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◆不定期日記ログ◆

■2012-11-11
ロマンホラー!真紅の秘伝説
 ここんとこ楽しくアニメ版「ジョジョの奇妙な冒険」を観ている。

 ジョジョ一部ゲーをプレイしたときにも思ったんだけど、この作品はすっごく説明セリフが多い。この時代の少年漫画は多かれ少なかれそうなのかもしれないけど、ジョジョは印象深い説明セリフが多いので特にそれが際立っている。
 ゲームにおいても、声優さんが

「稲妻十字空烈刃!」
「やった!ジョースターさんに試した時は模擬ゆえか手刀を十字に組んでいなかった……したがってその欠点は頭突きやふくみ針などの攻撃に弱い!だが十字空烈刃はその欠点をおぎなって攻守において完璧だ!」
「これを破った格闘者はひとりとしていない!」

 ……のような台詞を、技の発動から命中までのコンマ数秒であろう時間帯に一息でねじ込まねばならず、とても愉快なことになっていた。今のところアニメでも、これを丁寧に踏襲している。



 実際、こういうのはアニメとしてどうなんだろう?
 第5話「暗黒の騎士達」に至っては、その場にいる全員が説明セリフ合戦を繰り広げているところにナレーションが乱入し、さらにそのナレーションにディオが台詞を被せてくる、みたいな状況になっており、漫画で文字を追っている時には気づかなかった「濃さ」が全開になっていた。
 「ジョジョのアニメ」としてはこういう台詞をカットしてはいけないだろうし、現状にまったく不満はない。
 だが一本の新作アニメとして観たとき、この説明セリフの多さはギャグの域に達しているのではないか?



 そんなことを話しているうち「アニメではなく、ミュージカル化すれば良かったのでは?」という意見が出た。
 ジャンプ漫画のミュージカル化といえばテニミュを真っ先に思い出すが、「あいつこそがテニスの王子様」を聴く限りでは意外と親和性が高いような気がする。
 心理描写がいちいち口をついて出てきて、戦況も逐一実況してしまうとしても、それが歌に乗っていれば全く違和感はない。芝居がかった台詞まわしも相性がよさそうだ。

 つまり、ディオが人間をやめるまえに、突如舞台袖にスポットライトが当たり、「♪おれぁおせっかい焼きのスピードワゴン、ロンドンの貧民街からジョースターさんが心配なんでくっついて来た」みたいに歌いながらスピードワゴンが登場、そのまま曲に乗せて踊りつつ「♪ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッ―――ッ!」と燭台を蹴り飛ばすようなミュージカルになるわけだ。
 あれ、面白そうじゃねこれ。
 サブタイトルはいっそ「ロマンホラー!真紅の秘伝説」のほうでお願いしたいところ。