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◆不定期日記ログ◆

■2011-01-30
ぶっちゃけありえない
 ワイフが観始めたので共に観ていた『ハートキャッチプリキュア!』が最終回を迎えた。
 ひとつのアニメを最後まで観るのは何年ぶりだろう? おそらくモンタナジョーンズ以来だから15~16年ぶりか。
 たいへん面白いアニメであった。

 ヒーロ-的パターンシナリオと、青い子のウザカワっぷりと、なぜかDB改より緻密な格闘描写に惹かれて観続けていたわけだけれど、普段から少年漫画的価値観にどっぷりだった俺にとっては新鮮な世界だった。


 主人公のピンクの子は、初変身時から「最弱のプリキュア」と呼ばれ、第3話で変身した青い子と比較しても圧倒的に戦力で劣っており、第4話で早くも「足手まとい」と自覚するほどであった。

 こういう主人公はすごい潜在能力を持ってるのが常識だ。
 普段守られる立場にいる奴がもっとも大きな力を秘めている。
 たしかセーラームーンも最初のころは格闘がからっきしだった気がする。

 しかしピンクの子は一向に覚醒しなかった。
 そもそもメガネの園芸部がスポーツ万能の青い子に勝てるはずがないのだ。
 さらに3人目の黄色い子はガチ武道家のインファイターだし、4人目のゆりさんは3歳年上のベテランプリキュアだ。こいつらの中で最弱から抜け出すにはそうとうの説得力が必要だろう。

 終盤、ひとりひとりに与えられた「自分の影と戦う」修行においても、ピンクの子は影に「あなたは変われない」とさんざんネガティブ突っ込みを受け、制限時間いっぱいでのクリアであった。
 一方青い子は「基本的に自分大好きだから」という理由で一抜けしていた。

 そんなんだから最後の戦いでも、他の3人が幹部をソロ撃破する中で、ピンクの子は妖精を囮に使ってまでしても幹部に一撃ぶちこむので精一杯だったのだ。
 明らかに最弱として描かれている。
 「わたしはチェンジしたんです!」とは言うものの、最弱は揺るがなかった。

 そこで最終話が「みんなの心をひとつに! 私は最強のプリキュア!!」ときた。
 なんだなんだ、最終話にしてチート能力覚醒か? と思っていたら、何のことはない、「私は」ではなく「私たちは」の間違いであった。
 ピンクの子は結局、単体の戦力としては最弱のまま終わったのだ。
 少年漫画的にはありえない話でありすごいカルチャーショックだ。


 ひょっとしたら「私たちは」を「私は」と言っちゃう図々しさこそが、「自分を変える」と言い続けてきたピンクの子の得たものなのかもしれない。間違いなく青い子から感染したものだと思うけど。