しており、にも関わらず背景を「単色」と「グラデ」で選択させられたのだ。この選択肢はつまり、外務省の説明をロクに読まずにノコノコやってくる馬鹿を国外に出さないための罠……文盲をあぶりだすリトマス試験紙……富士フイルムさんが外務省の要請で実装した適性チェックということか……。
俺は深い絶望に包まれた。俺が無知蒙昧だったという事実にではない。せっかく無人で写真が出力できるシステムを作り上げておきながら、このような卑劣な罠を仕込む人間に対してである。
機械化の進展は、撮影・現像の経験がない人間でもひとりで証明写真を出力できるだけの技術を生み出した。そしてAIの進化がもたらす次の社会では、知識や情報の共有が進み、専門知識のない人間でも新たな価値を生み出せるようになる。それなのにこれはなんだ。わざわざ書類を頭に入れておかなければいけないようなシステムを組む国に未来はあるのか?
これでは将来的にAI市役所が開発されても、結局電子化前と同じ手順を踏まされ、したがって俺のような血の巡りの悪いアホには何の利便性も与えられないことは目に見えている。そして真の電子政府化が進む諸外国に蹴り落とされ我が国は世界の最貧国に転落するのだ。一刻も早くこんな国から脱出しなくては……しかし俺のような凡愚にはパスポートを手に入れることすらままならない……。
最終的に、このようなまったく生産性のない作業のすえ揃えた書類は「あんたパスポートの期限10年でつくっとるから期限切れてないぞ」というお達しとともに突き返された。
さすがの外務省も自分のパスポートの期限を把握せずに申請しようとするアホに事前警告するシステムは思いつかなかったらしい。見たかエリート官僚ども! これがアホだッ! お前たちは「自国民に馬鹿は一人もいない」と信じて馬鹿には見えない服でパレードする裸の王様だァーッ!
……俺のような記憶力の欠片もない人間でも無事に社会生活が送れる、パーソナルAIアシスタントの開発……待ってますGoogleさん……